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甥の結婚式 [2014年03月31日(Mon)]
 昨日名古屋で甥の結婚式があり、前日から出かけていました。挙式は熱田神宮で行われ、披露宴は名古屋城傍のホテルで盛大に催されました。神社に対する崇敬心の篤い新郎の父親の意向で、熱田神宮に参拝の後こちらで結婚式が執り行われました。ちなみに父親は昨年の伊勢神宮の式年遷宮の式典の折り、3000名の一人に選ばれ参列したとのことです。
 熱田神宮の由緒によれば、御祭神は熱田大神で、三種の神器の一つである草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を御霊代(みたましろ)とされる天照大神のこと、とあります
 この時期(消費税値上げを控えてか?)、結婚式場も披露宴会場もスケジュールがびっしり詰まっていました。そのためか、甥の結婚式は早朝に始まり、披露宴は夕方からとなりました。

 8時に本宮の外玉垣内で参拝(雨の中傘をさして移動)
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 参拝を終えて式場に向かう新郎新婦
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披露宴開始まで充分時間があったので、名古屋城に出かけほぼ満開の桜の花を楽しみました。
 名古屋城の天守閣
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 お堀端の桜は満開でした
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 披露宴で挨拶する二人
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 多くの方々に祝福を受けていました
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 お琴の演奏もあありました
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 披露宴会場からは名古屋城と桜も楽しめました
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 晴れがましい場所に身を置いて、我々もこの一日幸せな気分に浸ることが出来ました。
 これから天津(中国)で暮らすことになりますが、二人のお幸せと活躍をお祈りします。

Posted by katakago at 10:19
スモモも開花 [2014年03月29日(Sat)]
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 モモ、アンズに続きスモモの花も咲き始めました。スモモは万葉植物として、また果実を収穫できる楽しみもあります。
 スモモが詠まれた万葉歌は、大伴家持が越中で、春苑の桃李の花を眺めて作った歌の次の一首のみです。
【歌】 我が苑の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (R-4140)
【口語訳】 わが園の 李の花が 庭に散っているのだろうか それとも薄雪がまだ 残っているのであろうか
 歌の解説は、下記のURLに載せています。
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/305

Posted by katakago at 06:10
姫嶋神社の万葉歌碑 [2014年03月28日(Fri)]
 『古事記』の応神記や『日本書紀』の垂仁天皇条には、新羅の王子アメノヒボコ 天之日矛(古事記では)またはツヌガアラシト 都怒我阿羅斯等(日本書紀では)が日本に渡来した伝承が伝えられています。『古事記』には、アメノヒボコから逃れた妻が祖先の国に行くといって難波に逃げ渡って来てここに留まり(難波の比売碁曾社に坐して阿加流比売神と謂う)、アメノヒボコは妻の後を追ったが、渡りの神に遮られて難波には上陸できず、多遅摩(但馬)国に移った、と記されています。『摂津国風土記』逸文には、応神天皇の御代に新羅の女神が夫のもとを逃れて筑紫国の伊波比の比売島(大分県の姫島)に暫く居たがが、さらに摂津国に移り住み、もと居た島の名をとってその地を比売島と名づけた、とあります。
 大阪市西淀川区姫島4-14にある姫嶋神社の略記によれば、神社のある地(古代難波八十島の一つであった比売島)が、阿加流比売が留まった地にあたるとの伝えがあるようです(姫嶋神社の御祭神は阿迦留姫命と住吉大神)。

 この神社の境内には、題詞に、和銅四年(711)、河辺宮人が姫島の松原で若い娘の死体を見て、悲しみ嘆いて作った歌とある万葉歌の歌碑があります。今日はカルチャーセンターの講座が始まる前に神社を訪れました。
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【歌】 妹が名は 千代に流れむ 姫島の 小松が末に 苔生すまでに (A-228)
【口語訳】 この娘子(おとめ)の名は 千代にも伝わろう 姫島の 小松の梢に 苔が生えるほどに
 なお、この歌については、坂本信幸先生の論文(「伝説歌の形成ー姫島の松原の娘子の歌ー」『万葉集研究』第19集ほか)があり、高岡市万葉歴史館より取りよせ勉強中です。

