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ネコヤナギ [2012年03月09日(Fri)]
IMG_1567L.jpg

 裏山の植物園でネコヤナギ(やなぎ科)が芽吹き始めました。
なお、2/4のブログ(猪名川クリーン作戦)では、猪名川の川原で一月早く芽吹いた写真を掲載しています。

 ネコヤナギは、万葉歌では、かはやなぎ(原文は川楊・河楊と表記)として4首詠まれています。ここでは次の二首を紹介しておきます。
【歌】山の際に 雪は降りつつ しかすがに この川柳は 萌えにけるかも (I-1848)
【口語訳】山あいに 雪は降っている それなのに この川柳は もう芽が出たことよ
巻十の春の雑歌で、柳を詠む8首の一つ。「しかすがに」は、そうは言うものの、の意で、逆説の意味を表す副詞。標高の高い山あいではなお雪が降っているが、平地ではすでに春が訪れている情景が詠まれています。
 この歌のように雪の日に芽吹いた写真を狙っていましたが、うまくタイミングが合いませんでした。

【歌】霰降り 遠江の 吾跡川楊 刈れども またも生ふといふ 吾跡川楊 (F-1293)
【口語訳】(霰降り) 遠江(とおとうみ)の国の 吾跡川(あどがわ)の 川楊よ 刈っても またすぐ生えるという 吾跡川の川楊よ
「霰降り」は、遠江の枕詞。霰の音を「トホ」と聞いたので同音の「遠」にかけたとみられています(『萬葉集釈注』)。ヤナギ類は活着・再生しやすい植物で、この歌でも、刈ってもまた生えるという成長と再生力の強さが讃えられています。『萬葉集釈注』には、刈っても刈っても生えるというのは、「楊」を恋心に譬えて、払っても払ってもわきあがる恋の苦しみを述べたのである、とあります。
Posted by katakago at 09:36
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