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カタクリ続報 [2024年03月11日(Mon)]
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 裏山のカタクリの花が咲きました。写真上は午前中に撮影、次の写真は午後に撮影したものです。
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 他の場所でも蕾を付けているものを見つけました。
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 カタクリは万葉歌では「かたかご」として次の一首のみ詠まれています。
【歌】 もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 (大伴家持 巻十九・4143)
【口語訳】 (もののふの) 群れなす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ
 「かたかご」の原文表記は 「堅香子」で、平安時代まではカタカシと読まれその実体は不明でした。鎌倉時代の研究者仙覚(せんがく)が従来の無訓の歌に訓点をほどこし『仙覚抄』を著し、このなかで本歌の題詞「堅香子草花を攀ぢ折る歌」に注目し、カタカゴの読みを提唱し片栗(カタクリ)と考え以後定説となっています。大伴家持が越中赴任時代に詠んだ歌で、この地に来て初めてカタクリの花を見て、その感動が歌になったとみられています。
 北国の群生地では、雪解けとともに落葉樹林の山の斜面一面に花が咲く。
 関西では、兵庫県丹波市氷上町清住で4月上旬にカタクリの群生を見ることが出来ます。以前に訪れた時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1353 

 庭の片隅で咲いていたスミレ(スミレ科)
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Posted by katakago at 16:20
カタクリの蕾 [2024年03月08日(Fri)]
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 裏山で、カタクリ(ユリ科)が蕾を付けていました。昨日から、業者の方にも手伝ってもらいながら、下草の刈り取り作業を行っていました。この様子だと明日にも開花しそうです。

 畑では、オキナグサ(キンポウゲ科)も蕾を付けていました(開花は今月下旬ごろか)。
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 果樹園ではオオイヌノフグリ(オオバコ科)の花が咲いています。
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 畑でツクシを見つけました。 
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Posted by katakago at 14:07
ウメに続き春の花が咲き始めました [2024年02月24日(Sat)]
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 裏山では、ウメに続き春の花が咲き始めました。
ヤブツバキやミツマタ、花桃も開花が見られます。

 写真はブータン大輪ミツマタ(ジンチョウゲ科) 
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 花桃(花弁は一重)
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 アケボノアセビ(ツツジ科)も咲き始めました(白花のアセビは来月下旬から4月初めか)。
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 畑に植えているネコヤナギ(ヤナギ科)も芽吹き始めました。
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 バイカオウレンは今も咲いています。 
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Posted by katakago at 11:46
バイカオウレンが開花 [2024年02月16日(Fri)]
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 昨年夏(8月)、高知県立牧野植物園を訪れた際に売店で購入したバイカオウレン(キンポウゲ科)の苗を鉢植で育てていましたが、花を咲かせてくれました。山の半陰地に生える常緑の多年草で、牧野博士は幼いころから裏山に咲くこの花を好んだと言われています(和名は梅の花に似ていることによる)。
 牧野植物園を訪れた際の記事は次のURLに載せています。https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1910


 裏山では今、ウメが今満開です。
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Posted by katakago at 13:47
ウメの花が咲き始めました [2024年01月28日(Sun)]
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 当植物園で栽培している万葉植物で、年が明けて最初に花を見れるのがウメです。畑や裏山に植えているウメの木(種類の異なる白梅)のうち、数株で今年もようやく咲き始めました。白梅(万葉歌のウメは白梅)でも種類によって咲く時期が少しづつ異なります。見ごろとなるのは来月中旬頃かと思われます。
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【歌】 正月(むつき)立ち 春の来たらば かくしこそ 梅を招(を)きつつ 楽しき終(を)へめ (大宰大弐紀卿 巻五・815)
【口語訳】 正月になり 春が来たなら こうやって 毎年梅を迎えて 歓を尽くしましょう
 天平2年正月13日(西暦730年太陽暦の2月8日)、大宰帥大伴旅人卿の邸宅で「梅花の宴」が開催されて、32首の梅の歌が詠まれています。これはその最初に詠まれた歌です。
 例年太宰府市では、この時期(2月8日頃)に「大宰府万葉の会」主催の「梅花の宴」が開催されています。以前、この行事に参加した時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1636

 
 紅梅が詠まれるのは平安時代になってからのようですが、裏山には以前から紅梅も数株植えられています。そのひと株でも花が咲き始めました。
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Posted by katakago at 15:02
裏山のモミジの紅葉 [2023年12月10日(Sun)]
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 裏山では、10数年前に植樹した10本以上のイロハモミジ(ムクロジ科)が大きく育ち、その紅葉を楽しませてくれています。

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 万葉歌では、かへるてと詠まれています(その葉の形が蛙の手に似ることより)。
【歌】 我がやどに もみつかへるて 見るごとに 妹をかけつつ 恋ひぬ日はなし (田村大嬢  
 巻八・1623)
【口語訳】 家の庭に 色づいたかえでを 見るたびに あなたのことを 恋しく思わない日はありません
 秋の相聞。大伴田村大嬢が異母妹の坂上大嬢(家持の正妻)に贈った歌。「もみつかへるて」の「もみつ」は紅葉する意(原文は「黄変」と中国六朝の用字)。『新編日本古典文学全集 万葉集』によれば、「妹をかけつつ」のカクは関連する意で、「坂上大嬢がほんのりと赤く輝くような容貌でなので連想したのであろう」とあります。

 実生苗もあちらこちらで育っています。 
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 畑では、小カブやダイコンを収穫できるようになり、タマネギの苗も順調に生育しています。
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 柑橘類では温州ミカンの収穫が終わり、ハッサクが色づいてきました。
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 果樹では、柑橘類の他先月には西条柿を吊るし柿にして、今年は美味しく出来上がりました。
 写真は開始日(11月8日)の様子
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 途中経過(11月23日)の様子
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 中はジューシーでとても甘くなっています(12/6)。
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 この時期、自宅の庭ではツワブキ(キク科)が咲いています。
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Posted by katakago at 13:51
小春日和の裏山で [2023年11月23日(Thu)]
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 裏山のイロハモミジ(ムクロジ科)やイチョウ(イチョウ科)が色づき始めました。
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マユミ(ニシキギ科)、サネカズラ(マツブサ科)、ヤブコウジ(サクラソウ科)、マンリョウ(サクラソウ科)の実も色づいています。 
マユミの実
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マユミが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/231

 サネカズラの液果
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サネカズラ(万葉歌ではさなかずら)が詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/235

 ヤブコウジの実
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ヤブコウジ(万葉歌ではやまたちばな)が詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/232
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/252

 マンリョウの実
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Posted by katakago at 15:32
ジンジャーの花 [2023年11月04日(Sat)]
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 数年前にジンジャー(ショウガ科)の地下茎を畑に植えていましたが、今年初めて花が咲きました。観賞用に栽培される多年草で、インド・マレーシアが原産。牧野植物図鑑によると日本には安政3年以前に渡来したとのこと。

 果樹園では、柿や柑橘類が色づき始めました。
 西条柿(渋柿) 
焼酎で渋抜きを試みたり、気温が下がれば干し柿作りを予定。
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 ユズ
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 ミカン(品種は宮川早生)
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Posted by katakago at 15:03
コウヤボウキの花 [2023年10月29日(Sun)]
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 裏山に自生しているコウヤボウキ(キク科)の花が咲き始めました。
コウヤボウキの関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/201

 ナンバンギセル(ハマウツボ科)の花(ススキに寄生しています)
以前の株が消えてしまったので種苗会社より新たに購入しました。
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【歌】 道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何をか思はむ (巻十・2270)
【口語訳】 道端の 尾花の陰の 思い草のように いまさら何を思い迷いましょうか
以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/175


 マユミ(ニシキギ科)の実も色づき始めました(後一月もすると実がはじけて中から赤い種が花を咲かせたように見えます)。
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Posted by katakago at 14:30
アサギマダラ続報(2頭飛来) [2023年10月23日(Mon)]
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 先週(10/17)に続き、今朝、アサギマダラがフジバカマの蜜を吸っているのを見つけました。今日は2頭で、一枚の写真に撮ることが出来ました(以下の写真ではフジバカマの左右に止まっています)。複数の飛来を目にするのは初めてです。

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Posted by katakago at 16:33
裏山のフジバカマにアサギマダラが飛来 [2023年10月17日(Tue)]
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 裏山に植えているフジバカマ(以前に種苗会社から購入した日本の原種とは異なる株ですが)が見ごろとなり、このところ毎日カメラ持参で出かけています。今朝、そのフジバカマにアサギマダラが飛来しているのを見つけ写真に撮れました。
 2019年に飛来したものは、マーキング(石川県宝達山)されていましたが今朝見つけた個体にはマーキングは見られませんでした。

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 以前(2019,2021年)のアサギマダラの関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1594
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1597
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1601
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1606
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1774

Posted by katakago at 13:46
ススキの穂(初尾花) [2023年10月11日(Wed)]
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 ススキの穂が日に輝いています。
【歌】 さ雄鹿の 入野のすすき 初尾花 いつしか妹が 手を枕(まくら)かむ (巻十・2277)
【口語訳】 (さ雄鹿の) 入野のすすきの 初尾花のように初々しい娘(こ) いつになったらあの娘の 手を枕にすることだろう
 「さ雄鹿の」は鹿が野に分け入る、の意でかけた「入野」の枕詞で、「初尾花」は穂が出たばかりの尾花で、初々しい女性のたとえとして用いられています(三句までが初々しい女性の比喩的序詞)。

 秋の七草のうち、この時期でも咲いているカワラナデシコやキキョウがみられます(これらの花の最盛期は過ぎてしまっているのですが)。
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 果樹園の片隅で、イヌタデの花が咲いていました。
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 畑の一角では、シロバナサクラタデの群生が見られます。
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 ヒオウギの花が終わった株では、刮ハがはじけて中から黒い球形の種子が見えています。
万葉歌に詠まれている、ぬばたま(原文は野干玉、烏玉、夜干玉などと表記)はこのヒオウギの種とみられています。植物としてのヒオウギやその種子を詠んだ例はなく、全て枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いられています。例歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/170

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 この時期でも花を咲かせている株があります。
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 裏山に植えているカラタチ(ミカン科)の実が色づいています。
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Posted by katakago at 14:40
フジバカマも咲き始めました [2023年10月07日(Sat)]
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 フジバカマ(キク科)の花が咲き始めました。写真は日本の原種と言われているもので、ポットで栽培しています。
フジバカマは山上憶良の「秋野の花を詠む歌二首」の二首目に詠まれ、秋の七草の一つです。関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/173

 裏山に植えたオケラ(キク科)の花も咲いています。
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 万葉歌には、いずれも巻十四の東歌に、うけら(原文は宇家良と表記)として詠まれています。
以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/182
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/476

 アカネ(アカネ科)の花(裏山入り口付近に自生しています)
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 万葉では植物そのものを詠んだ歌は無く、「あかねさす」として茜色に照り映える意で、枕詞(日・昼・紫などにかかる)として用いられています。関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/168
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/452


 イチイガシ(ブナ科)のドングリ  猪名川支流の塩川付近で撮影(裏山に植えた木はまだドングリが生っていません)
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 イチイガシは万葉歌では、いちひ(原文は伊智比と表記)と詠まれており、その歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/59

Posted by katakago at 15:53
ミズアオイも咲き始めました [2023年09月17日(Sun)]
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 ポットに植えているミズアオイ(ミズアオイ科)の花が咲き始めました。万葉歌では水葱(なぎ)と詠まれています。水葱が詠まれた歌は、以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1564

 畑でスベリヒユ(スベリヒユ科)の花が咲いています。
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 万葉歌に、いはゐつら(原文は伊波為都良と表記)と詠まれている植物にスベリヒユをあてる説があります。この歌の関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/91

 ハス池の傍でミソハギ(ミソハギ科)の花が未だ咲いています。
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Posted by katakago at 10:15
ヒガンバナが咲き始めました [2023年09月16日(Sat)]
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 先月末から畦の草刈りを行っていましたが、その畦道でヒガンバナ(ヒガンバナ科)が咲き始めました。

 先月訪れた高知県立牧野植物園の展示施設で撮影したヒガンバナの植物画
古名 イチシ(壱師)の花 (マンジュシャゲ、ヒガンバナ) 牧野富太郎冩生 とある
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 ヒガンバナを万葉歌の「壱師の花」にあてる説があります(牧野富太郎他)。関連記事を次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/172 

 果樹園傍でヘクソカズラ(アカネ科)の花を見つけました。
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 ヘクソカズラ(万葉歌では屎葛)が詠まれた歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/116

 ヨメナ(キク科)の花も咲いています。
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Posted by katakago at 11:57
秋の訪れ [2023年09月08日(Fri)]
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 昨日は久しぶりに雨が降ってくれて、今日はエアコンもなしで過ごせそうです。午前中の農作業(畦の草刈りなど)も捗りました。
 畑に植えているハギの花が咲き始めました。秋の七草のうち、ハギの傍ではオミナエシやキキョウが未だ咲いています。
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 早生のクリ(品種は丹沢) 
イガの中に栗の実が三つ見えています。万葉歌では「三栗の なか」のように同音の「中」・「那賀」にかかる枕詞としても詠まれています。
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 クリの木の傍でノカンゾウ(ススキノキ科)が今も咲いています。 
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 今春播種したヒオウギ(アヤメ科)がこの時期に花を咲かせています。
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 ニラ(ヒガンバナ科)の花
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 ヒシ’(ミソハギ科)の花
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 コナギ(ミズアオイ科)の花
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Posted by katakago at 11:31
ノカンゾウが咲き始めました。 [2023年08月22日(Tue)]
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 畑で、ノカンゾウ(ススキノキ科)の花が咲き始めました。万葉歌で「忘れ草」と詠まれている植物は、ヤブカンゾウ(花期は6〜7月)やノカンゾウがこれに当たると考えられています。。

 花の時期が終わってしまった蓮池の様子
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 この時期も花を咲かせているハマユウが見られます。
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 種子が出来ているハマユウ
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 まだ咲いているヒオウギも見られます。
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 咲き終わったヒオウギには刮ハが出来ています(秋にはこれがはじけて中に黒い球形の種子が見られます)。
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 キキョウは、初夏に咲き終わった茎を伐り戻しておいたので、また咲き始めています。
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 タカサゴユリは今も畑のあちこちで咲いています。
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Posted by katakago at 12:24
タカサゴユリが咲き始めました [2023年08月07日(Mon)]
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 畑でタカサゴユリが咲き始めました。種が飛散して畑のあちこちで生育しています。
 この時期、ヤマザクラの幹でセミが盛んに鳴いています。
 アブラゼミ 
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 クマゼミ
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 蓮池では花托が目立つ中、まだ花が見られます。
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 畑では、猛暑で雨も降らないなか、オミナエシをはじめミソハギ(ミソハギ科)、キキョウ、カワラナデシコなどの花が咲いています。
 オミナエシとミソハギ(写真手前)
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 キキョウ
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 カワラナデシコ
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Posted by katakago at 09:06
カノコユリが開花 [2023年07月29日(Sat)]
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 裏山に植えているカノコユリが咲き始めました。この時期のユリとしては他に、タカサゴユリが来月半ばころには咲き始めます。

 ひと月近く花を楽しませてくれている蓮池の今朝の様子(来月中旬ごろまで見られるか)。 
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 咲き終わって花托が目立つ中、まだこれから開花するものも見られます。
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Posted by katakago at 10:37
梅雨明けの植物園で [2023年07月21日(Fri)]
 梅雨明けの植物園の様子を載せておきます。
畑の数か所に植えているハマユウが一斉に咲き出しました。
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 蓮池では開花株も増え、このところ毎朝写真を撮りに来る方を見受けます。
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 畑のあちらこちらでオミナエシ(スイカズラ科)が咲いています。
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【歌】 手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも (巻十・2115)
【口語訳】 手に取ると 袖までも染まる おみなえしが この白露に 散ったら惜しい
 オミナエシは日当たりのよい山野に自生する多年草で、黄色の小さな花が密に集まって傘状に群がり咲く(秋の七草の一つ)。「にほふ」は、その色が周辺にある物にまで反映する意で、オミナエシの鮮やかな黄色の美しさが詠まれています。当時、露は開花を促すものとも、花を散らすものとも考えられていましたが、ここは、咲いている花を傷め散らすものとして詠まれています。
 次の歌のように、をみなへしが枕詞として用いられた例もあります。
【歌】 をみなへし 佐紀沢の辺の ま葛原 いつかも繰りて 我が衣に着む (巻七・1346)
【口語訳】 (をみなへし) 佐紀沢の辺の 葛原は いつになったら手繰り寄せて わたしの衣にして着られることやら
 この歌では、をみなへしは「咲き」の意で、地名の「佐紀沢」のサキにかかる枕詞として用いられています。
 比喩歌で、表の意味は口語訳(葛を収穫して糸にし、それを織って着物にする)のようになりますが、裏の意味は、「ま葛原」を作者(男)が思っている女性に譬えて、早く成長して結婚できるようになって欲しいと解されています(井手至先生)。
Posted by katakago at 17:15
ハマユウが咲き始めました [2023年07月12日(Wed)]
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 畑に植えているハマユウ(ヒガンバナ科)が咲き始めました。
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【歌】 み熊野の 浦の浜木綿(はまゆふ) 百重(ももへ)なす 心は思へど 直(ただ)に逢はぬかも (柿本人麻呂 巻四・496)
【口語訳】 み熊野の 浦の浜木綿のように 百重にも 心では思っているが 直(じか)には逢えないものだね
 持統天皇四年(690)9月13日から24日まで紀伊行幸があり、その折の詠とみられ、四首からなる歌の最初の一首で、『万葉集釈注』によれば、人麻呂が創作して宴で披露した問答歌とみられています。ハマユウは主に暖地の海浜に生えるヒガンバナ科の多年草で、7月中旬から八月中旬にかけて白い花を咲かせます。新宮市三輪崎の孔島(くしま)にはハマユウの群生地が見られ、かつて訪れたことがあります。
 浜木綿のどのような状態によって「百重なす」の序としたかについては、犬養孝著『万葉の旅 中』によれば、「波頭のたとえ、茎が幾重、花が百重などの諸説もあるが、群落自生の実景と歌の心情の表し方を見れば、緑葉の百重としか考えられない」とあります。



Posted by katakago at 17:02
今朝の蓮池で [2023年07月08日(Sat)]
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 蓮池では開花株が増えてきました。
 蓮池の後方ではキキョウ・オミナエシ・ミソハギが咲いています。
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 万葉歌にハスの葉とサトイモの葉が詠まれた歌があります。
【歌】 蓮葉(はちすば)は かくこそあるもの 意吉麻呂(おきまろ)が 家なるものは 芋(うも)の葉にあらし (長忌寸意吉麻呂 巻十六・3826)
【口語訳】 蓮の葉とは こんなものをいうのか さては意吉麻呂の 家にあるのは 里芋の葉だな
 ハスの葉は当時食器の代用として、物を盛るのに用いられていたようです。この歌は、庭の蓮池を眼前にしての宴席で、ハスの大きな葉に食物が盛られているのを見て詠まれた戯笑歌とみられています。
 この歌の解説(『萬葉集釈注』より)は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/106
 比較のために畑で栽培しているサトイモ(サトイモ科)の葉っぱの写真を載せておきます。
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Posted by katakago at 09:38
ヤマユリ(続報) [2023年07月07日(Fri)]
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 ヤマユリは裏山の3ヶ所に植えていますが、いずれの場所でも開花が見られました。花には強い香気があります。
 ヤマユリを基に改良された園芸種はオリエンタル・ハイブリッドとよばれています(例:カサブランカ)。
 万葉集中ユリは11首詠まれています(さ百合が8首、草深百合が2首、姫百合が1首)。
百合が詠まれた例歌は、今年の記事では、ヒメサユリとササユリの記事に載せています(次のURL)。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1882
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1888

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Posted by katakago at 16:26
ヒオウギが咲き始めました [2023年07月05日(Wed)]
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 畑に植えているヒオウギ(アヤメ科)の花が咲き始めました。秋には、花後に形成された刮ハがはじけて、中から黒い球形の種子が見られます。万葉歌に詠まれている「ぬばたま」(原文は野干玉・烏玉・夜干玉などと表記)は、このヒオウギの種と考えられています。

 今春播種したヒオウギ(開花は翌年以降かと思われます)。
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 蓮池では、今朝、今年初めての花が咲きました。
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 間もなく咲きそうな蕾も見られます。
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 裏山では新たにヤマユリの別の株が咲きました。
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Posted by katakago at 13:24
ヤマユリが一輪開花 [2023年07月03日(Mon)]
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 裏山の斜面に植えているヤマユリが一輪咲きました。これから他の数株でも順次開花が見込まれます。この時期、裏山へはやぶ蚊の対策をして出かけなければなりません。

 ハスの花も間もなく咲きそうです(今週中には最初の開花が見られるか)。
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 水槽に栽培しているヒルムシロはいくつか花を付けています。
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Posted by katakago at 08:38
ハスの蕾 [2023年06月27日(Tue)]
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 蓮池では、花芽が伸びてきているのを見つけました。花は来月以降楽しめそうです。

 裏山でもアジサイの傍に植えているヤブカンゾウが咲きました。
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【歌】 忘れ草 我(あ)が下紐に 付けたれど 醜(しこ)の醜草 言(こと)にしありけり (大伴家持 巻四・727)
【口語訳】 忘れ草を 下着の紐に 着けてはみたが 阿保のあほくさ 名ばかりでした
 中国の『文選』(巻第五十三「養生論」)に、「萱草ハ憂ヲ忘レシム」とあり、当時、これを身に付けると憂苦を忘れるという漢籍に基づく俗信があり、ここでは、恋の憂いを忘れるために身に付けてみたが、忘れ草は名ばかりで、恋の苦しさを忘れさせてくれず効果がなかったと詠まれています(これは後に家持の正妻となる坂上大嬢に贈った歌)。

 畑の畦道で、コヒルガオ(ヒルガオ科)が咲いていました。
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 万葉歌の容花(かほばな)をヒルガオにあてる説があります(他にカキツバタ、オモダカ説など)。
【歌】 高円の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも (大伴家持 巻八・1630)
【口語訳】 高円の 野辺のかお花のように 面影に ちらついて見えてあなたのことは 忘れられない
 「かほ花」は集中4首詠まれており、いずれも女の容貌に擬しているところから、美しい花と考えられ、松田修著『増訂 万葉植物新考』では、ヒルガオ説が採られています。上二句は、下三句に続く比喩の序となっています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』)。

 畑ではヒマワリも咲いています。 
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Posted by katakago at 10:28
ベニバナの花が最盛期 [2023年06月26日(Mon)]
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 ベニバナ(キク科)は万葉歌では紅(くれなゐ)と詠まれています。中国南部の呉の地方から渡来した植物の意味で「呉の藍」に由来するとされています。
【歌】 紅(くれなゐ)の 深染めの衣(きぬ) 色深く 染(し)みにしかばか 忘れかねつる (巻十一・2624)
【口語訳】 紅の 濃染(こぞ)めの衣のように 濃い色に 心に沁み込んだせいか 忘れられなくなった
 「寄物陳思歌(きぶつちんしか)」の一首で、自然の物象(この歌では紅)に託して、恋の心情を表現しようとする歌。紅は万葉集中36例あるうち、色名または染色に関わるものが多数です。
 ベニバナの色素は黄色(サフラワーイエロー)と赤色(カルタミン)の2種類があり、紅染めには赤色が用いられます。濃い紅染めには、この染液を何度も取り替えて衣を浸すことから、この歌の「深染めの衣」や、「紅の八入(やしほ)の衣(ころも)」(何度も何度も浸す)(巻十一・2623)など、染色工程を踏まえたとみられる表現があります。
 ベニバナが詠まれた万葉歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/81
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1134

 ヤブカンゾウ(ススキノキ科)の花が咲き始めました。万葉歌では萱草(わすれぐさ)と詠まれています。
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 ヒオウギの蕾(開花は来月中旬か)
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 キキョウの花が見頃です。
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 オミナエシとキキョウ
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 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花が咲いています。
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Posted by katakago at 09:24
コオニユリが開花 [2023年06月25日(Sun)]
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 裏山のコオニユリ(花はオニユリに似るが葉腋にむかごが無い)が予想よりも早く開花しました。ユリは種類が多く、5月のオトメユリ(ヒメサユリ)、6月初めのササユリに次いでの開花です。来月以降は、7月半ばのヤマユリ、8月半ばのカノコユリやタカサゴユリが楽しめそうです。

 ヒヨドリバナ(キク科)の花が咲いていました。
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 ヒヨドリバナやサワヒヨドリにウイルス(ヒヨドリバナ葉脈黄化ウイルス)が感染すると、葉脈が黄色くなって黄葉したように見えることがありますが、この株は健全です。
 葉脈が黄色くなったサワヒヨドリの葉を見て、夏なのに早くも黄葉した(季節に先駆けて黄葉したのはめでたい事)と、万葉歌に詠まれています。
【歌】 この里は 継ぎて霜や置く 夏の野に 我が見し草は もみちたりけり (孝謙天皇 巻十九・4268)
【口語訳】 この里は 年じゅう霜が置くのだろうか 夏の野で わたしが見た草は こんなに色づいていたよ
「継ぎて霜や置く」は、当時、霜は木の葉や草を色づかせると考えられていました。
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/52
Posted by katakago at 14:41
ネムノキの花が咲き始めました [2023年06月17日(Sat)]
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 裏山に自生するネムノキは、昨年春に高く伸びた幹を伐採したため今年は花が見られるか気がかりでした。先月から蕾を付けている枝を目にしていたので、来月には咲くのではと、裏山巡回時には気を付けていました。今朝、その花が咲いているのを見つけました。
【歌】 昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ (紀女郎 巻八・1461)
【口語訳】 昼間は咲き 夜は恋いつつ寝るという ねむの花です あるじだけ見るべきでしょうか 戯奴も見なさい
 「合歓木」はネムノキ(マメ科)で、複生する小葉を夜間閉じ合わせて眠る特性から、ネブ・ネブリなどの名がつけられました。「合歓」の字は、その葉が夜に合する性質によって、男女の交合に譬えた漢籍によったものとされています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』より)。この歌は、大伴家持に贈った歌で、『萬葉集全注』では、「家持にその花を見に来るように促す形で、共寝を誘う意をにおわしている」とあります。これに対し家持は、「我妹子(わぎもこ)が 形見の合歓木は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも (あなたに 頂戴したねむは 花ばかり 咲いておそらく 実を結ばないのではないでしょうか)」(巻八・1463) と、やんわり誘いを断っています。この贈答歌は戯れの遊びとみられています。 

 裏山の斜面でツユクサ(ツユクサ科)の花が咲いています(万葉歌では鴨頭草(つきくさ)と詠まれている)。
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【歌】 月草に 衣色どり 摺らめども うつろふ色と 言ふが苦しさ (巻七・1339)
【口語訳】 月草で 衣を染めて 摺りたいが 変わりやすい色だと 聞くのがつらい
 比喩歌に分類され、草に寄する17首のうちの1首。「摺る」は、布の上に型紙や型木を当て、その上から刷毛で摺って模様を染め出す捺染(なっせん)の技法(『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注より)。「月草」はツユクサで、青色の花を咲かせ、その花の汁を摺り染めにしても色が褪せ易いことより、変わりやすい比喩に用いられ、ツユクサが詠まれた9首中6首が「うつろふ」の意で使用されています。「衣色どり摺る」に求婚を受け入れる意を、「うつろふ色」にさめやすく移り気な心を譬えているとみられています(『萬葉集釈注』より)。『新編全集』の頭注には、「結婚しようと思う相手が心変わりしやすい性格の持ち主と聞いて、ためらっている女の歌か」とあります。
 
 これから咲くユリの様子を載せておきます。
 ヤマユリの蕾(開花は来月半ばか)
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 コオニユリの蕾(開花は来月半ばか)
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Posted by katakago at 12:14
ベニバナが一輪開花 [2023年06月16日(Fri)]
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 畑で栽培しているベニバナ(キク科)が一輪開花しました。今年の春に播種したものです。
 万葉歌では、くれなゐ(原文表記は紅・呉藍など)と詠まれています。
【歌】 紅(くれなゐ)の 花にしあらば 衣手(ころもで)に 染め付け持ちて 行くべく思ほゆ (巻十一・2827)
【口語訳】 あなたが紅の 花であったら 衣の袖に 染め付け持って 行きたいほどです
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注には、「地方官などになって任地にある間、部内の女子と親しんでいた男が、別れに際して詠んだ歌か。」とあります。

 早くも秋の七草の多くが咲き始めています。
オミナエシ(スイカズラ科)も咲き始めました。
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 カワラナデシコはこの時期が一番の見頃です。
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 キキョウも次々と花を咲かせています。
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 この時期、ミヤギノハギ(マメ科)が咲いています(9月にもう一度開花)。
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Posted by katakago at 15:38
オカトラノオが咲き始めました [2023年06月12日(Mon)]
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 裏山の斜面では、オカトラノオ(サクラソウ科)の花が咲き始めました。今年は昨年よりも株数が増えてきました。

 一雨ごとにアジサイの花の色が鮮やかになりました(写真は裏山入り口付近)。
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 裏山の斜面に植えたアジサイ
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 ベニガク(アジサイ科) 
周囲のガク片の装飾花は、はじめは白く今はピンク色に変化しています。
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 テイカカズラ(キョウチクトウ科)の花
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Posted by katakago at 11:46
キキョウが咲き始めました [2023年06月04日(Sun)]
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 畑に植えているキキョウ(キキョウ科)が咲き始めました。万葉歌で「あさがほ」と詠まれている植物は、キキョウが相応しいとの説が有力です。
【歌】 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲き増さりけり (巻十・2104)
【口語訳】 朝顔は 朝露をやどして 咲くと言われているが 夕方の淡い光の中の方が ずっと美しく見えるよ
 キキョウの関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/77
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/389

 裏山では、ササユリの別の株が先月(27日の記事)に続いて咲いています。
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 クララ(マメ科)の花
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 クララは万葉歌には詠まれていませんが、眩草(クララクサ)が省略されたもので、根汁をなめると苦いため目が眩むところからついた名で、漢方では、この根を乾燥して健胃薬とし、また民間では牛馬の皮膚の寄生虫を駆除するのに全草の煎汁が用いられるそうです(松田修著『古典植物事典』より)。
 クララの関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/632
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/520

Posted by katakago at 17:49
ヒルムシロ [2023年06月01日(Thu)]
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 NHK朝ドラ「らんまん」の今週の植物のテーマはヒルムシロ(ヒルムシロ科)です。そこで大型バットで栽培している写真を掲載しておきます(花は今月下旬かと思われます)。
 ヒルムシロは、万葉歌(巻十四の東歌)で、たはみづら(原文は多波美豆良と表記)にあてる説があります。
【歌】 安波(あは)をろの をろ田に 生(お)はる たはみづら 引かばぬるぬる 我(あ)を言(こと)な絶え (巻十四・3501)
【口語訳】 安波の峰の 山田に生える たわみづらのように 私が引いたらずるずるとどこまでもついて来て 私との仲を絶やさないでくれ (『萬葉集全注』より)
 『牧野万葉植物図鑑』(北隆館 2022年11月発行)には、水島南平 作のヒルムシロの図版が掲載されています。
 ヒルムシロの花の写真は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/646

 大型バットで個別に植えているジュンサイ(ジュンサイ科)の花が咲いています。 
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 ジュンサイは万葉歌の蓴(ぬなは)とされています。上記『牧野万葉植物図鑑』に図版が掲載されています。揺れ動く女の恋心を 浮葉性多年生水草のジュンサイに譬えた次の歌があります。
【歌】 我(あ)が心 ゆたにたゆたに 浮き蓴(ぬなは) 辺(へ)にも沖にも 寄りかつましじ (巻七・1352)
【口語訳】 わたしの心は ゆったりしたり動揺したりで 浮き蓴(ぬなわ)のように 岸にも沖にも 寄ってしまえそうにない  

 蓮池傍では、ハナショウブの見ごろとなりました。
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Posted by katakago at 15:55
ササユリが開花 [2023年05月27日(Sat)]
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 裏山のササユリが今朝開花しました。
【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (巻七・1257)
【口語訳】 道ばたの 草深ゆりの 花のように 微笑んだぐらいのことで 妻と言ってよいものでしょうか
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注には、「行きずりに微笑んだぐらいのことで、それを好意の表れと誤解した男への返事」とあります。

 畑のあちらこちらでカワラナデシコ(ナデシコ科)が咲いています。
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 大伴家持が、赴任先の越中で都に残した妻(坂上大嬢)を思い、独り身の寂しさを慰めるために、なでしこの種を蒔き百合を移し植えたと詠んだ歌(次の長歌)があります。左注には閏5月26日とあり、太陽暦の7月⒚日頃詠まれたようです。
【歌】 大君の 遠の朝廷(みかど)と 任(ま)きたまふ 官(つかさ)のまにま み雪降る 越(こし)に下り来 あらたまの 年の五年(いつとせ) しきたへの 手枕(たまくら)まかず 紐解かず 丸寝(まろね)をすれば いぶせみと 心なぐさに なでしこを やどに蒔き生(お)ほし 夏の野の さ百合引き植ゑて 咲く花を い出見るごとに なでしこが その花妻に さ百合花 ゆりも逢はむと 慰むる 心しなくは 天離る 鄙に一日(ひとひ)も あるべくもあれや (巻十八・4113)
【口語訳】 大君の 遠い公吏として 遣わされた 職務に従い 雪の降る 越中に下って来 (あらたまの) 五年の任期間 (しきたへの) 妻の手枕もせず 紐も解かず 丸寝をすると 辛気くさいので 気晴らしに なでしこの種を 庭に蒔き生やし 夏の野の 百合を引き植えて 咲く花を 出て見るたびに なでしこのような 花妻の大嬢(だいじょう)に ゆりの花の ゆりー
後には逢えようと 気を紛らす ことでもなければ (天離る) 鄙に一日でも いられるものか
 「さ百合花 ゆりも逢はむと」のさ百合花は、同音でゆり(後の意)にかかる枕詞。

 3年前に播種したヒオウギ(花は7月中旬ごろ)
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 今春播種したヒオウギ(周囲の草を取り除いたところ発芽していました)
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Posted by katakago at 15:15
裏山のアジサイ [2023年05月25日(Thu)]
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 裏山に植えているアジサイ(アジサイ科)が咲き始めました。
 ヤマアジサイの花
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 ガクアジサイの花
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【歌】 あぢさゐの 八重咲くごとく 八(や)つ代(よ)にを いませ我が背子 見つつ偲はむ (橘諸兄 巻二十・4448)
【口語訳】 あじさいが 八重に咲くように 八代も 長生きしてください君よ 見てはあなたを偲びましょう
 天平勝宝七年(755)5月11日に、左大臣橘諸兄が右大弁丹比国人真人の邸宅を訪れた際の宴席で、主賓の諸兄が詠んだ歌。5月11日は太陽暦の6月28日にあたり、アジサイの花の最盛期であったと思われます。「あぢさゐの 八重咲くごとく」は、アジサイの花の様から八重といい、同音の「八つ代」を導き、八代も長く栄えることの比喩として、主人丹比国人の長寿を祝って詠まれています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』より。但し、その頭注では集散花序のアジサイを重弁の意の八重と称するのは不合理とある)。『新潮日本古典集成 万葉集』では花の色が変わると解されて、その口語訳も「あじさいが次々と色どりを変えてま新しく咲くように」となっています。。アジサイは日本原産の植物で、和名のアジサイのアジはアツで集まること、サイは真藍(さあい)の約されたもので、青い花が群れて咲くからといわれています。

 ササユリが間もなく開花しそうです。
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Posted by katakago at 14:08
ハナショウブが咲き始めました [2023年05月22日(Mon)]
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 蓮池の隣では、ハナショウブ(アヤメ科)の花が咲き始めました。これから来月中旬ごろまで花を楽しめそうです。

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 蓮池ではハスの立ち葉が伸びてきました。その間には混植しているアサザ(ミツガシワ科)の花が咲いています。
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 アサザの花
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 アサザ(万葉歌ではあざさ)が詠まれた万葉歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/49

 畦道ではチガヤ(イネ科)の穂が見られます。
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チガヤ(万葉歌ではち、つばな)が詠まれた歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/352



Posted by katakago at 11:30
ウツギやセンダンの花が咲いています [2023年05月16日(Tue)]
 裏山では、ウツギ(アジサイ科)やセンダン(センダン科)の花が咲いています。
 ウツギの花
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 万葉歌では、卯の花と詠まれています。
【歌】 卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴きとよもす (大伴家持 巻八・1477)
【口語訳】 卯の花も まだ咲いていないのに ほととぎすは 佐保の山辺に もう来て鳴き立てている
 ホトトギスが思いもかけず卯の花の咲かないうちに、我が住む里にやって来た喜びを詠った歌。「卯の花の いまだ咲かねば」は、当時、卯の花はホトトギスの到来とともに咲くと考えられていたことに基づく表現。同じ家持の作で、卯の花が咲く月(旧暦の四月)の到来という、暦上の季節感によってホトトギスを待つ心を詠んだ歌があります。
【歌】 卯の花の 咲く月立ちぬ ほととぎす 来鳴きとよめよ 含(ふふ)みたりとも (巻十八・4066)
【口語訳】 卯の花の 咲く月が来たぞ ほととぎすよ 来鳴きとよもせ まだ蕾であっても
 万葉集中卯の花が詠まれた24首のうち、18首にホトトギスが詠まれています。

 センダンの花 (万葉歌では「あふち」と詠まれています)
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【歌】 妹が見し 楝(あふち)の花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに (山上憶良 巻五・798)
【口語訳】 妻が見た 楝の花は もう散ってしまいそうだ わたしの泣く涙は まだ乾かないのに
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/38

 ノイバラ(バラ科)の花も咲いています。
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 クサイチゴ(バラ科)の果実
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Posted by katakago at 09:23
ヒメサユリ(オトメユリ)が開花 [2023年05月06日(Sat)]
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 裏山には数種類のユリを植えていますが、その中で最初に咲くヒメサユリ(オトメユリ)が開花しました。常陸国の防人歌に、ユリを詠んだ次のような歌があります。
【歌】 筑波嶺(つくはね)の さ百合(ゆる)の花の 夜床(ゆとこ)にも かなしけ妹そ 昼もかなしけ (上丁大舎人部千文 巻二十・4369)
【口語訳】 筑波嶺の さ百合の花のように 夜床でも いとしい妻は 昼間もいとしい

