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三井楽からの便り [2014年07月29日(Tue)]
 長崎県五島市三井楽町では、「西のはて・万葉の里」として町おこしが行われています。「白良ケ浜万葉公園」には、犬養孝先生揮毫の歌碑が建立され(1989年)、万葉植物も植えられています。
 地元の活性化グループ「万葉の風」で活動されている谷川與喜男さんから、先ごろ、お便りをいただきました。私の植物園で採集した種子を、今春お送りしていましたが、その栽培経過を知らせて下さいました。ベニバナは三井楽町でも咲いてよかったです(7/8の台風8号の影響を受けたようですが)。ヒオウギも発芽し36本の苗が育っているとのことです。花が咲くのは早くて来年、おそらくは再来年かと思われます。

 写真はいずれも谷川さんから送っていただいたもので、一枚目はムラサキ・ヒオウギの生育状況やベニバナの開花が見られます。
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 二枚目は万葉公園の全景(上)と万葉歌碑の写真です。
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 これまで万葉故地めぐりを続けていますが、三井楽町はまだ訪れたことがなく、何時か出かける機会があればと思っています。
Posted by katakago at 10:20
雨上がりの蓮池で [2014年07月28日(Mon)]
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 昨日(7/27)は久しぶりに雨が降り、おかげで水遣りが助かりました。今朝の蓮池では、葉に水が溜まっているのを見かけました。次のような万葉歌があります。
【歌】 ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む (O-3837)
歌の解説は、これまでの記事に載せています。
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/85

 先月末から咲きだしたハスの花は、今も次々と花を咲かせています。
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Posted by katakago at 08:01
大仙寺石碑の拓本 その後 [2014年07月27日(Sun)]
 裏山にある五輪塔に刻まれた碑文により、先祖の事績を記した石碑の存在を知り、それが大阪市内の大仙寺に在ることが分かり(3月)、拓本採りを行って来ました(5月)。関連記事は下記のURLに載せています。
    ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/783
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/836

 その拓本の肌裏打ちの作業が終了し、拓本採りから始め一連の工程をやっていただいた大橋さんが届けてくださいました(7/26)。
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 拓本の大きさは、縦約145cm、幅約54cmで、今後表装する予定です。石碑は宝暦八年(1758)に建てられたもので一部碑面の経年劣化が見られますが、現状を写真だけではなく拓本として記録保存しておくのは意味があると思われます。併せて、長大な漢文を釈読しその内容を後世に伝えられればと思っています。
Posted by katakago at 09:30
尺八演奏会(10/5)のお知らせ [2014年07月25日(Fri)]
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 都之雨社の定期尺八演奏会のお知らせです。都之雨社は、朝日カルチャーセンター尺八教室講師の星田一山先生が主宰されている社中で、教室の受講生も演奏会に出演させていただいています(私は今回で4回目となります)。
 日時:10月5日(日) 開演:13時
 場所:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

 このところ、全員で暗譜で演奏する試みがなされており、昨年の「千鳥の曲」(チラシの写真)に続き、今年は、尺八曲「神仙調短章」を演奏することになっています。今回は、二代星田一山十三回忌追善の演奏会でもあり、初代星田一山作曲のこの曲が選ばれたそうです。毎週通っているカルチャーセンターの教室では、個別の課題曲のほかに、全員でこの曲の練習に励んでいます。


Posted by katakago at 09:38
函館へ ー 孫たちと半年ぶりの再会 [2014年07月23日(Wed)]
 農作業にめどをつけ、先週末から北海道に出かけていました。函館に住んでいる孫たちに正月以来半年ぶりに逢うのが目的です(昨年夏も訪れました)。今回も娘の主人が運転する車で、函館市内や大沼国定公園(七飯町大沼町)などに案内してもらいました。

