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サークルのお仲間で [2011年06月30日(Thu)]

 今日の午前中に、日生中央から9名の方が来られました。『万葉集』を学んでおられる方や、その他のサークルの方、以前に来ていただいた方などいろいろですが、例によって、自治会館でまずスライドでの説明を聞いてもらいました。他の植物園にはない話が出来るようにと心がけています。裏山の植物園では、ササユリも終わり、これから咲くユリ(ヤマユリ、オニユリ、カノコユリなど)はまだ蕾でしたが、ネムノキの花が咲き、植物ウイルスに感染したヒヨドリバナも見ていただきました。畑の分園では、ムラサキ、ベニバナ、ツユクサ、ヤブカンゾウ、キキョウ、オミナエシ、カワラナデシコの花が見ごろでした。ムラサキの花(小さな白い花)を初めて見られた方も何人かおられました。また、ビオトープ池では、今年初めて開花したハスが見てもらえてよかったです(ただし、12時前では、花弁が閉じられていたのが残念)。この時期植物園に来ていただくのは、朝の早い時間帯が良いようです。
Posted by katakago at 13:21
ハスの花が咲き始めました [2011年06月30日(Thu)]


 今朝5時過ぎにはまだ蕾(1枚目の写真)であったのが、8時には2枚目の写真ように開花していました。こちらで植えている株の中では、白い花は数少ないものですが開花時期は早く、昨年も6月に開花しました。来月にかけて、他の株も順次開花が期待されます。
Posted by katakago at 13:03
ヤブカンゾウ [2011年06月30日(Thu)]

 ヤブカンゾウの花が咲き始めました。万葉歌では、わすれぐさ(原文表記は萱草)として詠まれています。中国の『文選』巻第53「養生論」に、「萱草ハ憂ヲ忘レシム」とあり、この漢籍に基づいて、当時、カンゾウ(わすれぐさ)を身に付けると憂苦を忘れるという俗信があったようです。
【歌】 忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため (大伴旅人 B-334)
【口語訳】 忘れ草を わたしの下紐に付ける 香具山の 古い京を 忘れるために
 この歌は、旅人が大宰帥(府の長官)として赴任していた時(すでに60を過ぎていた)の歌です。この歌の前には、大宰府の役人の歌が載せられています。まず、都から戻って来た大宰少弐小野老は、
【歌】 あをによし 奈良の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり (B-328)
【口語訳】 (あをによし) 奈良の都は 咲く花が 爛漫たるように 今真っ盛りでした
と歌い、防人佑大伴四綱は、
【歌】 藤波の 花は盛りに なりにけり 奈良の都を 思ほすや君 (B-330)
【口語訳】 藤の花は 今満開に なりました 奈良の都を 恋しく思われますか帥
と旅人に歌いかけます。それらに答えて旅人の歌が続くわけですが、まず、
【歌】 我が盛り またをちめやも ほとほとに 奈良の都を 見ずかなりなむ (B-331)
【口語訳】 私の元気だった頃が また戻って来ることがあろうか ひょっとして 奈良の都を 見ずに終わるのではなかろうか
と歌い、続いて最初に掲載した「わすれぐさ」の歌が詠まれています。あの懐かしい香具山が忘れられなくて、苦しくて仕方がないから、忘れ草を下紐に付けると歌っています。都を遠く離れた九州の地にあり(ここで妻を亡くしている)、望郷の念止み難く詠まれたものとみられています。なお、旅人はその後大納言に昇進して都に帰りますが、その翌年には亡くなっています。
 忘れ草については、旅人の子家持の次のような歌があります。
【歌】 忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜の醜草 言にしありけり (C-727)
【口語訳】 忘れ草を 下着の紐に 着けてはみたが 阿呆のあほくさ 名ばかりでした
これは、後に家持の正妻となる坂上大嬢に贈った歌で、「忘れ草は名ばかりで、恋の苦しさを忘れさせてくれず効果がなかった」と詠んでいます。
 
 ビオトープ池周囲に植えたヤブカンゾウです(後方には今朝開花した白いハスの花が写っています)。

Posted by katakago at 06:49
ベニバナ [2011年06月29日(Wed)]

 ベニバナの花が咲きました。山形県の「紅花資料館」からいただいた種で育てたものです。園芸品種に比べ鋭い棘があります。万葉歌では、くれなゐ(原文表記は紅・呉藍など)として詠まれています。紅花の名は、中国南部の呉の地方から入って来た植物という意味の「呉の藍」に由来するようです。
【歌】 紅の 花にしあらば 衣手に 染め付け持ちて 行くべく思ほゆ (J-2827)
【口語訳】 あなたが紅の 花であったら 衣の袖に 染め付け持って 行きたいほどです 
 新編日本古典文学全集『万葉集』によれば、「地方官などになって任地にある間、部内の女子と親しんでいた男が、別れに際して詠んだ歌か」とあります。「衣手に・・・・」のような、別れがたい人を身に着けて行きたいという表現は、次の防人歌、
【歌】 父母も 花にもがもや 草枕 旅は行くとも 捧ごて行かむ (S-4325)
のように、遠方に旅立つ歌にみられます。

 ベニバナの色素は、水溶性の黄色(サフラワーイエロー)と、アルカリ性で溶解する赤色(カルタミン)の二種類あります。花を摘んで丸めた紅花餅を水に漬けると最初に水溶性の黄色色素が溶出され、次いで炭酸カリウムを加えると赤色色素が溶出されます。これが赤い紅染めに用いられます。濃く染めるには、この液を何度も取り替えて漬けるところから、万葉歌にも、「紅の八入(やしほ)の衣」(何度も何度も漬けこむ)や、「紅の深染めの衣」など、染色工程を踏まえて詠まれたとみられる表現があります。下記の写真は、染色見本です。

黄色(サフラワーイエロー)

赤色(カルタミン)