 自生しているエゴノキ(エゴノキ科)も花を咲かせています。万葉歌で「やまぢさ」、「ちさ」と詠まれている植物にエゴノキを当てる説があります。
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【歌】 山ぢさの 白露重み うらぶれて 心に深く 我(あ)が恋止まず (巻十一・2469)
【口語訳】 山ちさがしとどにおいた白露の重さでうなだれるようにうちしおれて、 心の底深く 私の恋は止むことがない
 この歌は、巻十一の寄物陳思歌(物に寄せて思いを陳ぶる歌)に分類され、「山ぢさの白露重み」は「うらぶれて」を起こす序(山ぢさの花に露がいっぱい置いてうなだれしおれている様子が比喩の序)となっています。

 マユミ(ニシキギ科)の花も咲いています。
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Posted by katakago at 14:55
水辺の植物も開花 [2023年04月29日(Sat)]
 蓮池傍に植えているカキツバタ(アヤメ科)が咲き始めました。
 花の色は濃紫色や紺色で、外花被片の中央に白い線があります。
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【歌】 我(あれ)のみに かく恋すらむ かきつはた につらふ妹は いかにかあるらむ (巻十・1986)
【口語訳】 わたしだけ こうも恋焦がれているのだろうか かきつばたのように 頬赤らめたあの娘(こ)は どんな気なのだろう (少しは自分の気持ちを察してくれているのであろうか)

 ショウブ(ショウブ科)の花
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 万葉歌では、あやめぐさ(原文は菖蒲草・菖蒲などと表記)として詠まれています。
【歌】 ほととぎす 厭ふ時なし あやめぐさ 蘰にせむ日 こゆ鳴き渡れ (巻十・1955)
【口語訳】 ほととぎすよ 嫌な時などないぞ あやめぐさを 蘰にする日に ここを鳴いて行け
 ショウブは根茎・葉など全体から独特の匂いを発し、これが邪気を払い疫病を除くといわれて、端午の節句に使用されます。「あやめぐさ 蘰にせむ日」は五月五日で、『続日本紀』(天平十九年条)には、太上(元正)天皇が、「五月五日に宮廷に出仕する際、官人が菖蒲を蘰にして来るよう」に詔したことが記されています。ショウブが詠まれた歌は万葉集中十二例あり、そのうち「ほととぎす 待てど来鳴かず あやめぐさ」(巻八・1490)や、「ほととぎす 来鳴く五月の あやめぐさ」(巻十八・4116)など、大伴家持作歌は九首あります。

 水槽で栽培しているアサザ(ミツガシワ科)が早くも開花(写真手前はヒシの葉)
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Posted by katakago at 13:53
フジも開花 [2023年04月19日(Wed)]
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 藤はわが国には、フジ(ノダフジ)とヤマフジ(ノフジ)の二種類があり、写真は畑に設えた藤棚に咲くノダフジです。万葉集中に27首詠まれています。
【歌】 恋しけば 形見にせむと 我がやどに 植ゑし藤波 今咲きにけり (山部赤人 巻八・1471)
【口語訳】 恋しくなったら 偲びぐさにしようと思って 家の庭に 植えた藤の花は 今咲き始めた
 「藤波」は、フジの花房が風に揺れる様を波に見立てた歌語(かご)。「形見」は、それを見ることで人を思い起こす縁(よすが)の品のことで、生存する者同士でも用いられた(『萬葉集釈注』)。
 類想歌に、
【歌】 恋しくは 形見せよと 我が背子が 植ゑし秋萩 花咲きにけり (巻十・2119)
こちらは女性の作。

 畑に植えているアマドコロ(キジカクシ科)の花が咲いています(写真手前はセリ科のミツバ)。草姿や花の形は同じキジカクシ科のナルコユリに似ていますが、ナルコユリの茎には稜が無く、アマドコロの茎は6稜の違いがあります。
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 次の万葉歌で、にこ草(原文は似児草と表記)と詠まれている植物に、アマドコロをあてる説があります(他にイノモトソウ科のハコネシダとする説も)。
【歌】 葦垣の 中のにこ草 にこよかに 我と笑(ゑ)まして 人に知らゆな (巻十一・2762)
【口語訳】 葦垣の 中のにこ草の にこやかに 私に笑顔を見せて 二人の仲を人に知られるでないぞ
 「葦垣の 中のにこ草」は、ニコの同音繰り返しで「にこよかに」を起こす序。

 花の終わったオキナグサ(キンポウゲ科) 
痩果(そうか)は花柱が長く伸び、老人の白髪のような白毛を密生させています(和名:翁草、漢名:白頭翁)。
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 畑で、早くもカワラナデシコ(ナデシコ科)の花を咲かせている株を見つけました。
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Posted by katakago at 11:46
ヤマツツジが咲き始めました [2023年04月14日(Fri)]
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 裏山の木々の若葉の鮮やかな季節となりました(花粉や黄砂の心配がなければ過ごし易い季節なのですが)。
 裏山のヤマツツジが咲き始めました。
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 こちらは間もなく開花しそうです。
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【歌】 山越て 遠津(とほつ)の浜の 石(いは)つつじ 我が来るまでに 含(ふふ)みてあり待て (巻七・1188)
【口語訳】 (山越て) 遠津の浜の いわつつじよ 私が帰ってくるまで 蕾のままで待っていておくれ
【歌】 水伝(みなつた)ふ 磯の浦廻の 石(いは)つつじ 茂(も)く咲く道を またも見むかも (巻二・185)
【口語訳】 遣水の 磯辺に植えた いわつつじの 茂り咲くこの道を また見ることがるだろうか(草壁皇子が亡くなった時に柿本人麻呂の挽歌に続いて舎人が詠んだ歌の一首)。
 ツツジが詠まれた別の歌は下記のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/585
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/817

 この時期、裏山に自生するヤマザクラの花が咲いています(写真左奥はユズリハの木)。
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 ヤマザクラの拡大
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 ユズリハの新葉が出ています(写真左後方はアカメガシワ)。
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ユズリハが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/251
Posted by katakago at 14:48
ヤマブキの花が見頃です [2023年04月09日(Sun)]
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 裏山のヤマブキ(バラ科)が一斉に咲き見頃となりました。この時期、アセビの花はまだ咲いており、ヤマブキの株元ではクサイチゴ(バラ科)が白い花を咲かせ、シャガ(アヤメ科)の花も咲き始めました。
 八重のヤマブキも咲いています。
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【歌】 かはづ鳴く 神奈備川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花 (厚見王 巻八・1435)
【口語訳】 蛙の鳴く 神奈備川に 影を映して 今頃咲いていることであろうか 山吹の花が
 『萬葉集全歌講義』には、「この歌の作者は神奈備川から遠く離れた所で、山吹の花が美しい姿を水に映して咲いている様子を想像している」とあります。

 高市皇子の十市皇女(天武天皇の長女、母は額田王)に対する挽歌に、
【歌】 山吹の 立ちよそひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく (巻二・158)
【口語訳】 山吹が 咲き匂っている 山清水を 汲みに行きたいが 道が分からないことよ
 上三句「山吹の 立ちよそひたる 山清水」については、『新編日本古典文学全集萬 萬葉集』の頭注に、「死後の世界を意味する中国の『黄泉』の語を意訳して黄色い山吹と清水で表している」とあります。
 左注に、『日本書紀』を引いて、「天武七年(678)四月七日に突然病気になって宮中で亡くなった」とあり、作者の高市皇子は、壬申の乱の時天武軍を指揮し、皇女の夫(大友皇子)を死に追いやった。その高市がこの折なぜ挽歌を詠んだかは分かっていない。大友皇子の敗死によって皇女を不幸にしたとの思いからか(『萬葉集全歌講義』)、あるいは、当時皇女は異母兄の高市と結ばれていたのではないかとする説(『万葉集釈注』・『新潮日本古典集成 萬葉集』)があります。

Posted by katakago at 15:31
さわらびの 萌え出づる春 [2023年04月01日(Sat)]
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 裏山の斜面で、ワラビ(コバノイシカグマ科)を見つけました。万葉歌で、志貴皇子の次の歌がよく知られています。
【歌】 石(いは)走(ばし)る 垂水の上の さわらびの 萌え出(い)づる春に なりにけるかも (巻八・1418)
【口語訳】 岩の上をほとばしり流れる 垂水のほとりの さわらびが 萌え出る春に なったなあ 
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/307

 カラタチ(ミカン科)の花も咲き出しました。
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 カラタチは、巻十六の題詞に「忌部首、数種(くさぐさ)の物を詠む歌一首」とある次の歌に詠まれています(宴などきわめてくだけた集団の場における即興とみられている)。
【歌】 からたちの 茨(うばら)刈り除(そ)け 倉建てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自(とじ)
【口語訳】 からたちの 茨を刈り除いて 倉を建てるのだ 屎は遠くに行ってせい 櫛造りのおばちゃんよ

 ヒトリシズカが一面に花を咲かせています。
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Posted by katakago at 14:34
ヤマナシの花も開花 [2023年03月28日(Tue)]
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 ヤマナシ(バラ科)の花が一斉に咲き始めました。ナシが詠まれた次の万葉歌を載せておきます。
【歌】 梨棗 黍に粟次ぎ 延(は)ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く (巻十六・3834)
【口語訳】 梨(離)棗(早) 黍(君)に粟(逢)と続いて (延ふ葛の) いずれは逢おうと 葵(逢う日)の花が咲く
この歌の関連記事(次のURL)には、『新編日本古典文学全集 萬葉集』の解説を引用しています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/574

 裏山や畑に植えている桜が順次開花しています。以下に、今朝の写真を載せておきます。
 裏山入り口近くに植えている桜は満開です。
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 先月中旬に、裏山の五輪塔跡に植樹したヤマザクラが咲き始めました。
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 裏山の枝垂桜は間もなく咲きそうです。
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 畑のセンダイヤは満開です。
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 畑で最初に咲いたヤマザクラ
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 オオシマザクラも開花(花弁は他のヤマザクラより大きく純白。葉は桜餅に使用されるようです)
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Posted by katakago at 13:41
ヤマザクラの園芸種 センダイヤも開花 [2023年03月23日(Thu)]
 エドヒガンに続き、ヤマザクラも咲き始めました。
【歌】 春雨に 争ひかねて 我がやどの 桜の花は 咲きそめにけり (巻十・1869)
【口語訳】 春雨に 逆らえなくて 家の庭の 桜の花は ほころび始めた
『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注には、「ここは春雨が桜の花に咲け咲けと催促するのに対して、桜が拒んでいるように擬人的に表現したもの。漢籍に類似表現がある。」とあります。
 写真は今朝雨が降る前に撮影したセンダイヤ(牧野富太郎博士命名のヤマザクラの園芸種)の蕾
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 午後雨の止むのを待って同じ枝を撮影
雨に濡れながらも花が開いていました(花弁は濃いピンク色です)。
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 別のヤマザクラ(品種は不明)も咲き始めました。こちらは花弁の色は白で、開花と同時に新葉も見られます。 
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 昨日掲載のエドヒガンを、猪名川の堤防から遠望した写真も載せておきます。遠くからでも目立つようになりました。 
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Posted by katakago at 17:31
エドヒガンは早くも満開に [2023年03月22日(Wed)]
 裏山の二本のエドヒガンは早くもほぼ満開となりました。明日の天気は雨の予報で、その前の写真を掲載しておきます。
【歌】 あしひきの 山の際(ま)照らす 桜花 この春雨に 散り行かむかも (巻十・1864)
【口語訳】 (あしひきの) 山あいを照らしている 桜花は この春雨に 散り行くことであろうか
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 花の蜜を吸うメジロ
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 今朝裏山で咲いていたカタクリ
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 裏山のヤマブキも間もなく咲きそうです。
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 今朝畑で咲いていたオキナグサ
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 ハナショウブも新葉が伸びてきました。
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Posted by katakago at 15:25
裏山のエドヒガンも開花 [2023年03月19日(Sun)]
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 裏山には13年ほど前にエドヒガンの実生苗を2株移植しましたが、今では大きく育ち今年も花が咲き始めました。これから4月にかけて他のヤマザクラも順次開花するものと思われます。

 裏山のイロハモミジの樹下で、ヒトリシズカ(センリョウ科)の花が咲き始めました。
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ヒトリシズカ、フタリシズカの関連記事は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/30
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/304

 アンズの花は間もなく散ってしまいそうです。
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 スモモは一斉に花を開きました。初夏に果実を収穫するのが楽しみです。
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Posted by katakago at 11:54
春の花 続報 [2023年03月16日(Thu)]
 スモモの花が咲き始めました。スモモは万葉歌に次の一首が詠まれています。
【歌】 我が苑の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (大伴家持 巻十九・4140)
この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/305
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 一重に続き八重の花桃も咲いています。
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 ツクシの傍でタチツボスミレが咲いていました。
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 畑の数か所でオキナグサが咲いています。
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 裏山のシキミ(マツブサ科)の大木も花を咲かせています。シキミが詠まれた万葉歌は次の一首のみです。
【歌】 奥山の しきみが花の 名のごとや しくしく君に 恋ひ渡りなむ (大原眞人今城 巻二十・4476)
この歌の解説は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/282
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 裏山の斜面ではカタクリが順次咲いています。
写真右の咲き終わった株では刮ハが出来ています。
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 果樹園ではアンズの花が満開です。
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 アーモンドの花も咲いています。
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 裏山の入り口付近ではヒメオドリコソウ(シソ科)の群生が見られます。
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 バイモ(ユリ科)の花も咲き始めました。 
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Posted by katakago at 16:17
春の花が次々と [2023年03月12日(Sun)]
 裏山に植えている花桃(一重)が見ごろとなりました。
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 大伴家持が桃の花を詠んだ次の歌があります。
【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (巻十九・4139)
【口語訳】 春の園は、まるで一面紅色に照り輝いている、その桃の花の樹の下まで照り映える道に、つと出で立っているおとめよ。(『万葉集全注』より)
この歌の解説については、以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/286

 果樹園では、サクランボ(暖地桜桃)の花が咲き始めました。
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 アンズ(バラ科)も間もなく開花しそうです。
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 ネコヤナギ(カワヤナギ)の花穂 
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Posted by katakago at 16:41
ヤブツバキとアセビ [2023年03月09日(Thu)]
 万葉歌にツバキとアセビが詠まれた歌があります。
【歌】 三諸(みもろ)は 人の守(も)る山 本(もと)辺は あしび花咲き 末(すゑ)辺は 椿花咲く うらぐはし 山そ 泣く子守る山 (巻十三・3222)
【口語訳】 三諸山は、 人々の大切に守っている山だよ。麓にはあしびの花が咲き、頂には椿の花が咲く。美しい山だよ。泣く子を見守るように、人々の見守っている山だよ。
 この歌は、四・七・四・七・四・七・五・三・七の音数律をもち、長歌の末尾が五・三・七で終わるのは古い謡い物に多い形式で、古くから伝承された歌とみられています(『萬葉集全歌講義』より)。三諸は、神の降臨して籠る場所で、明日香の甘南備山とする説、あるいは三輪山とする説がありますが、歌からは特定できません。花咲く春の山を讃える「山ぼめ歌」とみられています。
 裏山の斜面に自生しているヤブツバキ(ツバキ科)が見ごろとなりました。
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 咲き始めたアセビ(ツツジ科)
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 畑に植えている白梅は満開です。
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Posted by katakago at 13:28
カタクリが開花 [2023年03月08日(Wed)]
 5日掲載のカタクリの花が咲きました。
万葉歌には、大伴家持の次の一首のみ詠まれています。歌では「かたかご」と詠まれ、一例しかないものは孤語と称される。
【歌】 もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 (巻十九・4143)
【口語訳】 (もののふの) 群れなす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ

 昨日(3/7)はまだ蕾
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 今朝開花したカタクリ
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 畑で生育しているオキナグサ(キンポウゲ科)の花も開きそうです。
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Posted by katakago at 15:48
カタクリの蕾 [2023年03月05日(Sun)]
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 陽気がよくなり、このところ裏山へはほぼ毎日出かけています。今年はスギやヒノキの花粉の飛散量が多いためマスクの着用は必須です。
 裏山の斜面で蕾を付けたカタクリ(ユリ科)一株を見つけました。今年は例年よりも早く開花しそうです。

 果樹園では、あちらこちらでオオイヌノフグリ(オオバコ科)の花が咲いています。
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 畑ではツクシを1本見つけました。
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Posted by katakago at 14:03
春の訪れ [2023年03月01日(Wed)]
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 このところの陽気で菜の花も満開です。
裏山では、ウメ(写真上)に続いてモモ(一重の花桃、写真下)が咲き始めました。

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 ネコヤナギも芽吹き始めました。 
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 シキミも花を咲かせています。
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 ミツマタ(ブータン大輪ミツマタ)も咲き始めました。
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 畑では、アオサギを見かけるようになりました。
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Posted by katakago at 14:28
畑の樹木剪定を業者に依頼 [2023年02月27日(Mon)]
 昨年は裏山の手入れ(高木の伐採など)を業者にやってもらいましたが、今回は畑に植えた樹木の剪定作業を行ってもらいました。キリ、クヌギ、シダレヤナギ、ハンノキ、タブノキ、スギ、マツ、ケヤキ、ヤマナシなど伸びすぎた枝を切り落とし、スッキリしました。来月下旬にはヤマザクラの花が楽しめそうです。
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 果樹園脇の矢問川堤防法面の草も刈ってもらってスッキリしました。
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 畑で見かけた野鳥
 ヤマガラ 
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 ヒヨドリと思われる
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 イソヒヨドリか?
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Posted by katakago at 16:48
裏山にヤマザクラの苗木を植樹 [2023年02月14日(Tue)]
 一昨年、裏山の五輪塔(木田氏中興塔)を自宅敷地内に移設しましたが、その跡地にヤマザクラの苗木を植樹しました。作業は毎年庭の樹木の剪定をお願いしている業者さんにやって頂きました。これから週2,3回程度の水遣りが必要です。今春花が見られるか楽しみです。

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 裏山では、花の色が薄いピンク色のアケボノアセビ(ツツジ科)が咲き始めました。白い花のアセビはまだ蕾で花の時期は来月下旬ごろかと思われます。
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 「恋する気持ちが奥山のアセビの花のように今や真っ盛り」と詠まれた万葉歌があります。
【歌】 我が背子に 我が恋ふらくは 奥山の あしびの花の 今盛りなり (巻十・1903)

 
Posted by katakago at 14:48
雪が積もりました [2023年01月25日(Wed)]
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 今年になって初めての積雪です(写真は雪が積もった裏山の入り口付近の様子)。
 大雪を豊年の瑞兆として詠まれた万葉歌を載せておきます。天平十八年(746)正月に雪が降り積もり、太上天皇(元正)の御所で雪掻きの奉仕が行われた際に葛井連諸会が詠んだ歌です。
【歌】 新(あらた)しき 年の初めに 豊の稔(とし) しるすとならし 雪の降れるは (巻十七・3925)
【口語訳】 新しい 年の初めに 今年豊作の 前触れをするのでありましょう こんなに雪が降るのは
 この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/527

 大伴家持の次の歌の解説は、以前の記事に載せています。
【歌】 新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと) (巻二十・4516)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/520 

 畑の蓮池も氷が張り雪が積もっていました。 
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 実を付けたタチバナの葉にも雪が積もっていました。
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【歌】 橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜置けど いや常葉(とこは)の木 (聖武天皇 巻六・1009)
【口語訳】 橘は 実まで花まで その葉まで 枝に霜が置いても いよいよ栄える木であるぞ
 この歌の関連記事は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/269

Posted by katakago at 09:58
白梅が咲き始めました [2023年01月15日(Sun)]
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 2023年の最初の植物園の写真は白梅です。裏山や畑に植えているうちの畑の一株で花が咲き始めました。
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 天平二年正月十三日(西暦730年2月8日)に、大宰府の長官大伴旅人の邸宅で「梅花の宴」が開かれた時に、32首の梅の歌が詠まれています。次にその最初の歌を載せておきます。
【歌】 正月(むつき)立ち 春の来(きた)らば かくしこそ 梅を招(を)きつつ 楽しき終(を)へめ (大弐紀卿 巻五・815)
【歌】 正月になり 春が来たなら こうやって 毎年梅を迎えて 歓を尽くしましょう
「梅花の宴」の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1636

 裏山ではヤブツバキが一輪咲いていました。見頃は来月中旬以降かと思われます。  
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Posted by katakago at 14:58
師走の植物園で [2022年12月15日(Thu)]
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 十二月半ばのこの時期にも、裏山でタカサゴユリが一輪咲いていました(紅葉したイロハモミジを背に)。
 自生しているマンリョウ(サクラソウ科)が真っ赤な実を付けています。
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 すっかり葉が落ちたミズメ(カバノキ科)で果穂と雄花序がみられます。
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 果穂
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 雄花序
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 ハンノキ(カバノキ科)の果穂と雄花序(こちらはまだ葉っぱが残っています)。
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 果穂
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 雄花序
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 ハンノキの果穂は、その煎汁に灰汁(あく)や鉄などの媒染剤を加えて褐黄色・褐色・紺黒色などの染料とされたようで、「衣に摺りつ」・「摺れる衣」などと詠まれた歌があります。そのうちの譬喩歌をあげておきます。
【歌】 白菅の 真野の榛原 心ゆも 思はぬ我し 衣に摺りつ (巻七・1354)
【口語訳】 白菅の生い茂る真野の榛の林、その榛を、心底思っているわけでもない私としたことが、衣の摺り染めに使ってしまった。
 口語訳は『萬葉集釈注』に拠りましたが、そこでは、「真野の榛原」を男に、「衣に摺る」にその男と契ったことを譬えた歌で、意に染まない男の妻となったことを悔やむ女の嘆きと解説されています。
Posted by katakago at 15:30
師走に咲くヒマワリ [2022年12月02日(Fri)]
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 師走の畑で、8月下旬に播種したヒマワリが咲いています。夏季は揃って開花しますが、この時期は生育にばらつきがあるためか開花の時期が株毎に異なります。その分長く花を楽しめます。また、切り花にしても長持ちします。
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 先に開花した株では種が出来ています。
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 その他、この時期花が見られるのはノジギクで、カワラナデシコとタカサゴユリがそれぞれ一株づつ今も咲いていました。
 ノジギク
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 カワラナデシコ
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 タカサゴユリ
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Posted by katakago at 14:34
裏山の紅葉 [2022年11月30日(Wed)]
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 裏山では今春の整備の一環で、アラカシ・ヒノキ・クヌギ・コナラなどの大きな木や竹を伐採したため、イロハモミジをはじめ落葉樹の紅葉が際立つようになりました。
 イロハモミジ(ムクロジ科)
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 ケヤキ(ニレ科)
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 イヌビワ(クワ科)
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 サネカズラ(マツブサ科)の液果が赤く色づきました(万葉歌では「さなかづら」と詠まれている)。
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 葉は厚手で光沢があり、落葉しないまま色づき始めました。
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関連万葉歌
【歌】 あしひきの 山さな葛(かづら) 黄変(もみつ)まで 妹に逢はずや 我が恋ひ居らむ (巻十・2296)
【口語訳】 (あしひきの) 山さなかずらが 赤く色づくまでも あの娘に逢わずに 私は恋し続けることよ  
 多くの注釈書では葉が赤く色づくとみられていますが、それほど鮮やかな赤にはなりません。

 
 先週、三番目の孫の七五三のお参りに多田神社に出かけました。平日(学校行事の代休日)であったためゆっくりと参拝できました。健やかに育ってくれることを願っています。
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Posted by katakago at 15:23
ハギの黄葉 [2022年11月20日(Sun)]
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 裏山では、咲き終わった萩の葉も色づき始めました。ハギは万葉集中最も多く詠まれており(141首)、その中で葉の黄葉が詠まれた歌を次に抄出しておきます。「もみち」の原文表記は下線で示しておきます。

【歌】 雲の上に 鳴きつる雁の 寒きなへ 萩の下葉は 黄変(もみちぬる)かも (巻八・1575)
【口語訳】 雲の上で 鳴いた雁の声が ひんやりしていると思ったら 萩の下葉は 色づき始めました
【歌】 我がやどの 萩の下葉は 秋風も いまだ吹かねば かくそ毛美(もみ)てる (大伴家持 巻八・1628)
【口語訳】 家の庭の 萩の下葉は 秋風も まだ吹かないのに こんなに色づいています
【歌】 秋萩の 下葉赤(もみちぬ) あらたまの 月の経ぬれば 風を疾(いた)みかも (巻十・2205)
【口語訳】 秋萩の 下葉が色づいた (あらたまの) 月が改まったので 風が荒いからだろうか
【歌】 秋萩の 下葉の黄葉(もみち) 花に継ぎ 時過ぎ行かば 後恋ひむかも (巻十・2209)
【口語訳】 秋萩の 下葉の色が 花に続いて変わり 時が過ぎていったら あとで懐かしく思われることだろうか
【歌】 さ夜更けて しぐれな降りそ 秋萩の 本葉の黄葉(もみち) 散らまく惜しも (巻十・2215)
【口語訳】 夜が更けて しぐれよ降るな 秋萩の 本葉(もとは)の紅葉(もみじ)が 散ったら惜しい
【歌】 天雲に 雁そ鳴くなる 高円の 萩の下葉は 毛美知(もみち)あへむかも (中臣清麻呂 巻二十・4296)
【口語訳】 天雲に もう雁が鳴いているね 高円の 萩の下葉は 色づきおおせるだろうか 

そのうち、巻十・2205の歌については、次のURLに関連記事を載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/143



Posted by katakago at 17:02
木々の紅葉 [2022年11月08日(Tue)]
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 裏山の木々が色づいてきました。上の写真はイロハモミジ(ムクロジ科)の紅葉。樹種によって赤や黄色に色づいてきます(以下数種の樹木の葉の写真を掲載)。
 万葉歌で、露霜にあって色づいた草や木の葉が「もみち」、「もみちば」と詠まれており、その原文表記のほとんどは「黄葉」となっています。これは以前の記事にも触れているように、中国の六朝から初唐までの用字の導入とみられています(小島憲之著『上代日本文学と中国文学 中』)。
 ヤマハゼ(ウルシ科)の葉 
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 カツラ(カツラ科)の葉
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 ミズメ(カバノキ科)の葉
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 カシワ(ブナ科)の葉
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 クヌギ(ブナ科)の葉
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 3週間ほど前に吊るした干し柿が乾燥してきました。
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 出来上がった干し柿とクリの渋皮煮
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 今夜の皆既月食の様子も載せておきます。
午後7時ごろ
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午後8時過ぎ
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Posted by katakago at 14:31
コウヤボウキの花 [2022年11月02日(Wed)]
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 裏山の手入れをしていた際、コウヤボウキ(キク科)の花が咲いているのを見つけました。万葉歌に「たまばはき」と詠まれている植物がコウヤボウキに当たるとされています。次の二首に詠まれています。
【歌】 玉箒(たまばはき) 刈り来(こ)鎌麻呂 むろの木と 棗が本と かき掃かむため (長忌寸意吉麻呂 巻十六・3830)
この歌については、以前のナツメの記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/163
【歌】 初春の 初子の今日の 玉箒 手に取るからに 揺らく玉の緒 (大伴家持 巻二十・4493)
コウヤボウキが詠まれたこの歌の解説は、以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/201

 白花のフジバカマが咲いています。
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 タカサゴユリが咲いていました。
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 キキョウはこの時期もまだ咲いている株があります。
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 蓮池でアサザが一輪咲いていました。
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Posted by katakago at 14:34
樹木の果実 [2022年10月29日(Sat)]
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 畑に植えているクヌギ(ブナ科)でドングリを見つけました。殻斗(かくと)に堅果が一個の「橿の実」は、万葉歌では「ひとり」の枕詞に詠まれています。
関連の歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/291
 イチイガシ(ブナ科)のドングリ
裏山に植えた木はまだ実を付けませんが、近隣の塩川(猪名川の一支流)堤防で撮影しました。
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 キリの果実(卵形体の刮ハで中に種子を含む)
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 翌年に花を咲かせる蕾を付けています。
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 今日の午後、国営昭和記念公園主催の「公園文化の集い ボタニカルアートの世界」にオンラインで参加しました。大場秀章先生の基調講演「万葉集に詠まれた植物と植物画」と山中麻須美氏の「植物画デモンストレーション」を視聴できました。
 講演の中で、下記の点で気になった個所がありアンケートで返信しています。
「かへるて」と詠まれた植物は、黄色く色づくイタヤカエデが相応しいとのことでした。
万葉歌で、秋に樹木や草の葉が赤や黄色に色づくことまたその葉を、「もみつ」(動詞)や「もみち」(名詞)と詠まれ、その原文表記のほとんどは仮名書きを除き、黄変・黄反・黄色(動詞)や黄葉(動詞、名詞)で表されています。この傾向は、中国六朝から初唐までのモミチの用字の傾向と合致し、その文字の導入によると考えられています(小島憲之著『上代日本文学と中国文学 中』)。なお、赤系統の色で表記したものは「紅葉」、「赤葉」が各一例で、動詞「もみつ」を「赤」で表記したものは2例。従って、赤く色づくイロハモミジであっても良いかと思われます(万葉植物画展ではイロハモミジを採用)。

写真は会場に出かけた親戚の方より送ってもらった会場入り口付近の様子(10月30日追加)
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国営昭和記念公園での万葉植物画展は10月30日までで、11月12日からは国営武蔵丘陵森林公園で来年1月15日まで開催予定。
Posted by katakago at 17:46
月下美人の開花 [2022年10月28日(Fri)]
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 今朝、ガラス室内で月下美人が咲いていました。この株は、7月4日にも花を咲かせましたが、この時期の開花は初めてです。夏に開花した花は明け方にはしぼんでしまうのですが、今回は午前中は花が開いていました。
7月の記事は下記のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1828

 蕾を付けているのに気づいてから、写真を撮っていましたので途中経過を載せておきます。
 10月15日の様子
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 10月18日の様子
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 10月23日の様子
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 10月28日
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Posted by katakago at 13:23
桜紅葉(さくらもみじ) [2022年10月21日(Fri)]
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 畑に植えているヤマザクラの葉が紅葉してきました。
秋に樹木や草の葉が赤や黄色に色づくこと、またその葉を万葉歌では「もみち」(名詞)・「もみつ」(動詞)と詠まれています(その原文表記はほとんどが「黄葉」)。
 次の歌は、大伴家持の「世間(よのなか)の無常を悲しぶる歌」の反歌
【歌】 言(こと)問はぬ 木すら春咲き 秋付けば 黄葉(もみち)散(ぢ)らくは 常をなみこそ (巻十九・4161)
【歌】 物を言わない 木さえも春は咲き 秋になると 紅葉して散るのは すべてが無常だからだ (人でない木すら無常なのだから、まして人は・・・)
 「もみち」の表記については以前記事(次のURL)に載せています
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1312

 ヨメナの花が咲いています。
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ヨメナが詠まれた万葉歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/107
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/279

 この時期、そのほかフジバカマやタデ類の花が咲いています。
 フジバカマ
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 シロバナサクラタデ
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 イヌタデ
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Posted by katakago at 18:46
オケラの花 [2022年10月01日(Sat)]
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 オケラは山野に自生するキク科の多年草で、10年以上前に裏山の入り口近くに植えた株が今年も花を咲かせています。『万葉集』では、巻十四の東歌に「うけら」として3首詠まれています。
 オケラが詠まれた万葉歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/182
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/476

 裏山では、カラタチ(ミカン科)の実が色づいています。
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 カラタチが詠まれた次の万葉歌は以前の記事(下記のURL)に載せています。
【歌】 からたちの 茨(うばら)刈り除(そ)け 倉建てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自(とじ) (忌部首 巻十六・3832)
 巻十六にはこの歌のような機知・諧謔・滑稽の歌(戯笑歌)が集められており、この歌では各句一つずつ、からたち、茨、倉、屎、櫛の五つの物が詠み込まれています。宴会の席など極めて砕けた集団の場での即興歌とみられています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/985
Posted by katakago at 15:55
秋の七草 [2022年09月25日(Sun)]
 朝夕は秋の気配が感じられるようになりました。裏山と畑で秋の七草を探してみました。
 下記の山上憶良の「秋野の花を詠む歌二首」に詠まれています(二首目は五・七・七・五・七・七の六句からなる旋頭歌)。
【歌】 秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(くさ)の花 (巻八・1537)
【歌】 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花 (巻八・1538)
 尾花はススキ(イネ科)で、朝顔はいくつかの説がある中、キキョウ(キキョウ科)とする説が有力です。

 ハギ(マメ科)の花(先の台風で花が一部散ってしまった株もありますが)
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 ススキ(イネ科)の穂が出始めました。
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 裏山で見つけたクズ(マメ科)の花(蔓がはびこると厄介な草ですが)
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 カワラナデシコ(ナデシコ科) この時期の開花株は僅かです。
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 オミナエシ(スイカズラ科)は今も咲いています。
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 フジバカマ(キク科)の蕾(開花は来月か)
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 切り戻したキキョウが今も咲いています。
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 ミズアオイは今も咲いています。
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 ヒガンバナに飛来したナミアゲハを見つけました。
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Posted by katakago at 15:38
ヒガンバナが一斉に開花 [2022年09月22日(Thu)]
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 あちらこちらの畦道で、ヒガンバナ(ヒガンバナ科)が一斉に咲き出しました。
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 次の万葉歌に「いちし」(原文は壱師と表記)と詠まれている植物にヒガンバナを当てる説があります(牧野富太郎著『植物知識』)。
【歌】 道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻は (巻十一・2480)
【口語訳】 道のほとりの いちしの花のように はっきりと 人々は知ってしまった 私の恋しく思っている妻の事を
 「いちし」についてはヒガンバナの他にも、クサイチゴ・ギシギシ・イタドリ・エゴノキなど諸説があります。ヒガンバナ以外は白または白系統の花で、「いちしろく」にかかることより、白い花を咲かせる植物が相応しいとする(『新編日本古典文学全集 万葉集』ではクサイチゴ説)のに対し、植物学者の牧野富太郎博士は、「いちしろく」の原文は「灼然」で、燃えるがごとく目覚めるばかりの赤い花が相応しいと考えたようです。
以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/172
Posted by katakago at 14:02
秋空にヒマワリの花 [2022年09月12日(Mon)]
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 万葉植物ではありませんが、畑にはヒマワリも植えています。昨年のこぼれ種が発芽したものは、7月に開花しましたが、写真は7月中旬に播種したもので、一斉に咲き出しました。
 晩秋にも花が見られるようにと先月下旬にも播種し、苗が育ってきました(写真左の畝)。
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 畑に植えているヤマザクラの幹でツクツクボウシが鳴いていました(写真に撮れたのはこれが初めて)。
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Posted by katakago at 14:24
ヒガンバナが一輪開花 [2022年09月10日(Sat)]
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 果樹園の片隅で、ヒガンバナ(ヒガンバナ科)が一輪咲いていました。畦道一面に咲くのはもう少し先のようです。

 畑ではノカンゾウの花が今も咲いています。
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 果樹園のサクランボの株元では、ニラの群生が見られました。
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 この時期、秋の七草のうち、オミナエシ・ハギ・キキョウの花が見られます。
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Posted by katakago at 14:04
ミズアオイが開花 [2022年09月08日(Thu)]
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 3年前からポットで育てているミズアオイ(ミズアオイ科)の花がやっと咲き始めました(一年生草本で種が発芽したもの)。これまで8月中旬には花を咲かせていましたが、今年はほぼ一か月遅れの開花です。次の万葉歌(巻十六の物名歌)で、なぎ(原文は水葱と表記)と詠まれている植物がミズアオイに当たるとみられています。
【歌】 醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗き合(か)てて 鯛願ふ 我にな見えそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの) (長忌寸意吉麻呂 巻十六・3829)
この歌の解説は、ノビルの記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/36

 畑に植えているハギの花が咲き始めました。
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 果樹園で、ニラ(ヒガンバナ科)の花が咲いていました。
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ニラは万葉歌では「みら」と詠まれています。
【歌】 伎波都久の 岡のくくみら 我摘めど 籠にも満たなふ 背なと摘まさね (巻十四・3444)
この歌の関連記事は次のURLに載せています。 
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/162
Posted by katakago at 13:15
ヒオウギの種 [2022年08月31日(Wed)]
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 ヒオウギは花後に形成された刮ハがはじけて、中から黒い球形の種子がみられます。万葉歌に詠まれている「ぬばたま」は、このヒオウギの種子とみられています。80首詠まれているすべてが、枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いられています。次に、例歌を一つ上げておきます。
【歌】 ぬばたまの 黒髪変はり 白けても 痛き恋には あふ時ありけり (沙弥満誓 巻四・573)
【口語訳】 (ぬばたまの) 黒髪が 白髪に変わっても つらい恋に 出会う時はあるものですね

 畑に植えているヤマナシに実が生っています(今年は数は僅かですが)。
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 この時期目立つ花はオミナエシの群生です。
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 花の時期が終わった蓮池では、花托に種子が出来ています(一部は落下)。
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 畑に置いたポットで栽培している水生植物(コナギ、ヒルムシロ、ヒシ)の花が咲いています。
 コナギ(ミズアオイ科)の花
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 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花
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 ヒシ(ミソハギ科)の花
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Posted by katakago at 15:36
ノカンゾウの花が咲き始めました [2022年08月19日(Fri)]
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 果樹園のクリの木の傍で、ノカンゾウ(ススキノキ科)が咲き始めました。万葉歌で、わすれぐさ(原文は萱草と表記)と詠まれている植物は、ヤブカンゾウやノカンゾウとされています。当時、漢籍(『文選』の「養生論」)に基づき、「わすれぐさ」を下紐に付けると憂苦を忘れるという俗信があり、恋の苦しさから逃れるための具として詠まれた次のような歌があります。
【歌】 忘れ草 我が紐に付く 時となく 思ひ渡れば 生けりともなし (巻十二・3060)
【口語訳】 忘れ草を わたしの紐に付ける 絶え間なく 思い続けていると 人心地もない

 裏山での作業中、キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)が花を咲かせているのを見つけました。
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 キキョウは花が終わった後、茎を切り戻しておいてやると写真のように再び花を咲かせてくれます。
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 ハマユウは今も咲いている株がありますが、先に咲いた花には刮ハ(中に種子)が形成されています(写真左)。
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Posted by katakago at 13:49
ヘクソカズラの花 [2022年08月12日(Fri)]
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 裏山で、ヘクソカズラ(アカネ科)の花が咲いているのを見つけました。万葉歌では、くそかづら(原文表記は屎葛)と詠まれています。
【歌】 ざうけふに 延ひおほとれる 屎葛 絶ゆることなく 宮仕へせむ (高宮王 巻十六・3855)
この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/116

 裏山で見かけたヤブラン(クサスギカズラ科)の花
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 ヒヨドリバナ(キク科)の花が咲いていました。
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この個体はウイルス(ヒヨドリバナ葉脈黄化ウイルス)には感染していませんが、関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/52