 函館の路面電車(函館市内と湯の川温泉の間を移動するには便利)
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 ベイエリアでは、観光遊覧船ブルームーンで函館港内を約30分かけて一周しました。港内にはかつての青函連絡船(学生時代に北海道に旅した時に乗船した)の摩周丸が係留されていました。
 船上から見た函館山(昨年は山頂から夜景を眺めました)
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 北海道にある唯一の国宝が展示されている場所を訪れました。
 函館市縄文文化交流センター(函館市臼尻町)にて(写真は展示室の説明パネル)
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 国宝 中空土偶(ストロボ不使用で写真撮影はOKでした)
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 説明パネルによると、中が空洞に作られた「中空土偶」で、縄文時代後期後半(約3500年前)の墓から出土(函館市内の著保内野遺跡)。中空土偶としては最大級のもので、造形的にも優れ土偶全体に幾何学的文様が施されており、2007年には国宝に指定された。
 1975年の夏、農作業をしていた地元の主婦によって偶然発見されたそうです。南茅部(みなみかやべ)の中空土偶という意味から、「茅空(かっくう)」の愛称でも呼ばれているようです。

 大沼国定公園では、園内の散策を楽しみました。
 記念写真(あいにく駒ケ岳は雲に隠れていました)
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 大沼湖のスイレン(後方)とコウホネ(手前)
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 スイレンの花
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 コウホネの花
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 函館市内の石川啄木ゆかりの場所を訪れました(明治40年に青森から函館へ)。
 立待岬にて
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 石川啄木一族の墓(写真中央)
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 墓碑の拡大写真
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  墓石碑には次の短歌が刻まれています(啄木自筆の歌稿ノートのペン字)。

 東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる

 
Posted by katakago at 15:36
オニユリの花 [2014年07月22日(Tue)]
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 旅行で暫く留守にしていた間に、裏山ではオニユリが咲いていました(コオニユリと似るが葉腋にムカゴを出す)。

 来月には咲くカノコユリの蕾も膨らんで来ました。
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 ヒオウギやハスも引き続き花を咲かせていますが、数日間の草取りを休んだため、今週はこの間に伸びた草の除草作業にあたらねばなりません。

Posted by katakago at 09:26
セリの花も咲いています [2014年07月17日(Thu)]
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 セリも花を咲かせています。3年ほど前に、ほんの数株を蓮池の脇に植えたものが大分はびこってしまいました。
 セリが詠まれた万葉歌は、次のURLに掲載しています。
【歌】 あかねさす 昼は田賜びて ぬばたまの 夜の暇に 摘める芹これ (葛城王 S-4455)
       ↓ 
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/86


 オミナエシが畑のあちらこちらで咲いています(写真はビオトープ池傍で)。
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 ヒオウギも一斉に花を咲かせています(写真はこの春に株を植え替えたもの)。
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Posted by katakago at 20:15
越前 ー 悲恋の里 味真野を訪ねて(万葉の大和路を歩く会) [2014年07月16日(Wed)]
 先日(7/13)、万葉の大和路を歩く会主催の故地探訪(越前 ー 悲恋の里味真野、鹿蒜)に出かけて来ました。講師は山内英正氏(兵庫歴史教育者協議会会長)。
 『万葉集』巻十五は、前半が遣新羅使人達の渡航記録であり、後半が配流になった夫と都に残された妻の贈答歌群となっています。今回訪れたのはその配流先の越前味真野です。

 以下、当日配布の資料・山内講師による解説と主に『新編日本古典文学全集 萬葉集』より関連部分を載せておきます。
 『万葉集』の目録の記事には、中臣朝臣宅守は蔵部(くらべ)の女嬬(にょじゅ)狭野弟上娘子を娶った時に、勅断によって越前国に配流され、二人は別れがあっけなく再会が困難なことを嘆き、悲しみの心を詠み交わした、とあります(その歌が63首)。
 『続日本紀』の聖武天皇天平十二年条の大赦の記事には、「・・・・中臣宅守・・・は赦の限りに在らず」とあり、翌十三年の「京都(みやこ)新たに遷れるを以て天下(あめのした)に大赦す」とあることより、この時に赦されて都に戻ったとみられています(但し配流された時期は不明)。
 流罪になった原因についても、具体的な記述がないため不明ですが、自業自得と諦めているような歌があります。
【歌】 世の中の 常の理 かくさまに なりに来にけらし すゑし種から (N-3761)
【口語訳】 世間の 常の掟で こんな風に なってきたのだろう 自ら蒔いた種がもとで