 
 これまでベニバナは、藤ノ木古墳(6世紀後半)からのものが報告されていましたが、2007年に、纒向遺跡(3世紀初め〜中ごろ)付近の溝跡からベニバナの花粉が発見されました。邪馬台国がどこかは別として、時代的には卑弥呼が活躍した時期に相当するとみられ、古くからベニバナとそれを用いた染色技術が伝わっていた可能性が考えられています。「魏志倭人伝」に、卑弥呼が正始4年(243)に魏帝に赤い絹を贈ったという記述があり、それがベニバナで染めた可能性があるとの指摘があります(金原正明氏、奈良教育大)。

 ベニバナのその後の写真(7/2)を追加しておきます。
Posted by katakago at 14:35
尺八仲間の送別会(6/28) [2011年06月29日(Wed)]

 三年前から朝日カルチャー芦屋教室で、星田一山先生の「都山流尺八」レッスンを受けています。昨日(6/28)は、長らく教室に通われていた先輩(80過ぎの最長老)がこの日を区切りにやめられることになりました。教室では、全員で都山流本曲「八千代」を合奏し、先生からはプレゼントとして、本曲「峰の月」の演奏が行われました。
 レッスンを終えてから、芦屋駅ビルのレストランで食事会が設定され、先生も含め8名が参加しました。70過ぎてから尺八に取り組まれた経緯、日ごろの練習ぶりなど入門者にも参考になる話を聞かせていただきました。



 この11月には、星田先生一門(都之雨社)90周年の演奏会が予定されており、芦屋教室のメンバーは、「八千代獅子」を暗譜で演奏すべく特訓中です。
Posted by katakago at 11:22
ヒマワリも植えています [2011年06月28日(Tue)]


 畑の一部にヒマワリを植えています。最初の二枚は、昨年のこぼれ種が発芽したもので、もう蕾をつけています。元々エダマメとツルナシインゲンを栽培するために畝を立てて準備していたのですが、昨年ヒマワリを植えていた場所であったため、このような状況になりました。エダマメはヒマワリに隠れてしまっています(莢は付けていますが収穫の程は?)
 これとは別に、今年は二か所でヒマワリの種を播きました。蓮池を造った畑の半分と、昨年まで植木の苗木栽培用に貸し出していた畑です。播く時期をずらせてあるので、花を長く楽しめるかなと思っています。


Posted by katakago at 09:24
ハスの生育状況 [2011年06月27日(Mon)]

 ハスの蕾が膨らみうっすらと色付いてきました。ここに掲載した3株は、いずれも昨年ビオトープ池に植えたものですが、この他にも、今年造成の蓮池で花茎が上がってきているのが4株見うけられました。





 ついでにビオトープ池の今日の様子を写真で紹介しておきます。カワラナデシコの他にキキョウやオミナエシも咲き始めました。もう一枚は、ショウブの葉先にとまるアキアカネです。図鑑によると、アキアカネは6月ごろ平地の水田などで羽化すると、しばらくしてから山地へ移動するそうです(むぎわら色だった体色が次第に赤く変わる)。秋に産卵のため平地に戻ってくる頃には真っ赤に変わるようです。このような移動を成熟回遊と呼ぶそうです。

 
Posted by katakago at 09:10
キキョウ [2011年06月26日(Sun)]

 昨年種子から育てたキキョウの株が花を咲かせています。万葉歌で、あさがほ(原文では朝杲・安佐我保などと表記)と詠まれたものが5首あり、それが現在のどの植物に相当するかいくつかの説(キキョウ・ムクゲ・ヒルガオ・アサガオ)がある中で、キキョウが相応しいとの説が有力です。その根拠として次のような点が挙げられています。、『新撰字鏡』(平安時代の漢和字書)に桔梗の訓に「阿佐加保」があり、槿にはアサガホの訓は無い。ヒルガオは次の歌のように早朝に咲く花ではなく、アサガオは平安時代に中国より渡来したと言われ、野に咲く花でもない。
【歌】 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲き増さりけり (I-2104)
【口語訳】 朝顔は 朝露をやどして 咲くと言われているが 夕方の淡い光の中の方が ずっと美しく見えるよ (『萬葉集全注』による)
 なお、あさがほは、山上憶良の有名な「秋の七種(くさ)」の歌にも、野に咲く花(秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花)の一つとして詠まれています。この時期咲いている株も、花が終わった後茎を切り戻してやると秋にも花が見られます。また、今年の春に播種したものは、次の写真のような状態に生育しています。これらも秋には花をつけると思われます。

 
Posted by katakago at 08:51
誕生日の花(オカトラノオ) [2011年06月25日(Sat)]

 この時期、植物園(裏山)では自生しているオカトラノオ(さくらそう科)が咲いています。万葉歌には詠まれていませんが、NHKの『ラジオ深夜便誕生日の花と短歌365日』(平成17年12月刊)によりますと、今日(6/25)の誕生日の花がオカトラノオ(花言葉は優しい風情)となっています。私事になりますが、息子の誕生日でもあります。実は、このブログも、先月の連休に息子夫婦が帰省した際に設定してくれたものです。

 折よく、ナミアゲハが花に飛んで来てくれました。
Posted by katakago at 16:31
ジャガイモの収穫 [2011年06月24日(Fri)]

 明日以降また雨の予報が出ていたので、夕方、ジャガイモを掘り上げることにしました。6/16に試し掘りをしてから雨の日が続いたので、イモの状態を心配していましたが、まずまずの収穫が出来ました。
 次の写真は、それぞれ「スタールビー」と「こがね丸」を掘り上げた状態です。前回よりはイモも幾分大きくなっているかなと思われます。

Posted by katakago at 21:54
万葉の仲間が集って [2011年06月24日(Fri)]

 午後に13名の方がお見えになりました。岡本三千代さん(万葉うたがたり会主宰、音楽サロンTSUBAICHIを運営)が講師をされている万葉講座の受講生の皆さんで、昨年秋に続き2回目の方もおられました。いつものように、自治会館でスライドによる説明の後、裏山の植物園と畑に作った分園に案内しました。スライドでは、今年造成した蓮池の造成工事、ポット苗の植え付け作業の様子や、ビオトープ池の最近の植物を紹介しました。ササユリは残念ながら咲き終わって一部花弁を残すのみの状態でしたが、他の万葉植物を植物園の特製パンフレット片手に、太陽がじりじりと照りつける中、皆さんとても熱心に見てくださり、こちらも案内し甲斐がありました。