 裏山で咲いた白カノコユリ
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 自宅庭で見かけたミヤマクワガタ(目にするのはこのブログ開始以来初めて)
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Posted by katakago at 11:14
タカサゴユリが咲き始めました [2022年08月06日(Sat)]
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畑では、黄色いオミナエシの花を背景にタカサゴユリが咲き始めました。
 この時期、カノコユリも咲いています。
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 ハマユウが一斉に花を咲かせています。 
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 ケイトウは今も咲いています。
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 花が咲き終わったヒオウギ(刮ハが形成されています)
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 畑に植えているヤマザクラやケヤキの木の枝でセミが盛んに鳴いています。
万葉歌にもセミが詠まれています(次は遣新羅使人の歌)。この歌の関連記事は次のURL。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/114
【歌】 石(いは)走る 滝もとどろに 鳴く蝉の 声をし聞けば 都し思ほゆ (大石蓑麻呂 巻十五・3617) 
 アブラゼミ
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 クマゼミ
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Posted by katakago at 10:05
ツユクサの花 [2022年07月25日(Mon)]
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 今春、大きな木を伐採して日当たりの良くなった裏山の斜面で、ツユクサ(ツユクサ科)の群生が見られます。万葉歌では、つきくさ(原文表記は鴨頭草)と詠まれています。青色の花を咲かせ、その花の汁を摺り染めにしても色が褪せ易いことより、変わり易い比喩に用いられ、ツユクサが詠まれた9首中6首が「うつろふ」の意で使用されています。
 ツユクサが詠まれた万葉歌の解説は以前の記事(下記のURL)に載せています。
【歌】 月草に 衣色どり 摺らめども うつろふ色と 言ふが苦しさ (巻七・1339)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/73
【歌】 朝(あした)咲き 夕(ゆふへ)は消ぬる 月草の 消ぬべき恋も 我はするかも (巻十・2291)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/149
【歌】 月草の うつろひ易く 思へかも 我が思ふ人の 言も告げ来ぬ (巻4・583)
【歌】 百(もも)に千(ち)に 人は言ふとも 月草の うつろふ心 我持ためやも (巻十二・3059)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/383

 裏山の灌木に絡まってナツフジ(マメ科)が咲いていました。
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 万葉歌で、ときじきふぢ(原文は非時藤と表記)と詠まれている植物は、季節外れに咲いたフジとみる説の他、ナツフジとする説もあります。次の歌の関連記事は下記のURL に掲載。
【歌】 我がやどの 時じき藤の めづらしく 今も見てしか 妹が笑まひを (大伴家持 巻八・1627)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/135

 この時期、畑一面にオミナエシの花が咲いています。
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 ハマユウも次々と開花しています。
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 今朝の蓮池の様子(花が咲き終わって花托が目立つようになりました)
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Posted by katakago at 15:43
ヒシの花 [2022年07月15日(Fri)]
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 ヒシ(ミソハギ科)は以前、蓮池に植えたりもしましたが、ハスやアサザの生育が旺盛なため、翌年には見られなくなり、現在は畑の一角に置いた大型バットで栽培しています。今朝、花が咲いているのの気づきました。万葉歌には二首詠まれています。
【歌】 君がため 浮沼(うきぬ)の池の 菱摘むと 我が染めし袖 濡れにけるかも (柿本人麻呂歌集 巻七・1249)
【歌】 豊国の 企救(きく)の池なる 菱の末(うれ)を 摘むとや妹が み袖濡れけむ (巻十六・3876)
 これらの歌の解説は以前のオニビシの記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/129

 蓮池の傍らで、セリの花も咲いています。
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セリが詠まれた歌は下記のURLに載せています。
【歌】 あかねさす 昼は田賜(た)びて ぬばたまの 夜の暇(いとま)に 摘める芹これ (葛城王 巻二十・4455)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1141

 畑ではヒオウギ(アヤメ科)の花が真っ盛りです。
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 クリの木の下でも咲いています。
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 ケイトウ(ヒユ科)の花が咲きました。
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 ケイトウは、万葉歌では「からあゐ」と詠まれています。わが国には、染料(韓渡来の藍)として移入され、観賞用にも植栽されていたようです。それぞれの歌の解説は下記のURLに載せています。
【歌】 秋さらば 移しもせむと 我が蒔きし 韓藍の花を 誰か摘みけむ (巻七・1362)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/118
【歌】 恋ふる日の 日(け)長くしあれば 我が苑の 韓藍の花の 色に出(い)でにけり (巻十・2278)
【歌】 我がやどに 韓藍蒔き生(お)ほし 枯れぬとも 懲りずてまたも 蒔かむとそ思ふ (巻三・384)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/147
【歌】 隠(こも)りには 恋ひて死ぬとも み苑生(そのふ)の 韓藍の花の 色に出(い)でめやも (巻十一・2784)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/405

 万葉植物ではありませんが、ヒマワリも咲いています(昨年のこぼれ種が発芽したもの)。
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Posted by katakago at 14:09
ハマユウが開花 [2022年07月11日(Mon)]
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 今朝、畑に植えているハマユウ(ヒガンバナ科)の一株が花を咲かせているのに気づきました。このところの草刈りなどや雑事に紛れ蕾を付けているのを見落としていました。
ハマユウは、万葉歌に次の一首が詠まれています。
【歌】 み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直に逢はぬかも (柿本人麻呂 巻4・496)
この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/126

 畑ではオミナエシ(スイカズラ科)が一斉に花を咲かせています。
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 オミナエシとキキョウ
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オミナエシが詠まれた次の万葉歌はそれぞれ下記のURLに載せています。
【歌】 手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも (巻十・2115)
【歌】 をみなへし 佐紀沢の辺(へ)の ま葛原 いつかも繰りて 我が衣に着む (巻七・1346)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/99
【歌】 我が里に 今咲く花の をみなへし 堪へぬ心に なほ恋ひにけり (巻十・2279)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/151
【歌】 をみなへし 佐紀沢に生(お)ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも (中臣女郎 巻四・675)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/388
【歌】 高円(たかまと)の 宮の裾廻(すそみ)の 野づかさに 今咲けるらむ をみなへしはも (大伴家持 巻二十・4316)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/418

 今朝の蓮池の様子
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Posted by katakago at 08:57
ヤマユリが開花 [2022年07月07日(Thu)]
 裏山では、5月のオトメユリ(ヒメサユリ)、ササユリに次いで、ヤマユリが開花しました。二つの蕾のうち一つ目が2日前に開花し、今朝二つ目が開花していました。
 2日前(7月5日)の様子
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 今朝の様子
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ヤマユリの以前の記事(次の歌の解説)は下記のURLに載せています。
【歌】 我妹子が 家の垣内(かきつ)の さ百合花 ゆりと言へるは 否と言ふに似る (紀朝臣豊河 巻八・1503)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/97
ユリとナデシコが詠まれた万葉歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/660

 裏山では、アジサイがまだ花を咲かせています。
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Posted by katakago at 10:33
月下美人が開花 [2022年07月04日(Mon)]
 ポット植えのゲッカビジン(サボテン科)は、冬期はサンルームで管理しながら、春先からは庭の生垣(シラカシ)に吊るして育てています。昨夕、水遣りの際、膨らんだ蕾を付けているのに気づきました。夜には咲くかもしれないと思いながらも、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」を見終わると、開花状況の確認を忘れて不覚にも寝てしまい、明け方近く(午前3時過ぎ)に目が覚めた時そのことを思い出し、花の写真を撮ることが出来ました。

 昨夕5時ごろの様子
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 今朝3時過ぎの花の様子
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 今朝5時過ぎの様子(花はもう萎んでしまっていました)
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Posted by katakago at 19:12
雨の朝の蓮池で [2022年07月03日(Sun)]
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 今日は朝から久しぶりの雨です。作物の水遣りが省けてホッとしています。蓮池では、一斉に花が咲き出しました。来月初旬まで花を楽しめるものと思います。
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 蓮尾の葉に溜まった雨水 
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【歌】 ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉(はちすば)に 溜まれる水の 玉に似たる見む  (巻十六・3837)
【口語訳】 (ひさかたの) 雨でも降ってくれ 蓮の葉に 溜まった水の 玉に似たさまを見よう
この歌の解説記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/85

Posted by katakago at 08:57
ヒオウギも開花 [2022年06月29日(Wed)]
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 ヒオウギ(アヤメ科)も咲き始めました。黄色の花を咲かせている株も見られます。
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 秋には、花後に形成された刮ハがはじけて黒い球形の種子が見られます。万葉歌に詠まれている「ぬばたま」(原文は烏玉・夜干玉などと表記)は、このヒオウギの種子とみられています。
 ぬばたまが詠まれた万葉歌の解説は、以前の記事(次のURL)に載せています。  
【歌】 ぬばたまの 黒髪変はり 白けても 痛き恋には あふ時ありけり (沙弥満誓 巻四・573)
【歌】 あかねさす 昼は物思ひ ぬばたまの 夜はすがらに 音(ね)のみし泣かゆ (中臣朝臣宅守 巻十五・3732)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/170
【歌】 相思はず 君はあるらし ぬばたまの 夢(いめ)にも見えず うけひて寝(ぬ)れど (巻十一・2589)
【歌】 我が背子が かく恋ふれこそ ぬばたまの 夢(いめ)に見えつつ 寝(い)ねらえずけれ (巻四・639) 
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/188
【歌】 現(うつつ)には 逢ふよしもなし ぬばたまの 夜の夢(いめ)にを 継ぎて見えこそ (大伴旅人 巻五・807)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/457


 水槽で栽培しているヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花が咲き始めました。
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 万葉の東歌で「たはみづら」(原文は多波美豆良と表記)と詠まれている植物をヒルムシロとみる説があります。
【歌】 安波をろの をろ田に生(お)はる たはみづら 引かばぬるぬる 我を言(こと)な絶え (巻十四・3501)
 歌の解説は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/646

Posted by katakago at 13:37
ヤブカンゾウが開花 [2022年06月27日(Mon)]
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 ヤブカンゾウ(ススキノキ科)が咲き始めました。万葉歌では、わすれぐさ(原文表記は萱草)と詠まれています。当時、漢籍(『文選』巻第五十三「養生論」)に基づき、カンゾウ(わすれぐさ)を身に付けると憂苦を忘れるという俗信があったようです。
 ヤブカンゾウが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
【歌】 忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため (大伴旅人 巻三・334)
【歌】 忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜(しこ)の醜草 言にしありけり (大伴家持 巻四・727
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82

【歌】 忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり (巻十二・3062)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/385

 今朝の蓮池では、白花に続き他の株でも開花が見られました。
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Posted by katakago at 10:47
ハスが開花 [2022年06月23日(Thu)]
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 今朝、ハスが一輪開花しました。これから8月頃まで順次開花が見込まれます。

 自宅庭の水槽では、今もアサザの花が咲いています。
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 畑では、カワラナデシコに次いで、キキョウやオミナエシの開花株が増えてきました。
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Posted by katakago at 12:45
ベニバナが一斉に開花 [2022年06月22日(Wed)]
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 ベニバナ(キク科)が一斉に咲き出しました。
 ベニバナが詠まれた万葉歌の解説記事は次のURLに載せています(歌では「くれなゐ」と詠まれている)。
【歌】 紅の 花にしあらば 衣手に 染め付け持ちて 行くべく思ほゆ (巻十一・2827)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/81
【歌】 紅の 深染(ふかそ)めの衣(きぬ) 色深く 染(し)みにしかばか 忘れかねつる (巻十一・2624)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/363
【歌】 紅に 衣染めまく 欲しけども 着てにほはばか 人の知るべき (巻七・1297)
【歌】 紅の 深染(ふかそ)めの衣(きぬ)を 下に着ば 人の見らくに にほひ出(い)でむかも (巻十一・2828)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/384
【歌】 紅の 八入(やしほ)の衣(ころも) 朝な朝(さ)な なれはすれども いやめづらしも (巻十一・2623)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/854

 紅花染め体験会を実施した時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1134

 蓮池では一株(白花)が間もなく開花しそうです。 
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 蕾があちこちで見られるようになりました。
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 蓮池で見かけたオオシオカラトンボのメス
水面に尾端を接触させて水中に産卵(打水産卵)していました(上空ではオスがホバリングしながら警護)。
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 ヒオウギ(アヤメ科)の一株が蕾を付けています。来月中旬には他の株も開花するものと思われます。
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Posted by katakago at 11:07
裏山でオカトラノオが一株開花 [2022年06月16日(Thu)]
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 万葉歌には詠まれていませんが、裏山でオカトラノオ(サクラソウ科)が一株咲いているのを見つけました。植物園を整備した当初は、オカトラノオの群生が見られたのですが、周辺の手入れが滞ったせいかここ数年は見かけなくなっていました。今春、裏山では大掛かりな手入れを行ったので、再び増えてくれればと思っています。

 これから開花が見込まれる万葉植物の様子を載せておきます。
 ベニバナ(キク科)の蕾(間もなく開花)
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 ヤブカンゾウ(ススキノキ科)の蕾(今月下旬には開花)
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 ヤマユリの蕾(開花は来月か)
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Posted by katakago at 15:33
キキョウが咲き始めました [2022年06月11日(Sat)]
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 畑に植えているキキョウ(キキョウ科)が咲き始めました。万葉歌で、「あさがほ」と詠まれた歌が5首あり、それが現在のどの植物に相当するかについてはいくつかの説(キキョウ・ムクゲ・ヒルガオ・アサガオなど)がある中で、キキョウが相応しいとの説が有力です。関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/77
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/389

 そのほか、植物園の様子を載せておきます。
 裏山の入り口近くに植えているアジサイ(アジサイ科)が見頃です。
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 ヤマザクラの木の下ではカワラナデシコが一面に咲いています。
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 ハスの蕾を見つけました(今月下旬には開花か)。
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 蓮池で見かけた羽化後間もないトンボ
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 蓮池の傍でミソハギ(ミソハギ科)が咲いています。
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Posted by katakago at 15:20
ジュンサイの花 [2022年06月08日(Wed)]
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 ジュンサイ(ジュンサイ科)の花が咲き始めました(水深が浅いせいかマツバイ(カヤツリグサ科)も生えています)。万葉歌では、ぬなは(原文は蓴と表記)と詠まれています。
【歌】 我(あ)が心 ゆたにたゆたに 浮き蓴 辺にも沖にも 寄りかつましじ (巻七・1352)
【口語訳】 わたしの心は ゆったりしたり動揺したりで 浮き蓴のように 岸にも沖にも 寄ってしまいそうにない

 他の水生植物の状況も載せておきます。
 ヒシ(ミソハギ科)の葉が広がってきて水面を覆いそうです。
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 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)の葉も広がってきました。
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 ミズアオイ(ミズアオイ科)が生育してきました(花は来月以降か)。
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 畑では、キキョウの蕾が見られるようになりました。間もなく花が咲きそうです。
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 カワラナデシコが畑のあちらこちらで花を咲かせています。
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 オミナエシも開花株が増えてきました。
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 隣の田んぼには水が張られ田植えの準備が進められており、ハナショウブが水面に映り込んでいます。
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Posted by katakago at 11:28
ハナショウブいろいろ [2022年06月03日(Fri)]
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 蓮池傍のハナショウブが見ごろとなりました。遠くから見ると黄色の花が目立ちますが、花の色や形状の異なる株を植えており、主な花の写真を載せておきます(苗の購入当初はそれぞれの株に名前がついていましたが現在は不明)。
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Posted by katakago at 11:01
ササユリが開花 [2022年05月31日(Tue)]
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 裏山ではササユリが予想よりも早く今朝開花しました。
万葉集中ユリは11首詠まれています。「さ百合」が⒏首、「草深百合」が2首、「姫百合」が1首。ここでは次の歌を載せておきます。
【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (巻七・1257)
【口語訳】 道端の 草の繁みに生えている百合の 花が咲くように わたしがちょっと微笑んだただそれだけのことで わたしを妻だなどとおっしゃっては困ります
 『新編全集』の解説には、「行きずりに微笑んだぐらいのことで、それを好意の表れと誤解した男への返事」とあり、口語訳を引用した『萬葉集全注』には、「男の求婚に対して女がはっきり承諾したわけでもないのに、男が相手を自分の妻となるものと決めて物を言ってきた時に、女がそれを非難し拒む歌」とあります。

 畑ではミヤギノハギの花が咲き始め(花はこの時期と9月中旬)、オミナエシ(スイカズラ科)も蕾を付けた株が見られます。
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 オミナエシの蕾
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 ハナショウブが一斉に咲き出しました(近年黄色の株がが目立つようになりました)。
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Posted by katakago at 08:56
ウツギの花が咲いています [2022年05月28日(Sat)]
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 裏山のウツギ(アジサイ科)は、今春に行った大規模な整備作業の際に大きく剪定されたため、例年よりも花の数は少なくなっています。
 万葉歌では、うのはな(原文は宇能花と表記)と詠まれています。ここには、大伴家持の歌二首を載せておきます。
【歌】 卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴きとよもす (巻八・1477)
【口語訳】 卯の花も まだ咲いていないのに ほととぎすは 佐保の山辺に もう来て鳴き立てている
 当時、卯の花はホトトギスの到来とともに咲くと考えられており、ホトトギスが思いもかけず卯の花の咲かないうちに、我が住む里にやって来た喜びが詠まれています。
【歌】 卯の花の 咲く月立ちぬ ほととぎす 来鳴きとよめよ 含(ふふ)みたりとも (巻十八・4066)
【口語訳】 卯の花の 咲く月が来たぞ ほととぎすよ 来鳴きとよもせ まだ蕾であっても
 こちらの歌は、卯の花が咲く月(旧暦四月)の到来という、暦上の季節感によってホトトギスを待つ心が詠まれています。
 万葉集中卯の花が詠まれた24首のうち、⒙首にホトトギスが詠まれています。

 裏山のアジサイも色づき始めました。
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 ササユリが来月には開花しそうです。 
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Posted by katakago at 14:55
センダン(あふち)の花 [2022年05月20日(Fri)]
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 裏山ではセンダンの花が咲いています。万葉歌では「あふち」と詠まれています。
 センダン(あふち)が詠まれた歌は、以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/38
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/360

 畦道では、コヒルガオ(ヒルガオ科)が咲いています。
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 万葉歌で、かほばな(原文は容花と表記)と詠まれている植物については、ヒルガオ、カキツバタ、オモダカなどの説がある中、集中四首のいずれも女性の容貌に擬しているところから、美しい花と考えられ、『増訂 万葉植物新考』では、ヒルガオ説がとられています。次の歌は秋の相聞歌(家持が坂上大嬢に贈った歌)で、上二句は、下三句に続く比喩の序となっています。
【歌】 高円(たかまと)の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも (大伴家持 巻八・1630)
【口語訳】 高円の 野辺のかお花のように 面影に ちらついて見えてあなたのことは 忘れられない

 カワラナデシコ(ナデシコ科)が畑のあちこちらで花を咲かせるようになりました。
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 咲き終わったシャガ(アヤメ科)の間でクサイチゴ(バラ科)の実が生っていました。
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 裏山ではノアザミ(キク科)が咲いていました。
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Posted by katakago at 15:22
ハナショウブが咲き始めました [2022年05月15日(Sun)]
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 蓮池に隣接した畑で、ハナショウブが咲き始めました。昨年末に腰を痛め(椎間板ヘルニア)、農作業を控えていたため、今季は雑草(スギナやタデなど)に覆われた状態で見苦しくなっていますが。
 蓮池ではハスの立ち葉が一斉に伸びてきました。
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 草刈りを終えた畦道ではノビル(ヒガンバナ科)が伸びてきました。
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 ノビルが詠まれた万葉歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/36

 チガヤ(イネ科)
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 チガヤが詠まれた万葉歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/352

 ヤマグワ(クワ科)の実
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【歌】 筑波嶺(つくはね)の 新桑繭(にひぐはまよ)の 衣はあれど 君が御衣(みけし)し あやに着欲しも (巻十四・3350)
【口語訳】 筑波嶺の 新桑繭の 衣はともかくとして あなたのお召し物が 無性に着たい
 クワが詠まれた万葉歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/46
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/351

 テイカカズラ(キョウチクトウ科)の花
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 万葉歌で「つな」・「つた」と詠まれている植物を、テイカカズラのような蔓性植物にあてる説があります。
【歌】 石(いは)つなの またをち返り あをによし 奈良の都を またも見むかも (巻六・1046)
【口語訳】 もう一度若返って あの栄えた奈良の都を 再びこの目で見ることができるであろうか
 つる性植物は、延びてもまた這い戻ることから、「返り」にかかる枕詞とされた。

 ヨモギ(キク科)
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 ヨモギは、大伴家持の長歌(巻十八・4116)に、「・・・ほととぎす 来鳴く五月の あやめぐさ 蓬かづらき 酒(さか)みづき 遊び和(な)ぐれど・・・」と詠まれています(集中この一首のみ)。ヨモギは香に邪気を除く力があるとされ、あやめぐさ(ショウブ科のショウブ)と共にが月五日の端午の節句に用いられた。

 オトメユリ(二株目も開花)
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【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (巻七・1257)
【口語訳】 道端の草の繁みに生えている百合の 花が咲くように わたしがちょっと微笑んだただそれだけのことで わたしを妻などとおっしゃっては困ります
 

 自宅庭にはシラン(ラン科)が咲いています。
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 『万葉植物事典』(北隆館)では、大伴池主の巻十七・3967歌の序文(家持からの書状に対する返書)にある、「・・・蘭(らんけい)藂(くさむら)を隔て、・・・」の「宦vがシランに当たるとされています。

Posted by katakago at 14:20
オトメユリ(ヒメサユリ)が開花 [2022年05月08日(Sun)]
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 昨日から、オトメユリ(ヒメサユリ)が開花しました。
ユリが詠まれた常陸国の防人歌を載せておきます。
【歌】 筑波嶺の さ百合(ゆる)の花の 夜床(ゆとこ)にも かなしけ妹そ 昼もかなしけ (巻二十・4369)
【口語訳】 筑波嶺の さ百合の花のように 夜床でも いとしい妻は 昼間もいとしい
この歌の以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/33

 ノイバラ(バラ科)の花
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 ノイバラが詠まれた次の歌は上総国の防人歌です。
【歌】 道の辺の 茨(うまら)の末(うれ)に 延(は)ほ豆の からまる君を はかれか行かむ (上丁丈部鳥 巻二十・4352)
【口語訳】 道ばたの 茨の先に 這いまつわる豆の蔓のように まつわりつくあなたと 別れてゆくことか
この歌の解説記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/29

 マユミ(ニシキギ科)の花 (秋には実がはじけて中から赤い種が花を咲かせたように見える)
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 植物のマユミが詠まれているのは次の譬喩歌一首のみです。
【歌】 南淵の 細川山に 立つ檀 弓束(ゆづか)巻くまで 人に知らえじ (巻七・1330)
【口語訳】 南淵の 細川山に 立つ檀の木 弓に出来上がるまで 人に知られないようにしようね
 マユミの実の写真と歌の解説は以前記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/231

Posted by katakago at 14:32
エゴノキの花が咲き始めました [2022年05月06日(Fri)]
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 裏山に自生しているエゴノキ(エゴノキ科)の花が咲き始めました。万葉歌で、「やまぢさ」、「ちさ」と詠まれている植物にエゴノキを当てる説があります。
【歌】 山ぢさの 白露重み うらぶれて 心に深く 我(あ)が恋止まず (巻十一・2469)
【口語訳】 山ぢさが 白露の重みで たわむようにうちしおれて 心の奥深くで 私の恋は止まない
 エゴノキの関連記事は次のURLに載せています。 
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/24
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1113

 蓮池に混植しているアサザ(ミツガシワ科)が咲き始めました(写真の大きな葉はハスの浮き葉)。
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 万葉植物ではありませんが、自宅脇の畑ではシャクヤク(ボタン科)が咲き始めました。
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Posted by katakago at 11:22
カワラナデシコが咲き始めました [2022年05月03日(Tue)]
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 畑では、カワラナデシコ(ナデシコ科)が咲き始めました。これから秋にかけて花が見られます。
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 カキツバタの開花株が増えました。
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 オキナグサ(キンポウゲ科)の花後
痩果(そうか)は花柱が長く伸び、老人の白髪のような白毛を密生させています(和名は翁草、漢名は白頭翁)。
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 キリ(キリ科)の花が満開です。
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 『万葉集』巻五(810歌の前)には大伴旅人が藤原房前に贈った書状が載っており、その中に「梧桐(ごとう)の日本琴(やまとごと)一面」とあり、「梧桐」は正しくはアオギリ(アオイ科)ですが、詩文上では古くからキリ(桐)と通用されているようです(『新編日本古典文学全集 萬葉集』)。関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/593

 オトメユリ(ヒメサユリ)が間もなく開花しそうです。
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 ヒメユリの蕾(開花は来月か)
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Posted by katakago at 13:59
カキツバタが咲き始めました [2022年04月28日(Thu)]
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 蓮池の片隅に植えているカキツバタ(アヤメ科)の花が咲き始めました。
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 カキツバタ(原文は垣津幡と表記)は万葉歌に7首詠まれています。大伴家持は天平十六年(744)4月5日(太陽暦5月25日)に、独り奈良の旧宅にあって次の歌を詠んでいます(当時家持は頼みとする安積皇子に急逝され失意のさ中にあった)。
【歌】 かきつはた 衣に摺り付け ますらをの 着襲ひ狩する 月は来にけり (巻十七・3921)
【口語訳】 かきつばたで 衣を摺り染めにし ますらおが 着飾って狩をする その月は来た
 「狩りする月」は、薬草や鹿の若角を採る薬狩りをする月(旧暦の四月)。

 ショウブ(ショウブ科)の花
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 万葉歌で、あやめぐさ(原文は菖蒲草と表記)と詠まれている植物はショウブ科のショウブで、アヤメ科のハナショウブではない。根茎・葉など全体から独特の匂いを発し、これが邪気を払い疫病を除くといわれて、端午の節句に使用されました。
【歌】 ほととぎす 厭ふ時なし あやめぐさ 蘰にせむ日 こゆ鳴き渡れ (巻十・1955)
【口語訳】 ほととぎすよ 嫌な時などないぞ あやめぐさを蘰にする日に ここを鳴いて行け
 「あやめぐさ 蘰にせむ日」は五月五日で、『続日本紀』(天平十九年条)には、太上(元正)天皇が、「五月五日に出仕する際、官人が菖蒲を蘰にして来るよう」に詔したことが記されています。

そのほかの水生植物も新葉が出てきました。
 アサザ(ミツガシワ科)の新葉(水槽で栽培中のもの)
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 ハス(ハス科)の浮葉が出てきました。
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 ヒシ(ミソハギ科)の新葉
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Posted by katakago at 14:38
ヤマツツジが開花 [2022年04月21日(Thu)]
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 先月来の裏山の整備作業(主に大木の伐採)の過程で、低木類はほとんど切り取られていましたが、シキミの木の下でヤマツツジが咲いていました。
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 ツツジは万葉歌には10首詠まれており、ここでは、天武天皇の皇子の草壁皇子(日並皇子)が亡くなった時に、皇子の宮の舎人が泣き悲しんで詠んだ歌を載せておきます。
【歌】 水伝ふ 磯の浦廻の 石つつじ 茂く咲く道を またも見むかも (舎人 巻二・185)
【口語訳】 遣水の 磯辺に植えた いわつつじの 茂り咲くこの道を またも見ることがあるだろうか

 ツツジが詠まれた万葉歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/585
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/817

Posted by katakago at 14:10
フジの花が咲き始めました [2022年04月19日(Tue)]
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 畑に設置している藤棚で花が咲き始めました。フジ(マメ科)は万葉歌では27首詠まれており、そのうちの一首を載せておきます。
【歌】 恋しけば 形見にせむと 我がやどに 植ゑし藤波 今咲きにけり (山部赤人 巻八・1471)
【口語訳】 恋しくなったら 偲びぐさにしようと思って 家の庭に 植えた藤の花は 今咲き始めた

 畑に植えているヤマザクラの株元でアマドコロ(キジカクシ科)の花が咲いています。
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 万葉歌で、にこ草(原文は似児草と表記)にあてる説があります。関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/589

 裏山の斜面でホウチャクソウ(イヌサフラン科)の花が咲いていました。
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 カシワ(ブナ科)の若葉と雄花序
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 クヌギ(ブナ科)の若葉と雄花序
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 キリ(キリ科)の花も咲き始めています。
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Posted by katakago at 15:17
タブノキの花 [2022年04月14日(Thu)]
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 タブノキ(クスノキ科)の花が咲いています。万葉歌ではつまま(原文は都万麻と表記)と詠まれています。大伴家持が越中でタブノキを詠んだ歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/22

 カバノキ科のヨグソミネバリ(ミズメ)の新葉と雄花序
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 雄花序は長枝の先端部に新芽が開くのと一緒に下垂して開く 。木質は柔軟なため弓材とされ、万葉歌では木そのものを詠んだ例はなく、「引く」等の枕詞として「梓弓」が集中に33例あります。例歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1581

 ユズリハ(ユズリハ科)の新葉(常緑でありながら新葉が出ると古い葉が下垂して落ちる)
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 ユズリハが詠まれた弓削皇子(ゆげのみこ)の歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/251

 ヤマザクラが次々と咲いています(株毎に咲く時期、花弁の形や色、葉の色などが異なる)。
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Posted by katakago at 11:24
カラタチの花が咲いています [2022年04月12日(Tue)]
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 裏山に植えているカラタチ(ミカン科)の花が咲いています。日本の唱歌「からたちの花」(北原白秋作詩、山田耕筰作曲、発表は1925年)では、「からたちの花が咲いたよ 白い 白い 花が咲いたよ からたちのとげはいたいよ 青い 青い 針のとげだよ」と歌われています。
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 カラタチは万葉歌では次の一首のみ詠まれています。
題詞に「忌部首、数種(くさぐさ)の物を詠む歌一首」とあり、
【歌】 からたちの 茨刈り除け 倉建てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自 (巻十六・3832)
【口語訳】 からたちの いばらを刈り除いて 倉を建てるのだ 屎は遠くに行ってせい 櫛造りのおばちゃんよ
 宴などのきわめてくだけた集団の場での即興とみられ、からたち・茨・倉・屎・櫛が詠み込まれた物名歌。現在、平城宮跡いざない館で開催中の「万葉植物画展」では、このカラタチの植物画は、英国王立キュー植物園の主席画家のクリスタベル・キング氏の作品が出品されています。

 裏山では、クサイチゴの白い花が咲いていました。
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 カタクリは花の時期が終わり、刮ハが出来ていました。
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 シャガ(アヤメ科)も咲いています。
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 昨年採取したベニバナの種
今朝、2回目の播種を行いました。
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 10日ほど前に播種したものは既に発芽しています。
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Posted by katakago at 14:52
裏山でタケノコ掘り [2022年04月10日(Sun)]
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 裏山での伐採作業中も、合間を見つけてはタケノコを探していましたが、今朝、数本を見つけたので早速掘り上げました。これから5月の連休の頃までにはたくさん出るものと思われます。
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 午前中は、多田神社の春季例大祭に出かけてきました。主祭神の源満仲公(第五十六代清和天皇の孫の経基王の子)の生誕日(延喜十二年(912)四月十日)に斎行されています。
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 拝殿での参拝を終えて
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 境内の唐椿(キャプテンロー)が見頃でした。
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 この唐椿は説明によると、寛文年間に旧多田院の檀家であった薩摩藩主島津家より贈られたもの(原産は中国雲南地方より南の亜熱帯地方とのこと)。

Posted by katakago at 16:13
ヤマナシの花が開花 [2022年04月09日(Sat)]
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 畑に植えているヤマナシの花が咲き始めました。ナシが詠まれた万葉歌の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/574
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1099

 先月中旬から行ってきた裏山の整備作業も、昨日でようやく終えることが出来ました。クレーン車によるケヤキの大木の枝伐採や、民家近くの危険木の伐採なども無事終えることが出来てホッとしています。ほぼ4週間がかりで延べ人数も45人に及び、個人管理の場所としては多額の出費をともなう出来事となりました。
 整備を終えた裏山の全景(斜面に植えたイロハモミジの若葉が目立っています)
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 周囲の垣や入り口の扉も新しく作り替えました。
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 イロハモミジ(ムクロジ科)の若葉
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 万葉歌では、巻十四の東歌にモミジの若葉が詠まれています。
【歌】 子持山 若かへるての もみつまで 寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ (巻十四・3494)
【口語訳】 子持山の 楓の若葉が 紅葉するまでも ずっと寝ようと思う おまえはどう思うかい
 関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/568

 裏山の里道脇でニリンソウ(キンポウゲ科)が咲き始めていました。
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 畑に植えているオオヤマザクラが満開です。
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Posted by katakago at 16:52
ヤマブキが開花 [2022年04月05日(Tue)]
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 裏山では、立ち木や竹の伐採作業でヤマブキ(バラ科)の株も一部傷みましたが、一重の株が花を咲かせ始めました。ヤマブキは万葉歌に17首詠まれています。
【歌】 かはづ鳴く 神奈備川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花 (厚見王 巻八・1435)
【口語訳】 蛙の鳴く 神奈備川に 影を映して 今頃咲いていることであろうか 山吹の花が
ヤマブキが詠まれた以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/6
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/309

 裏山の斜面でタチツボスミレの花
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 ヤマブキとスミレが詠まれた万葉歌があります。
【歌】 山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春雨に 盛りなりけり (高田女王 巻八・1444)
【口語訳】 山吹が 咲いている野辺の つぼすみれは この春雨の中 今真っ盛りである

 エドヒガンに続き他のヤマザクラも順次開花しています。
 裏山のサクラ(周囲の常緑樹の枝を大きく伐採したので遠くからも見えるようになりました)。
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 畑に植えているヤマザクラの一株が満開 
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 センダイヤ(ヤマザクラの一種で牧野富太郎が命名)
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 オオシマザクラも開花
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Posted by katakago at 11:35
裏山整備 続(クレーン車を使ってケヤキの枝伐り) [2022年04月04日(Mon)]
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 先月中旬から裏山の整備を専門業者(日高林業造園)にお願いしています。今日は、以前から気がかりだった民家近くのケヤキの大木(上の写真の左の木)の枝をクレーン車(16トン車)を使って伐り落としてもらいました。クレーン車の操作者を含め6名がかりで、さすが専門業者とあって手際よく午前中で作業が終わりました。

 クレーンの先に取り付けられたカゴに作業者が乗って枝伐りを開始
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 大きな枝はロープで吊るしながら伐り落す
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 10メートル以上の高所での作業
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 気がかりだった大きな枝は全て伐り落とされました。
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Posted by katakago at 14:19
ヤマザクラの一株が開花 [2022年03月30日(Wed)]
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 畑に植えているヤマザクラの一株が咲き始めました(花の開花と同時に葉も展開)。
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 裏山ではカタクリが順次咲いています。
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 畑のオキナグサの傍でツクシが出ていました。
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 タチツボスミレも咲いています。
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【歌】 春の野に すみれ摘みにと 来し我そ 野をなつかしみ 一夜寝にける (山部赤人 巻八・1424)
 スミレが詠まれた万葉歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/303

Posted by katakago at 14:45
ヒトリシズカが咲き始めました [2022年03月28日(Mon)]
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 裏山のイロハモミジの株元で、ヒトリシズカ(センリョウ科)の花が咲き始めていました。
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 万葉歌で、「つぎねふ(原文は次嶺経と表記) 山背道を・・・」と詠まれる長歌(巻十三・3314)がありますが、『和名抄』には及己(豆木禰久佐 つきねくさ)とあることより、これをヒトリシズカの古名とし、「つぎねの生えているところの山背道」と解する説があります(『万葉植物事典』北隆館刊)。

 シキミ(マツブサ科)の花が咲いています
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 シキミは万葉歌で次の一首が詠まれています。
【歌】 奥山の しきみが花の 名のごとや しくしく君に 恋ひ渡りなむ (巻二十・4476)
【口語訳】 奥山の しきみの花の 名のように しきりにあなたを 思い続けることか
 この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/282

 エドヒガンの花(続報)
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 エドヒガンの花の蜜を吸うメジロをみかけました。
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Posted by katakago at 11:48
スモモに続きエドヒガンも開花 [2022年03月27日(Sun)]
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 果樹園に植えているスモモ(小さな苗木も含め品種の異なる6株)の花が一斉に咲き始めました。スモモは万葉歌に一首詠まれているので植えていますが、花の時期と共に夏には果実の収穫も楽しめます。
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【歌】 我が苑の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (大伴家持 巻十九・4140)
【口語訳】 わが園の 李の花が 庭に散っているのだろうか それとも薄雪がまだ 残っているのであろうか
 この歌の関連記事は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/305

 裏山では、苗木を植えて⒓年になるエドヒガンが今年はたくさんの花を咲かせています(裏山に自生しているヤマザクラの開花は来月)。
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 エドヒガンはウバヒガンとも呼ばれ、葉が出る前に花を咲かせ、萼筒(花の柄)が丸く膨れているのが特徴
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 昨日は雨でしたが、万葉歌で春雨は、花が咲くのを促すものとする場合の他、花を散らすのを惜しむ場合が歌に詠まれています。
 前者の例として、
【歌】 春雨に 争ひかねて 我がやどの 桜の花は 咲きそめにけり (巻十・1869)
【口語訳】 春雨に 逆らえなくて 家の庭の 桜の花は ほころび始めた
 後者の例として、
【歌】 春雨は いたくな降りそ 桜花 いまだ見なくに 散らまく惜しも (幕十・1870)
【口語訳】 春雨よ ひどくは降るな 桜花が まだよく見ないうちに 散ったら惜しい
 ヤマザクラが詠まれた以前記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/319 

 シダレヤナギの花穂
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 ミツマタは今も咲いています。
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Posted by katakago at 09:43
オキナグサが咲き始めました [2022年03月20日(Sun)]
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 日当たりのよい畑では、オキナグサ(キンポウゲ科)の花が咲いています。万葉歌で「ねつこぐさ」(原文表記は根都古具佐)と詠まれている植物をオキナグサにあてる説があります。巻十四の次の東歌に一首のみ詠まれています。
【歌】 芝付きの 御宇良崎なる ねつこ草 相見ずあらば 我恋ひめやも (巻十四・3508)
【口語訳】 芝付きの 御宇良崎(みうらさき)にある ねつこ草のようなあの娘を 見さえしなかったら わたしはこうも恋い慕おうか
 以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/299

 果樹園ではオオイヌノフグリ(オオバコ科)の花の群生が見られます。
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 サクランボ(暖地桜桃)の花が満開です。
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 アンズの花が咲き始めました。
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 スモモはまだ蕾です。
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Posted by katakago at 16:01
カタクリが咲き始めました [2022年03月16日(Wed)]
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 このところの気温上昇もあり、裏山の斜面ではカタクリの花が咲き始めました。万葉歌では「かたかご(原文表記は堅香子)」として一首のみ詠まれています(家持が越中で詠んだ次の歌)。このように万葉集に一例しか見えない語は「孤語」と称される。
【歌】 もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花 (大伴家持 巻十九・4143)
【口語訳】 (もののふの) 群なす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ
この歌の解説記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/288
 カタクリの蕾
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 アセビの花も咲き始めました。
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【歌】 我が背子に 我が恋ふらくは 奥山の あしびの花の 今盛りなり (巻十・1903)
【口語訳】 あなたを わたしが恋しく思うことは 奥山の あしびの花のように 今や真っ盛りです
アセビが詠まれた万葉歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/292

