温室効果ガス削減目標「1990年比25%削減」について
[2009年09月08日(Tue)]
昨夜の読売新聞ネット記事によると、民主党鳩山代表は、日本の2020年までの温室効果ガスの削減目標について「1990年比25%削減を目指す」と述べ、マニフェスト通りに実行する考えを表明したとのこと。
〔記事抜粋〕
・「25%削減」には経済界から「省エネの進んだ日本には過大な負担。経済に悪影響を及ぼす」との反発。今月22日国連気候変動首脳級会合で表明方針。
・麻生首相が6月に表明した「2005年比15%減(90年比8%減)」の中期目標を大幅に引き上げるものだが、鳩山代表「(25%削減は)我々の政権公約であり、政治の意志としてあらゆる政策を総動員して実現を目指す」。
・麻生首相が表明した中期目標は国内削減分が対象。民主党の25%削減は国内削減分だけでなく、日本の技術や資金を使って海外で削減に取り組んだ分や国内森林吸収量も含んでいるが、内訳は示していない。
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“25%削減”について産業界からの反発は既に各紙で報道されている通り。政府が掲げるこの類の「目標」はただの「目標」なので、あまり心配する必要はない。長期エネルギー需給見通しなど、目標が達成された試しはない。これからは更に目標と実績の乖離が大きくなると見込まれる。
「政治の意志として政策を総動員して実現を目指す」のであれば、相当の資金拠出を要する海外削減分の購入の他、省エネならぬ『削エネ』を断行していくもあり得る。省エネは技術によるブレークスルーを基本とするが、削エネは技術的なものではなく政策的な意図による権益配分の見直しにより実施可能となる。
CO2排出源をエネルギーに限ってみると、民生・運輸・産業の3部門で概ね1/3ずつとなっている。エネルギー需要の源は民生なので、ここを最初に絞るような削エネ計画を策定しなければならない。その上で、運輸と産業に自動的に削エネ効果を振り分けることにするのが筋論から言って正当と言えよう。
具体的には、民生部門について、エネルギー需要及びエネルギー発生を伴うサービス需要への総量規制(例えば『計画停電』)を課すことが法技術的には考えられる。どこかの“有識者会議”に策定を委ねれば、程無くして机上の論理は出来上がるだろう。
仮にこれを本当に実施するとなると、その場合の問題は、それを実行するに当たっての痛みと傷みへの覚悟を、民主党が国民に対して説き続けることができるかどうか、である。競争によるものではない、全く異質の痛みと傷みを覚悟しておかなければならない。
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