Posted by katakago at 19:14
ツユクサ [2011年06月23日(Thu)]

 ツユクサは、万葉歌では、つきくさ(原文は月草・鴨頭草と表記)として詠まれています。9首詠まれていますが、つきくさで染めた衣の色が変わりやすいため、6首までが「うつろふ」という意味で用いられています。
【歌】 月草に 衣色どり 摺らめども うつろふ色と 言ふが苦しさ (F-1339)
【口語訳】 月草で 衣を染めて 摺りたいが 変わりやすい色だと 聞くのがつらい
 この歌は、巻7の比喩歌に分類され、草に寄する十七首のうちの一首です。「衣色どり摺る」に、求婚を受け入れる意を、「うつろふ色」に、さめやすく移り気な心を譬えているとみられています。表の意味は、口語訳のようになりますが、裏の意味は、「あの人を自分の夫に決めようと思うけれど、世間では浮気がちであるといわれているのが心苦しい」となります(女の歌です)。この歌については、井手至先生の「万葉集歌鑑賞」講座(NHKカルチャー)で、今年の1月に解説していただきました。

Posted by katakago at 08:09
万葉植物の出前講義 [2011年06月22日(Wed)]

 今日は、久方ぶりに講演会で万葉植物について話をさせていただきました。NPO法人シニア自然大学校(大阪市福島区、大阪NPOプラザ)の講師会主催の行事で、担当の今泉氏には大変お世話になりました。
四季折々の草花とそれが詠まれた万葉歌について、パワーポイントで紹介しました。その中身は、基本的には、直接植物園に来られた方に園内を案内する前にお話ししているものと同じものです。このブログで紹介しているような内容を圧縮して、1年分を約1時間半ぐらいにしたものです。約50人近くの方々に聴いていただきました。植物を通して『万葉集』に関心を持っていただければと思っています。
Posted by katakago at 19:27
ビオトープ池で [2011年06月21日(Tue)]

 昨年、数匹のヒメダカを放しておいたところ、沢山の子供が産まれてふえています。外来種ですが、この池の水は、直接水路には流れないので大丈夫かな?


 ハスの蕾がだいぶ膨らんできました。
Posted by katakago at 11:54
アンズを収穫 [2011年06月21日(Tue)]

 アンズ(信州大実)の実は、完熟するまで待てば生食も可能ですが、鳥に食べられる前に少し早めに収穫し、果実酒にしました。


 その他、ばら科の果樹では、スモモ(菅野中生)、姫リンゴ(アルプス乙女)、プルーン(ヨーロッパスモモ)も果実をつけています。

      (スモモ)

      (姫リンゴ)

      (プルーン))
 
Posted by katakago at 10:08
今年最後のササユリ [2011年06月20日(Mon)]

 数少ないササユリの最後の株で花が開きました。当園では、三輪の花が同時期に開花しているのは、めったに見られないのでその写真を載せておきます。



 ついでに、6/16掲載のベニガクのがく片の色がさらに美しく変化しましたので、その写真も掲載しておきます。
Posted by katakago at 17:17
マクワウリ [2011年06月19日(Sun)]

 マクワウリは、山上憶良の子供らを思う歌に詠まれています(原文は宇利と表記)。長歌と反歌を示します。まず瓜と栗が詠まれている長歌は、
【歌】 瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものそ まなかひに もとなかかりて 安眠しなさぬ (D-802)
【口語訳】 瓜を食べると 子供らが思い出される 栗を食べると なおさら偲ばれる 何の因果で 生まれて来たのか 眼前に むやみにちらついて ねむらせないのは
次に有名な反歌は、
【歌】 銀も 金も玉も なにせむに 優れる宝 子に及かめやも (D-803)
【口語訳】 銀も 金も珠玉も どうして 優れた宝といえよう 子にまさろうか
 憶良が筑前守であった時の作で(当時69歳)、実在の子を手元に置いて詠んだのではなく、人の親の心になって、「子供を持つ親の心はこうだ」というその気持ち(子供の思いに四六時中悩まされ続ける親の苦しみ)を詠んでいるとみられています。井村哲夫氏は、『萬葉集全注』の中で、「この作品一読後の印象は、子を愛する喜びではなく、愛の苦しみをこそ述べている、というもの」と書かれています。『万葉集』には、母が子への愛を歌った例は多いが、父親が子を思う歌は少ないようです。


 次の写真は、クリの雌花穂です(6/19撮影)。クリの収穫時期は9月から10月にかけてです。

 
Posted by katakago at 15:34
ササユリに魅せられて [2011年06月19日(Sun)]


 今月になってから、ササユリの開花情報をお知らせしていましたが、今日は2名の方が来られました。ちょうど一株に二輪が開花しており良いタイミングでした。市会議員で「エドヒガンを守る会」の活動をされている津田さんとお仲間の長野さんです。昨年5月にも、グループで来ていただいておりまして、暮れにはエドヒガンの苗木を2本植樹していただきました。リピーターが増えるよう、今後も情報発信を続けて行きます。

     (ビオトープ池のカワラナデシコの前で)
Posted by katakago at 13:35
ミニ水田 [2011年06月18日(Sat)]

 蓮池の水の落ち口にバットを設けてミニ水田としました。ご近所の方からイネ苗(品種:ヒノヒカリ)を分けていただいて、8株を植え付けました。ヒノヒカリは、コシヒカリと黄金晴の交配によって生まれた水稲ウルチ米で、コシヒカリ、ひとめぼれに次いで、全国第3位の作付品種だそうです。イネは、万葉歌には、いね(原文では伊祢・稲と表記)とイネを表す、わせ・ほ・なへ・ゆだねとして詠まれています。