高岡市万葉歴史館の図書室には万葉関係の書籍・論文が集められており、ホームページで検索して読みたい論文を実費で複写して送ってもらえます。

 姫嶋神社全景
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Posted by katakago at 19:36
シダレヤナギの芽吹き [2014年03月27日(Thu)]
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 シダレヤナギが芽吹いて黄緑色の花を咲かせています。ここでは巻十の春の相聞歌から次の歌を載せておきます。
【原文】 梅花 四垂柳尓 折雑 花尓供養者 君尓相可毛 (I-1904)
【読み下し文】 梅の花 しだり柳に 折り交へ 花にそなへば 君に 逢はむかも
【口語訳】 梅の花を しだれ柳に 折り交ぜて お花に供えたら 君にお逢いできようか
 この歌は、先日(3/25)の井手先生の講座(NHKカルチャー)で解説していただいたばかりです。仏前の供花を詠った集中唯一の例(生け花の起源を示すような歌)で、文字遣い(”そなへ”の表記に”供養”とあり”折雑”は仏典由来の文字、原文の下線部)などから作者(あるいは表記者)は仏教に素用のある人かとみられています。『新潮日本古典集成 萬葉集』によれば、『延喜式』(図書寮)にも、正月、最勝王経斎会堂の装束として「梅柳、雑(くさぐさ)ノ花」が上げられているようです。 
 なお、これまでに紹介した柳が詠まれた歌は、次のURLに載せています。
        ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/296
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/555

 巻十は季節分類の巻で、植物が詠まれた歌がたくさん出て来ます。井手先生の講座でも私が作成した「猪名川万葉植物園」のパンフレットを折りに触れ使っていただいています。写真はその一部分で、両面で96種の植物の写真と歌を掲載しています。
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Posted by katakago at 19:55
オキナグサが開花 [2014年03月25日(Tue)]
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 オキナグサ(きんぽうげ科の多年草)の花が咲き始めました。苗を植え付けて3年目で、株も大分大きくなりました。日当たりのよい畑に植えているので生育もよいようです(裏山では何回か枯らしてしまいました)。
 万葉歌(次の東歌)で、ねつこぐさ(原文は根都古具佐と表記)と詠まれている植物をオキナグサにあてる説があります。歌の解説は下記のURLに載せています。
【歌】 芝付きの 御宇良崎なる ねつこ草 相見ずあらば 我恋ひめやも (M-3508)
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/299



Posted by katakago at 09:35
アンズの花も満開 [2014年03月24日(Mon)]
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 このところ日中はずいぶん暖かくなり、果樹園ではサクランボに続きアンズの花が一気に咲きました。スモモの蕾もだいぶ膨らんでいます。

 果樹園の片隅でツクシ(スギナの胞子穂)を見つけました。
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Posted by katakago at 15:35
桃の花 [2014年03月23日(Sun)]
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 桃の花が満開です。一枚目は畑に植えたもので、二枚目は裏山に植えているものです。モモは万葉歌には7首詠まれており、大伴家持の春苑の桃李の花を眺めて詠んだ歌はすでに掲載しています。ここでは、同じく家持の別の歌を載せておきます(長歌なので、その初めの部分のみ)。
【歌】 桃の花 紅色に にほひたる 面輪のうちに 青柳の 細き眉根を 笑み曲がり 朝影見つつ 娘子らが 手に取り持てる まそ鏡 二上山に 木の暗の 繁き谷辺を ・・・・(R-4192)
【口語訳】 桃の花の 紅色に 輝いている 面(おもて)のうちに 青柳のような 細い眉を 下げてほほえみ 朝の姿を写して見ながら 乙女らが 手に取り持っている 鏡の 蓋 ー 二上山(ふたがみやま)に 木の下闇の 茂った谷辺を ・・・・
 「まそ鏡」まで11句は、鏡箱の蓋の意によって二上山(ふたがみやま)のフタの音を起こす長い序となっています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』より)。なおこの二上山は越中(富山県高岡市北方)にある山です(家持の越中赴任中の歌)。