 ミツマタが咲き始めました。万葉歌で「さきくさ」と詠まれている植物(原文表記は三枝)がミツマタとみられています。
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【歌】 春されば まづ咲く三枝の 幸くあらば 後にも逢はむ な恋そ我妹 (巻十・1895)
【口語訳】 春になると まず咲く三枝(さきくさ)のように 幸(さき)くー無事でさえあったら あとでも逢えよう そう恋しがるなよおまえ
以前の解説記事はつぎのURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/285

 花桃が満開
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 シダレヤナギの芽吹き
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【歌】 春されば しだり柳の とををにも 妹は心に 乗りにけるかも (柿本朝臣人麻呂歌集 巻十・1896)
【口語訳】 春になると 若葉の萌え出たしだれ柳の枝がしなうように 私の心もしなうほどに あの娘のことが いっぱいに心を占めてしまったよ(口語訳は『万葉集全歌講義』より)

 ネコヤナギその後
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Posted by katakago at 14:55
モモ(一重の花桃)の花が咲き始めました [2022年03月13日(Sun)]
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 裏山に植えている一重の花桃が咲き始めました。
【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (大伴家持 巻十九・4139)
【口語訳】 春の園は まるで一面紅色に照り輝いている その桃の花の樹の下まで照り映える道に つと出で立っているおとめよ(口語訳は『万葉集全注』より)
 モモが詠まれた家持の歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/286
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/791

 裏山の白梅は満開を過ぎて散り始めています。
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 ネコヤナギの花穂
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 このブログでは植物の写真を載せているので、植物図鑑としてはこれまで『原色牧野植物大図鑑』を活用してきました。近年、DNA塩基配列を用いた分子系統学的手法により、被子植物も新たに構築された分子系統樹に基づく新分類体系(APG分類体系)となり、牧野植物図鑑もAPG対応版として『新分類 牧野日本植物図鑑』が刊行され(2017年)、これを利用しています(最新のものとしては米倉浩司著『新維管束植物分類表』(2019年)がある)。
 牧野富太郎の植物図鑑と関連書籍
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 牧野富太郎は世界的な植物分類学者であると同時に、たぐいまれな植物画の名手でもあり、また万葉植物に関するいくつかの論考もあり、その関連書籍には関心がありました。先ごろ、朝井まかて著『ボタニカ』の刊行(祥伝社)を知り、早速興味深く読み進めました。
 来春のNHK朝ドラには牧野富太郎をモデルにした『らんまん』に決まったとのことで、今から楽しみにしています。
 5年前に、練馬区立牧野記念庭園を訪れた際の記事を次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1209
Posted by katakago at 15:17
白梅の開花(続報) [2022年02月17日(Thu)]
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 先月下旬に、畑に植えている梅の木の一株で開花が見られましたが、裏山の白梅もようやく咲き始めました。
 紅梅も咲き始めています(万葉歌のウメは白梅ですが)。
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 畑ではオオイヌノフグリ(オオバコ科)の花が咲いていました。
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 オミクロン株の感染拡大が収まらない中、一昨日、3回目のワクチン接種を終えることが出来て一先ずホッとしています。来月以降、万葉植物関係の展示が奈良や高岡で予定されているので、機会を見つけて出かけられればと思っています。

 今朝、高3の孫娘から電話がありました。志望の立命館大学(食マネジメント学部)に合格したとのうれしい知らせでした。入学の頃にはコロナも収まっていることを願っています。

Posted by katakago at 16:36
白梅が咲き始めました [2022年01月23日(Sun)]
 今年開催予定の万葉植物関連の展示会で、キャプションに掲載する万葉歌の解説作成を依頼され昨年から取り組んできました。77種の植物について、取り上げた歌の解説をそれぞれ300字程度に纏めるのには苦労しました。図録にも掲載するとのことで、この年末年始はその原稿の校正作業に当たってきましたが、ようやく目途がつきそうです。
 デスクワークの合間には畑に出かけて目を休めていましたが、数か所に植えている梅の木のうち、白梅の一本で花が咲き始めていました。
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 万葉集ではウメはハギに次いで多く詠まれています。天平二年(730)正月十三日(太陽暦二月八日)に、大宰府長官大伴旅人の邸宅で開かれた「梅花の宴」では32首のウメの歌が詠まれており、次の歌はその最初に載せられたものです。
【歌】 正月(むつき)立ち 春の来(きた)らば かくしこそ 梅を招(を)きつつ 楽しき終(を)へめ (大宰大弐紀卿 巻五・815)
【口語訳】 正月になり 春が来たなら こうやって 毎年梅を迎えて 歓を尽くしましょう 
 一昨年、太宰府市で開催された「梅花の宴」の行事に参加した時の記事を次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1636
 他の木はまだ蕾です。
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 ネコヤナギの花穂が見られました。
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ネコヤナギ(万葉歌では「かはやなぎ、かはやぎ」)が詠まれた歌を載せておきます。
【歌】 山の際(ま)に 雪は降りつつ しかすがに この川柳(かはやぎ)は 萌えにけるかも (巻十・1847)
【口語訳】 山あいに 雪は降っている それなのに この川柳は もう芽が出たことよ
 この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/276
Posted by katakago at 12:02
ヤブツバキが咲き始めました [2021年12月23日(Thu)]
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 膝を痛めてから、裏山に行くこともなかったのですが、今朝暫くぶりに出かけてみると、ヤブツバキが咲き始めていました。開花時期はいつもより早いようですが、花はこれから3月頃まで楽しめるものと思われます。
「つらつら椿 つらつらに」と詠まれた万葉歌を載せておきます。
【歌】 巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を (坂門人足 巻一・54)
【歌】 河上の つらつら椿 つらつらに 見れども飽かず 巨勢の春野は (春日蔵首老 巻一・56)
 これらの歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/781

 殺風景となった師走の畑で、思いもかけず花桃が咲いているのを見つけました。
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 カワラナデシコが未だ咲いていました。
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 自宅庭に咲くツバキ(白侘助)
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 自宅のサンルームでは妻が育てているランの花が咲いています。
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 先週、しばらくぶりに人間ドックを受診しました。膝を痛める前の10月初め、コロナも落ち着いていた頃に近くの病院に予約を入れたところ、受診希望者も増えてきたためか受診時期がかなり遅くなってしまいました。今回、胃カメラ検査と共にオプション検査の大腸内視鏡検査・肺がん検査(マルチスライスCT)や腫瘍マーカー検査も行い、結果報告書は2〜3週間後に届くとのことです。大阪・京都ではオミクロン株の市中感染の報告もあり、病院通いは避けたいものです。
Posted by katakago at 15:29
イロハモミジも色づき始めました [2021年11月28日(Sun)]
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 黄葉していたイチョウ(23日の記事)も、すっかり散ってしまい、入れ替わりに裏山のイロハモミジ(ムクロジ科)が色づき始めました。
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万葉歌には、「かへるて」と詠まれています。ニ首あるうちの一首を載せておきます。
【歌】 我がやどに もみつかへるて 見るごとに 妹をかけつつ 恋ひぬ日はなし (大伴田村大嬢 8・1623)
【口語訳】 家の庭に 色づいたかえでを 見るたびに あなたのことを 恋しく思わない日はありません
 関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/234
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/568

 コナラの葉も紅葉しています。
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 この時期未だ、フジバカマが一株花を咲かせていました。 
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 果樹園の陽だまりではカワラナデシコが咲いていました。
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 タカサゴユリが二輪咲いていました。咲き終わった株では刮ハが見られる一方、蕾を付けている株もありました。
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カワラナデシコや タカサゴユリは耐寒性があるようです。

Posted by katakago at 16:47
イチョウの黄葉 [2021年11月23日(Tue)]
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 イチョウの葉が黄葉し散り始めています。昨年に続き銀杏もたくさん採れました。
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 この時期の植物園は、これまで楽しませてくれた草花も枯れてしまい、すっかり初冬の景色になってしまいました。
 蓮池の様子(今年は蓮池の中に入って雑草を取り除いてやりました)
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 カワラナデシコがまだ二か所で咲いていました。
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 キキョウも最後の一輪を見つけました。
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 赤く熟したノイバラの偽果(果序)
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 裏山ではヤブコウジが赤い実を付けています。
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 万葉歌では、やまたちばな(原文は山橘・夜麻多智婆奈と表記)として5首詠まれています。
【歌】 あしひきの 山橘の 色に出でよ 語らひ継ぎて 逢ふこともあらむ (春日王 巻四・669)
【口語訳】 (あしひきの) 山橘のように 思いを口に出してしまえ 人が語り伝えてくれて 逢えることもあろう
 関連記事は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/232
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/252
Posted by katakago at 12:09
フジバカマに飛来したアサギマダラ [2021年10月19日(Tue)]
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 フジバカマが咲いている時期はアサギマダラに出逢えるかもしれないと、カメラを携帯して畑に出かけるようにしています。今日、幸いにもアサギマダラがフジバカマに止まっているのを見つけることが出来ました。アサギマダラは長い渡りをする蝶として知られています。一昨年はマーキングされた個体を見つけることが出来ました。石川県羽咋郡宝達志水町の宝達山から飛来したことが判明しています(関連記事は下記のURLに掲載)。
 今日見つけた個体は、マーキングはされていませんでしたが、羽の一部が少し傷んでおり、遠くから飛来したものと思われます。
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 2年前のマーキングされたアサギマダラの記事
神戸新聞取材中に見つけたアサギマダラ
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1594
石川県羽咋郡宝達山より飛来したことが判明
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1597
神戸新聞NEXTの紹介記事
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1601
北國新聞にも取り上げられた
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1606

Posted by katakago at 16:20
10月に開花したハマユウ [2021年10月12日(Tue)]
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 例年、ハマユウは7〜8月にかけて花を咲かせますが、今年は珍しく10月になってから花を咲かせている株があります。

 この時期は、咲いている花も僅かとなりましたが、いくつか写真を載せておきます。
 ススキの穂とフジバカマ
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万葉歌ではススキは、「すすき」・「をばな」と詠まれています。
【歌】 さ雄鹿の 入野のすすき 初尾花 いつしか妹が 手を枕かむ (巻十・2277)
【口語訳】 (さ雄鹿の) 入野のすすきの 初尾花のように初々しい娘(こ) いつになったらあの娘の手を枕にすることだろう
 「さ雄鹿の」は、鹿が野に分け入る、の意でかけた「入野」の枕詞で、「初尾花」は、穂が出たばかりの尾花で、初々しい女性の姿のたとえとして用いられています。

 オミナエシで花を咲かせている最後の株
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 茎を切り戻したキキョウはまだ花を咲かせています。
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 この時期花を咲かせているヒオウギもあります。
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 夏に咲き終わった株では、花後に形成された刮ハがはじけて中から黒い球形の種子がみられます。万葉歌で「ぬばたま」と詠まれているのがこのヒオウギの種子と考えられています。全て枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いられています。
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【歌】 ぬばたまの 黒髪変はり 白けても 痛き恋には あふ時ありけり (沙弥満誓 巻四・573)
【口語訳】 (ぬばたまの) 黒髪が 白髪に変っても つらい恋に 出会う時はあるものですね
関連記事は以前の記事(下記のURL)に載せています 。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/170
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/188
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/457


Posted by katakago at 14:19
ドングリいろいろ [2021年10月04日(Mon)]
 この時期、ブナ科のアラカシ・クヌギ・シラカシの木に実が生っています。いずれも殻斗(かくと)に堅果がひとつの「ドングリ」です。
 アラカシ
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 次の万葉歌(・・・橿の実の ひとりか寝(ぬ)らむ ・・・)では「ひとり」の枕詞として用いられています。
【歌】 しなでる 片足羽川の さ丹塗の 大橋の上ゆ 紅の 赤裳裾引き 山藍もち 摺るれる衣着て ただひとり い渡らす児は 若草の 夫(つま)かあるらむ 橿の実の ひとりか寝らむ 問はまくの 欲しき我妹(わぎも)が 家の知らなく (巻九・1742)
 この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/291

 クヌギ(万葉歌では「つるはみ」と詠まれている)
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 クヌギの実の煎じ汁を用いる「橡染め」は鉄の媒染剤では黒色になり、当時、それは一般に下層階級の着る衣の色とされていました。大伴家持の次のような歌があります。
【歌】 紅は うつろふものそ 橡(つるはみ)の なれにし衣に なほ及(し)かめやも (巻十八・4109)
【口語訳】 紅は 色褪せるもの 橡染めでも 着慣れた衣に やはり及ぼうか
 この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/47
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1325

 シラカシ(十数年前に苗木を植えた株で今年初めて実が生りました)
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【歌】 あしひきの 山道(やまぢ)も知らず 白橿の 枝もとををに 雪の降れれば (巻十・2315)
【口語訳】 (あしひきの) 山道もどこだかわからない 白橿の 枝もたわむほどに 雪が降っているので
 関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/265

Posted by katakago at 10:35
フジバカマが咲き始めました [2021年10月02日(Sat)]
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 フジバカマ(キク科)の花が咲き始めました。万葉歌では、山上憶良の秋の七草の歌(五・七・七・五・七・七の旋頭歌)に詠まれています(この歌のみ)。
【歌】 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花 (巻八・1538)
この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/173

 秋の七草のうち、この時期他にススキ・ハギ・オミナエシ・キキョウの花が見られます。
 ススキの穂(万葉歌では「すすき」・「をばな」と詠まれている)
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 ハギ 名残の花が見られました。
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 オミナエシ 切り戻した株で新しい花が咲いています。
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 キキョウ(万葉歌では「あさがほ」とする説)
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Posted by katakago at 11:15
シロバナマンジュシャゲとカラスアゲハ [2021年09月22日(Wed)]
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 自宅横の畑では、シロバナマンジュシャゲ(ヒガンバナ科)が咲いています。ヒガンバナ科のショウキズイセンとヒガンバナの雑種で、亡くなった母が植えていたものと思われます。この花にカラスアゲハが飛来してきたのを見かけ写真に撮ることが出来ました。

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Posted by katakago at 18:03
ヒガンバナが咲き始めました [2021年09月11日(Sat)]
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 昨日、畦の草刈りをしている際に、ヒガンバナの花茎が伸びているのに気づきました。今朝見てみると花が開いているものもありました。万葉歌で「いちし」と詠まれている植物がヒガンバナにあたるとの説(牧野富太郎博士)があります。
【歌】 道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻は (巻十一・2480)
【口語訳】 道のほとりの いちしの花のように はっきりと人々は知ってしまった 私の恋しく思っている妻の事を
関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/172

 ポットで栽培しているミズアオイ(ミズアオイ科)の花が咲き始めました(万葉歌では「なぎ」と詠まれている)。
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ミズアオイについては以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1564

 シロバナサクラタデの群生
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 シロバナサクラタデとヨメナの花
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 ツユクサの花(万葉歌では「つきくさ」と詠まれている)
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 「つきくさ」は9首詠まれており、その花汁で染めた衣の色が変わり易いため、6首までが「うつろふ」という意味で用いられています。
【歌】 月草の うつろひ易く 思へかも 我が思ふ人の 言も告げ来ぬ (大伴坂上大嬢 巻四・583)
【口語訳】 月草のように変わり易いお心をもっておいでだからでしょうか 私の慕わしく思う方からのお便りもありません
 月草が詠まれた万葉歌については、次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/73
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/383

 この時期も咲いているヒオウギ
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 ヒオウギの種子(万葉歌では「ぬばたま」と詠まれており、全て黒・夜・暗・夢などの枕詞として用いられている)
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 季節外れに咲いたフジの花(万葉歌では「ときじきふぢ」と詠まれている)
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 昨年播種したハマユウ(写真右手前) 周囲に繁茂していた雑草を取り除いてやりました。
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Posted by katakago at 11:51
ハギの花が咲いています [2021年09月09日(Thu)]
 ハギ(マメ科)は万葉歌で最も多く詠まれている植物で、当園でも多くの株を植栽しています。先月下旬から畑の数か所で花を咲かせています。
 ミヤギノハギ(写真右)とオミナエシ(左)
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 シロバナミヤギノハギも咲いています。
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 ハギが詠まれた万葉歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
【歌】 我が岡に さ雄鹿来鳴く 初萩の 花妻問ひに 来鳴くさ雄鹿 (大伴家持 巻八・1541)
【口語訳】 わが岡に 雄鹿が来て鳴いている 初萩の 花を妻問おうとして 来鳴く雄鹿よ
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/143
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/174
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/456

 開花後、茎の途中から切り戻したキキョウ(キキョウ科)が再び花を咲かせています。
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 刈り残した畦道でニラ(ヒガンバナ科)の花が咲いています。
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 ニラが詠まれた万葉歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています(万葉歌では「みら」)。
【歌】 伎波都久(きはつく)の 岡のくくみら 我摘めど 籠にも満たなふ 背なと摘まさね (巻十四・3444)
【口語訳】 伎波都久の 岡のくくみらは わたしが摘んでも 籠いっぱいになかなかならないわ そんならあの人と摘みなさいな
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/162

 オケラ(キク科)の花も咲いています。
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 オケラが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています(万葉歌では「うけら」)。
【歌】 恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の うけらが花の 色に出なゆめ (巻十四・3376)
【口語訳】 恋しくなったら 袖ぐらい振りますのに 武蔵野の おけらの花のように 目立ったことをしないでくださいね
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/182

Posted by katakago at 16:23
ノカンゾウが咲いています [2021年08月26日(Thu)]
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 今月中旬からノカンゾウが咲いています。万葉歌で、わすれぐさ(原文表記は萱草)と詠まれている植物は、ヤブカンゾウやこのノカンゾウと考えられています。関連万葉歌の解説は、ヤブカンゾウとワスレグサの以前の記事(次のURL)に載せています。
 ヤブカンゾウ
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/385
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1745
 ノカンゾウ
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/468

 ところで、近年被子植物の所属科名が変更されてきています。DNA塩基配列を用いた分子系統学的解析により構築された分類体系によるもので、1993年に生まれ増補と改訂を重ね、2016年にAPG*IV分類体系として完成されました(『フィールド版 改訂新版 日本の野生植物』より)。
これによると、ヤブカンゾウやノカンゾウはススキノキ科になっています。なお、『新分類 牧野日本植物図鑑』では、ワスレグサ科(ススキノキ科)となっており、以前の記事ではワスレグサ科としていました。
*APG:国際プロジェクトである被子植物系統研究グループ(Angiosperm Phylogeny Group)

 畑では今も、オミナエシに混じってタカサゴユリが咲いています。 
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Posted by katakago at 14:39
月下美人が開花 [2021年08月01日(Sun)]
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 ゲッカビジン(サボテン科)の花が咲きました。10年以上前に購入したポット植えの株で、冬期はガラス室に置きそれ以外はシラカシの生垣にポットを吊るして管理しているものです(普段の世話は妻が行っています)。昨日夕方、夜中には咲くかもしれないと思いながら確認するのを忘れて寝てしまい、夜中に思い出して今日未明(午前3時半ごろ)花の写真を撮ることが出来ました(明るくなると花は萎んでしまいます)。


 大型バットで栽培しているヒシ(ミソハギ科)の花が咲いています。
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 ヒシが詠まれた万葉歌を載せておきます。
【歌】 君がため 浮沼(うきぬ)の池の 菱摘むと 我が染めし袖 濡れにけるかも (柿本朝臣人麻呂歌集 巻七・1249)
【口語訳】 あなたのために 浮沼の池の 菱を摘んでいるうちに 自分で染めた袖は 濡れてしまいました
 関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/129

 裏山の垣根に絡まってヘクソカズラ(アカネ科)の花が咲いていました。
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 ヘクソカズラが詠まれた万葉歌を載せておきます。歌では屎葛(くそかずら)と表記。
【歌】 ざうけふに 延(は)ひおほとれる 屎葛 絶ゆることなく 宮仕へせむ (高宮王 巻十六・3855)
 関連記事は次のURL を、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/116

Posted by katakago at 15:58
季節外れに咲いたフジ [2021年07月31日(Sat)]
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 畑に設置した藤棚でフジの花が咲いていました。
 季節外れに咲いたフジが詠まれた万葉歌があります(ときじきふぢ 原文表記は非時藤)。
題詞によれば、大伴家持が、時期外れの藤の花と萩の紅葉(もみじ)と二つの物を折りとって、妻の坂上大嬢に贈った歌二首のうちの次の歌です。時期は左注に天平十二年六月(太陽暦740年7月3〜31日にあたる)とあります。
【歌】 我がやどの 時じき藤(ふぢ)の めづらしく 今も見てしか 妹が笑(ゑ)まひを (巻八・1627)
【口語訳】 家の庭の 時ならぬ藤のように めづらしく 今も見たいものです あなたの笑顔を

 ハギの花も咲き始めています。
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 タカサゴユリが咲き始めました。
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 オミナエシの花に止まるアオスジアゲハ
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 この時期、植物園の木々でセミが盛んに鳴いています。
 クマゼミ
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 アブラゼミ
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 ニイニイゼミ
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 セミが詠まれた万葉歌(遣新羅使人の歌)を載せておきます。
【歌】 石走(いはばし)る 滝もとどろに 鳴く蝉の 声をし聞けば 都し思ほゆ (大石蓑麻呂 巻十五・3617)
 以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/114

 蓮池の花もだいぶ少なくなり花托が目立つようになりました(蕾も見られますが)。
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Posted by katakago at 13:47
サトイモとハスの葉 [2021年07月22日(Thu)]
 今年も、畑には夏野菜(ナス、トマト、キュウリ、オクラ、シシトウなど)の他、秋の収穫用にサツマイモ、ラッカセイやサトイモも栽培しています。
 巻十六に、サトイモとハスの葉が詠まれた歌があります。サトイモは「うも」、ハスの葉は「はちすば」と詠まれています。
【歌】 蓮葉(はちすば)は かくこそあるもの 意吉麻呂が 家なるものは 芋(うも)の葉にあらし (長忌寸置麻呂 巻十六・3826)
【口語訳】 蓮の葉とは こんなものをいうのか さては意吉麻呂の 家にあるのは 里芋の葉だな
 宴などの場で歌われた笑いと機知の強調された歌(戯笑歌)で、以前の解説記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/106
 サトイモの葉
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 ハスの葉
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ハマユウが次々と開花しています。
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 花が終わったベニバナは来年の播種用に種を採取しました(鋭い棘があるので厚手の手袋を使用)。
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Posted by katakago at 11:40
トコロの花 [2021年07月14日(Wed)]
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 トコロ(ヤマノイモ科)の花が咲いています。トコロは蔓性多年草で、その根茎のえぐみが薄れる冬に掘り取って食用にされるようです。
 万葉歌では「ところづら」と詠まれており、以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1552

 畦道にコヒルガオ(ヒルガオ科)が咲いていました。
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 万葉歌で、「かほばな」と詠まれている植物をヒルガオにあてる説があります。
【歌】 高円の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも (大伴家持 巻八・1630)
【口語訳】 高円の 野辺のかお花のように 面影に ちらついて見えてあなたのことは 忘れられない

 蕾のハマユウ(7/10掲載)も花が咲きました。
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 今朝の蓮池で
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Posted by katakago at 10:39
ハマユウが咲き始めました [2021年07月10日(Sat)]
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 ハマユウ(ヒガンバナ科)は畑の数か所に20株ほど植えていますが、その一株で花が咲き始めました。蕾を付けた株もありこれから順次花を楽しめそうです。ハマユウは万葉歌に次の一首のみ詠まれています(以前の記事は次のURL)。
【歌】 み熊野の 浦の浜木綿 百重(ももへ)なす 心は思へど 直(ただに)に逢はぬかも (柿本人麻呂 巻四・496)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/126
 ハマユウの蕾
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 蓮池では紅白取り混ぜ池全面で咲きだしました。
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Posted by katakago at 10:30
ハスの花 続報 [2021年07月07日(Wed)]
 今朝雨が降り出す直前に撮影した蓮池の写真を掲載しておきます。
 昨日も、近くの方が見に来られていましたが、これから一月近く花を楽しんでもらえればと思っています。なお、蓮池脇は里道で農家の方の通行の邪魔になるため、写真撮影時の三脚の使用はご遠慮願っています。
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 次の写真は、昨日花弁が開ききっていなかった株です。
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Posted by katakago at 10:20
ようやくハスの花が咲き始めました [2021年07月06日(Tue)]
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 例年は、6月下旬には最初の開花株が見られたのですが、今年は7月になって、今朝ようやく花が咲き始めました。

 明日には花弁が大きく開くものと思われます。
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 ハスの蕾で見かけたシオカラトンボ
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 昨年播種したヒオウギが一斉に咲き始めました。
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Posted by katakago at 10:41
開花間近の蓮池で [2021年07月03日(Sat)]
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 梅雨の晴れ間の蓮池の様子を載せておきます。来週にも開花が見られそうです。

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 ハスの葉っぱに溜まった水
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 次の万葉歌を以前の記事に載せています。
【歌】 ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉(はちずば)に 溜まれる水の 玉に似たる見む (巻十六・3837)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/85

 蓮池の脇でセリ(セリ科)の花が咲いています。
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 セリが詠まれた次の万葉歌は以前記事に載せています。
【歌】 あかねさす 昼は田賜(た)びて ぬばたまの 夜の暇(いとま)に 摘める芹これ (葛城王 巻二十・4455)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1141

 キキョウの花が真っ盛りです。
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Posted by katakago at 11:19
ヒオウギが咲き始めました [2021年06月29日(Tue)]
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 ヒオウギ(アヤメ科)の花が咲き始めました。秋には花後に形成された刮ハがはじけて中から黒い球形の種子が見られます。万葉歌に詠まれている「ぬばたま」(原文は夜干玉・奴婆多麻・烏玉などと表記)はこのヒオウギの種と考えられています。万葉歌では全て枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いられています。以前の関連記事はヒオウギの種子の写真と共に以下のURLに載せています。
【歌】 ぬばたまの 黒髪変り 白けても 痛き恋には あふ時ありけり (沙弥満誓 巻四・573))
【歌】 あかねさす 昼は物思(も)ひ ぬばたまの 夜はすがらに 音(ね)のみし泣かゆ (中臣朝臣宅守 巻十五・3732)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/170
【歌】 相思はず 君はあるらし ぬばたまの 夢(いめ)にも見えず うけひて寝(ぬ)れど (巻十一・2589)
【歌】 我が背子が かく恋ふれこそ ぬばたまの 夢に見えつつ 寝(い)ねらえずけれ (巻四・639)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/188
【歌】 現(うつつ)には 逢ふよしもなし ぬばたまの 夜の夢(いめ)にを 継ぎて見えこそ (大伴旅人 巻五・807)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/457

 ツユクサ(ツユクサ科)の花が咲いています。
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 ツユクサは万葉歌では、つきくさ(原文は月草・鴨頭草と表記)として詠まれています。ツユクサで染めた衣の色が変わり易いため、ツユクサが詠まれた9首中6首までが「うつろふ」という意味で用いられています。以前の記事は次のURLに載せています。
【歌】 月草に 衣色どり 摺らめども うつろふ色と 言ふが苦しさ (巻七・1339)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/73
【歌】 朝(あした)咲き 夕(ゆふへ)は消(け)ぬる 月草の 消ぬべき恋も 我(あれ)はするかも (巻十・2291)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/149
【歌】 月草の うつろひ易く 思へかも 我(あ)が思ふ人の 言も告げ来ぬ (巻四・583)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/383

 畑のあちらこちらでオミナエシ(スイカズラ科)が一斉に咲き始めました。
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 オミナエシが詠まれた万葉歌は、以前の記事に載せています。
【歌】 手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも (巻十・2115)
【歌】 をみなへし 佐紀沢の辺の ま葛原 いつかも繰りて 我が衣に着む (巻七・1346)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/99

 ベニバナの花が真っ盛りです。
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 畦の草刈りの際にヤブカンゾウを残しておきました。
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 今年はハスの開花は例年よりも遅く、来月半ばからと思われます(写真左右に蕾)。
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Posted by katakago at 11:19
ヤブコウジの花 [2021年06月24日(Thu)]
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 ヤブコウジ(サクラソウ科)の花が咲いていました。秋には小さな赤い実を付けるので気づきますが、花の時期は見過ごしてしまいそうです(今回は蕾と花の写真を撮れました)。万葉歌では、やまたちばな(原文は山橘・夜麻多智婆奈と表記)として5首詠まれています。歌の解説は赤い実を付けた写真と共に以前の記事に載せています。
【歌】 あしひきの 山橘の 色に出(い)でて 我は恋ひなむを 人目難(かた)みすな (巻十一・2767)
【歌】 あしひきの 山橘の 色に出でよ 語らひ継ぎて 逢ふこともあらむ (春日王 巻四・669)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/232

【歌】 この雪の 消(け)残る時に いざ行(ゆ)かな 山橘の 実の照るも見む (大伴家持 巻十九・4226)
【歌】 消残りの 雪に合へ照る あしひきの 山橘を つとに摘み来(こ)な (大伴家持 巻二十・4471)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/252

 自宅庭で撮影したスギゴケとノキシノブの写真も載せておきます。
 スギゴケ(スギゴケ科)
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 コケが詠まれた次の万葉歌は以前の記事に載せています。
【歌】 み吉野の 青根が峰の 苔席(こけむしろ) 誰か織りけむ 経緯(たてぬき)なしに (巻七・1120)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/43
 
 ノキシノブ(ウラボシ科)
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 万葉歌に、しだくさ(原文は子太草と表記)と詠まれているのがノキシノブと考えられています。その歌については次のURLに載せています。
【歌】 我がやどは 甍しだ草 生ひたれど 恋ひ忘れ草 見るにいまだ生ひず (巻十一・2475)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/103

Posted by katakago at 14:45
裏山でヤブカンゾウが開花 [2021年06月21日(Mon)]
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 裏山のアジサイの傍では早くもヤブカンゾウ(ワスレグサ科)が一輪咲いていました(畑では今月末か)。ヤブカンゾウは、万葉歌では「わすれぐさ」(原文表記は萱草)として詠まれています。当時、「わすれぐさ」を身に付けると憂苦を忘れるという俗信があったようです(注1 参照)。ヤブカンゾウが詠まれた歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
【歌】 忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため (大伴旅人 巻三・334)
【歌】 忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜(しこ)の醜草 言にしありけり (大伴家持 巻四・727)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82
【歌】 忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり (巻十二・3062)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/385

 裏山のネムノキ(マメ科)は大きくなって、花の写真を撮るのも困難になりました。
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 次の写真は猪名川河畔で撮影しました。
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 ネムノキが詠まれた万葉歌(大伴家持と紀女郎との贈答歌)については以前の記事(次のURL)に載せています。
【歌】 昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ (紀女郎 巻八・1461)
【歌】 我妹子が 形見の合歓木は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも (大伴家持 巻八・1463)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/89

 注1 中国の『文選』巻五十三「養生論」には、「合歓ハ忿ヲ蠲キ、萱草ハ憂ヲ忘レシム(合歓は怒りをのぞき、萱草は憂いを忘れさせる)」とあります。

 今朝、蓮池で花芽が伸びてきているのを見つけました。
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 花芽の拡大写真
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 畑ではヒマワリも咲き始めました。
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Posted by katakago at 17:21
ベニバナが咲き始めました [2021年06月19日(Sat)]
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 ベニバナ(キク科)が咲き始めました。万葉歌では、くれなゐ(原文表記は紅・呉藍など)と詠まれています。
 ベニバナが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
【歌】 紅の 花にしあらば 衣手に 染め付け持ちて 行くべく思ほゆ (巻十一・2827)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/81
【歌】 紅の 深染めの衣 色深く 染(し)みにしかばか 忘れかねつる (巻十一・2624)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/363
【歌】 紅に 衣染めまく 欲しけども 着てにほはばか 人の知るべき (巻七・1297)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/384
【歌】 紅の 八入(やしほ)の衣 朝な朝(さ)な なれはすれども いやめづらしも (巻十一・2623)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/854

上記の歌など、紅花染めの工程を踏まえて詠まれたとみられる表現があり、以前に、紅花摘みを行い、紅花染めの体験会も実施しました(関連記事は下記のURL)。 
 紅花摘みの記事
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1011
 紅花染めと万葉歌
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/947
 紅花染の体験会
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1134

 畑ではキキョウが一斉に咲き始めました。
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 ヤブカンゾウの蕾(開花は今月下旬ごろ)
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 ヒオウギの蕾(開花は来月上旬ごろ)
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Posted by katakago at 14:27
コオニユリが開花 [2021年06月12日(Sat)]
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 ヤマザクラの株元でコオニユリが咲き始めました。例年になく早い開花です(写真後方にはカワラナデシコとオミナエシが写っています)。
 ユリが詠まれた次の万葉歌(常陸国の防人歌)の解説を以前の記事(次のURL)に載せています。
【歌】 筑波嶺の さ百合の花の 夜床にも かなしけ妹そ 昼もかなしけ (巻二十・4369)
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/33

 カワラナデシコに続きオミナエシの開花株も増えてきました。
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 朝夕の草取りで、ハマユウの生育場所もスッキリしました。 
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Posted by katakago at 15:33
ハナショウブとサギ [2021年06月08日(Tue)]
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 花菖蒲園傍のお隣の田んぼでは水が張られて田植えの準備が進んでいます。今朝、その水田に飛来した2羽のサギを見かけました。ハナショウブとサギが水面に映っています。

 離れた場所から見ると黄色の花が目立ちますが、他の種類の株もまだ花を咲かせています。
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Posted by katakago at 10:31
キキョウが一輪開花 [2021年06月05日(Sat)]
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 カワラナデシコ、オミナエシに続き、キキョウ(キキョウ科)が早くも一輪開花しました。万葉歌で「あさがほ」と詠まれている植物について諸説ある中、キキョウにあてる説が有力です。
【歌】 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲き増さりけり (巻十・2104)
【口語訳】 朝顔は 朝露をやどして 咲くと言われているが 夕方の淡い光の中の方が ずっと美しく見えるよ
 「あさがほ」は、次の山上憶良の「秋の七種(くさ)」の歌にも詠まれています。
【歌】 秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(くさ)の花 (巻八・1537)
【歌】 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花 (巻八・1538)

 ベニバナ(キク科)の蕾も膨らんできました(今月下旬には開花見込み) 
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 裏山のアジサイも見頃
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 裏山では、サカキ(サカキ科)の花が咲いています。
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 サカキが詠まれた万葉歌(大伴坂上郎女の長歌 巻三・379)は、以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/64
Posted by katakago at 14:52
カワラナデシコが咲きだしました [2021年06月03日(Thu)]
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 カワラナデシコ(ナデシコ科)が畑のあちらこちらで咲きだしました。万葉歌では26首詠まれており、大伴家持はなでしこの可憐な姿を格別に好んだようで、そのうち11首も詠んでいます。ここではその中からた次の4首を載せておきます。
【歌】 我がやどの なでしこの花 盛りなり 手折りて一目 見せむ児もがも (巻八・1496)
【口語訳】 家の庭の なでしこの花が 今真っ盛りだ 手折って一目 見せてやるような女の子がいたらよいのに
【歌】 我がやどに 蒔きしなでしこ いつしかも 花に咲きなむ なそへつつ見む (巻八・1448)
【歌】 わが家の庭に 蒔いたなでしこは いつになったら 花が咲くことだろうかそしたら あなたと見なして眺めよう
【歌】 なでしこが 花見るごとに 娘子らが 笑まひのにほひ 思ほゆるかも (巻十八・4114)
【口語訳】 なでしこの 花を見るたびに いとしい娘子(妻の坂上大嬢をさす)の 笑顔のあでやかさ そのあでやかさが思われてならない
【歌】 なでしこが その花にもが 朝な朝な 手に取り持ちて 恋ひぬ日なけむ (巻三・408)
【口語訳】 なでしこの 花であなたがあればよい そうしたら毎朝 手に取り持って いとおしまない日とてないでしょう

 オミナエシ(スイカズラ科)も咲き始めた株が見られます。
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 蓮池では、ハス(ハス科)の立ち葉が旺盛に伸びてきました。
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 水を張った花菖蒲園では、咲いた花が水面に映っています。
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Posted by katakago at 13:54
ヤマアジサイが開花 [2021年05月28日(Fri)]
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 裏山のヤマアジサイ(アジサイ科)が咲き始めました。アジサイが詠まれた万葉歌は、以前の記事に紹介しています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/63
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/374
 自宅庭のアジサイも咲き始めました。
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 裏山のクワ(クワ科)の木で実が生っているのを見つけました。
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 クワが詠まれた万葉歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/46
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/351

 昨年採取したハマユウ(ヒガンバナ科)の種が発芽していました。昨秋に播種した残りで、早速畑に植え付けました。
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 ハナショウブ(アヤメ科)が一斉に咲き始めました。
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 畑に植えているミヤギノハギ(マメ科)が咲き始めていました。この時期と9月の2回花を楽しめます。
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Posted by katakago at 14:26
ハナショウブが咲き始めました [2021年05月22日(Sat)]
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 蓮池傍の花菖蒲園では、今年も花が咲き始めました。これから来月中旬ごろまで色とりどりの花を楽しめそうです。
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 大型バットで育てているジュンサイ(ジュンサイ科)が、今週初めより花を咲かせ始めました。
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 万葉歌では「ぬなは(原文は蓴と表記)」と詠まれています。揺れ動く女の恋心を、浮葉性多年生水草のジュンサイに譬えた次のような歌(巻七の譬喩歌)があります。
【歌】 我が心 ゆたにたゆたに 浮き蓴 辺にも沖にも 寄りかつましじ (巻七・1352)
【口語訳】 わたしの心は浮きぬなはのようにゆらゆらと動いて、岸辺にも沖にも寄ることはできそうにもない(この恋を進めるとも進めないとも決めかねます)。
 口語訳を採った『萬葉集全歌講義』では、「じゅんさいは、食用に摘むために引けば揺れ動き、手を離したらゆったりと水上にただよっている。じゅんさい摘みの生活の中から生まれた隠喩。」と解説されています。
 
 蓮池ではハスの立ち葉が伸びてきました(花は来月下旬ごろからか)。その間でアサザが毎日花を咲かせています。
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Posted by katakago at 11:03
ウツギの花が咲いています [2021年05月20日(Thu)]
 裏山ではこの時期、ウツギ(アジサイ科)の花をはじめ、センダン(センダン科)やテイカカズラ(キョウチクトウ科)の花がが咲いています。
 ウツギの花
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 ウツギは万葉歌では「うのはな」と詠まれています。
【歌】 五月山 卯の花月夜 ほととぎす 聞けども飽かず また鳴かぬかも (巻十・1953)
【口語訳】 五月の山に卯の花が咲いている美しい月夜に、ホトトギスの声はいくら聞いても飽きない。また鳴かないかなあ。
 卯の花が詠まれた24首中、⒙首には同時にホトトギスが詠まれています。以前の記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/32