 万葉植物ではありませんが、花菖蒲が咲いています。次の写真は、昨年ビオトープ池の周辺に植えたものです。

 その次は、6/2に山野草の専門店(伴園芸)で買い求めたノハナショウブの花です。

Posted by katakago at 19:10
生育状況(6/18) [2011年06月18日(Sat)]

 ササユリは、6/9の記事で紹介しましたが、別の株が咲きました。昨日の新聞記事(朝日新聞夕刊)によりますと、17日に奈良市の率川(いさがわ)神社で「三枝祭(さいくさのまつり)」が行われました。ササユリで飾った酒だるを神前に供え、無病息災を祈る神事だそうです。祭神が住んでいた三輪山(桜井市)山麓にササユリが咲いていた故事にちなみ、ユリを奉納するようになったそうです。

 

 ビオトープ池では、昨年移植したハスのうち一株で、花茎が上がってきました。また、今年造成の蓮池に置床したポット苗でも、一株で花茎が見られます。


 

 キキョウが咲き始めました。万葉歌の「あさがほ」がキキョウに当たるとする説があります。



Posted by katakago at 09:03
サカキ [2011年06月17日(Fri)]

 サカキの花(五弁で白色)が咲いています。万葉歌には次の一首に詠まれています(原文は賢木と表記)。
【歌】 ひさかたの 天の原より 生れ来る 神の命 奥山の さかきの枝に しらか付け 木綿取り付けて 斎瓮を 斎ひ掘り据ゑ 竹玉を しじに貫き垂れ 鹿じもの 膝折り伏して たわやめの おすひ取りかけ かくだにも 我は祈ひなむ 君に逢はじかも (大伴坂上郎女 B-379)
【口語訳】 (ひさかたの) 天の原から 天下られた 先祖の神よ 奥山の 榊の枝に しらかを付け 木綿も取り付けて 斎瓮を 慎んで地面に掘り据え 竹玉を いっぱい貫き垂らし 鹿のように 膝を曲げて身を伏せ たおやめの おすひを肩に掛け これほどまでも わたしはお祈りしているのに あの方に逢えないのではないでしょうか
 作者の大伴坂上郎女は、『万葉集』を代表する女流歌人の一人で、女性では集中最多の歌(84首)を残し、家持の作家生活にも大きな影響を与えたようです。家持の父旅人の異母妹で家持の叔母にあたり、旅人没後は、大伴氏の家刀自(いえとじ)的存在となって、一族をとりまとめたようです。『萬葉集釈注』には、「氏神の祭祀を統轄すべき家刀自として、祖神を招き寄せて、一族の栄を祈った歌」とあります。「天の原より生れ来る」は、天照大神の孫瓊瓊杵尊(ににきのみこと)が高天の原から高千穂に天下った時、大伴氏の祖神天忍日命(あめのおしひのみこと)が先導を勤めたという伝承がひかれています。このことは、6/1「ヤマハゼ」で紹介した、家持の「一族の者を諭す歌」の冒頭部分でもひかれていました。
Posted by katakago at 18:15
アジサイ [2011年06月16日(Thu)]

 ベニガク(ゆきのした科)の花が咲いています。がく片の装飾花は、この株では、最初は白で縁が日を追って淡いピンク色に変わって行きます。万葉歌には二首詠まれています(あぢさゐ、原文では安治佐為・味狹藍と表記)。
【歌】 あぢさゐの 八重咲くごとく 八つ代にを いませ我が背子 見つつ偲はむ (橘諸兄 S-4448)
【口語訳】 あじさいが 次々と色どりを変えてま新しく咲くように 幾年月の後までも お元気でいらっしゃいあなた あじさいを見るたびにあなたをお偲びしましょう (『萬葉集釈注』による)
 題詞には、同じ月(五月)十一日に、左大臣橘卿、右大弁丹比国人真人の宅に宴する歌三首とあり、これはその三首目の歌です。5月11日は太陽暦の6月28日に当たり、アジサイの花は最盛期であったと思われます。あじさいの豊かな花のように、またつぎつぎ色を変えて長く咲き誇るようにと、この日の宴が行われた主人丹比国人を祝って詠まれています。
 ところで、一首目の国人の歌に、「我がやどに 咲けるなでしこ 賂はせむ ゆめ花散るな いやをちに咲け」と詠まれています。山上憶良の秋の七種(くさ)の一つにナデシコがあり、秋に咲くものと思われがちですが、当時も、アジサイが咲く時期にナデシコも咲いていたようです。ナデシコが詠まれた歌は、5/30のブログで紹介しています。なお、今咲いている株も、花が終わった後茎を切り戻してやると、また秋にも咲いてくれるようです。
 
Posted by katakago at 10:02
ジャガイモの試し掘り [2011年06月16日(Thu)]

 ジャガイモは、2品種を10株づつ植えていますが、それぞれ試し掘りしてみました。最初の写真は「スタールビー」で皮が赤い品種、2枚目は「こがね丸」です。共に未だ小さなものもあり、全部掘り上げるのはもう少し後にしようかなと思っています。
 


 ナスは7株植えていますが、収穫を始められるようになりました。


 つるなしインゲンの花が咲いています。早生のエダマメと共に7月には収穫できるかなと思われます。


 
Posted by katakago at 09:13
ご夫婦で来園 [2011年06月15日(Wed)]

 梅雨晴れの合間を縫って、尼崎からご夫婦で植物園に来ていただきました。初めて見えた方には、植物園の概要をパワーポイントを使って説明させていただいてから案内するようにしています。5年前に整備した裏山の植物園と、昨年、畑の一角にビオトープ池を造って植物園の分園としている場所を案内しました。裏山の方は、ササユリが間もなく開花しそうで、その他のユリ類は、来月以降ですが、分園の方では、ビオトープ池のアサザをはじめ、池周囲に植えているカワラナデシコや花菖蒲などを楽しんでいただきました。ついでに、果樹園や野菜を栽培している場所も見ていただきました。新しく造った蓮池では、10ポットのうち、1株で花茎が上がってきているのが認められました。来月のハスの開花が待たれます。
Posted by katakago at 14:02
生育状況(6/14) [2011年06月14日(Tue)]

