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飛鳥京跡苑池の第13次調査現地説明会に参加(8/10) [2019年08月11日(Sun)]
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 昨日(8/10)、明日香村岡の飛鳥京跡苑池(7世紀、国史跡・名勝)で、今回新たに北池で見つかった石組みの溝と石敷き遺構の現地説明会があり出かけてきました。上の写真は出土遺構の現場。
 万葉歌に詠まれた植物を栽培しているので、当時の宮廷庭園遺構には興味があり、以前に(2013/11/24)、南池の発掘現場の説明会にも参加しています。その時の記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/739
 南池は、五角形の池の中に中島があり松の根も見つかっていました。池の南東の高台には、掘立柱建物が2棟見つかっており、苑池を上から眺めるための施設と考えられ、南池は観賞用の池とみられていました。

 現場での説明に先立ち、パネルを用いて解説(奈良県立橿原考古学研究所所員による)
開始の⒑時にはすでに多くの方々が集まっていました。
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 発掘場所での現地説明会の様子(炎天下にも拘らず熱心に見学する参加者)。
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 今回見つかった流水施設
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 写真中央奥の湧水点にある枡(堰板は凹状に加工)から上澄みが石組み溝(写真中央)に流れる仕組みとなっており、清浄な水を流すことに意味があったとみられています。
 さらに、護岸の一部(写真左上)で階段状に石が積み上げられており、護岸から下りて池に親しむ機能があったと見られています。
 9日付け朝日新聞朝刊には、木下正史先生(東京学芸大名誉教授)の次のような見解が載っていました。「一帯は聖なる空間で天皇らが水を使った祭祀を行った可能性が高い。中国古来の苑池の思想に日本古来の自然崇拝の考えを融合させた日本文化の原点と言える場所なのではないか」。
 今回の調査で、北池からは流水施設が見つかったことより、飛鳥京跡苑池は、南池と合わせ性格や意匠が異なる二つの池によって構成されることが明らかになりました(現地説明会資料まとめより)。
  
 なお、湧水部から溝に水を流す遺構としては、酒船石遺跡(苑池から訳400m北東)の亀形石造物があり、以前に訪れたことがあります。関連記事は、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/23
また、木下正史先生の案内(飛鳥を愛する会の現地講座)で新羅の王京を訪れた際、雁鴨池で類似の導水石造施設を見学したことがあります。関連記事は、
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/208

Posted by katakago at 16:34
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https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1561
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