 センダンの花
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 万葉歌では「あふち」と詠まれています。
【歌】 妹が見し 楝の花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに (山上憶良 巻五・798)
【口語訳】 妻が見た 楝の花は もう散ってしまいそうだ わたしの泣く涙は まだ乾かないのに
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/38

 テイイカカズラの花
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 テイイカカズラは、万葉歌の「つた」にあてる説があります。柿本人麻呂の石見相聞歌では「延(は)ふつたの」と詠まれており、解説は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/28
Posted by katakago at 09:18
エゴノキの花 [2021年05月07日(Fri)]
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 裏山に自生しているエゴノキ(エゴノキ科)の花が真っ盛りです(花は長さ2〜3cmほどの柄の先端に垂れ下がって付く)。エゴノキは万葉歌の「山ぢさ」にあたるとみられています。
【歌】 山ぢさの 白露重み うらぶれて 心に深く 我が恋止まず (巻十一・2469)
【口語訳】 山ちさがしとどに置いた白露の重さでうなだれるようにうちしおれて、心の底深く私の恋は止むことがない
 巻十一の寄物陳思歌(物に寄せて思ひを陳ぶる歌)に分類されており、「山ぢさの白露重み」は「うらぶれて」を起こす序(山ぢさの花に露がいっぱい置いてうなだれしおれている様子が比喩の序)となっています。
 以前の記事で紹介した歌(ちさと詠まれている)は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/24

 マユミ(ニシキギ科)の花も咲いています(晩秋には実がはじけて中から赤い種が花を咲かせたように見える)。
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マユミが詠まれた万葉歌は、以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/231

 ノイバラ(バラ科)も咲き始めました(万葉歌では「うまら」と詠まれている)。
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 ノイバラが詠まれた万葉歌については次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/29
Posted by katakago at 10:18
アサザの花が咲き始めました [2021年05月03日(Mon)]
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 蓮池に混植しているアサザ(ミツガシワ科)の花が早くも咲き始めました。万葉歌であざさ(原文は阿耶左と表記)と詠まれている植物が、アサザにあたるとされています。アサザが詠まれた歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/49
 この歌(巻十三・3295)で、地名に「三宅の原」と詠まれていることより、この三宅の原は、奈良県磯城郡三宅町とみられ、アサザは町の花に指定されています。一昨年、三宅町から9名の方が私どもの植物園に見えられました。その時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1534

 カキツバタで、先月掲載のものとは異なる株(色が濃い紫色)も咲き始めました。
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 タブノキ(クスノキ科)の花が咲いています。
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 タブノキは万葉歌ではつまま(原文は都万麻と表記)と詠まれています。歌と解説は以前記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/22

 キリ(キリ科)の花が青空に映えています。
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Posted by katakago at 16:13
ホオノキの花 [2021年04月25日(Sun)]
 万葉歌に、ホオノキ(モクレン科)が詠まれており、畑に苗木を植えていますが、花が咲くまでにはまだ大分かかりそうです。
 日本植物画倶楽部会員の方から、お住いの近くにホオノキのあることを教えていただきました。川西市赤松字北谷97の高原寺(浄土真宗本願寺派)の墓地の入り口に植えられています。昨年は花の時期を逸してしまい、今年こそは花の写真を撮れればとここ二週間、日曜日毎に現地に通いました。二週間前はまだ蕾、一週間前は葉は展開するも蕾の状態で、今朝、ようやく咲き始めた花の写真を撮ることが出来ました。
 二週間前(4月11日)の様子
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 一週間前(4月18日)の様子
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 今日(4月25日)の様子
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 ホオノキの葉(朴葉)は食物を盛ったり包んだりするのに用いられ、万葉歌では、「ほほがしは」と詠まれています。
【歌】 我が背子が 捧げて持てる ほほがしは あたかも似るか 青き蓋 (講師僧恵行 巻十九・4204)
【口語訳】 長官が 捧げて持っておられる ほおがしわの枝は そっくりですね 青いきぬがさに
 題詞によれば、折り取った保宝葉(ほほがしは)を見て作った歌二首の一首目。二首目は、
【歌】 皇祖(すめろき)の 遠き御代御代は い敷き折り 酒飲むといふそ このほほがしは
 (大伴家持 巻十九・4205)
【口語訳】 古の 天皇の御代には 折り畳んで 酒を飲んだそうですよ このほおがしわは
 一首目の「我が背子」は家持を指し、「蓋(きぬがさ)」は貴人の後ろから差し掛ける柄のついた織物の傘(一位は深緑色)で五位には用いられないが、従五位下の家持が持つほおの葉を一位の人が用いる蓋のように詠って、宴の主人(あるじ)家持をほめ讃えたとみられています。
Posted by katakago at 14:38
カキツバタが開花 [2021年04月24日(Sat)]
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 ハス池の傍でカキツバタ(アヤメ科)が咲き始めました。
カキツバタが詠まれた万葉歌を二首載せておきます。
【歌】 かきつはた 衣に摺り付け ますらをの 着襲ひ狩する 月は来にけり (大伴家持 巻十七・3921)
【口語訳】 かきつばたで 衣を摺り染めにし ますらおが 着飾って狩をする その月は来た
 「狩する月」は、薬狩りをする4月(旧暦)
【歌】 住吉(すみのえ)の 浅沢小野の かきつはた 衣に摺り付け 着む日知らずも (巻七・1361)
【口語訳】 住吉の 浅沢小野の かきつばたを 衣に摺り付けて 着るのはさていつのことやら
 「衣に摺り付け」の摺るは摺り染めにすることで、布の上に型紙や型木を当てて、その上から染料(ここではカキツバタの濃紫色の花汁)を付けた刷毛で擦って模様を染め出す捺染と考えられています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』より)。
 二首目の歌は譬喩歌で、「かきつはた」に作者が思いを寄せる女性を、「衣に摺り付け」に妻として迎えることが譬えられています(結婚の日を待ち望む男の歌)。

 ビオトープ池ではショウブ(ショウブ科)の花が咲いていました。花茎の中ほどに肉穂花序(淡黄緑色の小花を密集)を付けています。葉は独特の匂いをもち、これが邪気を払い疫病を除くものと言われ、端午の節句に用いられるようになりました。
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 蓮池では、アサザの葉っぱに混じって、早くもハスの葉も出てきました(写真中央)。
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 裏山では、コバノミツバツツジに続いて、今、ヤマツツジが咲いています。
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 キリ(キリ科)の花も咲き始めました。
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 畑では、フジの花が満開です。 
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Posted by katakago at 11:20
ヒシの新葉が出てきました [2021年04月15日(Thu)]
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 畑に設置した水槽で、ヒシ(ミソハギ科)の実が発芽して新葉が出てきました(夏には白い花を咲かせる)

 別の水槽で栽培しているジュンサイ(ジュンサイ科)も数が増えてきました。
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 畑に植えているアマドコロ(キジカクシ科)の花が咲いています。万葉歌で、にこ草(原文は似児草と表記)と詠まれた植物にあてる説があります。
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 畑に設えた藤棚では早くも花が咲き始めました。
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 カワラナデシコ(ナデシコ科)も例年より早く咲き始めました。
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 オキナグサ(キンポウゲ科)の花後(痩果は花柱が長く伸び、老人の白髪のような白毛を密生させている)
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Posted by katakago at 10:47
ツツジも開花 [2021年04月09日(Fri)]
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 ツツジ類も咲き始めました。
【歌】 風早の 美保の浦廻の 白つつじ 見れどもさぶし なき人思へば (河辺宮人 巻三・434)
【口語訳】 風早の 美保の浜辺の 白つつじは 見ていても楽しくはない 死んだ人のことを思うから
 題詞には、和同四年(711)、河辺宮人が姫島の松原で美人(おみな)の死骸を見て、悲しんで作った歌四首とあり、これはその一首目です(巻三の挽歌)。
 コバノミツバツツジも咲いています。
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 ヨグソミネバリ(カバノキ科)の新葉と雄花序
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 雄花序の拡大(長枝の先端部に新芽が開くのと一緒に下垂して開く)
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 木質は柔軟なため弓材とされ、万葉歌では、木そのものを詠んだ歌はなく、「引く」などの枕詞として「梓弓」が集中に33例あります。例歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1581

 ユズリハ(ユズリハ科)の新葉
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【歌】 古に 恋ふる鳥かも ゆづるはの 御井の上より 鳴き渡り行く (弓削皇子 巻二・111)
【口語訳】 亡き父帝を 慕う鳥でしょうか ゆずりはの 御井の上から 鳴いて飛んでゆくのは
 題詞には、持統天皇が吉野に行幸された時の歌で、弓削皇子が、都に残る額田王に贈った歌とあり、この「古(いにしへ)」は、弓削の皇子にとっては父であり、額田王にとってはかつての夫であった天武天皇をさしています。

Posted by katakago at 14:45
カラタチの花 [2021年04月03日(Sat)]
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 カラタチ(ミカン科)の花が咲き始めました。植物園に植えている柑橘類では最も早く花を咲かせます。万葉歌では、巻十六に、題詞に「忌部首、数種(くさぐさ)の物を詠む歌一首」とある次の歌があります。数種の物は、からたち・茨・倉・屎・櫛で、宴などきわめてくだけた集団の場での即興とみられています。
【歌】 からたちの 茨刈り除け 倉建てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自 (巻十六・3832)
【口語訳】 からたちの いばらを刈り除いて 倉を建てるのだ 屎は遠くに行ってせい 櫛造りのおばちゃんよ

 アケビ(アケビ科)の花が咲いていました。
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 万葉歌で、さのかた(原文は狭野方と表記)と詠まれている植物を蔓性植物のアケビにあてる説があります(『萬葉集私注』他)。
【歌】 狭野方は 実にならずとも 花のみに 咲きて見えこそ 恋のなぐさに (巻十・1928)
【口語訳】 さのかたは 実を結ばなくても 花だけでも 咲いて見せてください 恋の慰めに

 五輪塔の傍では、一重のヤマブキの花が真っ盛りです。
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【歌】 山吹の 立ちよそひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく (高市皇子 巻二・158)
【口語訳】 山吹が 咲き匂っている 山清水を 汲みに行きたいが 道が分からないことよ
 十市皇女(天武天皇の長女、母は額田王)に対する挽歌。上三句は、死後の世界を意味する中国の「黄泉」の語を意訳して黄色い山吹と清水で表しているとみられています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』)。

 八重のヤマブキも咲いています。
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 シャガ(アヤメ科)も咲き始めました。
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 裏山では、この時期ニリンソウ(キンポウゲ科)群生が見られます。
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 今年初めて、タケノコを収穫しました。
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Posted by katakago at 20:16
ヤマブキが咲き始めました [2021年03月27日(Sat)]
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 裏山では、ヤマブキ(バラ科)が咲き始めました。タチツボスミレも咲いています。ヤマブキとスミレが詠まれた万葉歌を次に載せておきます。
【歌】 山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春の雨に 盛りなりにけり (高田女王 巻八・1444)
【口語訳】 山吹が 咲いている野辺の つぼすみれは この春雨の中 今真っ盛りである
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 ヤマブキの傍のアセビ(ツツジ科)の花も真っ盛りです。

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【歌】 我が背子に 我が恋ふらくは 奥山の あしびの花の 今盛りなり (巻十・1903)
【口語訳】 あなたを わたしが恋しく思うことは 奥山の あしびの花のように 今や真っ盛りです
 「奥山のあしびの花」は、「今盛りなり」にかかる比喩の序詞で、「奥山」と限定したのは人知れずひそかに思うさまを表そうとしたものととみられています(『萬葉釈注』他)。

 畑では、ヤマザクラが次々と花を咲かせています。
 センダイヤ(ヤマザクラの一種で牧野富太郎博士が命名)が開花
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 オオシマザクラが開花
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 ヤマナシ(バラ科)も咲き始めました。
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Posted by katakago at 15:34
ヤマザクラも開花 [2021年03月23日(Tue)]
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 裏山のエドヒガンに続いて、畑に植えているヤマザクラの一株が咲き始めました(例年よりも早い開花)。

 シキミ(マツブサ科)の花も咲いています。
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 シキミが詠まれた万葉歌は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/282

 ヒトリシズカ((センリョウ科)が咲き始めました。
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万葉歌(巻十三・3314)の「つぎね」にあてる説があります。関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/30
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/304

 裏山の入り口でアマナ(ユリ科)が咲いていました。
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Posted by katakago at 13:33
エドヒガンが開花 [2021年03月17日(Wed)]
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 裏山の斜面に植えているエドヒガンが開花しました。11年ほど前に苗木を植えたもので、2年前から花を咲かせるようになりました。
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 エドヒガンはウバヒガンとも呼ばれ、葉が出る前に花を咲かせ、萼筒(花の柄)が丸く膨れているのが特徴です。
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エドヒガンの関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1491

 万葉集中、サクラが詠まれた歌は、「さくらばな」が22例、「さくらのはな」が12例、「さくら」が5例、「やまざくらばな」が2例、「やまざくら」が1例あります。
 春雨を花が咲くのを促すものと詠んだ歌として、
【歌】 春雨に 争ひかねて 我がやどの 桜の花は 咲きそめにけり (巻十・1869)
【口語訳】 春雨に 逆らえなくて 家の庭の 桜の花は ほころび始めた
 春雨に花が散るのを惜しむ歌として、
【歌】 春雨は いたくな降りそ 桜花 いまだ見なくに 散らまく惜しも (巻十・1870)
【口語訳】 春雨よ ひどくは降るな 桜花が まだよく見ないうちに 散ったら惜しい 

Posted by katakago at 09:38
カタクリが開花 [2021年03月11日(Thu)]
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 畑の作業が一段落したので、久しぶりに裏山に出かけて倒木の片付けなどを行いました。
 裏山の二か所でカタクリ(ユリ科)の花が咲いていました(例年よりも早い開花)。
カタクリが詠まれた万葉歌は、大伴家持の次の一首のみです。
【歌】 もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 (巻十九・4143)
【口語訳】 (もののふの) 群なす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ
カタクリの関連記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/288

 アセビ(ツツジ科)も咲き始めました。
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Posted by katakago at 16:45
ツクシを見つけました [2021年03月09日(Tue)]
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 この時期、未だスギ花粉の飛散が続いていますが、畑ではジャガイモの植え付けや、昨年秋に植えたタマネギ、ソラマメ、エンドウなどの株元の草取り、果樹園では収穫を終えた柑橘類の剪定など、農作業に追われています。
 果樹園のクリの木の株元や畑のあちらこちらでツクシを見つけました。
 ツクシの傍ではタチツボスミレも咲いていました。
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 オキナグサの蕾が膨らんできました。
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 早くも、サクランボ(暖地桜桃)の花が満開となりました。
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 桜の中ではこの株が一番早く花を咲かせますが、一年前もちょうどこの頃咲いていました。当時(2020.3.7)は農作業をしながら、孫娘の大学入試合格発表を待っていました。コロナ禍で入学式は中止となりましたが、この4月には、2021年度の入学式と共に、2020年度入学生の入学式も行われるようです(4/5)。大学のホームページで同時中継されるので楽しみにしています。
 昨年の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1643

 アンズの花も咲き始めました。
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Posted by katakago at 14:54
シダレヤナギの芽吹き [2021年03月03日(Wed)]
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 シダレヤナギが芽吹いてきました。万葉歌に、柳は39首詠まれており、梅と一緒に詠まれたものが16首あります。植物園では、柳の傍で白梅も咲いています。
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 大宰府の「梅花の宴」で詠まれた梅の歌より、柳と一緒に詠まれた歌を載せておきます。
【歌】 梅の花 咲きたる園の 青柳は 蘰にすべく なりにけらずや (少弐粟田大夫 巻五・817)
【口語訳】 梅の花の 咲いている園の 青柳は 蘰にできそうに 芽吹いたではありませんか
 蘰は、柳などの枝や蔓性植物を輪状にした髪飾り。
梅と柳が仏前の供花として詠まれた例として、次の歌を載せておきます(巻十の相聞歌より)。
【歌】 梅の花 しだり柳に 折り交(まじ)へ 花にそなへば 君に逢はむかも (巻十・1904)
【口語訳】 梅の花を しだれ柳に 折り交ぜて お花に供えたら 君にお逢いできようか
この歌の以前の解説記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/794

 ブータン大輪ミツマタ 幹が枯れて脇から伸びた枝に花を付けています。
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 今日、3月3日は上巳(じょうし)の節句(桃の節句)。花桃が今も咲いています。
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 ネコヤナギの雄花序ーその後
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 サクランボ(暖地桜桃)の花が間もなく咲きそうです。
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 アンズの蕾も色づいてきました。
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 畑では菜の花が真っ盛りです。
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Posted by katakago at 14:53
モモの花が咲き始めました [2021年02月23日(Tue)]
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 裏山の花桃が咲き始めました。例年よりも早い開花です。
モモを詠んだ万葉歌では次の大伴家持の歌がよく知られています(赴任先の越中で詠まれた)。
【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (巻十九・4139)
【口語訳】 春の園は まるで一面紅色に照り輝いている その桃の花の樹の下まで照り映える道に つと出で立っているおとめよ (『萬葉集全注』より)
 以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/286
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/791

 裏山のヤブツバキ(ツバキ科)も咲き始めました(白梅はまだ咲いています 。写真右)
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【歌】 河上の つらつら椿 つらつらに 見れども飽かず 巨勢の春野は (春日蔵首老 巻一・56)
【口語訳】 川べりの つらつら椿 つらつらと 見て飽きない 巨勢の春景は
 ツバキが詠まれた歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/275
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/542
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/781

 先日、植物画でネコヤナギを描かれる方がお見えになり、詳細に観察されていました。画材のサンプルも提供できました。
 ネコヤナギの雄花序の様子
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 畑ではオオイヌノフグリ(オオバコ科)が咲いています。 
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Posted by katakago at 14:02
白梅が見ごろ [2021年02月08日(Mon)]
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 裏山の白梅が見ごろとなりました。
万葉歌で、ウメはハギに次いで多く詠まれています(118首)。天平二年正月十三日(西暦730年2月8日)に、大宰帥大伴旅人が開いた「梅花の宴」では32首の梅の歌が詠まれています。その序文に「・・・時に、初春の令月にして、気淑く風和(やはら)ぐ。梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫らす。・・・」とあり、新元号「令和」の典拠となっています。この宴の最初の歌をあげておきます。
【歌】 正月(むつき)立ち 春の来らば かくしこそ 梅を招(を)きつつ 楽しき終へめ (大宰大弐紀卿 巻五・815)
【口語訳】 正月になり 春が来たなら こうやって 毎年梅を迎えて 歓を尽くしましょう
 大宰府万葉会では、毎年このころ大宰府政庁跡で「大宰府梅花の宴」が開催されており、昨年は、この行事に初めて参加しました。この時の模様は次のURLに掲載してます。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1636
 また、新元号「令和」関連記事やウメの以前の記事は次のURLを参照ください。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1496
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/274

 畑に植えているヤブツバキは、まもなく花を開きそうです。
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 ネコヤナギが芽吹き始めました。
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 万葉歌にスギが詠まれているので植えていますが、雄花序がびっしり付いています。憂鬱な花粉症の季節となりました。
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 水槽では早くもジュンサイの芽が見られます。
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Posted by katakago at 13:26
雪の日の植物園で [2021年01月12日(Tue)]
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 今年初めての雪が降り、植物園も雪景色となりました(写真は裏山入り口付近)。
 年の初めに降った雪を詠んだ万葉歌を二首あげておきます。
天平十八年(746)正月、元正太上天皇の御在所での雪掃きの宴で、葛井連諸会が詠んだ歌。
【歌】 新(あらた)しき 年の初めに 豊の稔(とし) しるすとならし 雪の降れるは (巻十七・3925)
【口語訳】 新しい 年の初めに 今年豊作の 前触れをするのでありましょう こんなに雪が降るのは
 もう一首は、大伴家持の歌で、題詞には、「三年(天平宝字三年、759)正月一日に、因幡国の庁にして、饗(あへ)を国郡の司等に賜ふ宴の歌一首」とあります(万葉集最後の歌でもある)。
【歌】 新(あらた)しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと) (巻二十・4516)
【口語訳】 新しい年の初めに立春が重なった。今日降る雪のようにますます重なれ良い事よ。
 これらの歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/520
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/527

 ヤブコウジ(万葉歌では山橘)が赤い実を付けています。  
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 雪と一緒にヤブコウジ(山橘)が詠まれた大伴家持の歌を二首載せておきます。
【歌】 この雪の 消(け)残る時に いざ行かな 山橘の 実の照るも見む (巻十九・4226)
【口語訳】 この雪の 消えてしまわないうちに さあ行こう 山橘の 実の輝くさまを見よう
 題詞には、雪が降った日に作った歌一首とあり、深紅の実が白い雪に映える様を見たいと詠んでいます。天平勝宝二年(750)、家持が越中に赴任していた時の作。
【歌】 消(け)残りの 雪に合(あ)へ照る あしひきの 山橘を つとに摘み来(こ)な (巻二十・4471)
【口語訳】 消え残る 雪と照り映えている (あしひきの) 山橘を 摘んで来てみやげにしよう
 天平勝宝八年(756)、家持が兵部少輔の頃の歌で、題詞には、「冬十一月五日(太陽暦の十二月五日にあたる)の夜、ちょっと雷鳴がし、雪が降って庭に積もった。その時たまたま感興を覚えて、先ずは作った短歌一首」とあります。

 咲き始めた白梅も雪を被っていました。 
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 沫雪と梅の歌を一首載せておきます。
【歌】 沫雪に 降らえて咲ける 梅の花 君がり遣(や)らば よそへてむかも (角朝臣広弁 巻八・1641)
【口語訳】 沫雪に 降られて咲いている この梅の花を あなたの許にあげたら 人が噂するでしょうか

 蓮池の様子
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 果樹園で(写真手前はハッサク)
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Posted by katakago at 12:03
師走に咲いた白梅 [2020年12月29日(Tue)]
 明日からは、このシーズン最大級の寒波が襲来するとの予報が出ています。
 暫くぶりに裏山に出かけてみたところ、黄葉したモミジの葉はほとんどが散っていましたが、未だ枝に残っているのも見られました。。
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 散り敷いたモミジの葉
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 裏山の植物園入り口の白梅は、今月中旬には蕾を確認していましたが、今日改めてじっくり枝を見渡してみると、一輪咲いているのを見つけました。この時期の開花は珍しいです。
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 万葉歌にウメを詠んだ次のような歌があります。
【歌】 十二月(しはす)には 沫雪降ると 知らねかも 梅の花咲く 含(ふふ)めらずして
(紀小鹿女郎 巻八・1648)
【口語訳】 十二月には 沫雪が降ると 知らないからか 梅の花が咲いている 蕾のままで待っていないで (蕾のままでいれば沫雪に出逢わないで済んだであろうに)
 蕾の写真とともに次の歌も載せておきます。
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【歌】 含(ふふ)めりと 言ひし梅が枝 今朝降りし 沫雪にあひて 咲きぬらむかも (大伴村上 巻八・1436)
【口語訳】 蕾の状態だと聞いていた梅の枝は、今朝降った沫雪に誘われて咲いてしまっただろうか (『萬葉集全歌講義』より)
 当時、春雨に逢うと花が咲くと考えられていたように(巻四・786・792など)、雪に出逢うと梅が咲くとも考えられていたらしく、同じ発想の歌(巻十九・4283)があります(『萬葉釈注』)。
Posted by katakago at 14:01
師走の植物園で [2020年12月10日(Thu)]
 このところ日中は暖かい日が続き、少しづつ畑での片付け作業を行っています。16株植えたハクサイも収穫を終え、今は、ブロッコリーの他、ダイコンやカブを収穫できるようになりました。

 植物園の傍の畑の様子
右手前の畝ではソラマメとエンドウが伸びてきました。後方の果樹園では、ハッサクや甘夏が色づいています。
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 今春、マルチを敷いた畝にヒオウギの種子を播種しました(マルチがないとスギナをはじめ雑草が繁茂し草取りが大変です)。
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 12月になっても花を咲かせている株がありました(通常の開花時期は7月中旬)。
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 まだ花を咲かせているタカサゴユリが一株ありました。 
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 カワラナデシコ(ナデシコ科)も咲いていました。
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裏山でアカネの果実とジャノヒゲの種子を見つけました。
 アカネ(アカネ科)の黒い球形の液果
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 ジャノヒゲ(キジカクシ科)の濃青色の球形の種子
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Posted by katakago at 12:15
裏山のモミジの紅葉 [2020年12月09日(Wed)]
 苗木から育てた20本ほどのモミジ(ムクロジ科)も、10年近く経つと晩秋の裏山を彩ってくれます。

 万葉歌では、秋に色づいた樹木や草の葉を「もみち、もみちば」、色づくことを「もみつ」と詠まれています(上代では清音のモミチ)。
 次の歌は、柿本人麻呂の「石見相聞歌」の反歌の一首(もみち葉の原文表記は黄葉)。
【歌】 秋山に 落つるもみち葉 しましくは な散りまがひそ 妹があたり見む (巻二・137)
【口語訳】 秋山に 散るもみじ葉よ しばらくは 散り乱れてくれるな 妻の辺りを見たい
 次の歌は、大伴田村大嬢が異母妹の坂上大嬢に贈った歌(もみつの原文表記は黄変)。
【歌】 我がやどに もみつかへるて 見るごとに 妹にかけつつ 恋ひぬ日はなし (巻八・1623)
【口語訳】 家の庭に 色づいたかえでを 見るたびに あなたのことを 恋しく思わない日はありません

 万葉集中、モミチ・モミチバ・モミツの用例は100例を超える。赤系統の色で表記したものは「紅葉」「赤葉」が各一例のみ。動詞「モミツ」に赤を当てたのは次の二例 ー「秋芽子乃下葉赤(秋萩の下葉もみちぬ)」(巻十・2205)、「秋山之木葉文末赤者(秋山の木の葉もいまだもみたねば)」(巻十・2232) − のみ。他は仮名書きを除けば、名詞は黄葉、動詞は黄葉・黄変・黄色などで表されています。この傾向は、中国の六朝から初唐までのモミチの用字の傾向と一致し、その文字の導入によると考えられています(小島憲之『上代日本文学と中国文学 中』)。

以下裏山のイロハモミジの写真を掲載しておきます。
 五輪塔前のモミジ
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 以下の写真は斜面に植えたモミジ
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Posted by katakago at 15:00
草花の種子 [2020年11月23日(Mon)]
 夏から秋にかけて花を咲かせた草花も、今ではほとんど枯れてしまいそのあと片付けを行っています。キキョウ・オミナエシ・ヒオウギ・タカサゴユリなどで種子が出来ていました。
 晩秋の蓮池(写真手前)の様子 
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 キキョウの刮ハ(この中に細かい種が出来ています)
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 キキョウの種子
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 オミナエシの種子
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 ヒオウギの種子
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 今春播種した株が今頃花を咲かせています。
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 タカサゴユリの種子
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 この時期に咲いたタカサゴユリ
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 裏山のイチョウの葉は全て散り落ちていました。
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 銀杏も落ちていました。
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Posted by katakago at 15:20
木々の黄葉 [2020年11月18日(Wed)]
 この時期、咲いている草花は名残のフジバカマと咲き始めたノジギクくらいですが、木々の黄葉が楽しめます。
 ヤマナシの葉も黄色く色づきました。
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万葉歌では、「妻無し」の名を持つ梨の木の意に掛けて「妻梨の木」が詠まれています。
【歌】 もみち葉の にほひは繁し 然れども 妻梨の木を 手折りかざさむ (巻十・2188)
【口語訳】 もみじ葉の 彩りはとりどりだ でもやはり妻なしの木を 折って髪に挿そう
【歌】 露霜の 寒き夕の 秋風に もみちにけりも 妻梨の木は (巻十・2189)
【口語訳】 露の 冷たい夕べの 秋風で 紅葉したのだな 妻なしの木は
 類例として、「君待つ」の意に掛けて「君松の木」(巻六・1041)、「夫(つま)待つ」の意に掛けて「夫松の木」(巻九・1795)が詠まれています

 桜紅葉(さくらもみじ)
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 秋に樹木や草の葉が赤や黄色に色づくこと、またその葉を、万葉歌ではもみち(名詞)・もみつ(動詞)と詠まれ、その表記のほとんどが「黄葉」です。関連記事を下記のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1312
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/226

 庭のイロハモミジ(ムクロジ科)が真っ赤に紅葉しました
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 ケヤキ(アサ科)の黄葉も見られます。
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 今年初めて銀杏が生ったイチョウ(イチョウ科)も見事に黄葉しました。
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 裏山では赤い実を付けたヤブコウジ(サクラソウ科)を見つけました。
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 畑ではノジギク(キク科)が咲き始めました。
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Posted by katakago at 14:42
キジバトの群ー刈り取られた田んぼで [2020年11月07日(Sat)]
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 先月中旬にコンバインで刈り取られたお隣の田んぼで、キジバトの群れが落ち穂を漁っていました。近づくと一斉に飛び上がって行きました。

 この時期の植物園の様子をいくつかの写真で紹介しておきます。
秋の七草のうち、フジバカマ(キク科)が今も咲いています。写真左手前はタカサゴユリの蕾で、これからも花を咲かせそうです。
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 初夏に白い花を咲かせたノイバラ(バラ科)は、赤い果序を付けています。
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 マユミ(ニシキギ科)の実がピンク色に色づきました。
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 実がはじけて中から赤い種が花を咲かせているように見えます。
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 マユミが詠まれた万葉歌は次の一首。
【歌】 南淵(みなぶち)の 細川山に 立つ檀(まゆみ) 弓束(ゆづか)巻くまで 人に知らえじ (巻七・1330)
【口語訳】 南淵の 細川山に 立つ檀の木 弓に出来上がるまで 人に知られないようにしようね
 この歌の関連記事は次のURLに掲載しています。 
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/231

 ネコヤナギ(ヤナギ科)の芽
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 キリ(キリ科)の花の蕾
昨年末に大きく剪定したため今年は花は咲かなかったのですが、来年はたくさん咲きそうです。
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Posted by katakago at 15:09
裏山で見つけたドングリ [2020年10月28日(Wed)]
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 裏山のアラカシ(ブナ科)にはドングリがたくさん生っています。殻斗(かくと)に堅果が一個であることより、万葉歌で、「橿の実」は「ひとり」の枕詞に用いられています。その長歌の一部を載せておきます。
【歌】 ・・・ ただひとり い渡らす児は 若草の 夫(つま)かあるらむ 橿の実の ひとりか寝(ぬ)らむ ・・・ (巻九・1742)
 この歌の解説は、ヤマアイの記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/291

 裏山で拾ったクヌギ(写真左)とコナラのドングリ
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 クヌギ(ブナ科)のドングリを煎じた汁は、灰汁(あく)媒染では黄褐色の染料(鉄媒染では黒色)となる。万葉歌では、「つるはみ」と詠まれています。
【歌】 紅は うつろふものそ 橡(つるはみ)の なれにし衣に なほ及(し)かめやも (巻十八・4109)
【口語訳】 紅は 色褪せるもの 橡染めでも 着馴れた衣に やはり及ぼうか
 当時、鉄媒染による橡染めの黒色の衣服は、一般に下層階級の着るものと考えられていたようです。この歌の関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/47

 コウヤボウキ(キク科)の花が咲き始めました。
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 コウヤボウキが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/201

 ヤマナシ(バラ科)の実(桜紅葉を背景に)
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 イチョウ(イチョウ科)は10数年前に苗木を植えたものですが、今年初めて銀杏が生りました。
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 マユミ(ニシキギ科)の実も色づいてきました。
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Posted by katakago at 17:12
アサザが今も咲いています [2020年10月22日(Thu)]
 夏の時期、華やかだった蓮池も、今は枯れた葉が目立つようになりました。お陰で光が水面まで差し込むようになり、混植しているアサザが勢いを増してきました。少ないながら花も見つけることが出来ました。
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 蓮池で見つけたアサザ
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 自宅庭の水槽で栽培しているアサザ(葉は旺盛に繁っています)
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この時期、フジバカマ以外で咲いている草花を載せておきます。
 タカサゴユリ
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 キキョウとハギの花の名残
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 ヨメナの花とイヌタデ
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 ヒオウギの種子(万葉歌で「ぬばたま」にあてる説)
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Posted by katakago at 14:21
10月に咲いたハマユウ [2020年10月12日(Mon)]
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 ハマユウの一株が、10月になってから花を咲かせました。通常は7~8月ごろの開花で、近年では珍しいことです(写真右脇は、刮ハがはじけ球形の黒い種子(万葉歌では、ぬばたま)を付けたヒオウギ)。

 今年は多くの株で開花が見られ、種子がたくさん得られました(来春播種して苗を殖やす予定)。
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 昨年採取した種を今春播種したもの(開花までには数年かかる)
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Posted by katakago at 13:36
オケラの花 [2020年09月30日(Wed)]
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 裏山ではオケラ(キク科)が花を咲かせていました。万葉歌では、いずれも巻十四の東歌に、うけら(原文は宇家良と表記)と詠まれています。
関連記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/182
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/476

 裏山の竹垣に絡まって咲くアカネ(アカネ科)の花
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 アカネは、その根から緋色の染料が得られる。万葉歌では(原文は茜・茜草・赤根などと表記)、植物そのものを詠んだ歌はなく、「あかねさす」として茜色の照り映える意で、枕詞(日・月・照・昼・紫などにかかる)として用いられています。
以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/168
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/452

 畑では、今春播種したヒオウギ(アヤメ科)がこの時期にも花を咲かせています。
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Posted by katakago at 11:12
ナンバンギセルが開花 [2020年09月27日(Sun)]
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 鉢植えで栽培しているイトススキ(イネ科)の株元でナンバンギセル(ハマウツボ科)が開花しました。ナンバンギセルはススキの他ミョウガ、サトウキビなどに寄生する植物で、万葉歌では、おもひぐさ(原文は思草と表記)と詠まれています(次の一首)。
【歌】 道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何をか思はむ (巻十・2270)
【口語訳】 道端の 尾花の陰の 思い草のように いまさら 何を思い迷いましょうか
 関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/175

畑の畦道では、ヒガンバナの他、ニラやヨメナの花が咲いています。
 ニラ(ヒガンバナ科)の花
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 ニラは万葉歌では、みら(原文は美良と表記)と詠まれており、歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/162

 ヨメナ(キク科)の花
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 ヨメナは万葉歌では、うはぎ(原文は宇波疑・菟芽子と表記)と詠まれています。
以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/107
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/279

 果樹園では、クリ(銀寄・筑波)の収穫時期を迎えました。
 クリ(銀寄)のイガ
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 クリは一つのイガに実が三つ出来ることから、万葉歌ではその真ん中に注目して「三栗の中」と言い、同音の「那賀」にかけた枕詞としても詠まれています。
【歌】 三栗の 那賀に向かへる 曝井の 絶えず通はむ そこに妻もが (巻九・1745)
関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/164

Posted by katakago at 17:55
ヒガンバナが真っ盛り [2020年09月23日(Wed)]
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 先週(9/15)、ヒガンバナが咲き始めたことを記事にしましたが、今、あちらこちらの畦道で真っ赤な花を咲かせています。
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 ハス池の傍ではヤナギタデ(タデ科)が花を咲かせていました。葉が食用となり、万葉歌にも詠まれています。
【歌】 我がやどの 穂蓼古幹(ふるから) 摘み生(お)ほし 実になるまでに 君をし待たむ (巻十一・2759)
【口語訳】 家の庭の 穂蓼の古い茎が 摘んでも伸びて 実がなるまでも長く あなたを待ちましょう
 この歌の関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/111
 ヤナギタデ
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 シロバナサクラタデ
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 ミヤギノハギに続いてシラハギ(写真後方)も咲きだしました。
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 ミズアオイが今も咲いています。
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 昨夜、庭のフェンスに吊るした鉢植えの月下美人(サボテン科)が咲きました(写真は午後8時ごろ)。
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Posted by katakago at 12:35
ヒガンバナも咲き始めました [2020年09月15日(Tue)]
 草刈りを終えた畦道では、ヒガンバナ(ヒガンバナ科)の花茎が一斉に伸びてきました。一部では開花したものも見られます。万葉歌で、いちし(原文は壱師と表記)と詠まれている植物にヒガンバナをあてる説があります。関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/172
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 山上憶良が詠んだ「秋の七種(くさ)」のうち、ハギ、オミナエシ、キキョウのほか、ススキの穂も見られ、フジバカマが蕾を付けています。
 オミナエシ(写真手前)とミヤギノハギ
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 キキョウ(万葉歌ではあさがほ)
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 ススキの穂
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 フジバカマの蕾(開花は来月、昨年はアサギマダラも飛来))
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 ヒオウギは7月ごろに花を咲かせますが、今春畑に播種したものでこの時期に花を咲かせているものがあります。播種したその年での開花は初めてです(通常開花までには1〜2年)。
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Posted by katakago at 14:38
ハギの花が咲き始めました [2020年09月09日(Wed)]
 今日はようやく気温も30℃を下回り、このところ伸びてきていた畦の草刈りが捗りました。
 畑に植えているミヤギノハギも咲き始めました。
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 萩は万葉歌では最も多く詠まれている植物です(141首)。そのうちのいくつかを以前の記事(次のURL)で紹介しています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/143
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/174
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/436
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/456

 畑ではオミナエシとともにノカンゾウ(ワスレグサ科)が今も咲いています。
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 万葉歌で「忘れ草」と詠まれている植物は、このノカンゾウやヤブカンゾウ(6〜7月に開花)と考えられています。関連記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/468

 裏山に植えているヨグソミネバリ(カバノキ科)の果穂を見つけました(高木になったので脚立に上って撮影)。
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 ヨグソミネバリ(アズサ)は万葉歌では、「引く」などの枕詞として「梓弓」が33首詠まれています。関連記事は昨年のブログ(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1581

 果樹園でカキの木で見つけたゴマダラチョウ
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Posted by katakago at 15:12
真夏に咲いたフジーときじきふぢ(非時藤) [2020年08月19日(Wed)]
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 猛暑が続く中、フジの花が咲いていました。季節外れに咲いた花に興趣を抱いて詠まれた次の歌があります。
【歌】 我がやどの 時じき藤の めづらしく 今も見てしか 妹が笑まひを (巻八・1627 大伴家持)
【口語訳】 家の庭の 時ならぬ藤のように めずらしく 今も見たいものです あなたの笑顔を
 この歌の解説は、ナツフジ(マメ科)の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/135