 ヤブカンゾウ(万葉歌では、わすれぐさ)の花茎が伸びて来ました。今月下旬には開花すると思われます。


 キキョウ(万葉歌の”あさがほ”にあてる説があります)の蕾がふくらんできました。


 オミナエシ(万葉歌では、をみなへし)も、早生の園芸種かもう蕾を付けています。


 ベニバナ(万葉歌では、くれなゐ)の蕾です。この株は山形県の「紅花資料館」から入手した種で育てているものです(園芸種に比べ、鋭い棘があります)。今月下旬には開花するものと思われます。


 ヒオウギの葉っぱでベニシジミを見つけました。
Posted by katakago at 07:29
イチイガシ [2011年06月13日(Mon)]

 イチイガシはぶな科の常緑高木で、万葉歌では、いちひ(原文では伊智比)として詠まれています。次の長歌一首のみです(長いので前半を紹介)。
【歌】 いとこ 汝背の君 居り居りて 物にい行くとは 韓国の 虎といふ神を 生け捕りに 八つ捕り持ち来 その皮を 畳に刺し 八重畳 平群の山に 四月と 五月との間に 薬狩 仕ふる時に あしひきの この片山に 二つ立つ 櫟が本に 梓弓 八つ手狭み ひめ鏑 八つ手狭み 鹿待つと 我が居る時に さ雄鹿の 来立ち嘆かく たちまちに 我は死ぬべし 大君に 我は仕へむ ・・・・・・(O-3885)
【口語訳】 あいや御当地 皆様方よ 引っこんでいて さてどこかへ行こうかと 韓国の 虎という悪魔を 生け捕りで 八つも捕えて来 その皮で 敷物を作り 八重畳にした その平群の山に 四月と 五月の間頃 薬狩を 遊ばす時に (あしひきの) この片山に 二本立つ 櫟の木の本に 梓弓を 八つ脇挟み ひめ鏑を 八つ脇挟み 鹿を狙って わたしがいるところへ 雄鹿が 来て嘆くには たちどころに わたしは殺されるでしょう 大君に わたしは身を捧げましょう ・・・・・・
 題詞には、乞食者(ほかひ)が詠ふ二首とあり、これはその一首目の歌で、左注には、鹿のために悲嘆を述べて作ったものとあります。ちなみに二首目は、蟹に代わって心の痛みを詠む歌です。『萬葉集釈注』では、「人間という動物が、異なる動物を平然と料理して、その生活を勝手気ままに楽しむことに対する痛恨が、おのずからに溢れている」と述べられています。乞食者とは、庶民の家々を回って寿歌(ほきうた)を唱い、民間芸能を伝えて物乞いをする芸能者のことです。この類の歌は、4516首ある万葉歌の中でも巻16にあるこの二首のみのようです。


Posted by katakago at 20:41
園内では(6/12) [2011年06月12日(Sun)]
 早くもツユクサ(万葉歌では、つきくさ)の花が咲いているのを見つけました。


 ハギ(はぎ)も一株が花を咲かせています(9月にもう一度花を付けますが)。


 ヤブコウジ(やまたちばな)も小さな花を付けています。冬には果実が赤く熟します。


 その他、万葉歌には詠まれていませんが、オカトラノオが咲き始めました。6月下旬ごろの群落は見ごたえがあります。


 ビオトープ池の周囲では、ミソハギが咲き始めました。
Posted by katakago at 20:02
ムラサキ [2011年06月11日(Sat)]

 一月ほど前にこぼれ種が発芽したムラサキを紹介しました(5/7)が、今花を咲かせています(白い小さな花です)。万葉歌には17首詠まれています(原文は紫・紫草・武良前などと表記)。いくつかの歌を次に紹介します。
【歌】 託馬野に 生ふる紫草 衣に染め いまだ着ずして 色に出でにけり (笠女郎 B-395)
【口語訳】 託馬野(つくまの)に生い茂る紫草 その草で着物を染めて その着物をまだ着てもいないのに はや紫の色が人目に立ってしまいました
 作者の笠女郎は、大伴家持に贈った歌ばかり30首ほど残しています。この歌は、比喩歌に分類されています。表面の意味は口語訳(ここでは、『萬葉集釈注』)のようになりますが、比喩表現での意味は、「相手を思う心が、相手とまだ契りを結ばないうちに人に知られてしまった」と詠まれています。
 ムラサキの根は、薬用成分としての他、上代の重要な染料(紫根染、根に色素シコニンを含む)で早くから栽培されていたようです。紫根染には、媒染剤として椿の灰の灰汁(あく)が用いられていたようです(椿の灰汁はアルカリ性で他の植物に比べアルミニウムイオン量が多いそうです)。万葉歌にも次のように詠まれています。【歌】 紫は 灰さすものそ 海石榴市の 八十の衢に 逢へる児や誰 (K-3101) この歌では最初の二句「紫は灰さすものそ」が海石榴(つばき)を引き出す序詞として用いられています。
 
 ムラサキが詠まれた有名な歌に、額田王と大海人皇子との贈答歌があります。
天皇、蒲生野に遊猟(みかり)する時に、額田王の作る歌
【歌】 あかねさす 紫草野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る (@-20)
【口語訳】 (あかねさす) 紫草野を行き 標野を行って 野守が見ているではありませんか あなたが袖をお振りになるのを
皇太子の答ふる御歌
【歌】 紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我恋ひめやも (@-21)
【口語訳】 紫草のように におうあなたを 憎いと思ったら 人妻と知りながら 恋しく思いましょうか
 当時、「にほふ」はある素材が美しく照り映えるとして表現されていました。「紫草の にほへる妹」については、これまでいくつかの解釈がなされていますが、坂本信幸先生(高岡市万葉歴史館長、奈良女子大学名誉教授)は、「紫草の白い花が照り映える清楚な美しさ」を表現していると述べられています(高岡市万葉歴史館叢書18『額田王』)。万葉歌の中で「名詞+助詞<の>+にほふ」という構造の用例では、この名詞に当たるのは、全て咲く花(丹つつじ、山吹、橘、卯の花など)や秋の葉といった植物で、、「紫色が照り映える(派手派手しい)女性」という解釈は当たらないとされています(この頃の額田王は40歳近い)。
 この歌の左注には、『日本書紀』天智天皇7年の条を引用して、「夏5月5日、蒲生野に縦猟す。時に、大皇弟・諸王・内臣また群臣、皆悉従ふ」と書かれています。この「狩をする」は、5月5日(太陽暦6月22日)の薬狩で、鹿茸や薬草を採るのが目的で、一種の野外行楽でもあったようです。この薬狩りの様子を描いた陶板レリーフが東近江市「万葉の森」にあります。3年前の5月に訪ねた時の写真を次に掲載しておきます。この時は、滋賀県甲賀市の宮町遺跡から、万葉歌が書かれた木簡が初めて出土したというので、現物の展示を見に行った(知人の中西氏の車に同乗して)際、こちらにも立ち寄りました。

