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講座「箏のルネッサンス」 [2012年09月10日(Mon)]
 昨日(9/9)は草刈り作業も一日休んで、NHKカルチャー「箏のルネッサンス」を受講しました。医薬品流通の(株)スズケンが、身体の健康だけではなく、”心の健康”にも役立ちたいと、NHK文化センターと共催で開催されている講座(スズケン市民講座)の一つです。
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 講師は箏・三絃奏者の芦垣美穂さん(名古屋音楽大学客員教授)で、講演の合間に演奏も行われ、琴古流尺八奏者の芦垣皋盟さん、箏奏者の別所知佳さんも合奏されました。

 箏曲の歴史の中で、節目となる作曲者を四人あげられ、その業績についての解説と、それぞれの代表曲の演奏が行われました。
 その四人は、八橋検校、菊岡検校、吉澤検校、宮城道雄です。
ところで、「検校」とは、当時の盲人の互助組織である「当道座」の中で与えられる最高位の名前です(以下別当・勾当・座頭と続く)。 
 江戸時代初期に活躍した八橋検校(1614〜1685)は、楽器としての箏および箏曲を大成させた近代箏曲の祖といわれています。半音階をふんだんに使った(平調子)表現豊かな技巧的な奏法を考案し、純粋器楽曲の名作を残しています。「六段」と共にその代表作とされる「みだれ」を演奏して頂きました。
 江戸時代中期以降、器楽部分を重要視した地唄の楽曲形式「手事もの」が完成され、それに続き菊岡検校(文政・天保のころ)らが、京都地唄の曲を多数作曲し(京流手事もの)、これに八重崎検校が箏の手を加え、複雑な合奏を楽しめる箏曲として発展しました。菊岡検校の代表作として、「笹の露」が演奏されました。
 江戸時代後期に名古屋で活躍した吉澤検校は、雅楽からヒントを得て古今調子と呼ばれる調弦法を考案しました。曲の歌詞には『古今和歌集』の歌が使われています。その代表曲として、「千鳥の曲」が演奏されました(歌詞は『古今和歌集』と『金葉和歌集』の歌から採られている)。
 大正・昭和の時代になって、宮城道雄(1894〜1956)が伝統に根ざしつつ西洋音楽等の影響も受けた新たな曲を多数作曲しました。この講座では、14歳の時の処女作「水の変態」と代表作「春の海」の演奏を聴かせていただきました。なお、「春の海」は1930年の歌会始の勅題「海辺の巌」にちなみ1929年末に作曲されたものです。8歳で失明する前に祖父母に育てられて住んでいた瀬戸内の景勝地、福山市の鞆の浦の風景をイメージして作曲されたそうです。

 朝日カルチャー芦屋教室で尺八を習っていますが、箏との合奏曲を数多く練習してきています。星田先生から時々レッスンの合間に作曲者について聞かれることがありますが、あらためて箏曲の歴史の中で大まかに捉える事ができたかなと思っています。

 なお、この講座は大学生までは無料となっており、そのためか分りませんが、年配の方に混じって若い女性の参加者も見受けられました。邦楽器に興味を持つ若者が増えることを期待しています。
Posted by katakago at 10:39
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