 家持の春苑の桃李の花を眺めて詠んだ次の歌の解説は下記のURLに載せています。
【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (R-4139)
       ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/286


Posted by katakago at 15:03
ヤブツバキ 続 [2014年03月22日(Sat)]
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 ヤブツバキの花は一月以上楽しめます(1枚目の写真では白梅と紅梅の後方に、2枚目はその拡大写真)。
 万葉歌には9首詠まれており、うち1首は次の防人歌です(目録によれば、武蔵国の部領防人使(さきもりがことりづかひ)がたてまつった12首のうちの1首)。
【歌】 我が門の 片山椿 まこと汝 我が手触れなな 地に落ちもかも (物部広足 S-4418)
【口語訳】 おれの家の門(かど)の 片山椿よ ほんとにおまえは おれの手がふれない間に 地に落ちないだろうか
 「片山椿」の片山は山の傾斜地、椿は愛する女のたとえで、自分の留守中(防人として国を離れている間)に女が他人のものになるのではないか、と不安に思う気持ちが詠まれています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』より)。


 これまでに掲載した椿が詠まれた万葉歌は下記のURLをご覧ください。
       ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/275
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/542
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/781



Posted by katakago at 07:05
伊勢神宮に特別参拝(3/18) [2014年03月21日(Fri)]
 式年遷宮後の伊勢神宮参拝は、昨年(11/9、12/7)に続き3回目です。今回は日本書紀の講座(NHKカルチャー)受講者有志で、講師の今井先生とご一緒に出かけました。崇敬会会員のほか神楽殿で資金献納(ひとり千円以上の寄付)手続きを済ませて参宮章を受け取れば、内宮・外宮で特別参拝出来ます。豊受大神宮(外宮)では、特別参拝者は旧正宮内に参入して社殿をまじかに見ることが出来ます(今月末まで、内宮は不可)。今回の伊勢行きの第一の目的は、普段は立ち入ることが出来ない場所で正殿をはじめとする社殿をじっくり見学することです。
 下図の左半分は神宮司庁の外宮のチラシ(部分)より、右半分は『別冊太陽 伊勢神宮』の外宮図面より合わせて作成したもので、特別参拝位置は外玉垣内の中重鳥居手前(右下の橙色部分)です。お祓いの後、神職の案内により外玉垣南御門内に参入してこの位置で参拝しました。その後、新正宮右側にある旧正宮(図面の古殿地)で正殿を中心とする社殿を見学しました。20年経つとかなり傷みが見られる所(萱ぶき屋根など)もありましたが、実物を目の当たりにすることが出来、この時期(次は20年後)ならではの貴重な体験でした(せんぐう館には正殿東側面部の原寸大模型が再現されていますが)。
 これらの建物は4月から解体され、その建材は東日本大震災で被害に遭った神社の復興に利用されるとのことです。
 豊受大神宮(外宮)の正宮図面(特別参拝の位置も図示)
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 皇大神宮(内宮)でも特別参拝し、その後、荒祭宮(祭神は天照大御神荒御魂、荒御魂とは活動的な神霊)も参拝しました。内宮の別宮が十宮ある中で、この荒祭宮は第一別宮として重きを置かれている。ここでは真新しい社殿をまじかに見ることが出来、写真撮影も可能でした。
 皇大神宮(内宮)正宮の階段下で記念撮影
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 荒祭宮(内宮第一の別宮)
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 せんぐう館(伊勢神宮と式年遷宮について分かりやすく展示されている)は昨年も訪れていますが、今回は見学時間を十分とり職員による解説も聴くことが出来ました。また、前2回の訪問では来れなかった神宮徴古館(伊勢神宮の歴史と文化を伝える総合博物館)にも立ち寄りました(こちらは時間の関係で駆け足の見学となりましたが)。 