 
 ムラサキは、自生地の岩手県でも絶滅危惧種に指定されているようです。岩手県立盛岡農業高等学校生物工学科の「ムラサキ保護研究班」では、バイテク技術(胚培養法など)を利用した増殖にも取り組んでいます(その研究成果は、2004年のJSECでYKK賞を受賞)。また、畑での栽培は労力がかかるので、組織培養法によるシコニンの大量生産技術も開発されました(昭和60年ごろ、基礎研究は京都大、実用化は三井石油化学)。

 ムラサキの種は、盛岡農業高校はじめ、何箇所かから入手して育てましたが、この地の環境(温度も含め)に合わないのか、栽培技術が未熟なのかうまく生き残ってはいません。現在植物園で栽培している写真の物は、発芽率が非常に高いなどより外来種と思われます。
この6月2日に訪問した山野草専門店(伴園芸)でも聞いてみましたが、日本に自生しているムラサキの栽培は、この辺りでは難しいとのことで、苗の販売も行われていませんでした。
 

Posted by katakago at 14:05
ビワが色付きました [2011年06月10日(Fri)]

 畑に一本植えているビワの木で果実が色付いてきました。本来、袋掛けするするところですが、そこまで手が回っていません。

 ブルーベリーは、酸性土壌で水遣りを十分行う必要があるとされています。これまでは畑に植えていたため、管理が十分出来ず収穫もいまいちでした。そこで、この春から専用の培養土で鉢植えにして庭で管理しています(現在4株)。
 

 ナツメの花が咲いています。果実は秋に収穫できますが、リンゴのような味がします。ナツメは万葉歌にも詠まれていますので果実の写真と一緒に紹介するつもりです。
Posted by katakago at 17:50
ササユリが早くも開花 [2011年06月09日(Thu)]

 先に紹介した(6/5付け)ササユリの一株が早くも開花しました。この分ですと、もう一株も、来週中には開花しそうです。
万葉歌には、ユリは11首詠まれています(原文は由利・由理・佐由流等と表記)。さ百合が8首、草深百合が2首、姫百合が1首です。ササユリを詠んだと思われるものに次のような歌があります。
【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (F-1257)
【口語訳】 道端の草の繁みに生えている百合の 花が咲くように わたしがちょっとほほえんだ ただそれだけのことで わたしを妻だなどとおっしゃっては困ります
 口語訳を引用した『萬葉集全注』には、「男の求婚に対して女がはっきり承諾したわけでもないのに、男が相手を自分の妻となるものと決めて物を言ってきた時に、女がそれを非難し拒む歌」とあります。
 なお、この歌の歌碑が福岡県嘉穂郡桂川町にある王塚装飾古墳館前庭に建てられています。嘉麻万葉を学ぶ会(代表川波二郎氏)が中心になって平成20年に建立されました。書は、故犬養孝先生の色紙から採られています。建立に際しては、筆者はこの会の会員でもあり、ささやかながら応援いたしました。
Posted by katakago at 19:15
蓮ポット苗を池に [2011年06月08日(Wed)]

 4月に造成した池に、ハスのポット苗を置床する作業を行いました。5月19日に中学同級生のK君に譲って貰った6株に、通販で購入した4株を合わせて計10株です。

 先月末の雨で思いのほか早く満水状態になってしまったので、あらためて作業用の服(腰までカバーできる長靴)を注文し、その到着を待ってようやく池に移せました。

 この夏の開花が楽しみです。
Posted by katakago at 18:16
トンボの羽化 [2011年06月07日(Tue)]

 この時期、園内を散策していると、チョウやトンボなどの昆虫を見かけます。今日は、裏山の園内に6年前に造った小さな池で、ショウブの葉にとまっている羽化後間もないトンボ(オニヤンマか)に出会えました。万葉歌では、トンボはあきづ(原文では蜻蛉と表記)として詠まれています。トンボの透きとった羽は、領巾(ひれ)・羅の袖に形容されて詠まれています。
【歌】 あきづ羽の 袖振る妹を 玉くしげ 奥に思ふを 見たまへ我が君 (湯原王 B-376)
【口語訳】 蜻蛉の羽のような 袖を振っているあの女を (玉くしげ) 私が心から思っているあの女を 見てやってください君よ
 題詞には、宴席での歌とあり、この「袖振る妹」は、湯原王の寵姫とみられ、「我が君」は宴席への招待客をさすと考えられています。

 同じ池のそばで、カエルも見かけました。

 万葉歌では、かはづ(原文は蝦と表記)として詠まれています。河鹿を詠んだと思われるものが多いようですが、次の歌はカエルを詠んだものと思われます。
【歌】 朝霞 鹿火屋が下に 鳴くかはづ 声だに聞かば 我恋ひめやも (I-2265)
【口語訳】 (朝霞) 鹿火屋の陰で 鳴く蛙のように 声だけでも聞けたら わたしは恋しく思うものか 
 鹿火屋については、田畑を荒らしに来る猪や鹿を追い払うためにくべる火を焚く小屋とする説があります。

