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エドヒガン群生林整備記念講演会(国崎クリーンセンター) [2015年03月23日(Mon)]
 昨日(3/22)、国崎クリーンセンターの啓発施設 ”ゆめほたる”で、利用者10万人達成とエドヒガン群生林整備を記念して「北摂の原風景」と題する講演会があり万葉仲間を誘って聴講しました。

 石田弘明氏(兵庫県立大学教授)が「エドヒガン群生林の価値と保全」について話されました。
 エドヒガン(絶滅危惧種)は本州・四国・九州に広く分布するも自生地は限られ、兵庫県下では、猪名川上流域・但馬・西播磨などに限られるとのことです。猪名川上流域に立地する国崎クリーンセンターの敷地に広がる里山には250本もの群生が見られるとのことです(国内トップクラスの密度)。川西市内ではこのほか、国崎地区(一庫公園)、黒川地区(大槌・妙見ケーブル横・桜谷)、多田地区(水明台)に群生地があり、桜谷と水明台の群生地は市の天然記念物に指定されています。
 エドヒガンの生育適地は、明るい場所(陽地)、適湿の地(谷の斜面下部など)とされ、国崎クリーンセンターのある里山がエドヒガンの群生地となった要因について解説されました。
 クヌギやコナラなどの夏緑樹からなる里山林では、燃料を得るため年毎に場所を変えて輪伐が行われる(伐採年度の異なる林がパッチワーク状に)。国崎・一庫・黒川地区は利休・秀吉の頃からクヌギの炭(菊炭)の生産地であり、また、この地域にはかつて銀や銅の鉱山があり(間歩と呼ばれる採掘するための抗道が残っている)、製錬用の燃料としても里山林の伐採が行われ、明るい環境が継続してつくり出されてきたことをあげられた。
 保全の取り組みとしては、エドヒガンや林床の日当たりを良くするためにヒノキの間伐や蔓植物の除去、鹿の食害対策などで、国崎クリーンセンターではエドヒガンの種子を採取し地域性苗づくりも行われているそうです。

 なお、私の万葉植物園にも、4年ほど前に「エドヒガンを守る会」代表で市議の津田さんに苗木2本の植樹をしていただき大分大きくなっています。花が咲くようになるのが楽しみです。

 前川善一郎氏(京都工芸繊維大学特任教授)は、「里山の衣文化~繊維が語る歴史と風土」と題して、古代から江戸時代に至る衣料の歴史について話されました。
 日本の衣文化を支えた三つの天然繊維材料として、@苧麻(ちょま、縄文から室町時代の庶民の主たる繊維材料)、A木綿(江戸時代から現代までの庶民の主繊維材料)、B絹(縄文時代からの国産技術の真綿と弥生時代にもたらされた渡来技術の絹糸、いずれも上流・富裕層の繊維材料)について、繊維を取り出す作業工程や繊維の特性にも触れられた。
 養蚕や機織(はたおり)技術が呉の国から伝えられた(弥生時代末期)のに関連して、お隣の池田市には、呉織媛(くれはとりひめ)を祀った呉服(くれは)神社と穴織媛(あやはとりひめ)を祀った伊居太(いけだ)神社があります。あらためて訪ねてみようと思いました。
 染色の技術は弥生時代に里山で生まれた草木染めが始まり(汁液や花などを繊維に刷り込む摺染)で、古墳時代に明礬や硫酸鉄を使用する媒染(ばいせん)の技術が伝来し草木染めの技術が確立されたようです。万葉歌にも、染色に関わるものがかなり見られます。茜草(あかね)、紫草(むらさき)、紅(くれなゐ)、山藍(やまあゐ)、榛(はり)、鴨頭草(つきくさ)などの植物が詠まれています。
 江戸時代の木綿の栽培法に関しては、水田に立てられた畝の部分に木綿を、畝と畝の間の谷の部分に水稲を交互に植える方法が行われていたそうです(半田法という)。
 野間村(現在の伊丹市)の豪農 巽屋左衛門の農事日誌(1862~1872)の話も含め、これまで聴講する機会の少なかった分野の話で大変興味深いものでした。
 
 対談に先立ち、服部先生からは、万葉歌に詠まれた植物を植物群集・群落(植生)の視点から解析して、万葉時代の植生景観を眺めてみたらどうなるかについて話され、坂本先生からは、万葉集に詠まれた北摂関連の歌を紹介されました。
 講演(万葉集に描かれた北摂)される坂本先生
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 対談されるお二人
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 なお、服部先生については、以前にも兵庫県立人と自然博物館のセミナーでお話を聞いたことがあります。その時の記事は、
http://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/171


Posted by katakago at 16:28
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http://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/966
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