 これまでの伊勢神宮関連記事は滝のURLに載せています。
     ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/732
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/749
 

 
Posted by katakago at 10:23
カタクリが開花 [2014年03月20日(Thu)]
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 3/12に掲載したカタクリが開花しました。
 万葉歌には、カタクリは次の一首にのみ”かたかご”(原文は堅香子と表記)として詠まれています。
【歌】 もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花 (大伴家持 R-4143)
【口語訳】 (もののふの) 群れなす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ
 カタクリと万葉歌の解説はこれまでの記事(次のURL)に載せています。
       ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/288
 


Posted by katakago at 10:15
サクランボ(暖地桜桃)の花が満開 [2014年03月19日(Wed)]
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ここ数日早朝から出かける行事が続いたため、畑に行かなかったのですが、今日、果樹園のサクランボ(暖地桜桃)の花が一斉に開花しているのに気付きました。
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 アンズの蕾も膨らみ、スモモの花がこれに続きます(3月下旬)。
Posted by katakago at 17:34
葛城古道を歩く(万葉の大和路を歩く会) [2014年03月17日(Mon)]
 昨日は、「万葉の大和路を歩く会」の平成25年度最後の行事(第430回)があり参加しました。講師は影山尚之先生(武庫川女子大学教授)で、葛城古道を歩きました。今回のコースは次の通りです。
 近鉄大和高田駅(9:30集合) →(バスで移動)→ 風の森 → 風の森神社 → 高鴨神社 → 朝妻 → 高天彦神社 → 橋本院庭園 → 極楽寺 → 名柄神社 → 一言主神社 →(バスで移動)→ 近鉄大和高田駅(16:30頃) 徒歩約8.5km

 葛城古道はこれまで同好者数人で訪れたことがありますが、今回は講師の先生の説明も聴ける(資料も配布される)ので再び出かけました。天候には恵まれましたが、コースの途中にはスギ林がありこの時期花粉飛散の最盛期でもあり(予想されたことではありますが)、花粉症の私にとっては快適なウォーキングとはなりませんでした(翌日は目の痒みに悩まされました)。

 以下、いくつかの訪問個所を載せておきます(高鴨神社、一言主神社についてはこれまでの記事に掲載)。

 朝妻(高鴨神社から高天彦神社に向かう途中の眺望の良い場所)で影山先生の説明
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 この写真は、「歩く会」役員の荒川さんから昨夜送っていただいたもので、折角ですので使用させてもらいました。
 地名の朝妻が詠まれた歌は柿本人麻呂歌集に次の二首がみられます。これらの歌は、井手 至先生の万葉講座(NHKカルチャー)でも解説していただいていました。もう一度見直し、いくつかの注釈書も参考にして、当日の説明をふり返ってみました。
【歌】 今朝行きて 明日は来なむと 言ひし子を 朝妻山に 霞たなびく (I‐1817)
【口語訳】 今朝は帰って 今晩はまたやって来ますよ とわたしが言ったあの子 今朝のあの子(朝妻)ではないが その朝妻山に霞がたなびいている
【歌】 児らが名に かけの宜しき 朝妻の 片山崖に 霞たなびく (I‐1818)
【口語訳】 (一晩一緒に過ごした娘(こ)だから)妻の名前として呼び掛けるのにふさわしい名の その朝妻の 山の斜面に 霞がたなびいている
 一首目では三句までが、二首目は上二句が地名の朝妻(山)を起こす序と解されています(当時は通い婚でこの朝妻は早朝帰り行く男を見送る妻の意)。
 当日の資料によれば、『日本書紀』天武天皇九年九月九日状に、「九月の癸酉の朔にして辛巳に、朝嬬に幸す。因りて大山位より以下の馬を長柄社に看(みそこなは)す。乃ち馬的(うまゆみ)射させたまふ」の記事が見られます。