 畑に植えているヤマナシ(バラ科)やナツメ(クロタキカズラ科)に果実が生っています。
 ヤマナシの実
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 ナツメの実
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 ナシとナツメが詠まれた万葉歌に次の一首があります。
梨棗 黍に粟次ぎ 延ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く (巻十六・3834)
この歌の解説記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/574

 咲き終わったヒオウギ(アヤメ科)では刮ハがはじけて中から黒い球形の種子が見られます。
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 万葉歌で、ぬばたま(原文は野干玉・奴婆多麻・烏玉などと表記)と詠まれているのは、このヒオウギの種子とみられています。集中全て、枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いらています。ぬばたまが詠まれた例歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/170
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/188
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/457

 今朝の蓮池で(花が見られたのは3株)
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Posted by katakago at 11:15
ミズアオイが咲き始めました [2020年08月13日(Thu)]
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 ミズアオイ(ミズアオイ科)は昨年2株を購入して栽培を始めましたが、今年初めて花が咲きました。次の万葉歌で、なぎ(原文は水葱と表記)と詠まれている植物がミズアオイにあたると見られています。
【歌】 醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗き合(か)てて 鯛願ふ 我にな見えそ 水葱の羹(あつもの)  (巻十六・3829 長忌寸意吉麻呂)
 題詞には、「酢・醤(ひしお)・蒜・鯛・水葱を詠む」とあり、この歌は以前のノビルの記事(下記のURL)でも取り上げています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/36
 昨年のミズアオイの写真と記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1564
  
 畑では、オミナエシに混じって開花したタカサゴユリが目立ってきました。
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 カノコユリも咲いています。
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 ハマユウが今も咲いています(膨らんだ刮ハも見られる)。
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Posted by katakago at 14:06
タカサゴユリが咲き始めました [2020年08月07日(Fri)]
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 オミナエシの黄色を背景にタカサゴユリが咲き始めました。
 ミソハギ(ミソハギ科)の傍でも 
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 裏山ではキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)が咲いていました(春に葉を出し夏に枯れてから花茎を出す)。
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 ミツマタの株元でも咲いていました。
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 この時期、植物園の木々ではセミが盛んに鳴いています。
セミ(原文は蟬と表記)が詠まれた遣新羅使人の歌をあげておきます。
【歌】 石走る 滝もとどろに 鳴く蟬の 声をし聞けば 都し思ほゆ (巻十五・3617 大石蓑麻呂)
【口語訳】 岩の上をほとばしり流れる 滝にもまして響き鳴く蝉の 声を聞いていると 都が思い出される
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/114
 
 ケヤキの木で見つけたアブラゼミ(右)とクマゼミ
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 クマゼミ
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Posted by katakago at 16:24
ケイトウの花 [2020年08月05日(Wed)]
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 今年はケイトウ(ヒユ科)の播種時期が遅れたため、ようやく花が咲きました。万葉歌では、からあゐ(原文は韓藍・鶏冠草などと表記)と詠まれています。
 布に摺り移す(朱色がかった色に染める)のによい花として我が国に移入され(韓渡来の藍)、観賞用にも植栽されていたようです。
ケイトウが詠まれた万葉歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/118
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/147
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/405


 咲き終わったハマユウで刮ハが膨らんできました。
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 白の鹿の子百合に続いて赤の鹿の子百合も咲いています。
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 裏山ではヤブラン(キジカクシ科)の花が咲き始めていました。
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 今朝の蓮池で(間もなく花も終わりで花托が目立ってきました)
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Posted by katakago at 14:05
白鹿の子百合 [2020年07月30日(Thu)]
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 裏山では、白鹿の子百合が咲いています。
垣根に絡まったナツフジの花房も見つけました。ナツフジは万葉歌の「ときじきふぢ」とみる説もあります。
 ナツフジ(マメ科)の花房
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 トコロ(ヤマノイモ科)の花
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万葉歌では、ところづらと詠まれています。
【歌】 天皇(すめろぎ)の 神の宮人 ところづら いや常(とこ)しくに 我かへり見む (巻七・1133)
【口語訳】 代々の天皇にお仕えする宮人として、(ところづら) いよいよとこしえに私はまた来て見よう。
 ここで、「ところづら」は同音の「常(とこ)しく」の枕詞で、上三句は常(とこ)シクのトコを起こす序詞(有枕序詞)。

 ヒシ(ミソハギ科)の花
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 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花
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 今朝の蓮池で
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 ハスの花托
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Posted by katakago at 12:08
オニユリが咲いています [2020年07月24日(Fri)]
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 ユリ類では、すでに咲き終わったヒメユリ、ササユリ、ヤマユリに続いて、カシワの木の傍でオニユリが咲いています(花はコオニユリに似ていますが葉腋に珠芽が出来る)。来月には、カノコユリやタカサゴユリの花が見られます。

 畑ではオミナエシ(スイカズラ科)が満開です。
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オミナエシを詠んだ万葉歌に次のような一首があります。
【歌】 手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも (巻十・2115)
【口語訳】 手に取ると 袖まで染まる おみなえしが この白露に 散ったら惜しい
 当時、「にほふ」はある素材が美しく照り映えるとして表現されています。
オミナエシの関連記事を次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/99

 今朝の蓮池で
咲き終わった株の花托も目立つようになりましたが、来月上旬ごろまでは花を楽しめそうです。
先日は、市内の保育士の方が子供たちにハスの葉で遊ばそうと葉を求めて訪ねてこられました。
葉っぱに溜まった水は玉のように転がり、茎から水を押し込むと葉から霧状の水が噴き出します。
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Posted by katakago at 13:23
ヒオウギが咲いています [2020年07月19日(Sun)]
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 畑のあちらこちらに植えているヒオウギ(アヤメ科)が花を咲かせています。すでに咲き終わったものでは刮ハが膨らんできました。秋にはこれがはじけて中から黒い球形の種子を覗かせます。これが万葉歌に詠まれた「ぬばたま」とみられています。

 ヒオウギの花の蜜を吸うカラスアゲハ(♂)
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 ナミアゲハ(♀)
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 数多く栽培している中で偶に黄色の花弁(斑点無し)の株が見られます。
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 今朝の蓮池の様子(ハスの花の後方にはオミナエシやキキョウ、ミソハギなどが見られます)
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 ハマユウは今でも次々と咲いています。
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 午後、植物画でベニバナを担当される方が見えられました。
花が終わった頭花の状態の観察と画材の採取が目的です。植物形態学の視点から詳しく観察し細密に描写されます。
 このところの雨続きで採種の時期が遅れてしまい、種子がだいぶ落下していました。
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 花の終わったベニバナの頭花の部分と種子
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Posted by katakago at 16:47
ヤマユリが開花 [2020年07月09日(Thu)]
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 このところの雨続きで裏山には足が向かなかったのですが、雨の合間に出かけたところヤマユリが咲いていました。
 常陸国の防人歌に、次のようなユリを詠んだ歌があります。
【歌】 筑波嶺の さ百合の花の 夜床にも かなしけ妹そ 昼もかなしけ (巻二十・4369)
【歌】 筑波嶺の さ百合の花のように 夜床でも いとしい妻は 昼間もいとしい
この歌の関連記事は下記のURLに掲載しています(花の写真はヒメサユリ)。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/33
 ヤマユリの写真と万葉歌は以前の記事にも載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/97
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/660

 畑ではハマユウが次々と花を咲かせています。
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 昨日の午後、雨の合間を縫って日本植物画倶楽部の方々が見えられました。アサザ、ベニバナ、キキョウを担当される方々は、生育状況を熱心に観察され、画材を選ばれていました(アサザ、ベニバナでは2度目の来訪)。
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Posted by katakago at 08:53
ノキシノブ [2020年07月04日(Sat)]
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 万葉植物関連の本に掲載用の写真を撮りなおしています。万葉歌に、しだくさ(原文表記は子太草)と詠まれているのがノキシノブとみられています。ウラボシ科のシダ植物で(写真は順にウメ、アラカシの幹に着生)、葉の裏に胞子嚢群が目のように対をなして並んでいる様子を撮る事が出来ました(ヤツメランともいわれる)。万葉歌には1首のみ詠まれ、以前にも取り上げていますがここでも載せておきます。古今相聞往来歌類の上、寄物陳思歌(物を媒介にして自己の恋情を述べる歌)の1首です。
【歌】 我がやどは 甍しだ草 生ひたれど 恋忘れ草 見るにいまだ生ひず (巻十一・2475 柿本人麻呂歌集)
【口語訳】 わが家には 屋根のしだなら 生えているが 恋忘れ草は いくら見ても生えていない
 「恋忘れ草」は忘れ草(ヤブカンゾウ)のことで、当時、それを着けると恋の苦しみから逃れられるという俗信があり、その恋忘れ草は一向に生えてこない(わたしは押さえても押さえきれない恋に悩んでいる)。「甍しだ草」は「恋忘れ草」のないことをいうための対比表現(『新編日本古典文学全集 萬葉集』より)。
 畑のあちらこちらでヤブカンゾウ(忘れ草)が咲いています。
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 今朝の蓮池の様子(開花株も増えてきました)
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 ハマユウも次々と咲いています。
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Posted by katakago at 17:38
ネムノキの花が咲いています [2020年07月01日(Wed)]
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 裏山ではネムノキ(マメ科)の花が咲いていました。木が大きくなり花の写真を撮るには望遠レズが必要です(250oを使用)。ネムノキが詠まれた万葉歌(原文は合歓木と表記)と関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/89
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1135


 今朝の蓮池で
蕾の数も増え次々と開花しています。
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Posted by katakago at 11:55
ヤブカンゾウの花 [2020年06月28日(Sun)]
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 果樹園脇の畦道で、ヤブカンゾウ(ワスレグサ科)が一輪咲いていました。蕾を付けている株も多数あり、来月初めにかけて花を楽しめます。
万葉歌では、わすれぐさ(原文は萱草と表記)として詠まれています。歌の解説は下記のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/385

 ツユクサ(ツユクサ科)の花が咲いていました。
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万葉歌では、つきくさ(原文は月草、鴨頭草と表記)と詠まれています。
ツユクサが詠まれた万葉歌の解説は以前の記事(次のURL)に野出ています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/73
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/149
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/383

 昨日掲載のハスの今朝の様子です(赤も開花)。
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 果樹園の草刈り中に見つけたハクセキレイ(草刈りエンジンの音も気にせず飛来)
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Posted by katakago at 17:30
ハマユウが開花 [2020年06月27日(Sat)]
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 ハマユウ(ヒガンバナ科)は害虫の被害に遭い株数が少なくなったのですが、そのうちの一株が花を咲かせています。蕾を付けている株もみられます。
万葉歌には、柿本人麻呂の次の一首があります。
【歌】 み熊野の 浦の浜木綿 百重(ももへ)なす 心は思へど 直(ただ)に逢はぬかも (巻四・496)
【口語訳】 み熊野の 浦の浜木綿のように 百重にも 心では思っているが 直には逢えないものだね
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/126

 畑では、オミナエシやキキョウが咲き乱れています。
オミナエシとキキョウ(写真後方)
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 キキョウとベニバナ(写真後方)
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 蓮池では、3株目の開花が見られました。
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 これから次々と開花が見込まれます。
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Posted by katakago at 10:18
ベニバナが見ごろ [2020年06月22日(Mon)]
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 畑ではベニバナ(キク科)の花が真っ盛りです。
新型コロナ禍で先月までは見学案内を自粛していましたが、今朝、今年3件目の来園者がありました。日本植物画倶楽部会員の方です。再来年に、万葉植物をテーマにボタニカルアート展が計画されており、ベニバナを担当されるとのことです。この時期、ベニバナの他、カワラナデシコ、キキョウ、オミナエシ、ヒオウギ、ハスやヒシの花を見ていただけました。
ベニバナが詠まれた万葉歌は下記の記事に紹介しています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/81
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/363
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/384

 大型バットで栽培しているヒシ(ミソハギ科)が今年初めて花を咲かせました。
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 ヒシが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/129

 ハスの2株目が開花しました。
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 キキョウ(キキョウ科)も畑のあちらこちらで咲きだしました。
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キキョウが詠まれた万葉歌は下記の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/77
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/389

 ヒオウギ(キク科)は畑の数か所に植えていますが、日当たりの良い場所では花が咲き始めています。
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Posted by katakago at 15:22
ハスの花 今年初めて開花 [2020年06月18日(Thu)]
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 10日前に蕾の写真を掲載していたハス(ハス科)が開花しました(今年初めての花)。朝からの雨で、ハスの葉っぱに水が溜まっています。
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万葉歌に次のような一首があります。
【歌】 ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉(はちすば)に 溜まれる水の 玉に似たる見む (巻十六・3837)
【口語訳】 (ひさかたの) 雨でも降ってくれ 蓮の葉に 溜まった水の 玉に似たさまを見よう
この歌の関連記事は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/85

 蓮池では、ハスの立ち葉に隠れるように、アサザ(ミツガシワ科)が今も咲いています。
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 畑ではカワラナデシコ(ナデシコ科)に続きキキョウ(キキョウ科)も咲いています。
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 裏山の植物園入り口付近ではアジサイ(アジサイ科)が咲いています。
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Posted by katakago at 11:50
ヒルムシロの花 [2020年06月14日(Sun)]
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 大型バットで栽培しているヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花(穂状花序)が咲きました。根茎は泥中にあって繁殖し水田の多年生雑草の一つでもありますが、万葉歌に詠まれている、たはみづら(原文は多波美豆良と表記)にあてる説があります。巻十四の東歌に次のように詠まれています。
【歌】 安波(あは)をろの をろ田に生(お)はる たはみづら 引かばぬるぬる 我を言な絶え (巻十四・3501)
【口語訳】 安波の峰の 山田に生える たはみづらのように 私が引いたらずるずるとどこまでもついて来て 私との仲を絶やさないでくれ (口語訳は『萬葉集全注』より)
 ここで、上三句の「安波をろの をろ田に生はる たはみづら」は、第四句(引かばぬるぬる)を起こす序。

 畑に植えているベニバナが咲き始めました。
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 果樹園の甘夏の小枝で羽化直後のナミアゲハを見かけました。
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Posted by katakago at 13:38
梅雨入り直前の畑で [2020年06月10日(Wed)]
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 畑の片隅でヒマワリが一輪開花しました。昨年のこぼれ種が発芽して生育したもので、十数株ありこれから順次花を咲かせます。
 このところ雨が降らず、朝夕は夏野菜(キュウリ、ナス、トマト、オクラ、ピーマンなど)の水遣りが欠かせなかったのですが、ようやく梅雨入りで暫くはこの作業から解放されそうです。

 お隣の田んぼには水が張られ田植えの準備が整っています。写真は田んぼの水面に映る花菖蒲です(この時期にしか撮れない1枚)。
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 ミソハギ(ミソハギ科)が一株咲き始めました。
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 果樹園ではアンズが色づいてきました。
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Posted by katakago at 15:59
サカキの花 [2020年06月09日(Tue)]
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 裏山のサカキ(サカキ科)の花(白色の五弁花)が咲いています。万葉歌では、大伴坂上郎女の長歌に詠まれています(原文は賢木と表記)。長歌の一部を載せておきます。
【歌】 ひさかたの 天の原より 生(あ)れ来(きた)る 神の命 奥山の さかきの枝に しらか付け 木綿(ゆふ)取り付けて ・・・・・(巻三・379)
【口語訳】 (ひさかたの) 天の原から 天下られた 先祖の神よ 奥山の 榊の枝に しらかを付け 木綿(ゆう)も取り付けて ・・・・・
この歌の解説は、以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/64

 裏山ではササユリのもう一株が咲きました。
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 昨年秋に発芽したベニバナ(キク科)の鉢植えです。今春畑に播種したものより一足先に開花しました。畑に植えているものの開花は来週末頃かと思われます。
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Posted by katakago at 16:55
ハスの蕾 [2020年06月08日(Mon)]
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 蓮池ではハスの立ち葉が旺盛に繁茂してきました。その中で今朝蕾を付けている株に気づきました(今月中には開花か)。

 蓮池傍の花菖蒲はもうしばらく花を楽しめそうです。昨日、畑で孫たちとLINEのビデオ通話を行い、花菖蒲他、カワラナデシコ、キキョウ、ハギなどの映像を送ってやれました。
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 ヒオウギの一株が花を咲かせました(この時期の開花は初めてです)。
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Posted by katakago at 09:42
ササユリが開花 [2020年06月06日(Sat)]
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 裏山ではササユリの一株が開花しました。
【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (巻七・1257)
【口語訳】 道端の草の繁みに生えている百合の 花が咲くように わたしがちょっとほほえんだ ただそれだけのことで わたしを妻だなどとおっしゃっては困ります。
この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/55

 今年初めてキキョウの花が見られました。
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 ベニガク(アジサイ科)の花(がく片の装飾花は最初は白で日を追って淡いピンク色に変わる)
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 クワ(クワ科)の実
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【歌】 たらちねの 母がその業(な)る 桑すらに 願へば衣に 着るといふものを (巻七・1357)
【口語訳】 (たらちねの) 母の仕事の 桑でさえ 願えば衣に 着られるというのに
この歌の口語訳は『新編日本古典文学全集 萬葉集』に拠りましたが、故井手至先生の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/351

 ナツメ(クロタキカズラ科)の花
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Posted by katakago at 11:24
ミヤギノハギが咲き始めました [2020年06月04日(Thu)]
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 ミヤギノハギ(マメ科)の一株が早くも咲き始めました。このハギは6月と9月に花を咲かせます。

 畑では、ヤマザクラの株下でカワラナデシコ(ナデシコ科)が咲いています。
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 カワラナデシコに混じってオミナエシ(スイカズラ科)も茎が伸びてきました。そのうちの一株は蕾を付けていました。
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 間もなく開花しそうなキキョウ(キキョウ科)が一株ありました。ほかの株は今月下旬から開花が見込まれます。
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 早くも蕾を付けているヒオウギ(アヤメ科)を見つけました(通常開花が見られるのは7月中旬ごろ)。
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Posted by katakago at 11:36
ヒメユリが開花 [2020年06月01日(Mon)]
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 裏山の斜面に植えているヒメユリが咲きました。万葉歌には、大伴坂上郎女の次の一首のみ詠まれています。
【歌】 夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ (巻八・1500)
【口語訳】 夏の野の 繁みに咲いている ひめゆりのように 相手に知ってもらえない恋は 苦しいものです。この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/379

 ササユリの蕾もだいぶ膨らんできました(一株は今週末にも開花か)。
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 畑の畦道で見つけたチガヤ((イネ科)の花穂
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 万葉歌では、つばな(原文は茅・茅花などと表記)と詠まれています。以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/352


 
Posted by katakago at 11:39
ツタとテイカカズラ [2020年05月31日(Sun)]
 万葉歌に詠まれている植物につた(原文は都多などと表記))があります。現在の植物のツタ(ブドウ科)のほかテイカカズラ(キョウチクトウ科)とする説があります。この時期、裏山ではツタの若葉とテイカカズラの花が見られます。
 柿本人麻呂の石見相聞歌第二群の長歌(巻二・135)には、「・・・・さ寝し夜は いくだもあらず 延ふつたの 別れし来れば ・・・」とあり、「延ふつたの」は、つたの蔓が絡みあって伸び広がって分岐することから「別れ」にかかる枕詞です。この歌の全文は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/28

 ケヤキの大木に伸びてゆくツタ
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 ヒノキの幹に絡まりついたツタ(秋には紅葉が見られる)
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 テイカカズラ(キョウチクトウ科)の花
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 裏山ではヤマアジサイが咲いています。
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Posted by katakago at 10:17
ジュンサイの花 [2020年05月30日(Sat)]
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 ジュンサイ(ジュンサイ科)は昨年苗を4株購入し、大型バットで育てていますが、殖えてきた株のうち2株が花を咲かせています。万葉歌では蓴(ぬなは)と詠まれています。
【歌】 我が心 ゆたにたゆたに 浮き蓴 辺にも沖にも 寄りかつましじ (巻七・1352)
【口語訳】 わたしの心は ゆったりしたり動揺したりで 浮き蓴(ぬなわ)のように 岸にも沖にも 寄ってしまえそうにない
 ジュンサイの昨年6月の記事(写真と万葉歌)は次のURL
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1525

 万葉歌に詠まれた水生植物は、アサザ、ハス、ジュンサイのほか、ヒシ、ミズアオイ(水葱 なぎ)、ヒルムシロ(たはみづらに当てる説)などがあり、これらも育てています。
 ヒシ(ミソハギ科)が大型バット全面に広がってきました(花はこれから)。
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 ミズアオイ(ミズアオイ科)
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 ミズアオイの花と万葉歌は昨年8月の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1564

 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)の葉が展開
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Posted by katakago at 11:01
花菖蒲が咲き始めました [2020年05月28日(Thu)]
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 蓮池に隣接して植えている花菖蒲が咲き始めました。これから来月中ごろまで色とりどりの花が楽しめます。今朝の時点での開花株の写真を1枚づつ載せておきます。
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 蓮池ではハスの立ち葉が池全面に広がってきました。
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Posted by katakago at 14:32
カワラナデシコの花 [2020年05月22日(Fri)]
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 畑のあちらこちらでカワラナデシコ(ナデシコ科)の花が見られるようになりました。大伴家持は、ナデシコの可憐な花を格別に好んだようで、11首も詠んでいます。そのうちの一首を載せておきます。
【歌】 我がやどの なでしこの花 盛りなり 手折りて一目 見せむ児もがも (巻八・1496)
【口語訳】 家の庭の なでしこの花が 今真っ盛りだ 手折って一目 見せてやるような女の子がいたらよいのに

 裏山では、センダン(万葉歌ではあふち)、ウツギ(万葉歌ではうのはな)、タチバナの花が咲いています。
 センダン(センダン科)の花
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【歌】 我妹子に 楝の花は 散り過ぎず 今咲けるごと ありこせぬかも (巻十・1973)
【口語訳】 いとしい妻に逢う、そのアウではないが、楝(おうち)の花は散り過ぎることなく、今咲いているそのままで、ずっといてほしいものだなあ。
 ここでは「我妹子に」は、「逢ふ」から同音で「あふち」に掛かる枕詞で、「あふち」のアウに「逢う」の意で掛けられています。

 ウツギ(アジサイ科)の花(万葉歌では卯の花)
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 タチバナ(ミカン科)の花
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 万葉歌では、卯の花(ウツギ)やタチバナは同時にホトトギスとともに詠まれている例が多くあります。それぞれ一首づつ載せておきます。
【歌】 卯の花の 咲く月立ちぬ ほととぎす 来鳴きとよめよ 含みたりとも (大伴家持 巻十八・4066)
【口語訳】 卯の花の 咲く月が来たぞ ほととぎすよ 来鳴きとよもせ まだ蕾であっても
【歌】 我がやどの 花橘に ほととぎす 今こそ鳴かめ 友に逢へる時 (大伴書持 巻八・1481)
【口語訳】 家の庭の 花橘に ほととぎすよ 今こそ鳴いておくれ 友に逢っているこの時に

 八朔の花とナミアゲハ
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 ハナショウブの蕾(来月初旬にかけて見頃を迎えます)
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 ササユリの蕾(開花は来月中旬か)
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 ヒメユリの蕾(開花は来月下旬ごろか)
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Posted by katakago at 11:54
エゴノキの花が咲いています [2020年05月12日(Tue)]
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 エゴノキ(エゴノキ科)が白い五弁花を下向きに咲かせています。万葉歌で、やまぢさ、ちさと詠まれている植物にエゴノキをあてる説があります。
【歌】 山ぢさの 白露重み うらぶれて 心に深く 我が恋止まず (巻十一・2469)
【口語訳】 山ちさがしとどにおいた白露の重さでうなだれるようにうちしおれて、心の底深く わたしの恋は止むことはない
 「ちさ」が詠まれた歌は、この歌を含め以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/24
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1113


 蓮池ではアサザの花が増えてきました。
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 ハスの立ち葉も伸びてきました(開花は来月下旬からを予想)。
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Posted by katakago at 13:54
クログワイの塊茎 [2020年05月06日(Wed)]
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 万葉植物関係の出版物に掲載する写真を整理中です。これまで撮りためてきた中で、その植物の特徴を示すのに1枚の写真では十分ではないものもあり、あらためて時期を変えて撮りなおしています。その一つが写真に示したクログワイ(カヤツリグサ科)の塊茎です。クログワイ(水田の強害草の一つ)は秋に地下茎の先端に塊茎をつけ、翌年に新芽を出して新しい株になりますが、株元を掘り起こしてみるとこの時期でも写真のような塊茎が残っていました(この塊茎は食用になる)。
 万葉歌で、ゑぐ(原文は佪具・恵具と表記)として2首詠まれています。そのうちの一首は、
【歌】 あしひきの 山沢ゑぐを 摘みに行かむ 日だにも逢はせ 母は責むとも (巻十一・2760)
【口語訳】 (あしひきの) 山沢のゑぐを 摘みに行く 日ぐらいは逢っておくれ お母さんに叱られても
 クログワイの夏(8月)の写真とこの歌の解説記事は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/426


蓮池脇では カキツバタが順次咲いています。
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Posted by katakago at 16:07
カキツバタが咲き始めました [2020年05月02日(Sat)]
 新型コロナウイルス感染の収束が見通せず、今年の連休は孫たちの帰省も叶いません。
 2月中旬以来、公共交通機関を利用する外出は控え、カルチャーセンターの講座も4月からは休講になっています。そのため、もっぱら裏山や畑での農作業で日々過ごしています。お陰で例年になく園内の草取りもはかどっています。秋の草花が咲く頃には収束することを願っています。

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 蓮池の一角に植えているカキツバタ(アヤメ科)が咲き始めました。その花の色は濃紫色で、和名は、花汁を布にこすりつけて染める昔の「書きつけ」という行事から転訛したといわれています。
【歌】 かきつはた 衣に摺り付け ますらをの 着襲ひ狩する 月は来にけり (大伴家持 巻十七・3921)
【口語訳】 かきつばたで 衣を摺り染めにし ますらをが 着飾って狩をする その月は来た
カキツバタが詠まれた万葉歌の解説は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/8
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/324
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/591

裏山では新緑が映える季節となりました。
 イロハモミジ(ムクロジ科)の花と翼果
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 カツラ(カツラ科)の若葉
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 ユズリハ(ユズリハ科)の新葉が広がってきました。
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 昨年苗木を移植したホオノキ(モクレン科)の新葉が展開してきました。
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Posted by katakago at 13:28
早くもアサザが一輪開花 [2020年04月30日(Thu)]
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 蓮池に混植しているアサザ(ミツガシワ科)が一輪咲きました。例年になく早い開花です。アサザは多年生の浮葉植物で、地下茎から葉を出して水面に浮かべ黄色の花を咲かせます。万葉歌であざさ(原文は阿耶左と表記)と詠まれている植物がアサザにあたるとされています。アサザが詠まれた万葉歌の解説は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/49

 ビオトープ池ではショウブ(ショウブ科)の花が咲いていました。花茎の中ほどに肉穂花序(淡黄緑色の小花を密集)を付けています。葉は独特の匂いをもち、これが邪気を払い疫病を除くものと言われ、端午の節句に用いられるようになりました。
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ショウブは万葉歌では、あやめぐさ(原文は菖蒲草、菖蒲、安夜女具佐などと表記)として詠まれています。万葉歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/330
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/594

 カワラナデシコ(ナデシコ科)も咲き始めました。畑のあちらこちらで発芽した苗が生育し、これから秋にかけて順次花が見られます。
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 ヤマザクラの最後の一株が花を咲かせています。
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Posted by katakago at 13:45
フジの花が咲いています [2020年04月24日(Fri)]
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 7年前、畑に設置した藤棚でフジの花が見ごろとなりました。
フジは集中27首詠まれており、その多くは花房の風に揺れるさまを波にたとえて藤波と詠まれています。
【歌】 恋しけば 形見にせむと 我がやどに 植ゑし藤波 今咲きにけり (山部赤人 巻八・1471)
【口語訳】 恋しくなったら 偲びぐさにしようと思って 家の庭に 植えた藤の花は 今咲き始めた
【歌】 藤波の 花は盛りに なりにけり 奈良の都を 思ほすや君 (大伴四綱 巻三・330)
【口語訳】 藤の花は 今満開になりました 奈良の都を 恋しく思われますか帥(そち)も
 これらの歌の解説は以前の記事(下記のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/7
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/590

 昨年から畑の一角に設置した大型バットで水生植物を育てています。万葉歌に詠まれたコナギ、ミズアオイ、クログワイ、ヒルムシロ、ヒシ、ジュンサイなどで、このうちヒシとジュンサイの新葉が展開してきました。
 ヒシ(ミソハギ科)
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 ジュンサイ(ジュンサイ科) 先月よりだいぶ増えてきました。
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Posted by katakago at 14:42
タブノキの花 [2020年04月21日(Tue)]
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 タブノキ(クスノキ科)の花が咲いています。花の写真はこのブログでは今回が初めての掲載です。タブノキは万葉歌ではつまま(原文は都万麻と表記)として詠まれています。つままが詠まれた万葉歌は大伴家持が越中で詠んだ次の一首のみです。
【歌】 磯の上の つままを見れば 根を延へて 年深からし 神さびにけり (大伴家持 巻十九・4159)
【口語訳】 磯の上の つままを見ると 根を張って 年を久しく経たらしい 神々しくなっている
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/22

 コウゾ(クワ科)の雌花序
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 コウゾ関連の以前の記事は次のURL
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/13

 カシワ(ブナ科)の若葉
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 カシワが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/10
Posted by katakago at 16:58
アマドコロが咲いています [2020年04月18日(Sat)]
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 ポット苗を購入し畑に移植して栽培しているアマドコロ(キジカクシ科)の花が咲き始めました。裏山に自生しているナルコユリ(キジカクシ科)に草姿や花の形が似ていますが、ナルコユリの茎には稜がなく、アマドコロの茎は6稜の違いがあります。
 万葉歌で、にこ草(原文は似児草と表記)と詠まれている植物にアマドコロをあてる説があります(他にイノモトソウ科のハコネシダとする説も)。
アマドコロの関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/589

 裏山ではシャガの花が盛りで、ヤマブキやタチツボスミレもまだ花を咲かせています。
 五輪塔前のシャガの花
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 タチツボスミレと八重のヤマブキ
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 挿し木で殖やしたツバキの苗木を10年ほど前に裏山に数本植えていますが、そのうちの一株が初めて花を咲かせました。庭に植えられている園芸種(品種名は不明)でヤブツバキに比べ花は大型です。
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Posted by katakago at 11:27
折れたヤマザクラが開花 [2020年04月17日(Fri)]
 裏山に自生していたヤマザクラが昨年根元から折れてしまい、いずれ片づけなければと思いながら放置していたところ、折れた幹が斜面に転がった状態で花を咲かせていました。
 すぐ近くは住宅地として開発され擁壁(写真右上)が迫っており、最近は幹の傾きが気にはなっていたのですが、支柱の設置などの対応まで手が回っていませんでした。
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 折れた幹が斜面に転がり落ちていました。
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 このような状態で花を咲かせているのは驚きです。  
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このヤマザクラは8年前の記事(次のURL)に写真を掲載していたものです。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/319



 畑に植えているヤマザクラ(品種名は不明)が株毎に今も花を咲かせています
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Posted by katakago at 14:36
カラタチの花 [2020年04月11日(Sat)]
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 裏山ではカラタチ(ミカン科)の花が咲き始めました。当園の柑橘類では一番早く花を咲かせます。
 カラタチは万葉歌では、巻十六の題詞に「忌部首、数種の(くさぐさ)の物を詠む歌一首」とある次の歌に詠まれています。
【歌】 からたちの 茨刈り除け 倉建てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自 (巻十六・3832)
【口語訳】 からたちの いばらを刈り除いて 倉を建てるのだ 屎は遠くに行ってせい 櫛造りのおばちゃんよ
『萬葉集釈注』の解説には、「宴などきわめてくだけた集団の場における即興とみられ、題詞にある数種の物は、からたち・茨・倉・屎・櫛で、その選択は詠み手自身に任されて詠んだのがこの物名歌」とあります。

 アケビ(アケビ科)の花が咲いていました。
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 万葉歌で、さのかた(原文は狭野方と表記)と詠まれている植物を蔓性植物のアケビにあてる説があり、例歌を以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/979


 裏山ではヤマブキが見頃です。
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 オキナグサ(キンポウゲ科)その後
花後多数の花柱が長く伸長し球状になります。これが老人の白髪頭に似ているため漢名で白頭翁の名があります。
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 裏山ではニリンソウ(キンポウゲ科)が咲いていました。
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Posted by katakago at 13:21
ニワトコの花 [2020年04月09日(Thu)]
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 ニワトコ(ガマズミ科)の花が咲きました(このブログでは初めての写真掲載)。万葉歌では、「やまたづ」と詠まれ向ヒ・迎ヘの枕詞として用いられています。例歌は、2/13の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1640

 ヤマザクラが順次花を咲かせています。
 満開のオオヤマザクラ
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 次の2株は品種名不明 
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Posted by katakago at 11:36
木々の芽吹き(ユズリハ、ヨグソミネバリ) [2020年04月08日(Wed)]
 裏山では、モミジやカツラ、クヌギの若葉とともに、ユズリハやヨグソミネバリの新芽が見られるようになりました。

 ユズリハ(ユズリハ科)の新芽(中央部)と雄花
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 枝先の先端部で黄緑色の新葉が出始めています。新葉が展開すると古い葉は垂れ下がり落葉する(新葉に位置を譲る)ことより、その名がつけられたそうです。
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ユズリハが詠まれた万葉歌は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/251

 ヨグソミネバリ(カバノキ科) 
雌花序(短枝の先端に上向きに着く)と雄花序(長枝の先端部に葉芽が開くのと一緒に下垂して開く)。木質は柔軟なため弓材とされ、万葉歌では、木そのものを詠んだ例はなく、「引く」などの枕詞として「梓弓」が集中に33例あります。例歌は昨年の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1581

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 コバノミツバツツジも一斉に開花しました。
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 五輪塔前のヤマブキが八分咲きです。
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 シャガの花が咲き始めました。
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Posted by katakago at 13:15
ツツジも開花 [2020年04月04日(Sat)]
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 裏山では白いツツジが咲き始めました。白つつじが詠まれた万葉歌を載せておきます。
【歌】 風早の 美保の浦廻の 白つつじ 見れどもさぶし なき人思へば (河辺宮人 巻三・434)
【口語訳】 風早の 美保の浜辺の 白つつじは 見ていても楽しくない 死んだ人のことを思うから 
 この歌の題詞には、和同四年(711)、河辺宮人が姫島の松原で美人(おみな)の死骸を見て、悲しんで作った歌四首とあり、これはその一首目(巻三の挽歌)。
【歌】 をみなへし 佐紀野に生ふる 白つつじ 知らぬこともて 言はれし我が背 (巻十・1905)
【口語訳】 佐紀野に生い茂る白つつじではないが、全く自分の知らないことでもって、噂をたてられた我が夫よ
 この歌は巻十の春の相聞(花に寄する)。「をみなへし」は「咲く」の意で地名の佐紀野にかかる枕詞。また、第三句までが、同音(シラ)で「知らぬ」を起こす序詞。

 コバノミツバツツジも間もなく咲きそうです。
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 フジの蕾が膨らんできました。
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 センダイヤが満開です。
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 ヤマナシの花も満開です。 
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 裏山に植えている枝垂桜も咲いています。
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Posted by katakago at 17:11
裏山でタケノコ掘り [2020年04月02日(Thu)]
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 雨上がりの裏山でタケノコが出ているのを見つけ、早速掘り上げました。

 裏山ではヤマブキ(一重)が咲き始めました。
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 八重咲きの株も花が見られます。
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ヤマブキが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/6
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/309
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/569

 タチツボスミレ
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万葉歌に、ヤマブキとスミレが詠まれた歌があります。
【歌】 山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春雨に 盛りなりけり (高田女王 巻八・1444)
【口語訳】 山吹が 咲いている野辺の つぼすみれは この春雨の中 今真っ盛りである
Posted by katakago at 11:03
ヤマナシの花 [2020年03月31日(Tue)]
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 ヤマナシの花が咲き始めました。実生から育てて13年ほど経ちますが、数年前から秋にはたくさんの小さな実を付けるようになりました。。ナシが詠まれた万葉歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/574
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1099

 裏山のヤブツバキの株元ではヤマアイ(トウダイグサ科)の花が咲いています。ヤマアイはわが国では最も古い染料植物の一つ(葉を乾燥して搗き出した汁で藍色に染める)。
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ヤマアイ(万葉歌ではやまあゐ)が詠まれた歌の解説は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/291

 裏山ではヒトリシズカ(センリョウ科)が咲いています。
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 万葉歌で、「つぎねふ(原文は次嶺経と表記) 山背道を ・・・」と詠まれる長歌(巻十三・3314)がありますが、『和名抄』に及己(豆木禰久佐、つきねくさ)とあることより、これをヒトリシズカやフタリシズカの古名とし、「つぎねの生えているところの山背道を」と解する説があります(『万葉植物事典』)。フタリシズカの記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/30

 山の斜面でクサイチゴの花が咲いていました。
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Posted by katakago at 14:59
桜の花いろいろ [2020年03月29日(Sun)]
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 裏山の桜(品種名は不明)は、満開です。
サクラが詠まれた万葉歌を巻十(四季分類の巻)の春の雑歌より三首あげておきます。
【歌】 あしひきの 山の際(ま)照らす 桜花 この春雨に 散り行かむかも (1864)
【口語訳】 (あしひきの) 山あいを照らしている 桜花は この春雨に 散りゆくことであろうか
【歌】 春雨に 争ひかねて 我がやどの 桜の花は 咲きそめにけり (1869)
【口語訳】春雨に 逆らえなくて 家の庭の 桜の花は ほころび始めた
【歌】 春雨は いたくな降りそ 桜花 いまだ見なくに 散らく惜しも (1870)
【口語訳】 春雨よ ひどくは降るな 桜花が まだよく見ないうちに 散ったら惜しい 
なお、サクラが詠まれた万葉歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/319

 25日に掲載のヤマザクラは今は満開です。
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 エドヒガンは昨年初めて僅かな花を咲かせましたが今年はその数も増えました。
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 ヤマザクラの一種センダイヤ(牧野富太郎博士命名)が咲き始めました。
花弁の色が濃いピンク色です。
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 オオシマザクラ(花弁は真っ白)も咲き始めました。
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Posted by katakago at 14:53
ヤマザクラも咲き始めました [2020年03月25日(Wed)]
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 ヤマザクラの一株で花が咲き始めました(葉の展開と同時に開花)。これから4月の上旬にかけてオオヤマザクラ、オオシマザクラ、センダイヤなどの開花が見込まれます。
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サクラが詠まれた万葉歌については、以前記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/319

