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万葉講座(猪名川万葉の会 公開講演会) [2018年09月03日(Mon)]
IMG_7528m.jpg

 昨日、お隣の川辺郡猪名川町で万葉集の講座を開かれている「猪名川万葉の会」(代表野々村さん)主催の公開講演会があり出かけてきました(上の写真は1階ホールで展示されていた「兵庫の万葉歌」パネルより)。

 今回の講師は影山尚之先生(武庫川女子大学教授)で、「川を越える万葉びとー猪名川・武庫川ものがたりー」と題して講演されました。
 講演の様子
IMG_7529m.jpg

 ここでは、講演前半の「万葉びとの川渡り」で触れられた歌の中から、いくつかを載せておきます。
行路難渋の例から
【歌】 武庫川の 水脈(みを)を速みと 赤駒の 足掻く激(たぎ)ちに 濡れにけるかも(巻七・1141)
【口語訳】 武庫川の流れが速いものだから、赤駒が足掻く水しぶきのために衣が濡れてしまった。
妻問いの例から
【歌】 佐保川の 小石踏み渡り ぬばたまの 黒馬の来る夜は 年にもあらぬか(巻四・525 大伴坂上郎女)
【口語訳】 佐保川の小石を踏み渡り、(ぬばたまの)黒馬の来る夜が、一年中ずっとあればよいのに。
【歌】 千鳥鳴く 佐保の川門の 瀬を広み 打橋渡す 汝が来と思へば (巻四・528 大伴坂上郎女)
【口語訳】 千鳥の鳴く佐保川の渡り場の瀬が広いので、板橋を渡します。あなたが来ると思うから。
 ここで、作者の大伴坂上郎女を訪ねてくる相手は藤原麻呂(不比等の第四子)。
決意の渡河の例
【歌】 人言を 繁み言痛み 己が世に いまだ渡らぬ 朝川渡る (巻二・116 但馬皇女)
【口語訳】 人の噂がしきりなので煩わしく思って、私の生涯まだ渡ったことのない、朝川を渡ります。
 題詞には、「但馬皇女が高市皇子の宮にいた時に、ひそかに穂積皇子と関係を結び、そのことが露見してお作りになった歌」とあり、『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注では、「川を渡るということは、止み難い恋の冒険、思い余って異性と情を通じるという寓意が認められる」と解説されています。
【歌】 世間(よのなか)の 女(をみな)にしあらば 我が渡る 痛背の川を 渡りかねめや (巻四・643 紀女郎)
【口語訳】 世の常の女であったら、私の渡るあなせの川を渡りかねることなどありましょうか
 題詞に「紀女郎の怨恨(うらみ)の歌」とあり、紀女郎は安貴王(あきのおほきみ)の妻と注記。
『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注には、「作者はなまじ身分があるばかりに今のところ誘惑にかろうじて耐えているというのであろう」とあります。『萬葉集全歌講義』では、「通常の女性であったら自分の恋を成就させるために実行するであろう行為を、自分は踏み切れず自制してしまう悔しさを詠む」とあります。
   
Posted by katakago at 15:51
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