 平城京から味真野へのルート(味真野資料館のパネルより)
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 今回訪れた万葉歌碑を掲載しておきます。
@越前の里 味真野苑 
比翼の丘の万葉歌碑(揮毫は犬養孝先生、中臣宅守の歌碑と狭野弟上娘子の歌碑が向かい合って建てられている)
参加者がそれぞれの歌碑に別れて、それぞれの歌を犬養節で朗誦しました。
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 中臣宅守の歌碑
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【歌】 知里比治能 可受尓母安良奴 和礼由恵尓 於毛比和夫良牟 伊母我可奈思佐 (N-3727)
【読み下し文】 塵泥の 数にもあらぬ 我故に 思ひわぶらむ 妹がかなしさ
【口語訳】 塵や泥土のように 数にも入らない わたしのような者のために、あなたが落胆しているであろうと思うと、あなたがいとしくてたまらない。

 狭野弟上娘子の歌碑
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【歌】 君我由久 道乃奈我弖乎 久里多々祢 也伎保呂煩散牟 安米能火毛我母 (N-3724)
【読み下し文】 君が行く 道の長手を 繰り畳ね 焼き滅ぼさむ 天の火もがも
【口語訳】 あなたが流されていく 長い道のりを、手繰り重ねて焼き滅ぼしてしまう、天の火があればよいのに。

 渓流傍の万葉歌碑 中臣宅守の歌碑と読み下し文
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 狭野弟上娘子の歌碑と読み下し文
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A小丸城址の万葉歌碑
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 右から順に、宅守の歌2首と娘子の歌2首が『西本願寺本萬葉集』より採られています。歌(読み下し文)と口語訳を載せておきます。
 宅守の歌2首
【歌】 我妹子に 恋ふるに我は たまきはる 短き命も 惜しけくもなし (N-3744)
【口語訳】 あなたを 恋い慕ってわたしは (たまきはる) 短い命も 惜しくなどない
【歌】 天地の 神なきものに あらばこそ 我が思ふ妹に 逢はず死にせめ (N-3740)
【口語訳】 天地の 神々が在(いま)さぬもので あったとしたら 諦めてわたしの思う人に 逢わずに死のう (天神地祇の加護を信ずればこそ、いつかは逢えようと思ってかろうじて生きているのだ)
 娘子の歌2首
【歌】 命あらば 逢うこともあらむ 我が故に はだな思ひそ 命だに経ば (N-3745)
【口語訳】 命があったら 逢えもしましょう わたしのことで ひどく思い悩まないでください 無事でさえあったら
【歌】 天地の 底ひの裏に 我がごとく 君に恋ふらむ 人はさねあらじ (N-3750)
【口語訳】 天地の 隅のその裏側にだって わたしほど夫君に恋する 人は絶対にいないでしょう 

B城福寺の万葉歌碑
 歌碑の前で山内講師の解説を聴く
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 この歌碑も『西本願寺本萬葉集』より、娘子の歌と宅守の歌が一首づつ採られています。
娘子の歌一首
【歌】 春の日の うら悲しきに 後れ居て 君に恋ひつつ 現しけめやも (N-3752)
【口語訳】 春の日の もの悲しい時に 都に残っていて あなたを恋い慕っていて 正気でいられましょうか
宅もりの歌一首
【歌】 向かひ居て 一日も落ちず 見しかども 厭はぬ妹を 月渡るまで (N-3756)
【口語訳】 向き合って 一日も欠けず 見ていても 飽きなかったあなたを 幾月も見ないで

C万葉歌碑揮毫の道標(灯籠) 
 豪攝寺(ごうしょうじ)門前で(写真中央の石柱に次の歌が刻まれている)
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【歌】 味真野に 宿れる君が 帰り来む 時の迎へを 何時とか待たむ (N-3770)
【口語訳】 味真野に いらっしゃるあなたが 帰って来られる 時がくるのを いつを目当てに待てばよいでしょうか
 因みに、63首の贈答歌群の中で、味真野の地名が詠みこまれているのはこの一首だけです。