 高天彦神社に向かう山道(スギ林の坂道、今回のコースでは一番きつい登り、途中で一回休憩)
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 高天彦神社(写真左奥に”ひもろぎ”が見られる、次にその拡大写真を掲載)
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 『古事記』冒頭には、「天地の初めて発れし時に、高天原に成りにし神の名は、天之御中主神。次に、高御産巣日神(たかみむすひのかみ)。次に、神産巣日神。此の三柱の神は、並に独神と成り坐して、身を隠しき。」とあり、この二番目の高御産巣日神が高天彦神社の主祭神。背後の白雲峰(694m)を神体とするという。「高天」は「高間」で、金剛山東斜面の高所の平坦地を指したものとみられ、万葉歌にも「葛城の高間の草野・・・」と詠まれ(下記の歌碑の写真)、高天彦はこの地名に由来する名と考える説もあるようです(当日の解説と資料より)。

 神籬(ひもろぎ、神が依り憑くところ)
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 橋本院庭園での説明の様子(庭には多数のミツマタが植えられていた))
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 万葉歌碑(橋本院駐車場入り口にある)
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【歌】葛城の 高間の草野 はや知りて 標刺さましを 今そ悔しき (F‐1337)
【口語訳】 葛城の 高間の萱野を もっと早く知って 標(しめ)をすればよかった 残念なことをした(比喩歌で、愛していた女が他人のものとなったことを惜しんだ歌)。


なお、葛城古道関連記事は次のURLに載せています。
    ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/321

Posted by katakago at 20:36
春日大社の御田植神事 [2014年03月15日(Sat)]
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 これまで奈良の寺社の伝統行事を見学して来ていますが、今日は春日大社の御田植神事が行われました。私も少しばかり農業をやっており興味があったので出かけて来ました。本社の林檎の庭・榎本神社階下・若宮神社の3ケ所で、八乙女が松苗を植える所作を行う田舞が奉納されました。
 春日大社のホームページから概要を載せておきます。御田植祭は、平安末期の長寛元年(1163)に始まる五穀豊穣を祈る祭典です。田主が鋤を使って耕す所作を行い、次いで牛面を着けた牛男が唐鋤や馬鍬を引いた後、神楽男の歌と楽器(笏拍子・銅拍子・神楽笛)に合わせて、八乙女が早苗に見立てた松苗を用いて田舞を奉納します。

最初の2枚と次の4枚の写真は、本社の林檎の庭での神事
 田主の鋤を使って耕す所作
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 牛男による馬鍬引き 
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 八乙女による田舞
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 松苗を植える所作
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 次の2枚の写真は榎本神社階下での神事の様子
 
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 若宮神社での神事に向かう行列
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Posted by katakago at 21:40
先祖の来歴を記す石碑を探し当てました(大仙寺境内で) [2014年03月13日(Thu)]
 猪名川万葉植物園としている裏山の一角に、木田氏中興塔が建てられています(一枚目の写真)。この五輪塔の側面には建塔の趣旨が刻まれており、それによると寛政二年(1790)庚戌十二月に木田新左衛門重規によって建てられたことが分かります。2006年に『手づくり万葉植物園の四季』を自費出版するに際して、この側面に刻まれた碑文の拓本(2枚目の写真)をとり、坂東俊彦氏(東大寺図書館)により解読してもらいました(3枚目の写真)。
 その現代語訳は、「木田氏の始祖は源満仲である。(満仲に始まる)源氏は多田郷に二百年余り住んでいた。(二百年余りを経た)秋圓居士の代になって浪華に移り住み、今ちょうど二百年になろうとしている。(秋圓居士は)木田氏の中興である。木田院と称して、その来歴を石に刻んだ。それは浪華城の南の大仙禅寺にある。子孫の木田新左衛門重規が中興の陣跡とされる田に塔を建て、大いに冥福を祈って追善した。」となります(注目個所に下線を施した)。
 
