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早春の大和国中を歩く(第129回奈良学文化講座) [2013年03月03日(Sun)]
 昨日(3/2)第129回奈良学文化講座が開催され参加しました。今回は「早春の大和国中を歩くー纒向遺跡”卑弥呼の居館跡”から壬申の乱の故地・村屋神社へ」と題して開催されました。午前は平林章仁氏(龍谷大学教授)による講演(演題:壬申の乱と中ツ道の古戦場・村屋神社)が行われ(於 奈良市中部公民館)、午後はJR桜井線で巻向駅まで移動し、纒向遺跡や、講演で触れられた壬申の乱の中ツ道の古戦場・村屋神社などを巡りました。

 壬申の乱については、昨年末の講演会の記事(11/24)にも載せています。
                   ↓
  URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/508?1353754827

 壬申の乱は、天智天皇の弟である大海人皇子と天智の長子である大友皇子(近江朝廷側)とが天智の死後皇位継承をめぐって争われた古代史上最大の戦乱で、その戦闘地域は伊賀・大倭(やまと)・近江方面に及んだ。『日本書紀』巻二十八の天武天皇 上に詳しく記されています。 
 今回の講演では、主に大倭国内での戦闘について話されました。倭京守衛は大伴連吹負(ふけい)で、勇士の奮戦や”神助”のおかげで防衛に成功します(天武天皇 上 第九段)。東国からの軍兵を上ツ道・中ツ道・下ツ道の守りに駐屯させ、大伴吹負は自ら中ツ道に布陣して近江軍と戦った記事の中に、”神助”について次のようなくだりがあります(配布資料にもありましたが、以下は『新編日本古典文学全集 日本書紀』の口語訳より)。高市郡の大領高市県主許梅に高市社の神(事代主神)、身狭社(むさのやしろ)の神(生霊神)が依り憑いて託宣した話に続いて、 「また村屋神が神官に依り憑いて、『今、我が社の中道から軍衆が攻めて来よう。それゆえ社の中道を塞ぎ守れ』と言った。すると幾日も経たないうちに、廬井造鯨の軍衆が中道から来襲した。時の人は、『神のご託宣はこの事であったのだ』と言った。軍事に関する政務がすっかり終わると、将軍たちはこの三神のご託宣を天皇に奏上した。天皇は勅して、三神の品を上げて祭祀を行われた」とあります。
 講演ではこの神が味方したということは、「その神を奉斎する集団が味方した」ということであると解説されていました。
 ここに出てくる「村屋神社」を午後のウォーキングで訪れました。
 

 午後のウォーキングのコースは、
巻向駅 → 珠城山古墳群 → 纒向遺跡・太田北微高地“居館跡” → 纒向石塚古墳〜[纒向古墳群] → 素戔鳴神社(雄綱・雌綱)〜[大和川(初瀬川)]〜[さくら広場] → 村屋神社・中ツ道 → 岐多志神社 → 森市神社〜[青垣生涯学習センター(唐古・鍵考古ミュージアム)] → 近鉄田原本駅

 案内の講師は、北井利幸氏(橿原考古学研究所付属博物館)と藤田三郎氏(田原本町教育委員会)のお二人で、人数が多いためFMラジオで解説を聴きながら見学しました。

 スタート地点のJR巻向駅に掲げられた看板
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 珠城山古墳群(築造は6世紀)の見学(狭い道を上って行きます)
IMG_3139m.jpg

 一号墳の横穴式石室
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 墳頂から眺めた箸墓古墳の後円部(写真中央)
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 箸墓古墳は宮内庁が陵墓として管理していますが、先月(2/20)日本考古学協会など15の研究団体による立ち入り調査が行われました。

 纒向遺跡の発掘現場の見学(写真左後方の山は三輪山) 
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 この近くでは、方位をそろえて建てられた3世紀前半頃の3棟の掘立柱建物跡が見つかっています。

 素戔鳴神社の雄綱・雌綱
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 初瀬川の南北の江包と大西地区の間で行われている「お綱はんの結婚式(国指定重要無形民俗文化財)」。上流から流れてきた二人の神様を、江包は素戔鳴尊、大西は稲田姫を助け二人が正月に結婚式を挙げたことに由来するという(古くからの田遊び祭りの一種で、豊作を予祝する儀式)。

 
 村屋神社(午前の講演で話された壬申の乱の故地)
IMG_3170m.jpg
 

 田原本駅に至る途中に唐古・鍵考古ミュージアムがあり、施設の見学は今回のコースに入っていませんでしたが、折角の機会でもあり立ち寄りました。
 唐古・鍵遺跡は日本を代表する弥生時代の環濠集落で、その出土品が展示されています。
 写真は入口正面の模型 
IMG_3174m.jpg
Posted by katakago at 17:06
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