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五島列島への旅ーその1(三井楽万葉フォーラム) [2018年09月26日(Wed)]
 先週21日から4日間、「万葉の大和路を歩く会」主催のツアーで五島列島に出かけてきました。今回の旅行の狙いは、一つは五島市三井楽で開催の「全国万葉フォーラム in みいらく 2018」への参加と、もう一つは、7月に世界遺産登録が決定された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を訪ねることです。ここでは、万葉フォーラム関連の記事を載せておきます(二つ目は続報で)。
 三井楽町で地域起こしの活動をされている谷川さん(今回の実行委員長でもある)とは、万葉植物の種子(ヒオウギ、ムラサキ)をお送りしたり、数年前からメールの交換などもしていました。栽培されている植物の様子も写真を添付して知らせてもらっていました。関連記事は、次のURLに掲載しています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/874
 そのような経緯もあり、機会があれば是非一度三井楽を訪ねたいと思っていました。今回のツアー参加でようやく念願を果たせました。
 次の写真はフォーラムの会場となった三井楽町公民館入り口で撮影(主催者側から会場内の写真撮影は行わないようにとの放送が何度も流されていたので写真はこれだけです)。
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 フォーラムでは、坂本信幸先生が「三井楽と万葉歌」と題して基調講演され、続いて、坂本先生と女優の檀ふみさん(NHKの「日めくり万葉」の語り)によるスペッシャル対談(五島を訪ねて)が行われました(写真を掲載できないのが残念です)。最後のパネルディスカッション(五島列島と古代文学)では、野口 五島市長も参加されていました。
  
 フォーラムの後、「遣唐使ふるさと館」で開催された交流会では、地元の三井楽小学校の児童(2〜5年生)による万葉歌の朗誦が披露されました。
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 夕食は地元の食材を用いた料理(地魚のお刺身、鬼鯖寿司、五島うどんなど)を味わいながら、全国から集った万葉の仲間が語り合う場となりました(私も愛媛や三重、東京からの参加者に万葉植物園のPRができました)。
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 フォーラムに先立って訪れた白良ケ浜万葉公園の写真を載せておきます。
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 この時期、植栽されたヒガンバナが見事に咲いていました。
IMG_7628m.jpg

 ハマユウもまだ咲いている株が見られました。
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 谷川さんにヒオウギの植栽場所を案内してもらいました(もうこの時期、花は終わっていましたが)。
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 犬養先生揮毫の万葉歌碑(除幕式は1989年9月16日))
この歌は、万葉フォーラムの坂本先生の講演でも解説されました。
IMG_7630m.jpg

【歌】 王之 不遣尓 情進尓 行之荒雄良 奥尓袖振 (巻十六・3860)
【読み下し文】 大君の 遣はさなくに 賢しらに 行きし荒雄ら 沖に袖振る
【口語訳】 大君の 仰せでもないのに わざわざ志願して 行った荒雄は 沖で袖を振っている
 左注によれば、官命を受けたのは筑前国宗像郡の宗形部津麻呂だったが、代わりを頼まれた滓屋郡志賀村の海人荒雄が送粮船に乗って対馬に向かい遭難した時のことが全10首詠まれており、この歌はその一首目。妻子らが思いに耐え切れずこの歌を詠んだとある(別伝では山上憶良が妻子の悲しみに同情して、思うところを述べてこの歌を作ったとある)。左注に、「肥前国の松浦県 美祢良久(みねらく)の崎より船を発(い)だし、ただに対馬をさして海を渡る。」とあり、出港地として美祢良久(みねらく)の地名(現在の三井楽)が出ています。  

 五島列島の南西部に位置する福江島の三井楽は、遣唐使船の最後の寄港地として知られ、遣唐使の母の歌の歌碑が柏崎公園(三井楽町柏848付近)にあります。 
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【歌】 旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 我が子羽ぐくめ 天の鶴群 (巻九・1791)
【口語訳】 旅人が 仮寝する野に 霜が降ったら 我が子を羽でかばってやっておくれ 天翔ける鶴の群よ
 この歌については、私が受講している坂本先生の6月の万葉講座(朝日カルチャー中之島教室)で詳しく解説していただいていました。
 
 この万葉歌碑の近くには、延暦23年(804)の遣唐使で請益生(しょうやくしょう)として最澄とともに渡唐した空海の「辞本涯(日本の最果ての地を去る)」の碑があります。 
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Posted by katakago at 16:31
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