 池の話題のついでに、昨年造ったビオトープ池の様子も、写真で紹介しておきます。
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 カワラナデシコが池の周囲で咲いています
 昨年移植した花菖蒲が咲き始めました。
Posted by katakago at 20:31
サワヒヨドリ [2011年06月06日(Mon)]

 サワヒヨドリ(きく科)は、万葉歌の題詞に出てくる「さはあららぎ」(原文は澤蘭と表記)に当たると考えられています。巻19の4268番歌の題詞と歌を以下に示します。
【題詞】 天皇・太后共に 大納言藤原家に幸せる日に、もみてる沢蘭一株抜き取り、内侍佐々貴山君に持たしめ、大納言藤原卿と陪従の大夫等とに遣し賜ふ 御歌一首
【歌】 この里は 継ぎて霜や置く 夏の野に 我が見し草は もみちたりけり (孝謙天皇)
【口語訳】 この里は 年中霜が置くのだろうか わたしが見た草は こんなに色づいていたよ
 題詞には、孝謙天皇と皇太后光明子とが大納言藤原仲麻呂の家に行幸した時に、天皇が「もみじした沢蘭」の歌を仲麻呂たちに賜ったとあります。季節に先駆けて紅葉した(おめでたいこと)沢蘭に事寄せて、大納言家をほめた歌とみられています。「継ぎて霜や置く」は、霜は、木や草を色づかせると考えられていました。
 当時の人は、写真のような植物を見て、紅葉していると見たようです。『萬葉集釈注』(1998年刊行)には、「一種の病葉(わくらば)であるらしい」と書かれています。ところで、イギリスの科学雑誌Nature(2003.4.24)掲載の論文によると、紅葉しているとみられた葉の状態は、実は植物ウイルスに感染して生じた病斑で、その原因ウイルスはヒヨドリバナ葉脈黄化ウイルス(EpYVV)であることが実験により明らかにされています(コナジラミを媒介にして感染)。そしてこの論文には、『万葉集』のこの記載(題詞)は、植物ウイルス病に関する世界最古の記録であると述べられています(論文のタイトルは、The earliest recorded plant virus disease)。千二百数十年も前に歌に詠まれていた現象が、植物ウイルス病に関する最も古い記録であったのは、大変興味深いことです。
 

2枚目の写真は、手前が感染葉で後ろが健全葉
Posted by katakago at 09:51
ユリの生育状況(6/5) [2011年06月05日(Sun)]

 園内に生育している数少ないササユリの様子です。この株は蕾を二つ付けています。開花はあと10日前後かと思われます。次の写真の株は、もう少し早くなるかと思われます。ただ、以前(5/15)に紹介した株は、蕾の時期に虫に食べられてしまったので、毎日の点検が欠かせません。

 3枚目の写真は、ヤマユリです。開花は7月中〜下旬かと思われます。
Posted by katakago at 20:24
ため池堰堤の草刈り [2011年06月05日(Sun)]

 今日は、朝から生産組合(水利組合)の共同作業として、ため池堰堤の草刈りに参加しました(雨で一週間遅れて実施)。斜面でエンジン式刈払機を担いでの作業は、高齢者にとってはなかなかしんどい仕事でした。前回の溝更えと今回の草刈りで、今年の生産組合としての共同作業は終わりです。
 
Posted by katakago at 20:11
アサザ [2011年06月04日(Sat)]

 アサザは、みつがしわ科の多年生浮葉植物です。沼地に生じ、地下茎から葉を出し水面に浮かべ、夏に黄色の花を咲かせます。これから9月上旬ごろまで花を楽しめます。
 万葉歌にあざさ(原文は阿邪左と表記)と詠まれている植物が、アサザに当たるとされています。
【歌】 うちひさつ 三宅の原ゆ ひた土に 足踏み貫き 夏草を 腰になづみ いかなるや 人の児故そ 通はすも我子 うべなうべな 母は知らじ うべなうべな 父は知らじ 蜷の腸 か黒き髪に ま木綿もち あざさ結ひ垂れ 大和の 黄楊の小櫛を 押へ挿す うらぐはし児 それそ我が妻 (L-3295)
【口語訳】 (うちひさつ) 三宅の原を 裸足で歩いて 足を痛め 夏草に 腰をからまれてまあ どのような 娘ごゆえに せっせと通うのか息子よ なるほどなるほど 母上はご存知なかろう なるほどなるほど 父上もご存じなかろう (蜷の腸) 黒髪に 木綿の緒で あさざを結いつけて垂らし 大和の 黄楊の櫛を 押さえ挿す ほんとにきれいな娘 それがわたしの妻です
 この歌は、一首全体が父母と息子との問答を一まとめにした形(父母の問いかけに、息子が自分の妻について打ち明ける形)になっています。アサザの花を黒い髪の飾りとしてつけている娘として詠まれています。
 
 現在、アサザは湖沼の環境保全に活用されています。霞ヶ浦で、アサザの移植(アサザの波消し効果)による葦原の再生や、富栄養化につながる窒素・燐を吸収し、これを食べる昆虫や小鳥と共にこれらの再循環(昆虫の死骸や小鳥の糞として、一部は地上に戻される)にも役立っているようです。種から苗を育て、湖に戻すアサザ里親制度もあるそうです(「Asaza Project」)。

 
Posted by katakago at 12:40
コウホネが咲いています [2011年06月03日(Fri)]

 ビオトープ池とその周辺には、多種類の植物を植えています。万葉歌には詠まれていませんが、コウホネの花が咲いています。
 

 昨年移植した花菖蒲も蕾をつけています。
Posted by katakago at 20:19
クヌギ [2011年06月03日(Fri)]