 その時以来、木田氏の中興とされる秋園居士の来歴が刻まれた石碑を、是非とも探し当てたいと思っていました。浪華城とは大阪城で、大仙禅寺は大仙の名から堺方面のお寺かと思い、これまでネットで調べたりしていましたが見当たりませんでした。ところが最近、大阪市内にそれも大阪城の南に大仙寺という禅宗のお寺が在ることが分かり、訪ねてみました(3/10)。 

 木田氏中興塔
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 碑文の拓本(額装にしました)
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 拓本写真と解読文
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 大仙寺(大阪市中央区谷町9丁目5-6)は臨済宗妙心寺派の禅寺で、このお寺には江戸時代の豪商淀屋一族の墓が在ることで知られています(淀屋研究会代表の毛利信二さんのホームページ)。それらの墓は、傍に説明板が設置されていたのですぐ分かりました(左奥)。その近くにひときわ大きな石碑が目に入り、近づいて碑面を眺めると、見覚えのある文字を見つけることが出来ました。「木田院」や「秋圓居士」を目にした時には久しぶりに興奮してしまいました。

 大仙寺で見つけた秋園居士に関する石碑
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 畳一畳ほどの石碑の碑面(写真のコピーに注目個所をマーカーで記した)
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 漢字の長文で、いずれ読み下し出来ればと思いますが、碑文からは、「出自満仲」、「源公」、「多田郷二百餘歳」、「木田院」、「秋圓居士」など、裏山に建てられた五輪塔に刻まれた碑文と共通の文字が読み取れます(写真ではマーカー)。
 こちらの住職によると、この石碑の施主の子孫が岡山に居られるとのことで、機会があればお逢いして話が出来ればと思っています。

 なお、五輪塔の関連記事は、多田神社の萬燈会の記事(下記のURL)でも触れています。
    ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/441
        

Posted by katakago at 07:04
3月半ばの植物園の様子 [2014年03月12日(Wed)]
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 植物園の入り口付近では、白梅・ミツマタ・ヤブツバキが見頃です。

 畑に植えている花桃が咲き始めました(裏山に植えている株はこれからです)。
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 ネコヤナギ(万葉歌では”かはやなぎ”)の尾状花穂
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 カタクリの蕾を見つけました
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 裏山には数か所に分散してカタクリの球根を植えています。今回見つけた場所は、毎年一番早く咲く場所で、これから4月上旬にかけて順次咲くものと思われます。
Posted by katakago at 17:38
「春琴抄」― 菊原琴治(筝曲)と谷崎潤一郎(小説) [2014年03月08日(Sat)]
 芦屋の朝日カルチャー尺八教室で、「春琴抄」を練習しています。作曲(筝・三絃)は菊原琴治(1878−1944)で作詩は佐藤春夫です。写真は尺八楽譜「春琴抄」の1ページ目と小説『春琴抄』のカバーです。
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佐藤春夫作詩の歌の部分は次の通りです。
 丘に来て 朗らかになくや うぐひす
 在りし日の 谷間の雪に まじゑたる
 凍る 涙は 知る人ぞ知る

『春琴抄』は谷崎潤一郎(1886−1965)が昭和八年(1933)に、大阪の道修町を舞台に、薬種問屋の娘で盲目の音曲師春琴と、彼女に献身的に尽くす弟子の佐助との関係を描いた作品です。今回文庫本を手に入れて読むとともに、谷崎潤一郎記念館(芦屋市)や舞台になった道修町も訪ねてみました。

