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クララの花 [2013年06月13日(Thu)]
IMG_1175m.jpg
 裏山でクララ(まめ科)の花が咲いています。

  万葉歌には詠まれていませんが、『出雲国風土記』嶋根郡のところで、山に在る草木の一覧の中に次のように記されています(『新編日本古典文学全集 風土記』より)。
 凡そ諸の山に在らゆる草木は、白朮(をけら)、麦門冬(やますげ)、藍漆、五味子(さねかづら)、苦参(くらら)、独活(つちたら)、葛根(くずのね)、署預(やまついも)、卑解(ところ)、狼毒(やまさく)、杜仲(はひまゆみ)、芍薬(えびすぐすり)、柴胡(のぜり)、玄参(おしぐさ)、百部根(ふとづら)、石斛(いはぐすり)、藁本(さはそらし)、藤(ふぢ)、李(すもも)、赤桐(あかぎり)、白桐(あをぎり)、海柘榴(つばき)、楠(くすのき)、楊梅(やまもも)、松(まつ)、栢(かへ)なり。

 クララは眩草(クララクサ)が省略されたもので、根汁をなめると苦いため目が眩むところからついた名で、漢方では、この根を乾燥して健胃薬とし、また民間では牛馬の皮膚の寄生虫を駆除するのに全草の煎汁が用いられるそうです(松田修著『古典植物辞典』より)。

 ところで、藤原宮典薬寮跡から発見された「多治麻内親王」と表記された木簡に久参(くじん)の文字が出て来ます(『日本の美術 第160号 木簡』)。この木簡は多治麻内親王(但馬皇女)の宮の家人より出された薬草支給願いとみられ、久参(くじん)は苦参(くらら)のことで、車前子(おおばこ)・西辛(さいしん)と一緒に書かれています。これに関しては、今年1月の和田萃先生の講演(朝日カルチャー中之島教室のフェスティバルタワー移転特別講座)の記事でも触れています。
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Posted by katakago at 09:02
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