 写真のクヌギは、数年前に苗木を植えたものですが、今は3メートル以上になっています。ただ、未だ実はなりません。クヌギの実(ドングリ)の煎じ汁を用いる橡染めは、鉄の媒染剤では黒色になり、当時、それは一般に下層階級の着る衣の色とされていました。クヌギは万葉歌ではつるはみ(原文は橡と表記)と詠まれています。ここで紹介する歌は、5月18日にエゴノキで紹介した長歌の反歌の一つです。長歌は、遊行女婦(左夫流児)に心を奪われた部下を諭す家持の歌でした。反歌では次のように歌っています。
【歌】 紅は うつろふものそ 橡の なれにし衣に なほ及かめやも (大伴家持 Q-4109)
【口語訳】 紅は 色褪せるもの 橡染めでも 着慣れた衣に やはり及ぼうか
 紅染めは一時的には美しいが、そのうち黄褐色に変色する。ここでは、左夫流児のなまめかしさも永続するものでは無いとの譬えとし、ドングリで染めたくすんだ薄黒色の着慣れた衣を、地味だが慣れ親しんだ妻に譬え、それに及ぶものはないと歌っています。
 
 
 
Posted by katakago at 19:23
クワ [2011年06月02日(Thu)]

 クワの実が色づき始めました。万葉歌には2首詠まれています(原文では桑・柘と表記)。
【歌】 筑波嶺の 新桑繭の 衣はあれど 君が御衣し あやに着欲しも (M-3350)
【口語訳】 筑波嶺の 新桑繭の 衣はともかくとして あなたのお召し物が 無性に着たい
 巻14は東歌の巻で、これは常陸国の歌です。新桑繭の衣は、春に出た新葉の桑で育った蚕(春蚕)の繭から作られたもので品質が良いとされていたようです。「君が御衣しあやに着欲しも」の解釈については、当時、旅に出るなど別れの時には、男女がお互いに下着を取り替える(相手の魂がついた下着を身に着ける)習慣があり、『萬葉集全注』によれば、「上代人の考え方からすれば、相手の魂を乞うことであり、自分の慕う人の愛を得たいという意味であって、単に都から下って来た官人の服を見て、これを羨んだものではない」とあります。
Posted by katakago at 20:26
永沢寺花菖蒲園見学 [2011年06月02日(Thu)]

 今日は朝から、三田市の永沢寺花菖蒲園の見学と、篠山市にある山野草の専門店(伴園芸)に出かけました。この2月に買い替えた車には新しくナビを設置しましたので、迷わずに目的地に到着できました。

 花菖蒲はまだ蕾の状態で、わずかな株しか花をつけていませんでした。見ごろは、6月中旬以降かと思われます。花菖蒲は、万葉歌に詠まれている植物ではありませんが、新しく造った池の隣に、この植物を植えてみようかと考えていましたので、実際の栽培の様子を見学し、苗が販売されていれば入手しようと思って出かけた次第です。

 園内の様子

 永沢寺(菖蒲園とは道路を挟んで向かい側にあります)

 伴園芸では、日本オキナグサを買い求めました。万葉歌のねつこぐさ(原文では根都古具佐と表記)がオキナグサに当たるのではないかと考えられています。これまで、何度か通販で入手して植えてきましたが、2,3年で消えてしまって、今年はその花を見ることが出来ませんでした。来年の開花を楽しみにしています。



Posted by katakago at 16:50
ヤマハゼ [2011年06月01日(Wed)]

 ヤマハゼは植物園に自生しています。5月の初めごろ、葉腋から円錐花房を出して黄緑色の花をつけ、今は小さな実をたくさん付けています。昔は、このハゼの実からロウをとり蝋燭が作られたようです。葉は、秋には美しく紅葉します。万葉歌(原文は波自と表記)には1首のみ詠まれています。次の歌からは、弓の材料としても用いられたようです。
大伴家持の、一族の者を諭す歌です。
【歌】 ひさかたの 天の門開き 高千穂の 岳に天降りし 皇祖の 神の御代より はじ弓を
手握り持たし 真鹿児矢を 手挟み添へて ・・・(中略)・・・ あたらしき 清きその名そ おぼろかに 心思ひて 空言も 祖の名絶つな 大伴の 氏と名に負へる 、あすらをの伴 (S-4465)
【口語訳】 (ひさかたの) 天の岩戸を開き 高千穂の 岳に天降られた 天孫の 神の昔から はじ弓を 手に取りもち 真鹿児矢を いっぱい腋挟んで ・・・(中略)・・・ 名誉ある 清いその家名だ ぼんやりと 軽く考えて かりそめにも 先祖の名を絶やすな 大伴の 氏を名に持つ ますらおたちよ 
 この歌は、左注によれば、淡海三船の讒言により、大伴氏の長老の一人であった大伴古慈斐が出雲守を解任された時、一族の者に自重を求めて作られました。この長歌冒頭部分は、天孫降臨の際、大伴氏の遠祖天忍日命(あめのおしひのみこと)が先導したという伝承によっています(『古事記』、『日本書紀』にも記されています)。
 参考までに、反歌も載せておきます。
 磯城島の 大和の国に 明らけき 名に負ふ伴の緒 心努めよ (S-4466)
 剣大刀 いよよ研ぐべし 古ゆ さやけく負ひて 来にしその名そ (S-4467) 
Posted by katakago at 14:28
コケ [2011年06月01日(Wed)]

 雨上がりの植物園の一角に、苔の生えている場所を見つけました。コケは万葉歌(原文は苔・蘿などと表記)に11首詠まれています(うち、樹木に生えている苔を詠んだものは6首)。
【歌】 み吉野の 青根が峰の 苔蓆 誰か織りけむ 経緯なしに (F-1120)
【口語訳】 み吉野の 青根が峰の 苔の絨毯は 誰が織ったのであろう 糸も使わずに
 「苔蓆」のムシロは、藁やイグサ等で織った敷物のこと。この歌では、山林内の岩や朽木等の表面に苔が密生して絨毯のように見えるのを、ムシロに例えたものとみられています。経緯(たてぬき)のタテは縦糸、ヌキはその間を貫かせて織る横糸のこと。なお、み吉野の「み」は接頭語で、吉野は古来神聖な地とされてきたため、この美称が付けられています(地名に「み」を冠するのは、吉野の他には熊野と越のみ)。
 
Posted by katakago at 13:44
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