 このような万葉歌碑揮毫の道標が、万葉ロマンの道(越前の里 味真野苑・・・小丸城址)に63基建てられています。

 次の歌に詠まれた可敝流(かへる)や五幡(いつはた)は、宅守・娘子の贈答歌群には出て来ませんが、可敝流は当時の旅人にとって都と越路を隔てる難所(越中から見て可敝流は山のこちら側、五幡は山の向こう側)で、越路に旅した者にとっては忘れられない地名であったようです(犬養孝著『万葉の旅 下』より)。 
D鹿蒜神社境内(南越前町今庄帰)
ここでは2台のバスに分乗した参加者が集合して、山内講師の解説を聴きました。
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【歌】 可敝流回の 道行かむ日は 五幡の 坂に袖振れ 我をし思はば (大伴家持 Q-4055)
【口語訳】 あなたが可敝流(かえる)のあたりの道を帰って行かれる日には、五幡(いつはた)の 坂で袖を振ってください。あとにのこる私を思ってくださるならば。(『万葉の旅 下』より) 
 これは、家持が越中国守として赴任していた時に、都からやって来ていた田辺福麻呂(橘諸兄の使者)をもてなした宴の時の歌で、『万葉の旅 下』によれば、「可敝流(かへる)は“帰る”に通じる。北国にとりのこされる家持の寂寥と羨望との交錯した心情がよみとれる」とあります。

Posted by katakago at 11:59
平野ネイチャークラブの皆さんが来園 [2014年07月14日(Mon)]
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 今日の午後、「平野ネイチャークラブ」の方々が植物園の見学に来られました。午前中は中之島で坂本先生の万葉講座があり、終了後すぐに自宅に戻って昼食もそこそこに準備に当たりました。今回お見えになった方々には、先ず自治会館で万葉植物についての説明をした後、裏山と畑の植物を見ていただきました(1枚目の写真は蓮池の前での記念写真)。
 心配された雨も午後には上がり、色とりどりの草花が咲く、最も華やかな時期の植物園を見ていただけたものと思っています。

 キキョウの花が最盛期
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 畑でも咲いたヤマユリ
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 新たに咲いたハマユウ
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Posted by katakago at 18:09
ヤブカンゾウの花 [2014年07月13日(Sun)]
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 ヤブカンゾウが畦道(1枚目の写真)や、ビオトープ池の周囲(2枚目の写真)で咲いています。
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 万葉歌では、わすれぐさ(原文は萱草と表記)として詠まれており、歌の解説はこれまでの記事に載せています。
【歌】 忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため (大伴旅人 B-334)
【歌】 忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜の醜草 言にしありけり (大伴家持 C-727)
        ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82

【歌】 忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり (K-3062)
        ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/385
Posted by katakago at 05:11
ヒマワリとナミアゲハ [2014年07月12日(Sat)]
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 畑の一角では今、ヒマワリが一斉に咲いています。
ナミアゲハが飛んで来ているのを見つけました。
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Posted by katakago at 11:30
ヤマユリも咲き始めました [2014年07月11日(Fri)]
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 裏山には多種類のユリを植えています。5月のヒメサユリ(オトメユリ)、6月のササユリ・ヒメユリ。スカシユリに次いで、ヤマユリが咲き始めました。
 ユリが詠まれた万葉歌はこれまでの記事に紹介しています。
【歌】 筑波嶺の さ百合の花の 夜床にも かなしけ妹そ 昼もかなしけ (S-4369)
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/33

【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (F-1257)
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/55

【歌】 我妹子が 家の垣内の さ百合花 ゆりと言へるは 否と言ふに似る (紀朝臣豊河 G-1503)
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/97

 ユリでは他に、黄カノコユリが咲いています。
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Posted by katakago at 10:13
交野が原の七夕まつりと万葉歌碑めぐり(7/7) [2014年07月09日(Wed)]
 さる7月7日(七夕の日)に、「交野が原の七夕まつりと歌碑めぐり」のイベントがあり参加しました。実施は、万葉でお世話になっている岡本三千代さんが主宰されている「つらつら椿(株)」で、案内役は、こちらも万葉や拓本採りでお世話になった地元(交野市)在住の毛利信二さんで、交野市内(一部枚方市を含む)の関連場所を丁寧な説明で案内していただきました。実はこの日は、カルチャーの講座(坂本先生)の日でしたが、年に一度の行事で、今まで訪れたことの無かった場所でもありこちらを優先することにしました(これまでめったに休んだことが無かったのですが)。