 菊原琴治(盲人の地歌箏曲家)と谷崎潤一郎との関係については、三島佑一氏(四天王寺国際仏教大学教授)によると、娘の菊原初子に手を引かれて岡本梅ケ谷の谷崎邸に三味線の出稽古に通ったとのことです(その父娘のことが作品に生かされているという)。芦屋の記念館には愛用の京三味線が展示されていました。
 「春琴抄」の作曲は小説が発表されて二年後の昭和十年秋です(筝曲楽譜より。三絃楽譜では昭和九年十二月になっています)。佐藤春夫作詩の歌には、”うぐひす”が詠まれていますが、小説の中では主人公春琴が鶯を飼いその鳴き声を楽しむ場面があります。
 余談ですが、昭和五年(1930)に谷崎は奥さんの千代と離婚し、佐藤春夫はその千代と結婚しています(妻譲渡事件として当時の新聞記事になっている)。 
 
 大阪市中央区道修町にある少彦名神社(御祭神は少彦名命、日本の薬祖神)の社務所ビル3階には「くすりの道修町資料館」があり、くすりの町、道修町の歴史がわかる展示がされています。テーマ展示の一角に、道修町を舞台にした谷崎潤一郎の小説『春琴抄』のコーナーがあり、その複製原稿や岡本の自宅で三味線を弾く(昭和3〜4年ころ)写真も展示されていました。
 このビルわきの少彦名神社参道入り口に、「春琴抄の碑」がありました(次の写真)
 春琴抄の碑(道修町資料保存会が平成十二年十月に建立)
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 揮毫は菊原初子(地歌箏曲の人間国宝、当時百一歳)で、碑面左には『春琴抄』の原稿(複製)の一枚目が載せられています(三島佑一氏の解説文がある)。
Posted by katakago at 12:14
ヤブツバキの花が見ごろ [2014年03月06日(Thu)]
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 ヤブツバキの写真は今年になってから三度目で、ちょうど見ごろになりました。ツバキが詠まれた万葉歌は、これまでの記事にいくつか紹介していますが、ここでは次の歌を載せておきます。
【歌】 巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を (坂門人足 @-54)
【口語訳】 巨勢山の つらつら椿を つらつらと 見ながら偲ぼうよ 巨勢野の春景を
 題詞には、「大宝元年辛丑の秋九月、太上天皇、紀伊国に幸せる時の歌」とあり、ここで太上天皇とは、四年前に皇孫の文武天皇に譲位した持統天皇です。この行幸については、『続日本紀』に、九月十八日(太陽暦十月二十七日)天皇紀伊国に幸し、十月十九日に還幸す、との記事があります。『新編日本古典文学全集 萬葉集』によれば、「偲はな」は或る物を媒介にして眼前にないものを慕わしく思い浮かべる意で、この行幸時はツバキの花の無い晩秋であるが花咲く春のさまを思い遣ろう、という気持ちが詠まれていると解説されています。
 ところで、この歌の後に或る本の歌として、春の椿の花を詠う次の歌が載っています。
【歌】 河上の つらつら椿 つらつらに 見れども飽かず 巨勢の春野は (春日蔵首老 @-56)
【口語訳】 川べりの つらつら椿 つらつらと 見て見飽きない 巨勢野の春景は
 「つらつら椿」は、茂った葉の間に点々と連なって花をつけている椿とする説(『新編日本古典文学全集 萬葉集』ほか)とは別に、原文が「列列椿」とあることより、椿の並木とみる説(『萬葉集全歌講義』)あるいは、椿油を採るために当時巨勢の辺りで栽培されていた一群の椿とみる説(光田和伸氏)があります。

 なお、@-54番歌は、その歌碑(犬養先生揮毫)が巨勢寺跡近くの阿吽寺境内に建てられています(昨年訪れました)。
       ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/583
 
 これまでに掲載したツバキの詠まれた万葉歌の解説は次のURLです。
      ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/275
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/542

