大伴家持像と万葉反歌の軸 [2017年03月21日(Tue)]
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katakago
at 15:37
白隠禅師の書 [2016年12月21日(Wed)]
これまでの記事にも載せていますが、祖先の一人木田種重(鉄屋庄左衛門 寂堂萬翁元照居士)が白隠禅師を信奉し、その漢文語録『荊叢毒蘂』の刊行に資金援助をしたことを知り、以来白隠禅師に関心を持っています。この度、縁あって白隠禅師の書(写真)に巡り合うことが出来ました。 白隠の落款(写真左)と関防印(顧鑑咦)
書かれている文字は「菴内人依甚麼不知菴外事」で、『白隠禅画墨蹟』(花園大学国際禅学研究所編)によれば、その訓読は「菴内の人、甚麼(なに)に依ってか、菴外の事(じ)を知らざる」で、「乾峰(けんぽう)三種の病」の公案に対する雲門の著語(じゃくご)とありました。
その意味するところを知りたく、自費出版本『木田家のルーツを尋ねるー石碑の銘文に導かれてー』の執筆過程で、木田院碑の訓読・現代語訳をご教示いただいた芳澤勝弘先生(花園大学国際禅学研究所顧問)に、再び教えを乞うことにしました。メールでお尋ねしたところ、早速懇切な解説をしていただきました。 「乾峰三種の病」という公案は、乾峰と雲門という禅僧の問答(『五燈會元』巻第十三、越州乾峰和尚章)で、乾峰和尚の「法身(ほっしん)には三種の病、二種の光がある。これを一一透過して、始めて決着がつくというものだ。そこに越えねばならぬ究極の難関がある」に対し、雲門が発した語が「菴内の人、甚麼に依ってか、菴外の事を知らざる」であるとのことです。この禅問答は私の理解を超えてしまいます。そこでさらにかみ砕いて解説していただいた内容を紹介しておきます。 「菴内人」とは、自己を忘却して、ほぼ最終決着に近づいた人(専門家の中の専門家、修行して悟りに近づいた人)。そういう人にしてなお(あるいは、そういう人だからこそ)菴の外の事を知らない(世間のことに疎くなってしまう)。芳澤先生は、白隠がこの公案を用いたのは、悟りに向かいすぎることによって、かえって社会から離れて行くことを気づかせようとしたのではないかと考えられています。白隠自身は悟りに到達した後に社会に戻り、四弘誓願と菩提心によって下化衆生(生きとし生けるものを教化し救済する)してゆくことを強く主張しており、この語に白隠の姿勢が込められていると見られています。 木田院碑(『荊叢毒蘂』巻七、石碑は大阪市中央区谷町9丁目の大仙寺にある)の最後の箇所にも、「幸いに、そなた(木田種重を指す)は常に三宝に帰依し、老僧(わたくし)に入室(にっしつ)参禅し、いささかの所得もあった。しかし、それで満足してはならぬ、さらに参ぜよ。いっそう深く法の淵源に徹し、永遠に四弘誓願の実践をし、すべての人々を救済していくのだ。これが菩提心であり、大乗菩薩道の実践ということである。いくら修行しいくら善行を行っても、菩提心がなければ、必ず魔道に落ちるのだ。だから雲門大師も「顧鑑咦、つねに顧みて点検せよ」と言われているのである」とあります(芳澤先生訳注『白隠和尚 茨叢毒蘂 坤』より)。 ちなみに、雲門大師の「顧鑑咦」の語は、この書の関防印に用いられています(2枚目の写真)。
なお、自費出版本の記事は、 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1060 白隠関連記事は、 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1103 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1178
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katakago
at 16:40
ひな人形の軸 [2016年02月19日(Fri)]
昨年末、長男夫婦に孫娘が生まれ、時々写真や動画を送ってもらっています。お嫁さんの実家でお世話になっており、おかげ様で順調に育っているようです。来月初めのお宮参りに上京するのを楽しみにしています。 床の間には、ひな人形の軸を掛けました。妻が以前に画いたものです。
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katakago
at 16:26
チャリティー書画入札会 [2014年12月03日(Wed)]
先日、毎日新聞大阪社会事業団主催の、「'14 チャリティー名士寄贈 書画工芸作品入札・即売会」に出かけました(場所は毎日文化センターの講座があるビル)。年に一度の恒例の行事で、美術工芸作家や著名人から寄贈された洋画・日本画・書・漫画・陶磁器・工芸品・色紙など約1000点が展示されます(今年は12/1で終了)。これまで何回か見に出かけたことがあり、5年前には、岩波昭彦作の日本画「唐招提寺金堂」の入札に成功しています。 今回、数ある作品の中で朝比奈隆作の版画「鑑真和上像」が目にとまり入札したところ、幸いにも手に入れることが出来ました。毎日新聞社会事業団のチャリティー入札会で、唐招提寺にゆかりの作品を二つも入手できたことにご縁を感じています。 版画「鑑真和上像」
日本画「唐招提寺金堂」
なお、この写真は唐招提寺観月讃仏会の記事(次のURL)にものせています。 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/167
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katakago
at 17:48