 シダレヤナギの芽吹き
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 シダレヤナギの花穂(葉が伸びきらないうちに黄緑色の花を咲かせる)。
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シダレヤナギが詠まれた万葉歌は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/296

 裏山ではイロハモミジの若葉が見られます。
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Posted by katakago at 11:12
エドヒガンが開花 [2020年03月21日(Sat)]
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 裏山では、10年ほど前に苗木を植えたエドヒガンが咲き始めました。昨年初めて花が見られましたが、今年は多くの蕾をつけており満開の時期が楽しみです。昨年の記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1491

 果樹園ではスモモの花が満開です。
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【歌】 我が苑の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (大伴家持 巻十九・4140)
【口語訳】 わが園の 李の花が 庭に散っているのだろうか それとも薄雪がまだ 残っているのであろうか
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/305

 裏山ではカタクリの蕾が膨らんでいました。
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 蓮池では早くもアサザの葉が出てきました。
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 大型バットで栽培しているジュンサイも葉が出てきました。
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Posted by katakago at 11:32
アセビの花 [2020年03月15日(Sun)]
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 裏山ではアセビ(ツツジ科)の花が見頃です。万葉歌では、あしび(原文は馬酔木、安志妣などと表記)と詠まれています。
【歌】 磯の上に 生ふるあしびを 手折らめど 見すべき君が ありといはなくに (大伯皇女 巻二・166)
【口語訳】 磯のほとりに 生えているあしびを 折りたいが お見せする相手のあなたが いるわけではないのに
【歌】 我が背子に 我が恋ふらくは 奥山の あしびの花の 今盛りなり (巻十・1903)
【口語訳】 あなたを わたしが恋しく思うことは 奥山のあしびの花のように 今やまっ盛りです
これらの歌の解説は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/292 

 シキミ(マツブサ科)の花
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【歌】 奥山の しきみが花の 名のごとや しくしく君に 恋ひ渡りなむ (大原眞人今城 巻二十・4476)
【口語訳】 奥山の しきみの花の 名のように しきりにあなたを 思い続けることか
この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/282

 ミツマタ(ジンチョウゲ科)の花
万葉歌で、さきくさ(原文は三枝と表記)と詠まれている植物をミツマタとする説があります(『萬葉集釈注』他)。
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【歌】 春されば まづ三枝の 幸くあらば 後にも逢はむ な恋ひそ我妹 (巻十・1895 柿本朝臣人麻呂歌集)
【口語訳】 春になると まず咲く三枝(さきくさ)のように 幸(さき)く−無事でさえあったら あとでも逢えよう そう恋しがるなよおまえ
この歌の以前の記事は、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/285

 スモモが咲き始めました。
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裏山では、ユリ科のアミガサユリやアマナが咲いています。
 アミガサユリ(バイモ)
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 アマナの花
子供の頃(60年以上前)は畦道で咲いていましたが、この頃は見かけなくなりました。
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 ネコヤナギその後
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Posted by katakago at 14:16
アオサギを見かけました [2020年03月14日(Sat)]
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 今朝雨の中、蓮池傍の花菖蒲畑(新芽が出ています)でアオサギが飛来しているのを見かけました。飛翔する写真が撮れたので掲載しておきます。
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 万葉歌に鷺が詠まれた歌があり以前の記事(次のURL)に紹介しています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/896
Posted by katakago at 11:28
オキナグサが開花 [2020年03月12日(Thu)]
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 畑では、オキナグサ(キンポウゲ科)の花が咲き始めました。例年よりも早い開花です。万葉歌(巻十四の東歌)に、ねつこぐさ(原文は根都古具佐と表記)と詠まれている植物をオキナグサにあてる説があります(『増訂萬葉植物新考』など)。
【歌】 芝付きの 御宇良崎なる ねつこ草 相見ずあらば 我恋ひめやも (巻十四・3508)
【口語訳】 芝付きの 御宇良崎(みうらさき)にある ねつこ草のようなあの娘子を 見さえしなかったなら わたしはこうも恋い慕おうか
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/299

 果樹園では、バラ科のアンズやアーモンドの花が咲き始めました。
 アンズの花
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 アーモンド(品種はダベイ)
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 サクランボ(暖地桜桃)は満開です。
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Posted by katakago at 13:11
桜(サクランボ、暖地桜桃)が開花 [2020年03月07日(Sat)]
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 植物園に多種類植えている桜で、毎年一番早く咲くサクランボ(暖地桜桃)の花が咲き始めました。3月初旬の開花は初めてです。
 今日は、午後4時に孫娘の合格発表が大学のホームぺージ上で行われるとのことで、畑で農作業をしながらその時を待っていました。草むしりは落ち着かない時間を過ごすには向いているようです。夕方、志望校(名古屋大学 工学部)合格の知らせを聞いてホッとしています。昨年末には志望分野について相談を受けていましたが、新たな進路が決まりよかったです。充実した学生生活を送れるよう祈っています。

 畑に植えている八重咲きの花桃も見頃です。
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 ネコヤナギの花穂
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 畑でツクシを見つけました。
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 裏山の入り口ではフキノトウが出ていました。
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Posted by katakago at 19:13
モモの花が咲き始めました [2020年03月01日(Sun)]
 先月11日以降、公共交通機関を利用した外出は控えています。毎週通っていたカルチャーセンターの尺八教室も一か月近く休んでいます(自宅での練習は続けていますが)。
 植物園では、ウメやヤブツバキに続きモモの花(一重)も咲き始めました(例年よりも早い開花)。今朝は花の蜜を吸うメジロを見かけました。
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【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (大伴家持 巻十九・4139)
【口語訳】 春の園は まるで一面紅色に照り輝いている その桃の花の樹の下まで照り映える道に つと出で立っているおとめよ (口語訳は『萬葉集全注』より)
 この歌の解説は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/286

 モモの花の蜜を吸うメジロ
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 ミツマタにやってきたメジロ
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Posted by katakago at 12:49
花桃の蕾 [2020年02月13日(Thu)]
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 畑に植えている花桃の蕾が色づき始めました。

 昨年、ニワトコ(ガマズミ科)の苗木を入手し畑に植えていますが、新芽が膨らんできました。万葉歌では、「やまたづ」と詠まれています。 
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【歌】 君が行き 日長くなりぬ やまたづの 迎へを行かむ 待つには待たじ 
    (ここにやまたづといふは、これ今の造木(みやつこぎ)をいふ) (衣通王 巻二・90)
【口語訳】 あなたの旅は 久しくなった (やまたづの) お迎えに行こう とても待ってはいられない (ここに「山たづ」とあるのは、今のにわとこの木のことである)
 歌に細注があり、やまたづはニワトコの古名で、万葉歌では向ヒ・迎ヘの枕詞として用いられています。『日本古典文学全集 萬葉集』の頭注によれば、「花は淡黄色で枝先に群がり咲き、枝葉が対生するところから向キアフの約ムカフにかけた」とあります。

 ムラサキ(ムラサキ科)の新芽が出てきました。
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 畑のあちらこちらでオオイヌノフグリ(オオバコ科)が咲いています。
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 裏山の植物園入り口の白梅は満開となりました。
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Posted by katakago at 13:09
タチツボスミレが咲いています [2020年01月31日(Fri)]
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 畑の数か所で、早くもタチツボスミレが咲いているのを見つけました。
 オキナグサの出芽(開花は3月ごろか)
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 畑に植えている白梅
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ヤブツバキと白梅(裏山で)
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ブータン大輪ミツマタが咲き始めました。
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 一昨日は、今年初めての来園者(7名)がありました。2年後に奈良で開催予定の万葉植物関連の企画について協力要請があり、候補植物とそれが詠まれた万葉歌について意見交換させていただきました。
Posted by katakago at 19:44
白梅が咲き始めました [2020年01月19日(Sun)]
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 10年ほど前に畑に植えた数本のウメの苗木のうち、先週からその一株で花が咲き始めました(上の2枚の写真)。
 裏山の植物園入り口の白梅は畑の梅に比べ年数を経ていますが、今日は3輪の開花が見られました(写真はその一輪)。
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 ウメが詠まれた万葉歌については以前の記事に掲載していますが(下記のURL参照)、ここでは、巻五の「梅花の宴」で詠まれた32首から次の2首を載せておきます。
【歌】 正月(むつき)立ち 春の来(きた)らば かくしこそ 梅を招(を)きつつ 楽しく終へめ (815 大宰大弐紀卿)
【口語訳】 正月になり 春が来たなら こうやって 毎年梅を迎えて 歓を尽くしましょう
【歌】 我が園に 梅の花散る ひさかたの 天(あめ)より雪の 流れ来るかも (822 大伴旅人)
【口語訳】 わが園に 梅の花が散る (ひさかたの) 天から雪が 流れてくるのだろうか 

 ウメが詠まれた万葉歌の関連記事は下記のURLに、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/274
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/284
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1070
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1199

 なおウメ関連では、新元号「令和」の出典が『万葉集』巻五の「梅花の宴」の序文からとのことで、下記の記事も載せています(2019.4.1)。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1496


Posted by katakago at 15:04
裏山のイロハモミジの紅葉 [2019年12月12日(Thu)]
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 裏山ではイロハモミジ(ムクロジ科)が紅葉しています。もともと自生していなかった裏山に苗木を植えて10年以上になります。その数も十数本で生育場所によって色づきに違いが見られます。
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 イロハモミジは万葉歌では「かへるて」と詠まれており、関連記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/234
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1065

 マユミの実がはじけて中から赤い種をのぞかせています(花が咲いたように)。
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マユミが詠まれた万葉歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/231

Posted by katakago at 16:54
木々の黄葉 [2019年11月29日(Fri)]
 先日(24日)の尺八定期演奏会で、今年の大きな行事も終わりホッとしています。
 ただし、2年後には都之雨社100周年の記念演奏会があり、それにも参加できるように日々の練習は続けたいと思っています。

 裏山ではイチョウが、畑ではヤマナシの葉が黄葉しています。
 イチョウ(苗木を植えて14年ほどになります)
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 ヤマナシ(実生から育てて10年近く)
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 もう一本は実は残っていますが葉は散ってしまいました。
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 万葉歌では、ナシは3首詠まれていますが、うち2首は。ナシが「無し」に通ずるので「妻梨の木」と掛けて詠まれています。
【歌】 もみち葉の にほひは繁し 然れども 妻梨の木を 手折りかざさむ (巻十・2188)
【口語訳】 黄葉の色は実にさまざまだ。しかし私は妻無しの梨の木を折って髪挿しにしよう。
【歌】 露霜の 寒き夕の 秋風に もみちにけりも 妻梨の木は (巻十・2189)
【口語訳】 露の置くこの寒い夕の秋風に黄葉したらしい。妻無しという梨の木は。
(口語訳は、いずれも岩波文庫『万葉集』より)
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の解説には、「作者は独身か。わざとひがんでいるように戯れて詠んだものか」とあります。

 今週初め、所用で訪れた満願寺境内ではイロハモミジの鮮やかな紅葉が見られました。
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Posted by katakago at 20:25
ヒシの実 [2019年11月21日(Thu)]
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 7月の初めにヒシ苗2株を購入し、大型バットの底に水田土壌を入れて水を張って栽培していますが、今は葉は枯れてしまっています。株元を手で探るとヒシの実が見つかりました。
 これまでの生育過程の写真を載せておきます。
 撮影日:8月13日
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 撮影日:9月27日
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 ヒシの花(撮影日:9月27日)
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 ヒシ(ミソハギ科)は池沼に自生する1年生の水草で、根部は泥中にあって茎を水面に長く伸ばし、先端に菱形の葉を多数つけて水面に浮き、夏に小さな白色の四弁の花をつけ、棘のある実はデンプン質とタンパク質を含み食用になります。万葉歌には二首詠まれています。
【歌】 君がため 浮沼の池の 菱摘むと 我が染めし袖 濡れにけるかも (柿本人麻呂歌集 巻七・1249)
【歌】 豊国の 企救の池なる 菱の末を 摘むとや妹が み袖濡れけむ (巻十六・3876)
歌の解説については以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/129

 この時期、咲いている草花は僅かとなりましたが、いくつかの写真を載せておきます。
ヒオウギ(花と種子)
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ハマユウ(種子)
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タカサゴユリ
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キキョウ
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カワラナデシコ
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Posted by katakago at 11:25
マーキングされたアサギマダラ 北國新聞にも掲載 [2019年11月09日(Sat)]
 先月報告のマーキングされたアサギマダラについて、石川県の北國新聞にも取り上げられました。
 蝶の羽に書かれた文字「ホウダツ、10.1」は、10月1日に石川県羽咋郡宝達志水町の宝達山で飛来調査用に記されたものであることを、宝達山の休憩施設(山の龍宮城)管理者の橘英子さんに確認してもらっていました。新聞記事は橘さんが送ってくれました。記事には、私が10月10,11日に「万葉の海を考える会」の行事で、大伴家持ゆかりの能登を訪れたことも触れられていました。
 北國新聞 (石川北)に掲載された記事(⒒月1日)
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 「万葉の海を考える会」の行事について検索していたところ、同じ北國新聞の次の記事を見つけました。
 北國新聞(石川のニュース)に掲載された「万葉の海を考える会」の記事(⒑月⒓日)
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 10月11日に訪れた高岡市伏木一の宮の氣多神社境内の写真が掲載されていましたが、思いがけずも大伴家持の歌碑の写真を撮ろうとしている私が写っていました。
 なお、この万葉の旅に関する記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1588
Posted by katakago at 14:53
アサギマダラが神戸新聞NEXTの記事に [2019年10月30日(Wed)]
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 先週このブログで報告したアサギマダラが、今朝の神戸新聞NEXTで紹介されました。植物園に飛来したアサギマダラは以前にも見かけていましたが、マーキングされた個体は初めてで、しかもその場所と時期が判明して大変うれしく思っています。当日取材に見えた記者も私もとてもラッキーでした。
 今朝の記事を見た石川県の新聞社から早速問い合わせの電話が入りました。マーキングされたアサギマダラの追跡結果には興味が持たれるようです。



Posted by katakago at 19:17
アサギマダラ続報 [2019年10月24日(Thu)]
 昨日、マーキングされたアサギマダラの記事を掲載しましたが、その後、「ホウダツ」についてネットで検索したところ、石川県羽咋郡宝達志水町の地名であることが分かりました。そのホームページに、海を渡る蝶「アサギマダラ」のマーキング体験の記事が載っていました。毎年9月ごろ宝達山に飛来し、今年も9月11日から10月10日まで、宝達山休憩施設(山の龍宮城)でアサギマダラのマーキング体験が行われたようです。昨日撮影した個体には、ホウダツ、10.1 と書かれており、この期間中にマーキングして放され、20日以上かけて兵庫県までやってきたものと思われます。どのようにしてこの場所のフジバカマに到達できたのかとても不思議に思っています。 
 宝達志水町公式観光サイトより
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 アサギマダラはフジバカマやヒヨドリバナなどに飛来することが知られていますが、オスの性フェロモンは、ピロリジジンアルカロイドを原料にして作られ、その成分を含むヒヨドリバナ類の花に集まってくるそうです(「白山のアサギマダラ」『白山の自然誌』36、石川県白山自然保護センター発行、平成28年)。
Posted by katakago at 07:30
マーキングされたアサギマダラ [2019年10月23日(Wed)]
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 今日の午前、地元新聞社の取材があり畑に植えた植物を案内していた折に、フジバカマの花にアサギマダラが羽を休めているのを見つけました。その時はカメラを携帯していなかったので、記者さんに写真を撮ってもらいました(後日送ってくれるとのこと)。取材が終わってから同じ場所に出かけるとまだ残っていてくれました。ホウダツ、光(?)136、10.1の文字が見られます。アサギマダラは長い渡りをする蝶で知られており、マーキングしてその移動について調査が行われています。捕獲後10月1日に放されたものと思われますが、わたしにはこの記号からその場所はわかりません。フジバカマに飛来したアサギマダラは以前にも見かけていますが、マーキングされたものは初めてです。この時期は、咲く草花もわずかですが、思わぬ蝶が見られてよかったです。
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 まだ咲いている草花の写真を載せておきます。
オケラの花(万葉では東歌に詠まれています) 
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オミナエシ(夏に咲いた茎を切り戻した株)
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ヨメナの花
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キキョウも未だ咲いています。
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Posted by katakago at 15:47
フジバカマが咲いています [2019年10月06日(Sun)]
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 山上憶良の「秋の七種(ななくさ)」に詠まれたフジバカマが咲いています。
【歌】 秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種の花 (巻八・1537)
【歌】 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花 (巻八・1538)
 ハギやクズの花は咲き終わりましたが、ススキの穂が出て、オミナエシやカワラナデシコはまだ花を咲かせている株もあります。秋の七種(ななくさ)の「あさがほ」に当たると見られているキキョウも咲いています。
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 畑の一角では、ヨメナやイヌタデ(赤まんま)が咲いています。
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 庭のアラカシにドングリが生っていました。
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 アラカシのドングリは殻斗(わん型の苞)に堅果が一個で、万葉歌では、次のように「ひとり」の枕詞として詠まれています(長歌の一部を掲載)。
【歌】 ・・・ ただひとり い渡らす児は 若草の 夫かあるらむ 橿の実の ひとりか寝らむ 問はまくの 欲しき我妹 家の知らなく (巻九・1742)
 関連記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/291

 フヨウは長い間花を咲かせています。
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Posted by katakago at 16:05
ヒガンバナ続報 [2019年09月23日(Mon)]
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 台風一過、畦道ではヒガンバナが真っ赤な花を咲かせています。次の万葉歌で「いちし」と詠まれた植物をヒガンバナとみる説(牧野富太郎ほか)があります。
【歌】 道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻は (巻十一・2480)
【口語訳】 道のほとりの いちしの花のように はっきりと 人々は知ってしまった 私が恋しく思っている妻のことを
ヒガンバナとこの歌の解説は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/172

 安納芋の一部を掘り上げました。一株でこれだけの芋が出来ていました。
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 収穫した落花生(左は大型の品種:おおまさり)
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Posted by katakago at 14:08
ヨグソミネバリ(あづさ)の写真 [2019年09月22日(Sun)]
 裏山には植物園開園時からヨグソミネバリ(カバノキ科、万葉歌では”あづさ”)を植えています。今回あらためて写真を撮ることになったのですが、十数年も経過するとかなり大きくなっており、下から望遠レンズ(250o)で狙ってもその特徴を写すのは困難でした。そこで脚立を運び出して木の高さの半分近くまでのぼり、わずかに残っていた果穂を見つけてようやく次の写真を写せました。
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 ヨグソミネバリ(アズサ)は、落葉高木で木質は柔軟なため弓材とされ、万葉歌には、木その物を詠んだ例はなく、「引く」などの枕詞として「梓弓」が集中に33首みられます。
【歌】 梓弓 引かばまにまに 寄らめども 後の心を 知りかてぬかも (郎女 巻二・98)
【口語訳】 (梓弓) 気を引いたら素直に 従いましょうが 後のお気持ちが 分からないのです
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注には、「寄るは服従する意で弓の縁語。梓弓を引き鳴らすとシャーマン(霊媒者)に神霊が依り憑くことの連想もあろう」とあり、「相手の男の態度が煮え切らないので不安を感じて詠んだ歌」と解説されています。

 ちなみに次の写真は2005年7月に撮影したものです。
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Posted by katakago at 17:06
ナンバンギセルを見つけました [2019年09月18日(Wed)]
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 畑に植えているイトススキの株元でナンバンギセルを見つけました。昨年秋に愛媛の方から送っていただいた種子を蒔いておいたもので、開花が見られ良かったです。ナンバンギセルは、万葉歌では「思ひ草」と詠まれています。
 歌の解説と関連記事は以下のURL に載せています。
 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/175
 昨年入手のナンバンギセルの種についての記事は、
 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1441

 オミナエシの傍ではススキの穂が見られます(後方にはハギも)。
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 先日報告のヒガンバナ(花茎)のその後の様子 
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 他の場所では草むらの中でヒガンバナがすでに咲いていました。 
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 ミズアオイ(8/16)のその後の様子(2株ですが写真のように今も花を咲かせています)。
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 ハンノキ(カバノキ科)
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関連記事は、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/942

 カクレミノ(ウコギ科)
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関連記事は、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/264
Posted by katakago at 12:27
ヒガンバナの花茎 [2019年09月14日(Sat)]
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  畦の草刈りをしている途中で、ある場所ではもうヒガンバナの花茎が伸び始めているのに気づきました(ほかの場所はこれからのようです)。草刈りの時期が遅れれば花茎ごと刈ってしまうところでした。お彼岸の頃には畦道一面に花を咲かせることと思います。

 ハギが見ごろを迎えました。畑には10株以上植えています(ミヤギノハギ、シラハギ)。
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 このところ畑の世話(草刈り、植え付け準備など)に忙しく、久しぶりに出かけた裏山でカラスアゲハを見かけました。
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Posted by katakago at 20:28
水田雑草ヒルムシロの花 [2019年09月05日(Thu)]
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 暫くぶりにヒルムシロ(多年生の水草)の花の写真を撮る事が出来ました。
 6年前に苗を見つけてもらってバットに植えていましたが、その後他の雑草に覆われてしまいこの数年は確認出来なくなっていました。今春あらためて草を取り除き水を張って様子を見ていたところ、7月ごろにヒルムシロの浮葉が展開し、昨日花を確認できました。
 次の東歌に詠まれている「たはみづら」をヒルムシロ(ヒルムシロ科)に当てる説があります。
【歌】 安波をろの をろ田に生はる たはみづら 引かばぬるぬる 我を言な絶え (巻十四・3501)
【口語訳】 安波の峰の 山田に生える たはみづらのように 私が引いたらずるずるとどこまでもついて来て 私との仲を絶やさないでくれ (『萬葉集全注』より)
以前の記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/646

 畑のあちらこちらでツユクサの花が見られます。万葉歌では、つきくさ(原文は月草・鴨頭草と表記)として詠まれています。歌の解説記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/73
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 秋の七種(くさ)の一つハギの花が咲き始めました。
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 オミナエシは長い間花を楽しめます。
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Posted by katakago at 18:06
ヤマナシとナツメの実 [2019年08月25日(Sun)]
 台風の後、気になってい畦畔や果樹園の草刈りもほぼ一巡し、天気予報をにらみながらこれから植え付ける野菜の畝の準備も始めています。
 畑では、万葉歌に詠まれたヤマナシやナツメの実がたくさん生っています。
【歌】 梨棗 黍に粟次ぎ 延ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く (巻十六・3834)
歌の解説は以前記事に載せています(次のURL )
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/574
 ヤマナシ(バラ科)の実
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 ナツメ(クロタキカズラ科)の実
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以前は乾燥棗を作ってみたりしましたが今年はその余裕はありません。

 黄色のオミナエシを背景に白のタカサゴユリが今も咲いています。
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裏山では、キツネノカミソリ、ヤブガラシ、カラスウリが咲いていました。
 キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)の花(毎年この時期に咲きます)
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 ヤブガラシ(ブドウ科)の花
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 カラスウリ(ウリ科)の花(日没後に開花し日の出前にしぼむ、撮影は明け方)
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Posted by katakago at 11:33
ミズアオイが咲きました [2019年08月16日(Fri)]
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 ミズアオイ(ミズアオイ科)の花が咲きました。先月、通信販売で苗を購入して開花を心待ちにしていました。このブログでは初めての写真掲載です。湿地に自生する1年生草本で、葉の形は水田雑草のコナギ(ミズアオイ科)に似ていますが(写真は8/2の記事に)、それより一回り大型で、花の形も異なります。今年は2株を大きなバットで育てていますが、来年以降殖やせればと思っています。次の写真は全体の草姿を写したものです。
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 万葉歌で、なぎ(原文は水葱と表記)と詠まれている植物がミズアオイに当たると見られています。水葱と詠まれた歌は、題詞に、「酢・醤(ひしお)・蒜・鯛・水葱(なぎ)を詠む」とある次の一首です。
【歌】 醤酢に 蒜搗き合てて 鯛願ふ 我にな見えそ 水葱の羹 (長忌寸意吉麻呂 巻十六・3829)
【口語訳】 醤酢(ひしおす)に 蒜(ひる)を搗き加えて 鯛が食いたい わたしの目の前から失せろ そこな水葱(なぎ)の羹(あつもの)よ
この歌の解説は、以前のノビルの記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/36

 畑ではスベリヒユが咲いていました。
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万葉歌で、いはゐつら(原文は伊波為都良と表記)と詠まれている植物に当てる説があります。歌の解説は、次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/91

 ノカンゾウの開花株が増えました。
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 エゴノキでクマゼミを見つけました。
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 ヒマワリは咲き終わり今は種が出来ています。
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 大型の台風10号はその影響が心配されましたが、当地は幸い大きな被害無く通過しました(クリのイガやカキ・カリン・ポポーの未熟果が一部落果しましたが)。風がそれほど強くなく、雨が充分に降ってくれたので、このところ乾燥続きの植物にとっては有難かったです。
 それと、本来ならこの時期に福井へ出かける予定でしたが、この台風接近のため事前にキャンセルしていました。
Posted by katakago at 13:25
ノカンゾウが咲き始めました [2019年08月13日(Tue)]
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 ノカンゾウ(ワスレグサ科)が咲き始めました。例年になく早い開花です。万葉歌で、忘れ草(原文表記は萱草)と詠まれている植物は、ノカンゾウ(一重咲)や6月に開花した八重のヤブカンゾウがこれに当たると考えられています。忘れ草が詠まれた歌の解説はヤブカンゾウの写真とともに、以前の記事(次のURL) に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82

 タカサゴユリが畑のあちらこちらで咲きだしました。
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 オミナエシの花が真っ盛りです。
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オミナエシが詠まれた万葉歌の解説は以前の記事(次のURL) に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/99

 フジの花が咲いていました。万葉歌では季節外れに咲いたフジは、「非時藤(ときじきふぢ)」と詠まれています(ナツフジを当てる説もある)。
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関連記事は次のURL に載せています。
ナツフジ https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/135
ときじきふぢ https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1143

 蓮池では、開花株は残りわずかで花托が目立ちます。
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 ハスの花托(拡大写真)
万葉歌ではハスは”はちす”と詠まれています(古名の由来は果実の入った花托の様子がハチの巣に似ることによる)。
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Posted by katakago at 11:10
ハスの水揚げ [2019年08月07日(Wed)]
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 残り少なくなったハスの花や蕾を切り花にして自宅でも楽しむことにしました。ハスの水揚げには専用の道具(華道用の霧吹き)で茎の切り口から水を押し込みます(これを行わないと葉はすぐに萎れてしまいます)。
 水揚げ処理したハス(花、蓮台、葉、巻き葉)の生け花(妻の作品)
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 今朝の蓮池の様子(開花株もわずかとなりました)
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 ビオトープ池で咲いたハス(フトイが繁茂してハスの生育が抑えられています)
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 ビオトープ池で見かけた羽化後間もないトンボ(フトイの繁みの中で見つけました)
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Posted by katakago at 20:43
カノコユリが咲き始めました [2019年08月05日(Mon)]
 梅雨明け後は猛暑日が続いています。畑仕事も朝夕の限られた時間しかできないため、草刈りが追いつかなくなっています(果樹園などで一部刈り残しあり)。
 裏山では、カノコユリが咲き始めました。来園者には裏山も案内していますが、この時期、やぶ蚊の攻撃を受けるのに目立った草花がない中で、咲いてくれてよかったです。
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 白のカノコユリも咲いています。
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Posted by katakago at 14:22
万葉歌に詠まれた水田雑草 [2019年08月02日(Fri)]
 万葉歌には、コナギ・ヒルムシロ・クログワイなどの水田雑草も詠まれています。
コナギ(ミズアオイ科)の花が咲き始めました。
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歌の解説は以前記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/139

 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)
万葉歌で、たはみづら(原文は多波美豆良と表記)と詠まれている植物に擬する説があります。 
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花の写真と歌の解説は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/646

 クログワイ(カヤツリグサ科)
万葉歌では、ゑぐ(原文は恵具と表記)として2首詠まれています。。
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歌の解説は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/426


Posted by katakago at 11:01
裏山で見つけたトコロ [2019年08月01日(Thu)]
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 これまで気づかなかったトコロ(ヤマノイモ科)が裏山に生えていることが分かりました。昨日来園された方から教えてもらいました。トコロは蔓性多年草で、その根茎のえぐみが薄れる冬に掘り採って食用にされる所もあるようです。
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万葉歌では「ところづら」と詠まれています。
【歌】 天皇の 神の宮人 ところづら いや常(とこ)しくに 我かへり見む (巻七・1133)
【口語訳】 御代御代の 神の宮人の ところづら いよいよとこしえに わたしはまた来てみよう
上三句「天皇の 神の宮人 ところづら」は、常(とこ)しくのトコを起こす序(『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注より)。なお、『岩波文庫 万葉集』では、「ところづら」は、同音の「常(とこ)しく」の枕詞とあります。


 近くでハグロトンボを見かけました。
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 ヘクソカズラ(アカネ科)も花を咲かせています。
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万葉歌では屎葛(くそかづら)と詠まれています。
【歌】 ざうけふに 延ひおほとれる 屎葛 絶ゆることなく 宮仕へせむ (高宮王 巻十六・3855)
【口語訳】さいかちに 這い広がった 屎かずらのように 絶えることなく 宮仕えしよう。

 ナツフジも咲いています。万葉歌の非時藤(ときじきふぢ)をナツフジに当てる説があります。
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 畑ではハマユウの開花株が見られます。
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Posted by katakago at 18:06
オニユリが咲いています [2019年07月24日(Wed)]
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 畑では、オミナエシやキキョウが咲き競う中、オニユリも開花しました。鱗茎が食用となるコオニユリに似ていますが、葉腋に黒紫色の珠芽が出る事より区別できます。
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 裏山のヤマユリは咲き終わり、来月にはカノコユリやタカサゴユリの開花が見込まれます。
 
Posted by katakago at 09:20
ヒシの花 [2019年07月21日(Sun)]
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 先日、通信販売で新たにヒシ(ミソハギ科)2株を購入しましたが、同時に花を咲かせました(1日花です)。一緒に購入したミズアオイの花はこれからのようです。
 ヒシは万葉歌に二首詠まれており、以前記事(次のURL)に歌の解説を載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/129

 ヒオウギの花が最盛期で花卉業者からも注文が入り、刈り取られる前に写真に写しておきました。
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 花弁が黄色の株も見られます。
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 ハマユウは昨年害虫の被害があり枯れてしまった株もありましたが、今年は引き続き開花株が見られます。
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 蓮池では、花托(写真左手前)も目立つようになりましたが、まだしばらくは花を楽しめそうです。なお、蓮池周辺の里道や畦道での三脚の使用は、農家の方の通行の障害となるためご遠慮願っています。
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Posted by katakago at 09:07
ヤマユリが開花 [2019年07月10日(Wed)]
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 今朝、裏山ではヤマユリが咲き始めました。数株あり順次開花が見込まれます。この週末には見学予定がありちょうどタイミングよく咲いてくれました。
 畑に植えているハマユウの一株も開花しました。
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 ハマユウが詠まれた万葉歌の解説は、次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/126

 ベニバナはこの時期、最後の一株が咲いています(来月は種子の採取予定)。
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 今朝の蓮池の様子(池全体で開花株が見られるようになりました)。
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Posted by katakago at 10:59
ヤブカンゾウが咲き始めました [2019年07月03日(Wed)]
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 万葉歌で、忘れ草と詠まれたヤブカンゾウ(ワスレグサ科)が咲き始めました。
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歌の解説は、以前の記事(次のURL )に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82

 キキョウの後方ではオミナエシも咲き始めました。 
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 今朝の蓮池で(順次開花が見られ最盛期は今月半ばごろと思われます)
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 ヒマワリも一斉に開花しました。
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Posted by katakago at 20:33
今年もコウホネが咲きました [2019年06月27日(Thu)]
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 10年前に畑の一角に造ったビオトープ池では、今ではフトイが繁茂し他の水生植物の生育阻害要因になってしまっています(フトイは万葉歌では”おほゐぐさ”と詠まれる)。先日その大半を刈り取った際、コウホネ(スイレン科)一株が蕾をつけているのを見つけていました。今朝雨の中、花を咲かせていました。

 蓮池の周辺ではセリの花が咲いています。
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 セリが詠まれた万葉歌の解説は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1141

 蓮池では旺盛に伸びてきたハスの立葉の陰で、アサザの花が未だ咲いています。
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Posted by katakago at 19:06
ハスが咲き始めました [2019年06月23日(Sun)]
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 蓮池では、今月8日に花芽の写真を掲載していた株が今朝開花しました。これに続いて次々と花芽が伸びてきています。
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 ヒオウギが今年初めて咲きました。
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 株元には、4月に播種して先月発芽した苗が育ってきました。発芽するまでに日数を要し、このため生育の早い雑草(特にスギナ)を除くのに苦労しました。花が咲くのは2年後。
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 キキョウの開花株が増えてきました。
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 ベニバナは最盛期です。
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今週は、3件の見学予定(25,27,29日)がありますが、これらの花を楽しんでいただけるものと思っています。
 万葉植物ではありませんが、今年もヒマワリが咲きだしました(昨年のこぼれ種が発芽したもの)。
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Posted by katakago at 13:24
ベニバナが咲き始めました [2019年06月14日(Fri)]
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 春に播種したベニバナは、今年は例年になくアブラムシが多く発生し何度か消毒を行ってきました。2日ほど前から開花株が見られるようになりました。今月後半(20,27、29日)には来園者が予定されているので見てもらえそうです。。
 畑ではカワラナデシコが見ごろとなっています。
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 花菖蒲は間もなく咲き終わり、手前の蓮池では今月下旬ころからのハスの開花が待たれます。
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 ナツメの花が咲いています。
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 畑で見かけたこの花は葉の形からコヒルガオ(ヒルガオ科)と思われます。
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万葉歌で、「かほばな」と詠まれている植物をヒルガオに当てる説があります。
【歌】 高円の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも (巻八・1630 大伴家持)
【口語訳】 高円の 野辺のかお花のように 面影に ちらついて見えてあなたのことは 忘れられない
 次の写真は、先月下旬に春日大社の萬葉植物園で撮影したヒルガオの花です。
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Posted by katakago at 14:19
ジュンサイの花が咲きました [2019年06月08日(Sat)]
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 4月に取り寄せて栽培しているジュンサイ(ジュンサイ科)の花が咲きました。ジュンサイの若い葉や茎は食用になりますが、万葉歌では「蓴(ぬなは)」と詠まれています。巻七の譬喩歌をあげておきます。
【歌】 我が心 ゆたにたゆたに 浮き蓴 辺にも沖にも 寄りかつましじ (巻七・1352)
【口語訳】 わたしの心は ゆったりしたり動揺したりで 浮き蓴(ぬなわ)のように 岸に沖にも 寄ってしまえそうにない。
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注には、「ゆたにたゆたに」について次のような解説があります。「ユタニはゆったりと安定したさま、タユタニはタユタフと同源で、動揺している状態を表す。恋する者の心理の安らぎと不安との繰り返しをいう。」。
 
 蓮池ではハスの花芽が伸びてきました(今のところ3本)。今月下旬ごろから咲き始めるものと思われます。
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 羽化後間もないトンボを見つけました。
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 畑では、早くも咲き始めたオミナエシの株を見つけました(今のところ2株)。
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Posted by katakago at 09:50
花菖蒲が咲き始めました [2019年05月25日(Sat)]
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 万葉植物ではありませんが、蓮池の隣で花菖蒲を栽培しています。一昨日あたりから開花株が見られるようになりました。これから6月半ばにかけて色とりどりの花を咲かせてくれます。
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 花菖蒲園の隣の蓮池の様子です。アサザが咲く中でハスの立葉が増えてきました(ハスの開花は6月下旬ごろから)。
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 裏山ではウツギの花が咲いています。
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 万葉歌では、「うのはな」として詠まれています。ホトトギスと一緒に詠まれた大伴家持の歌は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/32

 ベニバナが蕾をつけています(開花は6月中旬ごろ)。
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Posted by katakago at 17:21
エゴノキの花が咲いています [2019年05月13日(Mon)]
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 裏山に自生しているエゴノキが花を咲かせていました。万葉歌に詠まれている「ちさ」をエゴノキにあてる説があります。歌の解説は以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/24
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1113

 畑ではノイバラが咲いています。
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 ノイバラは万葉歌では「うまら」と詠まれています。歌の解説は次のURLで、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/29

 早くもキキョウが一輪咲き始めました。この時期の開花は初めてです。
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 カワラナデシコは開花株が増えてきました。
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Posted by katakago at 15:25
キリの花が咲いています [2019年05月06日(Mon)]
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 畑に植えているキリの木が枝いっぱいに花を咲かせています。
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 万葉歌関連の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/593

 前回の記事(5/1)で紹介したカキツバタやアサザも開花株が増えてきました。 
 カキツバタ
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 アサザ
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 裏山ではイロハモミジの翼果が見られます。
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 シャガの花はひと月近く咲いています。
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 果樹園では菓子クルミの花が咲いています。
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Posted by katakago at 15:43
令和元年5月1日の植物園で [2019年05月01日(Wed)]
 蓮池の片隅ではカキツバタ(アヤメ科)が咲き始めました。同じ蓮池では早くもアサザ(ミツガシワ科)が花を咲かせていました(今のところ2輪)。ビオトープ池では、万葉歌で「あやめぐさ」と詠まれているショウブ(ショウブ科)も花を咲かせています。
 咲き始めたカキツバタ
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【歌】 かきつはた 衣に摺り付け ますらをの 着襲ひ狩する 月は来にけり (巻十七・3921 大伴家持)
【口語訳】 かきつばたで 衣を摺り染めにし ますらをが 着飾って狩をする その月が来た
「衣に摺り付け」の摺るは摺り染めにすることで、その月とは鹿茸や薬草を採る薬狩りに出かける4月で、左注には天平16年(744)4月5日(太陽暦の5月25日)に詠まれたとあります。
 アサザの花
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 ショウブの花(淡黄緑色の細かい花を穂状に付ける)
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 畑ではカワラナデシコも咲き始めました。
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 アマドコロ(キジカクシ科)の花
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 裏山で咲いていたホウチャクソウ(イヌサフラン科)の花
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Posted by katakago at 12:31
早くもハスの葉が出始めました [2019年04月22日(Mon)]
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 蓮池は年中水を張っていますが、アサザの葉に混じってハスの葉が伸びてきました。いつもの年より早いように思います。
 同じ池の隅に植えているカキツバタも蕾をつけている株が見られます(開花は連休の頃か)。
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 オキナグサ(キンポウゲ科の多年草)は今は咲き終わり、そう果の花柱が長く伸びています。当初3株ほど植えたものが今では畑のあちらこちらで見られます。そう果が風に飛ばされて行って殖えたようです。草取りは雑草と間違えないように慎重に手取りで行っています。。
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 品種名は不明ですが、ヤマザクラが入れ替わり今も咲いています。桜はひと月近く花を楽しめます。
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Posted by katakago at 12:12
コバノミツバツツジが開花 [2019年04月08日(Mon)]
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 裏山では、コバノミツバツツジが咲き始めました。
 白も咲いています。
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 アケビ(アケビ科)の花が咲いていました。
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 ニリンソウ(キンポウゲ科)も咲き始めました。
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 五輪塔そばの一重のヤマブキ
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 ヒトリシズカ(センリョウ科)の群生(周囲に桜の花花弁が散り落ちていました)
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 今年初めてのタケノコを掘り上げました。
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 昨日、2年間務めた地元生産組合長の引継ぎを終えました。これでやっと時間を自由に使えるかと思いますが、この一月ほどは裏山でのタケノコ掘りに追われそうです。畑では伸びてきた草取り作業が待っています。
Posted by katakago at 11:47
ヤマナシが開花 [2019年04月07日(Sun)]
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 ヤマナシ(ナシの野生型で果実は小さい)が一斉に咲き始めました。実生から育てて10年以上になります(落下果実の種子を発芽させて苗木を育成したもの)。
その全景
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 センダイヤのその後(白いナシの花と対比してピンクの色が目立っています)
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その全景
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 オオシマザクラのその後(その葉は桜餅に用いられるようです)
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 畑ではシロスミレが咲いています。
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 果樹園では、3年ほど前に植えたプルーンの苗木が今年初めて花を咲かせました。実がなるか楽しみです。
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Posted by katakago at 09:47
桜の花いろいろ [2019年04月04日(Thu)]
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 裏山や畑に植えているサクラが次々と咲きだしました。
【歌】 あしひきの 山の際照らす 桜花 この春雨に 散り行かむかも (巻十・1864)
【口語訳】 (あしひきの) 山あいを照らしている 桜花は この春雨に 散り行くことであろうか