 交野市には星に因んだ地名や伝説が多く残り、生駒山系を水源とする天野川が市内を流れています。平安時代に都の貴族からこの一帯の”交野が原”に七夕文化が持ち込まれたそうです。市内には天野川流域や七夕ゆかりの場所に、七夕を詠んだ万葉歌や平安・鎌倉時代の歌の碑が建立されています(次の写真は私市水辺プラザ付近の天野川、このそばには大阪市立大学付属植物園がある)。
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 以下訪れた中で万葉歌碑関連の写真を載せておきます。
@ 観音山公園(枚方市香里ケ丘)
 歌碑の前で毛利さん(写真中央)の説明を聴く
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 万葉歌碑 
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【歌】 牽牛之 迎嬬船 己芸出良之 天漢原尓 霧之立波 (山上憶良 G-1527)
【読み下し文】 彦星し 妻迎へ舟 漕ぎ出らし 天の川原に 霧の立てるは
【口語訳】 彦星が 妻迎え舟を 漕ぎ出したらしい 天の川原に 霧が立ったのを見ると

A 逢合橋(交野市私部西)
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 万葉歌碑(岡本三千代さん揮毫)写真の橋に向かって左脇に建てられている
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 同歌碑の拓本写真(提供毛利氏)
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【歌】 彦星と 織女と 今夜逢ふ 天の川門に 波立つなゆめ (I-2040)
【口語訳】 彦星と 織女星とが 今夜逢う 天の川の渡り場に 波よ荒く立つな 

B 機物神社(交野市倉治)
 境内に立てられた七夕飾り 
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 万葉歌碑(参道右脇)
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【歌】 棚機之 五百機立而 織布之 秋去衣 孰取見 (I-2034)
【読み下し文】 棚機の 五百機立てて 織る布の 秋さり衣 誰か取り見む
【口語訳】 織機(たなばた)を いっぱい並べて 織る布の 秋の衣は 誰が世話をするのだろうか

C 天野川緑地の万葉歌碑(交野市星田西)
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【歌】 天の川 梶の音聞こゆ 彦星と 織女と 今夜逢ふらしも (柿本人麻呂歌集出 I-2029)
【口語訳】 天の川で 梶の音がしている 彦星と 織女星とが 今夜逢っているらしい

D 星田妙見宮(交野市星田) 
 七夕まつり
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 境内では、湯立て神事(お釜の熱湯を笹の葉で廻りに振りまいて穢れを払う)が行われていました。
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 万葉歌碑
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【歌】 多奈波多之 船乗須良之 麻蘇鏡 吉欲伎月夜尓 雲起和多流 (大伴家持 P-3900)
【読み下し文】 織女し 舟乗りすらし まそ鏡 清き月夜に 雲立ち渡る
【口語訳】 織女(たなばた)が 舟をこぎ出したらしい (まそ鏡) 清い月夜に 雲が立ち渡っている
 中国での七夕伝説は、織女が牽牛を訪う形式であるのに対し、万葉歌ではほとんどすべてがその逆になっており、古代の日本の妻問い婚の影響によるとみられています。この歌は数少ない例外の一つ。

 なお、「万葉の七夕歌」に関しては、昨年夏にシンポジウムがありその記事を下記のURLに掲載しています。
     ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/673


 今回の七夕関連ではありませんが、枚方市内にある犬養孝先生揮毫の歌碑も訪れました。
 枚方のさわらび万葉歌碑の前で(毛利さんに撮ってもらいました)
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【歌】 石激 垂見之上乃 左和良妣乃 毛要出春尓 成来鴨 (志貴皇子 G-1418)
【読み下し文】 石(いは)走る 垂水(たるみ)の上の さわらびの 萌え出(い)づる春に なりにけるかも


今回お世話になった毛利さんは、地元で幅広い活動をされており参考までにそのホームページのアドレスを載せておきます。
URL http://www.eonet.ne.jp/~s-mouri/









Posted by katakago at 11:55
ハマユウの一株が開花 [2014年07月09日(Wed)]
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 ハマユウは畑の数か所に分散して数十株ほど植えていますが、そのうちの一株が咲き始めました。
 
 万葉歌には、次の一首のみ詠まれており解説は下記のURLに載せています。
【歌】 み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直に逢はぬかも (柿本人麻呂 C-496)
            ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/126


