第23回にしのみや万葉セミナー [2013年02月19日(Tue)]
2/17に夙川公民館で「にしのみや万葉セミナー」が開催され、山内英正氏の講演と岡本三千代さんの「万葉うたがたりコンサート」があり出かけて来ました。 西宮市には西田公園万葉植物苑(1988年開設)があり、生前西宮市に住んでおられた犬養孝先生の選ばれた歌と植物の説明板も添えられ、大伴家持の「春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子」の歌碑(犬養先生45番目の揮毫)があります。この開設を記念して1990年から「にしのみや万葉セミナー」が毎年開催されて当初は犬養先生が講演を行われ、第8回目からは山内氏が担当されるようになったとのことです。私は今回初めて参加しました。
山内氏の講演は、「歌聖・柿本人麻呂ー伝説と信仰ー」と題して行われました。
講演の前半では、人麻呂が石見国で死に臨む時に詠んだとされる歌とその関連歌および石見相聞歌について解説されました。後半では人麻呂が後の世になって信仰の対象になっていった話をされました。山内氏も関わられて、『神になった柿本人麻呂ー人丸信仰の調査と報告書』が刊行されています(発行は犬養万葉記念館に協力する会)。人丸信仰の神社・寺・塚などは全国に400ほど知られているようですが、山内氏ら(全国万葉協会の富田さん荒川さんほか)はそのうち121ケ所を調査されたそうです。歌聖として歌・芸事の上達やさらには学問・受験の神としても祀られ、火気の元、火止まる→火伏・防火の神、人生まる→安産の神としてや、産業興隆(紙漉き・鍛冶)などの神として祀られているところもあるそうです。
岡本さんのコンサートでは、西宮の万葉歌10首のうち3首に曲をつけて「西宮慕情」、人麻呂の羈旅歌4首を取り上げた「大和島見ゆ」、軽皇子が安騎野に宿られた時に人麻呂が詠んだ歌から「阿騎野寒暁」などが歌われました。
ちなみに後ろの映像に使用していただいたワラビの写真は私が撮影したものです。
帰りには、参加者全員にお土産として草花の鉢植えが配られました。西宮市のオリジナル植物である「エンジェルス・イヤリング」と命名されたフクシア(アカバナ科フクシア属)も入っていました。花が咲くのが楽しみです。なお、これらは西宮市植物生産研究センターで育成されたものです。
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Posted by
katakago
at 14:45