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スダジイ [2011年08月04日(Thu)]

 シイは万葉歌には、しひ(原文は四比・思比と表記)として3首詠まれています。シイと呼ばれるものには、スダジイ、ツブラジイ、マテバシイ(いずれもぶな科)があります。写真はスダジイの葉です。
【歌】 家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る (有間皇子 A-142)
【口語訳】 家に居れば 器に盛る飯を (草枕) 旅にあるので 椎の葉に盛るのか
 有間皇子が謀反の罪で捕えられ、斉明天皇が皇太子中大兄と共に行幸中の牟婁の湯に護送された時(往路)の、松が枝を結ぶ歌二首の二首目です。一首目は、
【歌】 岩代の 浜松が枝を 引き結び ま幸くあらば またかへり見む (A-141)
【口語訳】 岩代の 浜松の枝を 引き結んで 幸い無事でいられたら また立ち帰って見ることもあろう
です。笥は物を入れる容器をいい、ここは飯を盛る飯笥(いいけ)。第二・五句の「盛る」を「食べる」意とし、皇子の身の旅の不自由を告げる歌とみる説の他、旅の神祭りを示す第一首(「浜松が枝を引き結び」 − 無事、安全を祈る呪的習俗の一つ)と組になっていることから、神にお供えする意に解する説があります(『萬葉集釈注』)。有間皇子は、牟婁の湯で尋問を受け、再び都へ引き戻されることになりますが、藤白の坂(現在の海南市の古道)で絞首されました(当時19歳)。
 園内には、スダジイの他、マテバシイを植えています。次の写真はマテバシイの葉です。

Posted by katakago at 13:42
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