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官邸斜向かい〜霞門の眼 by 石川和男

政治・経済・社会の動向から明日明後日を読むということで。


「建設労働者の転職を支援 政府の緊急雇用対策」について [2009年10月09日(Fri)]

 今朝の朝日新聞ネット記事によると、鳩山内閣が策定する雇用対策の概要が明らかになったとのこと。

〔記事抜粋〕
・(1)介護労働の雇用者数拡充(2)公共事業削減に伴う建設・土木労働者の農林業などへの転職支援(3)生活保護の受給促進などの「貧困層」対策などが柱。
・週明けに「緊急雇用対策本部」を設置、「緊急雇用創造プログラム」として臨時国会開会までに決定。
・財源として、今年度補正予算に計上された「緊急人材育成・就職支援基金」(7千億円)や予備費を活用。同基金は3500億円を対象外として残しており、財源として活用。
・プログラムは、年末や年度末に向けて、雇用情勢が悪化した場合の緊急対応を想定。建設・土木労働者の転職支援策も盛り込む。
・八ツ場ダム建設中止、1兆円超の公共事業費削減を打ち出しているため、地方を中心に建設労働者の失業が急増する可能性があり、農林業などへの転職支援を新設。
・仕事や住まいを失った派遣労働者が続出した昨年末の状況を踏まえ、「貧困層」対策として、職業紹介や生活保護受給、住居確保で利用しやすい制度を整える。
・8月の完全失業率は5.5%で過去最悪水準。
・雇用対策で後手に回れば、政権運営に痛手となりかねない。

 ↓

 マニフェストを愚直に実行している場合ではない事態を作り出そうとしているのであれば、政権運営として誠に強かだ。それで良い。マニフェスト通りにマニフェストを実行できるほど世の中は単純ではない。民主党議員が一番それを痛感していることだろう。

 今の段階では、雇用対策の方向性は、民主党政権だろうと旧自民党政権だろうと、それほど変わらない。財源制約があり、考案者が殆ど変わらないのだから、政策も変わりようがない。今の段階では新規財源を使うことになっていないので、これで施策を考えるとなると、前政権での雇用対策を手厚くするような『福祉制度への参入規制緩和』が軸になると思われる。

 どんな対策を打ち出しても、年末年始の頃には、“後手に回った”、“政権運営に暗雲・・・”みたいな論調となるに決まっている。罷り間違っても、『先手を打った』、『政権運営に光明・・・』とはならない。
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