 先日(3/31)掲載したヤマザクラの全景
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 センダイヤも咲き始めました 
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 オオシマザクラは真っ白な花弁
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 裏山に植えている枝垂桜
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 裏山でワラビを見つけました。
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【歌】 石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも (巻八・1418 志貴皇子)
【口語訳】 岩の上をほとばしり流れる 垂水のほとりの さわらびが 萌え出る春に なったなあ

 裏山や畑のあちらこちらでタチツボスミレの群生が見られます。
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 ヒトリシズカ
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 オキナグサは種が飛んで畑のあちらこちらで花を咲かせています。
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万葉歌(巻十四の東歌)に、ねつこぐさ(原文は根都古具佐と表記)として詠まれている植物をオキナグサにあてる説があります。
【歌】 芝付きの 御宇良崎なる ねつこ草 相見ずあらば 我恋ひめやも (巻十四・3508)
【口語訳】 芝付きの 御宇良崎(みうらさき)にある ねつこ草のようなあの娘を 見さえしなかったら わたしはこうも恋い慕おうか
Posted by katakago at 13:40
ヤマザクラも開花 [2019年03月31日(Sun)]
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 裏山のエドヒガンに続き、畑に植えているヤマザクラの一株で開花が見られました。ソメイヨシノとは異なり、葉の展開と同時に花を咲かせます。
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 オオシマザクラの蕾
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 センダイヤ(牧野富太郎博士の命名)の蕾
間もなく濃いピンク色の花が見られます。
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Posted by katakago at 11:11
ヤマブキが一輪開花 [2019年03月28日(Thu)]
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 裏山で一重のヤマブキが一輪咲いていました。ほかはまだ蕾です
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 イロハモミジの若葉(万葉歌では”かへるて”と詠まれている)
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巻十四の東歌に次のような歌があります。
【歌】 子持山 若かへるての もみつまで 寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ (巻十四・3494)
【口語訳】 子持山の若いカエデが色づくまで共寝していようと私は思う。お前はどう思うか(口語訳は、岩波文庫『万葉集』より)。
 ところで、イロハモミジの科は従来はカエデ科でしたが、DNA塩基配列に基づく分子系統学的解析による新分類体系によれば、ムクロジ科となっています(『新分類 牧野日本植物図鑑』)。
 
 エドヒガンのその後
次の写真と比べると萼筒(ひょうたん型)の違いがわかります。
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 裏山の別のサクラ(品種名は不明、ソメイヨシノとは異なるか)
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 カタクリが順次花を咲かせています。
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Posted by katakago at 17:19
エドヒガンが初めて開花 [2019年03月26日(Tue)]
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 9年ほど前に裏山の斜面に苗木を移植した2本のエドヒガンのうち、1本で初めて開花が見られました。エドヒガン(ウバヒガンとも)は葉が出る前に花を咲かせ、萼筒(花の柄)がひょうたんのように膨れているのが特徴です(他のヤマザクラより開花時期が早い)。
 当時「エドヒガンを守る会」代表の津田さん(現在も川西市議)のお世話で一緒に植樹していただいたものです。苗木は今では4m以上にもなり、ここ2,3年は春になると今年は咲いてくれるかと毎年心待ちにしていました。
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 もう1本も蕾をつけています。
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 川西市内には、エドヒガンの群生地があります(猪名川上流域の国崎クリーンセンターや多田地区の水明台ほか)。
関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/966
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/972
Posted by katakago at 11:31
スモモが咲き始めました [2019年03月25日(Mon)]
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 スモモが咲き始めました。万葉歌には次の一首のみ詠まれています。
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【歌】 我が苑の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (巻十九・4140 大伴家持)
【口語訳】 我が園の 李の花が 庭に散っているのだろうか それとも薄雪がまだ 残っているのだろうか

 カタクリは3月13日に蕾の写真を掲載していましたが、その花の写真を撮りそびれていました。
旅行当日(3/20)の朝はまだ蕾であった株(次の写真)が今咲いています。カタクリも万葉歌には次の一首のみ詠まれています。歌では堅香子(かたかご)と詠まれています。
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【歌】 もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花 (巻十九・4143 大伴家持)
【口語訳】 (もののふの) 群なす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ

 シダレヤナギの花穂
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【歌】 浅緑 染め掛けたりと 見るまでに 春の柳は 萌えにけるかも (巻十・1847)
【口語訳】 浅緑色に 糸を染めて掛けたのかと 見るほどに 春の柳は 芽が出たことよ

 ヤマアイ(トウダイグサ科)の花
ヤマアイはわが国では最も古い染料植物の一つで、葉を乾燥して搗きだした汁を用いると藍色に染まるとのことで、万葉歌にも、「山藍もち 摺れる衣着て」と詠まれています(巻九・1742 高橋連虫麻呂歌集)。
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 果樹園では、アーモンドの花も咲きだしました。
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Posted by katakago at 17:19
アンズも咲き始めました [2019年03月18日(Mon)]
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 桃や桜(サクランボ)に続き、アンズの花が咲き始めました(上の写真)。

 一重に続き八重の花桃が見頃です。
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【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (巻十九・4139 大伴家持)
【口語訳】 春の園は まるで一面紅色に照り輝いている その桃の花の下まで照り映える道に つと立っているおとめよ
 この歌の解釈では、終止形の二句切れ(春の園が紅色に輝いている)とみるか、連体形の三句切れ(春の園の紅色に咲いている桃の花)とみるかで説が分かれています(上の口語訳は二句切れ説による)。
 以前にお聴きした坂本信幸先生の講演では、二句切れとみる観点から詳細な解説がなされました。三句切れ説(岩波文庫『万葉集』ほか)の拠り所の一つにあげられている漢籍の「紅桃」については、漢籍では、緑と紅の対で使用されているが、この歌ではそのような対句表現ではなく、「紅にほふ」は連帯形として「紅桃」と三句切れになるのではなく、二句切れで解するのがよいとのお考えでした。

 サクランボ(暖地桜桃)の花が満開です。
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 畑ではツクシがたくさん出ています。
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 オキナグサも咲き始めました。
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Posted by katakago at 17:32
カタクリ続報 [2019年03月13日(Wed)]
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 カタクリの蕾がはっきりと見えるようになりました。間もなく開花するものと思われます。この場所には7,8年ほど前に球根を植えたのですが、毎年花を咲かせてくれます。
 タチツボスミレが咲いていました。
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 ヒトリシズカの出芽が見られます。
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 アケボノアセビ(2/23の記事)に続き五輪塔そばのアセビも白い花を咲かせています。
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【歌】 我が背子に 我が恋ふらくは 奥山の あしびの花の 今盛りなり (巻十・1903)
【口語訳】 あなたを わたしが恋しく思うことは 奥山の あしびの花のように 今やまっ盛りです

 裏山ではフキノトウも出ていました。
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 小さなタケノコも一つ見つけました。
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Posted by katakago at 20:04
カタクリの花芽 [2019年03月10日(Sun)]
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 このところ、畑仕事や3月末の生産組合総会に向けての準備に追われていました。懸案事項(ため池の境界確定)も一つ片付きホッとしています。
 裏山で、カタクリの蕾を見つけました(上の写真)。
 自生しているシキミが花を咲かせていました。白梅はほぼ散ってしまいましたが、植物園入り口付近では、ミツマタが見ごろを迎えています。ヤブツバキは散った花が株元に散り敷いていますが、まだ多くの花が咲いています。
 シキミの花
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 植物園入り口付近のブータン大輪ミツマタ(周囲に芳香を放っています)
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 散り敷いたヤブツバキの花
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 畑ではオキナグサの蕾が見られます。ツクシも出ていました(写真右下)。
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 蓮池ではカキツバタやセリの新芽が見られます
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 花桃の蕾
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 サクランボ(暖地桜桃)の蕾
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Posted by katakago at 11:35
アケボノアセビの花 [2019年02月23日(Sat)]
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裏山では、アケボノアセビの蕾が膨らみうっすらピンク色を帯びてきました。
 ミツマタ(ブータン大輪ミツマタ)もようやく黄色い花が見られるようになりました。
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 畑に植えているネコヤナギの現在の様子
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 裏山の竹やぶに置いているシイタケの原木(もうすぐ収穫できそうなものもあります) 
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 裏山の入り口付近の様子(白梅も紅梅も満開です)
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Posted by katakago at 15:49
このシーズン初めての積雪 [2019年01月27日(Sun)]
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 今朝起きると、畑や蓮池にはうっすらと雪が積もっていました。
 果樹園のハッサクにも雪が
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 ネコヤナギの芽吹き 
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ネコヤナギは万葉歌では川柳(かはやなぎ)と詠まれ、巻十の春の雑歌に次のような歌があります。
【歌】 山の際に 雪は降りつつ しかすがに この川柳は 萌えにけるかも (巻十・1848)
【口語訳】 山あいに 雪は降っている それなのに この川柳は もう芽が出たことよ

 裏山の白梅も咲き始めました。
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 ヤブツバキも咲いています。
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 今日は地元自治会主催の恒例行事「三世代交流餅つき大会」が開催され、小学生からお年寄りまで餅つきを体験していました。参加者には搗きたての餅が振舞われていました。
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Posted by katakago at 14:55
師走の植物園で [2018年12月08日(Sat)]
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 ここ暫くは、伸びすぎた果樹の剪定や咲き終わった草花の片付けなど畑仕事に追われていましたが、今朝裏山に出かけてみるとイロハモミジの紅葉が見ごろとなっていました。10本ほど植えています。
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 裏山の数か所でサネカズラの液果が色づいていました。
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 昨日までは暖かい日が続いていたためか、竹藪に置いたクヌギの原木にシイタケが生えていました(この時期に見るのは初めて)。
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Posted by katakago at 13:44
イチョウの黄葉 [2018年11月23日(Fri)]
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 裏山では大きくなったイチョウの木(十数年前に苗木を移植)が黄葉しています。イロハモミジも色づき始めました。
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 夏季には華やかだった蓮池周辺も今は殺風景になってしまいました。 
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 ノジギクが咲いています。
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 第二果樹園では白花のスミレが咲いています。
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 まだ咲いているキキョウもあります。
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 花を咲かせていたタカサゴユリ(ユリの中ではかなり長い期間花が見られます)。
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 オミナエシで花が見られた最後の一株
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 カワラナデシコは蕾をつけた株も(例年12月になっても花が見られます)。
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Posted by katakago at 15:19
晩秋の植物園でー草・木の実 [2018年11月13日(Tue)]
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 植物園もこの時期、咲く花はカワラナデシコ、タカサゴユリ、ノジギクなど限られますが、色づいた草・木の実を楽しめます(上の写真はマユミ)。
 マユミの実の拡大(裂けた果実の中から赤い種が見られます)
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 サネカズラの液果も色づき始めました。
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 サカキの実
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 ノイバラの果序
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 ジャノヒゲの種子
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 アカネの果序
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 ヘクソカズラの果実
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Posted by katakago at 13:12
コウヤボウキの花 [2018年10月30日(Tue)]
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 裏山では、コウヤボウキ(きく科)の花が咲き始めました。万葉歌では、玉箒(たまばはき)として次の大伴家持の歌に詠まれています。この玉箒は、コウヤボウキの茎を束ねて作られたもので、初子の儀式に用いられたものは箒の枝に色とりどりの小さなガラス玉が嵌め込められ(正倉院の宝物)、実用的には蚕室の掃除に用いられたようです。箒の材料となるこの落葉低木も「たまばはき」と呼ばれたようです。
【歌】 初春の 初子の今日の 玉箒 手に取るからに 揺らく玉の緒 (巻二十・4493)
【口語訳】 正月の 初子の今日の 玉箒 手に取るだけで ゆらゆらと鳴る玉の緒よ
 なお、この歌の解説は、7年前の次の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/201

 畑では、この時期まだ咲いているカワラナデシコやキキョウが見られます。
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Posted by katakago at 11:17
プルーン(ばら科)が花を咲かせていました [2018年10月19日(Fri)]
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 最近テレビの気象番組で、ソメイヨシノの開花が取り上げられていました(この季節外れの開花は不時現象と呼ばれる)。そこで、果樹園に植えているばら科の木(ヤマザクラ・スモモ・プルーン・サクランボ・モモ)をあらためて眺めてみたところ、プルーンで数輪花が咲いているのを見つけました(異なる株でも開花)。
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 一方で、マユミの実が色づき始め、この時期咲く草花も少なくなった中で、畑ではヨメナの花が咲き、イヌタデも赤い花を咲かせています。
 マユミの実 
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 ヨメナの花
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 イヌタデ(子供がままごとで赤飯に見立てて遊んだことよりアカマンマの別名)
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Posted by katakago at 16:18
オケラの花 [2018年10月02日(Tue)]
 今月末には2件の来園者を迎えることになっています。裏山は暫く手入れが滞っていたので、昨日から台風の後片付けも兼ねて取り組んでいます。

 オケラ(きく科)の花が咲いていました。万葉歌では或る本も含め4首全てが東歌で、「うけら」と詠まれています。
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【歌】 恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の うけらが花の 色に出なゆめ (巻十四・3376)
【口語訳】 恋しくなったら 袖ぐらい振りますのに 武蔵野の おけらの花のように 目立ったことをしないでくださいね 

 下草刈りの作業中に、サネカズラ(まつぶさ科)やマユミ(にしきぎ科)の実に気づきました。
 サネカズラの実(晩秋には赤く色づく)
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 マユミの実(晩秋には淡紅色に熟しやがて裂けて中の種子は赤い花が咲いているように見える)
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 カラタチの実が黄色く色づいています。
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Posted by katakago at 13:47
アカネの花 [2018年09月28日(Fri)]
 この週末はまた、台風の影響を受けそうです。その前に今咲いている植物の写真を撮っておきました。
 裏山の垣根に絡まってアカネ(あかね科)の花が咲いていました。
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 小さな白い花ですがその拡大写真を載せておきます。
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 アカネはその根を緋色の染料として利用されます(和名は根が赤いことによる)。万葉歌に13首詠まれていますが、すべて枕詞(紫、日、照、昼などにかかる)として用いられています。その一例として、
【歌】 あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠らく惜しも (巻二・169 柿本朝臣人麻呂)
【口語訳】 (あかねさす) 日は照らしているが (ぬばたまの) 夜空を渡る月が 隠れるのが惜しい
 草壁皇子(日並皇子と称された)の挽歌で、皇子の薨去を月が隠れることにたとえて詠まれています。
 ちなみにこの歌の「ぬばたま」(夜にかかる枕詞として用いられている)はヒオウギの種子で、ちょうどこの時期その様子が見られるので写真を載せておきます。
 花が咲き終わったヒオウギの刮ハがはじけて球形の黒い種子がみられます。
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 畑では飛鳥萩とキキョウが咲いています。 
 飛鳥萩
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 キキョウ
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 自宅の庭の水槽では、アサザがまた咲き始めました。
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Posted by katakago at 14:50
ヒガンバナとナミアゲハ [2018年09月19日(Wed)]
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 今日は秋晴れのすがすがしい日となりました。畑の畦道では満開のヒガンバナにナミアゲハが舞っていました。
 
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 場所によって開花時期が少しずれているようです。こちらの畦道はこの週末が見ごろかと思われます。
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 紅いミヤギノハギに続き白萩も咲いています。
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 フジバカマの蕾が見られるようになりました。
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Posted by katakago at 12:18
ヒガンバナが咲き始めました [2018年09月13日(Thu)]
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 畦道でヒガンバナが咲き始めました。先日草刈りを行った場所では多数の花茎が伸びていました。来週には開花したヒガンバナの群生が見られるものと思われます。
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 次の万葉歌(巻十一の寄物陳思)に詠まれている「いちしの花」をヒガンバナとみる説があります(植物学者の牧野富太郎博士の説)。
【歌】 道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻は (巻十一・2480)
【口語訳】 道のほとりのいちしの花のように、はっきりと人々は知ってしまった。私の恋しく思っている妻のことを。
 上二句の「道の辺のいちしの花の」は「いちしろく」を起こす序(いちしの同音反復の技巧)。牧野博士は、「いちしろく」の原文は「灼然」とあり、これを目覚めるばかりの花と解釈すると、赤い花のヒガンバナが想像される、と述べられています。
 
 この時期、畦道ではニラの花も見られます。
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 ニラが詠まれた次の万葉歌は、たまたま見かけた昨日(9/12)の朝日新聞夕刊に中西進先生の解説記事(万葉こども塾)が載っていました。口語訳はその記事より引用しました。
【歌】 伎波都久の 岡のくくみら 我摘めど 籠にも満たなふ 背なと摘まさね (巻十四・3444)
【口語訳】 伎波都久の岡のニラの茎を一生懸命に摘むのに、さっぱり籠がいっぱいにならないわ。― それじゃ、あの人とお摘み 


Posted by katakago at 15:23
ハギの花が咲き始めました [2018年09月04日(Tue)]
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 ハギ(ミヤギノハギ)が咲き始めました。写真は台風接近前の今朝写したものです。秋の七種(くさ)の一つのオミナエシも傍で咲いています。ハギは万葉集中で最も多く詠まれている植物です(141首)。
 大納言大伴旅人が亡くなった時に、資人(しじん)の余明軍が詠んだ挽歌に次のような歌があります。
【歌】 かくのみに ありけるものを 萩の花 咲きてありやと 問ひし君はも (巻三・455)
【口語訳】 こんなにも あっけなかったのに 萩の花は 咲いているかと 尋ねられた殿よ
 上二句の「かくのみにありけるものを」は、人間の力の及ばない運命を嘆く表現類型で、死んだ人を悼んで詠む常套句。この歌については、先日の影山先生の講演会でも、「かくのみに ありけるものを 猪名川の 奥(おき)を深めて 我が思へりける (巻十六・3804)」の歌の解説で、その用例の一つに紹介されていました。
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注にも、旅人が亡くなったのは、天平三年(731)七月二十五日(太陽暦では九月五日に当たる)で、「ぼつぼつ咲きかける時分である」とあります。
 萩の花を好んだ旅人の歌を3首載せておきます。
一つは、奈良の家にあって明日香の故郷を思って詠んだ歌から、
【歌】 指進乃 栗栖の小野の 萩の花 散らむ時にし 行きて手向けむ (巻六・970)
【口語訳】 (指進乃) 栗栖(くるす)の小野の 萩の花が 散る頃になったら 行って手向けをしよう
次の2首は巻八の秋の雑歌より、
【歌】 我が岡に さ雄鹿来鳴く 初萩の 花妻問ひに 来鳴くさ雄鹿 (巻八・1541)
【口語訳】 わが岡に 雄鹿が来て鳴いている 初萩の花を妻問おうとして 来鳴く雄鹿よ
 花妻は、萩の花を鹿の妻とみなした表現で、「秋萩を妻問ふ鹿こそ(巻九・1790)」などの例がある(『岩波文庫 万葉集』)。
【歌】 我が岡の 秋萩の花 風を疾み 散るべくなりぬ 見む人もがも (巻八・1542)
【口語訳】 わが岡の 秋萩の花は 風がひどいので 今にも散りそうになった 誰かに見せてやりたい

 咲いたハギの花が雨で散るのを惜しむ歌から(巻八の秋の雑歌より)、
【歌】 明日香川 行き廻る岡の 秋萩は 今日降る雨に 散りか過ぎなむ (巻八・1557 丹比真人国人)
【口語訳】 明日香川が 裾を流れているこの岡の 秋萩は 今日降る雨に 散ってしまうのではなかろうか  

 畑では、ヤブカンゾウが見ごろとなっています。
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 なお、明日予定であった「かわにしまるまるマルシェ」は、台風直撃により今日の収穫作業が行えないため中止が決定しています。


Posted by katakago at 11:09
ナツフジが咲いていました [2018年08月21日(Tue)]
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 先週(8/14)、「ときじきふぢ」の記事を載せましたが、その際触れていましたナツフジが裏山で咲いていました。手作りの竹の垣根に絡まって生えています。同じ垣根には、アカネやヘクソカズラ(いずれもあかね科)など蔓性の植物も見られます。
 ヘクソカズラもこの時期花が咲き始めていました(触れると人の屁に似た悪臭を発することよりこの和名がある)。
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 ヘクソカズラも万葉歌に詠まれています(巻十六)。題詞に「高宮王、数種の物を詠む歌」とあり、「ざうけふ(サイカチ)」、「屎葛(ヘクソカズラ)」、「宮仕へ」が詠み込まれています。
【歌】 ざうけふに 延ひおほとれる 屎葛 絶ゆることなく 宮仕へせむ (巻十六・3855)
【口語訳】 さいかちに 這い広がった 屎かずらのように 絶えることなく 宮仕えしよう
 上三句の「ざうけふに 延ひおほとれる 屎葛」は、「絶ユルコトナシ」を起こす序。『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注によれば、「絶エズ・絶ユルコトナシを起こす序には一般には玉葛や葛が用いられるのに、ここにわざと卑俗な植物を詠み込んだのは戯笑の気持からか」とあります。
 
 ハスの花はもう終わってしまったものと思っていましたが、今朝、一輪咲いていました。今年はこれが最後かと思われます。
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Posted by katakago at 14:23
ヤマナシとナツメの実 [2018年08月18日(Sat)]
 昨日から、エアコン無しで過ごせています(長くは続かないようですが)。屋外での作業も助かります。

 果樹園では、ヤマナシ(ばら科)とナツメ(くろたきかずら科)の実が生っています。
『万葉集』巻十六に、梨と棗を含め秋8月頃の食用植物を列挙した歌があります。
【歌】 梨棗 黍に粟次ぎ 延ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く (3834)
【口語訳】 梨(離)棗(早) 黍(君)に粟(逢)と続いて (延ふ葛の) いずれは逢おうと 葵(逢う日)の花が咲く
 「黍」に「君」、「粟」に「逢は」、「葵」に「逢う日」の意味を掛けて詠まれています。
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注には次のように解説されています。梨と棗との取り合わせは、『遊仙窟』の中で、棗(音サウ)は「早」と、梨は「離」と、それぞれ類音であることを踏まえて、五嫂(ごそう)と十娘(じゅうじょう)の二人の女性が、「相知ルコト棗ニ在ラズ(早く知り合いにならなかったのが残念)」と言い、「忍ビズシテ分梨ス(辛いけれどわざと離れている)」と言ったのによる。今は離れているが早く、の意を込める。
 ヤマナシの実
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 ナツメの実
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 ビオトープ池付近の様子(オミナエシ、キキョウ、タカサゴユリが咲いています)
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Posted by katakago at 14:34
フジが咲いていましたー非時藤(ときじきふぢ) [2018年08月14日(Tue)]
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 連日の猛暑が続くなか雨が待たれていましたが、昨日ようやく夕立がありホッと一息です。今朝は6時前から畦の草刈りを行いました。雨上がりは埃が立たないのでこの時期を狙っていました(ただし暑さのため作業は7時半過ぎには中止)。

 作業を終えて畑を一巡していると、フジの花が咲いていました(写真はオミナエシと一緒に写っています)。万葉歌に、「ときじきふぢ」(原文は非時藤)が詠まれています。季節外れに咲いている藤とする説があります(『新編日本古典文学全集 萬葉集』)。題詞によれば、大伴家持が時期外れの藤の花と萩の紅葉と二つを折り取って、妻の坂上大嬢に贈った歌の一首です(秋の相聞に分類されている)。
【歌】 我がやどの 時じき藤の めづらしく 今も見てしか 妹が笑まひを (巻八・1627)
【口語訳】 家の庭の 時ならぬ藤のように めずらしく 今も見たいものです あなたの笑顔を
 「時じき藤」は愛でるものであることから、上二句は「めづらし」を導く序詞。 
 なお、「ときじきふぢ」をナツフジとする説(『万葉植物事典』)もあります。こちらは裏山に生えていますが花が咲くのはもうしばらく後です。

 蓮池では花は咲き終わり花托ができています。
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Posted by katakago at 14:43
8月のユリ [2018年08月03日(Fri)]
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 猛暑が続くなか、裏山や畑ではカノコユリ(紅と白)とタカサゴユリが咲いています。
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 タカサゴユリ
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 今朝の蓮池の様子
咲き終わった後の花托も目立つようになりましたが、まだ蕾の株も見られお盆のころまでは花を楽しめるものと思われます。
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 オミナエシは畑のあちらこちらで咲いています。万葉歌にも次のように詠まれています。
【歌】 手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも (巻十・2115)
【口語訳】 手に取ると 袖までも染まる おみなえしが この白露に 散ったら惜しい
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Posted by katakago at 10:26
ハマユウが開花 [2018年07月17日(Tue)]
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 ハマユウ(ひがんばな科)の一株が開花しました。万葉歌には次の一首が詠まれています。
【歌】 み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直に逢はぬかも (巻四・496 柿本人麻呂)
【口語訳】 み熊野の 浦の浜木綿のように 百重にも 心では思っているが 直には逢えないものだね
 ハマユウの解説については以前の記事に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/126

 ヒオウギ(あやめ科)は京都では祇園祭の頃に活けられるそうですが、この時期畑ではいっぱい花をつけています。暑い時期にもかかわらず、切り花にしても長持ちします。花後に刮ハが形成され秋に裂開し、中から球形の黒い種子がみられます。これが万葉歌に詠まれる「ぬばたま」とみられています。
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 果樹園ではミカンの株元で発芽して生育したヒオウギが咲いていました。
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 畑に植えているオニユリが咲いていました。
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 今朝の蓮池の様子
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Posted by katakago at 11:47
今朝の蓮池で [2018年07月12日(Thu)]
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 ハスの開花株も増えてきました。この周辺にはキキョウ・オミナエシ・ヤブカンゾウ・ヒオウギなどの花も咲き、多くの夏の万葉植物が見られる時期となりました。
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 写真を撮りに来る人も見かけますが、畦道に三脚を立てられると農家の方の通行の邪魔になります。また、栽培者に一言朝の挨拶ぐらいあってもよいのではと思ってしまいます。
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Posted by katakago at 10:06
大雨が過ぎ去ってー裏山ではヤマユリが開花 [2018年07月08日(Sun)]
先週半ばから降り続いた雨もようやく止み、今日は日差しも見られるようになりました。
 昨年末から実施された猪名川開削工事のお陰か猪名川の氾濫もなく、農地の浸水被害もなくてホッとしています。午前中に、水利組合の役員で3ヶ所の溜池の目視点検に出かけました。特に洪水吐に流木などの堆積物があるか気がかりでした。目立った障害物はなく、洪水吐のレベルまで水位が下がってから改めて取水設備付近の点検も考えています。

 雨天で暫く出かけなかった裏山では、ヤマユリが咲いていました。ユリが詠まれた万葉歌を一首載せておきます。
【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (巻七・1257)
【口語訳】 道ばたの 草深ゆりの 花のように 微笑んだぐらいのことで 妻と言ってよいものでしょうか 
『新編日本古典文学全集 萬葉集』の解説には、「行きずりに微笑んだぐらいのことで、それを好意の表れと誤解した男への返事」とあります。
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 畑に植えたヤマユリ
裏山に植えたものに比べ背丈が矮性化しています。
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 畑に植えたサクユリ(為朝百合とも)
ヤマユリよりも一回り大きな花を咲かせています。
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 今朝の蓮池で
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Posted by katakago at 13:36
ハスの開花情報その2 [2018年07月03日(Tue)]
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 蓮池では、今月に入りハスの開花株が目立つようになりました。
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 花芽の数も増えてきています。
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 ヒオウギも開花がみられるようになりました。
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 万葉植物ではありませんが、畑の片隅でヒマワリも毎年栽培しています。
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 明日(7/4)は、「かわにしまるまるマルシェ」が開催予定で草花の出荷を要請されており、ベニバナ、キキョウ、オミナエシ、ヒオウギのほかヒマワリも出せるかなと思っています。
Posted by katakago at 10:03
ヤブカンゾウも咲き始めました [2018年07月01日(Sun)]
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 ビオトープ池の傍では、ヤブカンゾウも咲き始めました。この辺りには、カワラナデシコ、キキョウ、オミナエシも花を咲かせており色とりどりの花を楽しめます。
 漢籍(『文選』巻第53「養生論」)に「萱草ハ憂ヲ忘レシム」とあり、これによって当時、萱草(わすれぐさ)を身に付けると憂苦を忘れることができるという俗信があったようで、万葉歌にも次のような歌が詠まれています。
【歌】 忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため (巻三・334 大伴旅人)
【口語訳】 忘れ草を わたしの下紐に付ける 香具山の 古い京を 忘れるために
【歌】 忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜の醜草 言にしありけり (巻四・727 大伴家持)
【口語訳】 忘れ草を 下着の紐に 付けてはみたが 阿保のあほくさ 名ばかりでした。

 これらの歌の解説は、ブログを開始した年(2011年)の次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/82


Posted by katakago at 10:03
ハスが2輪開花 [2018年06月24日(Sun)]
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 蓮池では今年最初の花が咲きました。次々と花芽が上がってきており、8月初旬ごろまでは花を楽しめるものと思われます。

 ベニバナは一斉に開花し見頃となりました。
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 来週開催される「かわにしまるまるマルシェ」(7/4)まで花が咲いていれば、キキョウやオミナエシなどと一緒に出荷できればと考えています。

Posted by katakago at 10:25
ベニバナが咲き始めました [2018年06月16日(Sat)]
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 3月下旬に播種したベニバナがようやく咲き始めました(先週の見学会に間に合うことを期待していたのですが)。
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 この時期、畑では色とりどりの花が咲いています。写真には、秋の七種(ななくさ)のうちカワラナデシコ、キキョウ、オミナエシが写っています。
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 オミナエシも畑のあちらこちらで咲き始めました。
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 キキョウも開花株が増えてきました。
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Posted by katakago at 10:43
ヒオウギが開花 [2018年06月13日(Wed)]
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 先週の見学会の折には蕾だったヒオウギが一株花を咲かせました。これから来月中旬まで花を楽しめそうです。
 裏山ではコオニユリが咲いています。ヤマユリの蕾も膨らんできました(開花は来月中ごろ)。
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 蓮池では、ハスの蕾も膨らみ色づいてきました。今月下旬には花を咲かせそうです。
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 春に花を咲かせたスモモは今、たくさんの実が生っています。品種の異なる数株を植えており、これから順次収穫できそうです。
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Posted by katakago at 13:22
コウホネが開花 [2018年06月01日(Fri)]
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 8年ほど前に作ったビオトープ池では、ハスをはじめショウブ、カキツバタ、フトイ、ホソバオモダカなどの水生植物を栽培しています。その後コウホネ(すいれん科)も一株植えていますが、繁茂したフトイの陰で花を咲かせていました。
 蓮池では、ハスの蕾を見つけました。今月下旬には開花するものと思われます。
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 畑ではカワラナデシコが見ごろとなりました。
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Posted by katakago at 16:11
花菖蒲が一斉に開花 [2018年05月29日(Tue)]
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 来月初旬に植物園見学会を予定していますが、蓮池隣では花菖蒲が一斉に咲き始めました。
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 万葉植物では、ハギが咲いています。品種はミヤギノハギで、この時期と9月に2回開花します。
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 早くもオミナエシの蕾も見られます。
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 キキョウが一輪開花しました。
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Posted by katakago at 10:18
アサザの花が最盛期 [2018年05月19日(Sat)]
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 蓮池ではアサザの花が最盛期です。ハスの立ち葉も増えてきました。ハスの葉が池の全面を覆ってしまう6月半ばまでは毎日花を楽しめるものと思います。
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 蓮池の隣では、早くもハナショウブ(万葉植物ではない)の開花株が見られます。今年は開花時期が早まりそうです。
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 来月上旬には、妻が企画した「植物画展ー万葉の花々ー」と植物園の見学会を実施します。

 今秋の川西市仏教会主催の行事(寺院めぐり)で、途中の立ち寄り先に植物園も候補に入れていただき、先日その下見に来られました。
 植物を通して万葉集に親しんでもらう機会となれば幸いです。

 


Posted by katakago at 16:51
タチバナとウツギ [2018年05月13日(Sun)]
 裏山では今、タチバナとウツギの花が咲いています。万葉歌では、いずれもホトトギスと一緒に詠まれている例が見られます。こちらでは未だホトトギスの鳴き声を耳にしませんが、ホトトギスを多く詠んでいる大伴家持の歌を一首づつ載せておきます。
 タチバナ(万葉歌では花橘と詠まれている)
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【長歌の一部】 ほととぎす 来鳴く五月に 咲きにほふ 花橘の かぐはしき 親の御言 朝夕に 聞かぬ日まねく ・・・・・ (巻十九・4169)

 ウツギ(万葉歌では卯の花と詠まれている)
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【歌】 卯の花の 過ぎば惜しみか ほととぎす 雨間も置かず こゆ鳴き渡る (巻八・1491)

 このほか、テイカカズラの花も咲いていました(写真手前の葉はヤマアイ)。
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 蓮池では、ハスの浮き葉にまじってアサザの花が多数見られるようになりました。
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Posted by katakago at 16:18
ホオノキの若葉 [2018年05月06日(Sun)]
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 畑にホオノキ(もくれん科)の苗木を植えていますが、なかなか大きくなりません。花が咲くまでにはまだだいぶかかりそうです。葉は大きく食べ物を包むのに用いられます。
 万葉歌には次の2首詠がまれています。題詞に「攀ぢ折れる保宝葉(ほほがしは)を見る歌二首」とあり、一首目は、講師(こうじ)僧恵行の歌で、
【歌】 我が背子が 捧げて持てる ほほがしは あたかも似るか 青き蓋 (巻十九・4204)
【口語訳】 あなたが捧げ持っているほほがしわは、まさに青い蓋(きぬがさ)そっくりですね
二首目は、大伴家持の歌で、 
【歌】 皇祖の 遠き御代御代は い敷き折り 酒飲むといふそ このほほがしわは (巻十九・4205)
【口語訳】 代々の帝の遠い御代御代には広げて折って、酒を飲んだということだ、このほおがしわは
 柏(かしわ)の葉を酒器としたことは、『古事記』(応神天皇)に、「天皇、豊明(とよのあかり)聞こし看(め)しし日に、髪長比売に大御酒の柏を握(と)らしめて、その太子(ひつぎのみこ)に賜ひき」と見える(岩波文庫『万葉集』の解説より)。
 カシワ(ぶな科)の葉
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 この時期のその他の植物の様子を載せておきます。
 マユミ(にしきぎ科)の花
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 ショウブ(さといも科)の花(万葉歌では”あやめぐさ”と詠まれている)
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Posted by katakago at 18:40
アサザが咲き始めました [2018年05月03日(Thu)]
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 蓮池に生育しているアサザの花が咲きだしました。早くから池に水を張っていたので例年よりも早い開花です。

 カワラナデシコも咲きだしました。飛んだ種が畑のあちこちで発芽して、かなりの株数になっています。これから数か月は花を楽しめそうです。
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 エゴノキの花も咲き始めました。
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 オキナグサの花後の様子(漢名の白頭翁の如くなっています)
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Posted by katakago at 19:48
フジの花が見頃  [2018年04月15日(Sun)]
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 今年は早くもフジの花が見頃を迎えました(昨年よりも2週間ほど早い)。
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 先週は思いがけなくも、中学同級生のグループ(9名)が植物園を訪ねてくれました。植物愛好の仲間で多田神社や万願寺などを訪れた帰りとのことで、裏山と畑の万葉植物を楽しんでもらえました。
 昨日は、地元の若夫婦がタケノコ掘りに来てくれました。一輪車2杯分のタケノコを掘り上げることが出来、外釜で大量に茹で上げました。おかげで親戚にも送ることが出来ました。
Posted by katakago at 17:43
ヤマブキが咲いています [2018年04月06日(Fri)]
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 先月は五輪塔そばのアラカシ伐採ややケヤキの枝選定作業などで、周辺の植物(スモモ、ヤマブキ、アジサイ等)が大分傷んでしまいました。特にヤマブキは半分近くの株が折れてしまい残念な状態となっています(八重の花は見られません)。ただ、一重の株の種が石垣上の地で発芽生育し、花を咲かせるようになりました(写真上)。

 畑に植えている花木では、ヤマナシ(写真左)やヤマザクラが咲いています(写真右はオオヤマザクラ)。
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 裏山ではカタクリに続いてヒトリシズカが咲いています。
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 フジの蕾が膨らんできました(今月中にも開花か)。
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 果樹園では果樹の株元でシロスミレが群生して咲いています(草刈り機での除草作業の際刈り取らないように注意しています)。
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 花菖蒲の葉が伸びてきました。この調子だと来月下旬から咲き始めるのではと思っています。
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Posted by katakago at 15:04
ヤマザクラが開花 [2018年03月29日(Thu)]
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 近隣のソメイヨシノは今が満開となっていますが、畑に植えているヤマザクラも咲き始めました。3月のこの時期の開花は苗木を植えて以来初めてです。

 ヤマザクラの園芸種の「センダイヤ」(花弁の色が濃いピンク色です)
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 オオシマザクラ(花弁の色が真っ白です)
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 アーモンドの花も咲き始めました。
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 スモモは満開です。
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Posted by katakago at 09:40
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