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 昨年、妻の植物画展(川西朝日カルチャーの教室展)に来ていただいた岡本さんから、カレンダー用にツバキの花を描いて欲しいとのことで妻が練習中です。次の写真はその一枚です。
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Posted by katakago at 14:57
大阪大学会館でピアノ演奏会 ー 三輪 郁さんを迎えて [2014年03月02日(Sun)]
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 昨日(3/1)、大阪大学会館(豊中キャンパス)で三輪 郁さんのピアノ演奏会があり出かけて来ました(事前申込制で300名満席)。今回の催しは大阪大学21世紀懐徳堂の主催で、「ベーゼンドルファー1920 演奏とお話Vol.3 大阪大学の2台のピアノ 三輪 郁さんを迎えて」と題して開催されました。21世紀懐徳堂は、市民と大学をつなぐ社学連携や社会貢献活動の窓口で、大学の研究と教育の成果や文化的資源を社会に還元する役割を担っています。
 演奏会が行われた建物は、もともと昭和三年(1928)に建てられた旧制浪速高等学校の本館であったもので、学制改革で阪大に移管され旧教養部の建物(イ号館)として使用されていましたが、平成23年に大阪大学会館としてリニューアルオープンされたものです。この時導入されたのが、今回演奏に用いられた1920年製のピアノ「ベーゼンドルファー」です。

 主催責任者の伊藤信宏氏(大学院文学研究科教授・21世紀懐徳堂兼任教員)によると、今回の企画にはいくつかの狙いがあったとのことです。
@ベーゼンドルファーに加えてスタインウェイ製(普段は吹田キャンパスに置かれている)の2台のピアノの個性を聴きわける(約100年前のピアノと現代のピアノを比較)。
A現在、もっともウィーンの薫りを伝え得るピアニストといわれている三輪 郁さんによるベーゼンドルファーの演奏を楽しむ。
B公開レッスン
 演奏曲目は、シューベルト:『楽興の時』より大1,2,3番
       ラヴェル:マ・メール・ロワ(連弾版)
       モーツアルト:キラキラ星変奏曲K.265/300e
       シュトラウス:『バラの騎士』によるワルツ(O.Singer編曲)
 連弾は、公開レッスンに参加した二人の女子学生と一緒に、2台のピアノの比較は、キラキラ星変奏曲の演奏をとおしておこなわれました。
 また、三輪 郁さんによる公開レッスンでの曲目は、モーツアルト:ピアノ・ゾナタ イ長調K.331(300i)第一楽章で、二人の阪大生と医学部OBの現役病院長を相手に、演奏家が実地に指導される様子は、通常の演奏会では見られない大変興味深いものでした。
 普段は尺八の練習で邦楽の世界にありますが、今回は西洋音楽の世界を楽しむことが出来ました。


 北海道の孫娘(ピアノを習っています)のために購入したCDにサインをしてもらいました。
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 各大学では、市民向けの講座や行事が企画されており、これまでも内容を取捨選択しながら、オープンカレッジ(武庫川女子大学)、生涯学習センター(梅花学園)、公開講座(大阪府立大学・大阪市立大学・立命館大学など)などを利用しています。明日は、大阪市立大学の専門家講座(文化・歴史コース)を受講する予定です。
Posted by katakago at 15:46
白梅が咲き始めました [2014年03月01日(Sat)]
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 3月になり裏山の白梅もようやく咲き始めました。ウメは万葉歌ではハギに次いで多く詠まれており、これまでの記事に万葉歌の解説を載せています。
          ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/274
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/284

 ミツマタ(ブータン大輪ミツマタ)の花も新葉に先立って、枝先に束状に集まって黄色い花を咲かせています(特有の芳香があります)。普通種のミツマタは少し遅れて(今月下旬ごろ)花を咲かせます。
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 万葉歌で、さきくさ(原文は三枝と表記)と詠まれている植物をミツマタとする説があり、次のURL に解説記事を載せています(写真は普通種のミツマタ)。
          ↓
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/285

Posted by katakago at 20:36
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