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萬葉学会公開講演会(10/8) [2011年10月10日(Mon)]

 この8日より、第64回萬葉学会が園田学園女子大学で開催されています。萬葉学会は、万葉集とそれに関連する各分野の研究を目的とし、200号を超える会誌『萬葉』には、厳しい審査を通った論文が掲載されています。一方で万葉集に関心のある者ならば会費を払えば誰でも入会できる、一般にも開かれた学会です。筆者も数年前から会員で、初日(8日)の公開講演会と懇親会に参加しました。
 公開講演会では、「上代の形容詞」(蜂矢真郷 中部大学教授)と「万葉集の相聞の性格」(寺川眞知夫 同志社女子大学特任教授)の2題の講演が行われました。
 最初の講演は、一般人には難し過ぎる内容で公開講演会向きではないように思われました。
 2題目の「万葉集の相聞の性格」では、初期相聞から平安時代の古今集恋の部に続いてゆく、相聞歌の移り変わりについて寺川先生のお考えが紹介されました。初期相聞の典型的な例は、男女の一対一の歌で、男女が同じ場所にいて声を交わしたと見なされる歌や、声では歌い交わせない、距離の離れた二つの場所にいて交わされた歌がある。また、古代日本では人前で恋の歌の贈答も行われ(歌垣における対歌)、その流れが遊びとして宴席などでも行われたようです(例として、湯原王と娘子との間の贈答歌ほか)。さらに、相聞に分類されるもの中には、贈答を表現しない題詞の歌もあり、これらの中には贈答のペアを伴わないものが含まれる(贈答をしなかった歌、答歌を期待しない独詠歌、宴席で恋にかかわる題のもとに詠まれた歌など)。そして、古今集の歌との比較では、万葉集では思う人を「妹」と表現するのに対し、古今集では思う人を「人」で表現した歌(未だ恋人関係になっていない人を思う歌)が増えていることより、歌が実際の贈答から、恋をテーマにした歌に移って行ったことがみられ、万葉後期の歌人の歌にもこの萌芽がみられるとのことでした。
 また、相聞に「死」の表現が多くみられること(万葉集全体の恋歌(相聞)の中に「死」の語が65例ほどある)にも触れられていました。万葉集以後の勅撰集にはこの現象はあまり見られなくなるのも興味深く思われました。

 懇親会は尼崎市総合文化センター宴会室で行われ、80名近くの方が参加されました。次の写真は、挨拶される萬葉学会代表の坂本信幸先生(高岡市万葉歴史館館長、奈良女子大学名誉教授)です。


 立食で歓談しながらその場を楽しんでいたところ、宴席の半ばで司会者から、「猪名川万葉植物園」の木田さんと御指名があり、突然のことで一瞬うろたえましたが、この機会に植物園のPRもさせていただけました。
Posted by katakago at 19:01
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