Posted by katakago at 08:50
ヒオウギ [2014年07月08日(Tue)]
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 ヒオウギも咲き始めました。種子はたくさん採れ毎年蒔いていますが、花が咲くのは早くて2年目、通常3年目くらいからです。見学に来られた方にも種をお分けしていますが、気長に育てていただくよう話しています。
 次の写真左下の株元に生えているのが今年の春播種したものです。
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Posted by katakago at 08:24
難波宮発掘60周年記念シンポジウム(7/5) [2014年07月06日(Sun)]
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 昨日(7/5)大阪歴史博物館で難波宮発掘60周年記念シンポジムがあり出かけて来ました(2月にも講演会があり聴講)。今回は4人の講師(考古学の専門家3名、建築史の専門家1名)が参加され、先ずそれぞれのテーマで話された後、博物館学芸員(李陽浩氏)の司会により、パネルディスカッションが行われました(1枚目の写真)。
講師とテーマを下記に記しておきます。
「難波宮の歴史的意義」 積山 洋(大阪文化財研究所)
「小墾田宮と飛鳥宮」 相原 嘉之(明日香村教育委員会)
「藤原宮と平城宮」 箱崎 和久(奈良文化財研究所)
「長岡京と平安京」 網 伸也(近畿大学文芸学部)

 講演される積山 洋氏(スライドは前期難波宮の遺構配置図)
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 前期難波宮は乙巳の変後即位した孝徳天皇の宮で、王宮プランはこれまでの宮とは以下の点で大きく異なる。
・内裏における公私の分離→内裏前殿(正殿)の成立(後(藤原宮)の大極殿につながる)
・大規模な朝堂院(中国・朝鮮半島には見られない)の成立(王権のもとに管理された官人制)
・内裏前殿(北側)を基点とする南北軸線構造 

 
 大阪歴史博物館では、「大阪遺産 難波宮」の特別展が開催中で(8/18まで)、シンポジウムの前に見学しました。
 鴟尾の破片(大阪歴史博物館展示)
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 昭和28年(1953)11月、法円坂住宅第13号棟建設工事中に地下約1.2mから発見され、宮殿の存在を確信させる物的証拠となった。これをきっかけに、山根徳太郎博士の主導のもと、昭和29年(1954)2月20日から難波宮跡の第一次発掘調査が開始された。

 前期難波宮内裏西方官衙の倉庫の遺構展示
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 大阪歴史博物館・NHK大阪放送局の地下には内裏西方官衙の倉庫の遺構が展示されており、今回初めて博物館ボランティアの案内により見学することが出来ました。

なお、先(2/23)に行われた関連の記念講演会の記事は次のURLに載せています。
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/777

Posted by katakago at 15:52
ハスの花 続報その1 [2014年07月05日(Sat)]
 ビオトープ池と蓮池には種類の異なる花ハス(購入当初はそれぞれ名前が付いていましたが現在は不明)を植えていますが、次々と咲きだしました。花は7月下旬ごろまで楽しめるものと思われます。今朝撮影したものをいくつか載せておきます。
 ビオトープ池で
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 3日掲載のと同種(花弁が開いています)
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 蓮池で
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Posted by katakago at 08:41
ハスの花も咲き始めました [2014年07月03日(Thu)]
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 梅雨空のもと、今朝、蓮池とビオトープ池でハスが咲き始めました。最初の2枚の写真は蓮池で撮影したもので、多数の花茎が伸びてきています。

 ビオトープ池では、フトイが繁った中にハスの花茎が高く伸びて大輪の花を咲かせています。
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 ビオトープ池の周囲では、ヤブカンゾウ・オミナエシ・キキョウ・ミソハギ等が色とりどりの花を咲かせています。
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Posted by katakago at 09:35
東歌に詠まれた雑草(スベリヒユ・ヒルムシロ) [2014年07月02日(Wed)]
 万葉歌には多くの植物が詠まれていますが、巻十四の東歌にしか詠まれない植物もあります。いはゐつら(原文は伊波為都良と表記)を畑地雑草のスベリヒユ(すべりひゆ科)に、たはみづら(原文は多波美豆良と表記)を水田雑草のヒルムシロ(ひるむしろ科)にあてる説があります。

 スベリヒユ(この時期畑のあちこちに見られます)
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【歌】 入間道の 大屋が原の いはゐつら 引かばぬるぬる 我にな絶えそね (M-3378)
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/91

 ヒルムシロの花(多年生植物で大型バットに植えて栽培管理しています)
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【歌】 安波をろの をろ田に生はる たはみづら 引かばぬるぬる 我を言な絶え(M-3501)
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/646
 


Posted by katakago at 10:24
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