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飛鳥を愛する会 秋季現地講座(淡路・讃岐・吉備の旅) [2016年10月06日(Thu)]
 10月2日から3日間、飛鳥を愛する会の現地講座に参加しました。今回は南海道の淡路国・讃岐国と、吉備南部の万葉故地と史跡を巡りました。
 以下主な見学の行程と、見学地の写真を簡単なメモとともに載せておきます。
【1日目】
 新大阪 → 大川公園・貴船神社遺跡(淡路市北淡町)→ 五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡(国史跡、淡路市黒谷)→ 飼飯の海 万葉歌碑(南あわじ市松帆)→ 淡路国分寺塔跡(国史跡、南あわじ市八木国分)→ 淳仁天皇陵(南あわじ市賀集)→ 南あわじ市福良泊
【2日目】
 富田茶臼山古墳(国史跡、さぬき市大川町)→ 石清尾山(いわせおやま)古墳群(国史跡、高松市鶴市町ほか)→ 屋島城(やしまのき)跡(高松市屋島)→ 讃岐国分寺跡(国特別史跡、高松市国分寺町)→ 網の浦 万葉歌碑(香川県綾歌郡宇多津町)→ さみねの島 万葉歌碑・柿本人麻呂碑・ナカンダ浜遺跡(坂出市沙弥島)→ 岡山県玉野市渋川泊
【3日目】
 神島 万葉歌碑(笠岡市神島(こうのしま))→ 行路死人歌 万葉歌碑(日光寺、笠岡市神島外浦)→ 箭田大塚古墳(国史跡、倉敷市真備)→ 多麻の浦 万葉歌碑(瀬戸内市邑久町、道の駅「一本松展望園」)→ 新大阪

【1日目】 
 貴船神社遺跡(弥生時代末期から奈良時代の製塩遺跡)
万葉歌にも、「名寸隅の 舟瀬ゆ見ゆる 淡路島 松帆の浦に 朝なぎに 玉藻刈りつつ 夕なぎに 藻塩焼きつつ 海人娘子 ありとは聞けど ・・・・」(E‐935 笠金村)とある。公園内の野島海人像(写真右後方)の台座正面にこの歌が張り付けられている。
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 五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡(弥生時代後期の国内最大級の鉄器製作遺跡)
写真中央の小屋は復元された鉄器工房(手前の田んぼには古代米が稔っていました) 
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 復元された建物内の様子(直径10.5m、柱の数は10本の大型建物)
工房跡の地面中央には、高熱で赤く変色している炉跡が発見されている。
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 飼飯(けひ)の海 万葉歌碑(南あわじ市松帆)
柿本朝臣人麻呂の羇旅の歌八首のうちの最後の歌 
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【歌】 飼飯の海の 庭良くあらし 刈り薦の 乱れて出づ見ゆ 海人の釣船 (B‐256 柿本人麻呂)
【口語訳】 飼飯の海は 良い漁場らしい (刈り薦の) 乱れて漕ぎ出すのが見える 海人の釣り船が

 1日目は、夕食後10時過ぎまで約2時間の講義がありました(この旅行は密度が濃い)。
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【2日目】
 富田茶臼山古墳
四国最大の前方後円墳(写真左が後円部、右が前方部で全長139m、築造は4世紀末と推定されている。
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 石清尾山(いわせおやま)古墳群(石清尾山の尾根上に築かれている、時期は4世紀中ごろから後半)
 石船積石塚(古墳の全長は約57mの前方後円墳)を見学。安山岩角礫を積み上げて築かれており積石塚と呼ぶ。後円部墳頂に刳り抜き式割竹形石棺(写真中央)があり、棺身には造り付けの枕がある。
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 後方部で岡崎先生の説明を聞く。
積石塚の築造年代は古墳時代で、香川のほか徳島・長崎・長野・山梨の一部地域に分布
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 屋島城(やしまのき)
『日本書紀』天智6年(667)11月条に、「倭国の安城(たかやすのき)・讃吉(さぬき)国の山田郡の屋嶋城・対馬国の金田城を築く」とある。白村江の敗戦後、中大兄皇子は唐・新羅軍の侵攻に備え、北部九州から瀬戸内海にかけて多くの山城を築いた。
復元整備された城門地区 
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 復元された城壁の前で木下先生の解説を聞く。
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 讃岐国分寺跡
講堂跡に建つ現本堂の手前には32個の金堂の礎石群が残る。
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 境内に残る塔礎石(中央が心礎)
心礎の中央には約40pの枘(ほぞ)穴が穿たれ、礎石の配置と心礎の大きさから、4間(約10m)四方の七重塔であったと推定されている。 
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 当時の伽藍配置は、中門・金堂・講堂が南北一直線に並び、中門と金堂を結ぶ回廊で囲まれた区画の東側に塔を置く「大官大寺式」(写真は高松市教育委員会設置の説明板より)。南海道諸国の国分寺では、春の講座で訪れた紀伊国分寺も同じ大官大寺式(塔は七重塔と推定されている)。
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 僧房跡(覆屋内で露出展示されている)
東西88m、南北16mで国分寺僧房としては最大級
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 網の浦 万葉歌碑(綾歌郡宇多津町、うだつ臨海公園内)
讃岐国安益郡(あやのこほり)に幸せる時に、軍王(いくさのおほきみ)、山を見て作る歌
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【長歌】 霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず むら肝の 心を痛み ぬえこ鳥 うらなけ居れば 玉だすき かけの宜しく 遠つ神 我が大君の 行幸の 山越す風の ひとり居る 我が衣手に 朝夕に かへらひぬれば ますらをと 思へる我も 草枕 旅にしあれば 思ひ遣る たづきを知らに 網の浦の 海人娘子らが 焼く塩の 思ひそ燃ゆる 我が下心 (@‐5)
【反歌】 山越しの 風を時じみ 寝る夜落ちず 家なる妹を かけて偲ひつ (@‐6)
 この歌については、1日目の夜の講義で坂本先生から詳しい話がありました。特に、長歌の「かけの宜しく」の「カク」の解釈に関して解説されました。集中の「口にかける」用例(6首7例)と「心にかける」用例(22首24例)をあげられ、「カク」の表現として「口にかく」に比べ「心にかく」のほうが一般的な表現であることを指摘され、特に「玉だすき かけの宜しく」のように「玉だすき」という枕詞で導かれる「カク」の用例は、「心にかく」の例(上記24例の中の11例)にしか見られないことより、ここの解釈は通説の「口にするのが好ましい」ではなく、「心にかける」意と解すべきであるとされました。この個所、当日の理解不足を坂本先生が書かれた「軍王の山を見る歌」『セミナー万葉の歌人と作品 第一巻』を参考に補いました。

 さみねの島の万葉歌碑(坂出市沙弥島)
歌碑の前で坂本先生の解説を聞く 
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 歌碑の拡大
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題詞に、讃岐の狭岑の島にして、石(いは)の中の死人を見て、柿本朝臣人麻呂が作る歌一首 幷せて短歌 とある。
【歌】 玉藻よし 讃岐の国は 国からか 見れども飽かぬ 神からか ここだ貴き 天地 日月と共に 足り行かむ 神の御面と 継ぎ来る 中の湊ゆ 船浮けて 我が漕ぎ来れば 時つ風 雲居に吹くに 沖見れば とゐ波立ち 辺を見れば 白波騒く いさなとり 海を恐み 行く船の 梶引き折りて をちこちの 島は多けど 名ぐはし 狭岑の島の 荒磯面に 廬りて見れば 波の音 繁き浜辺を しきたへの 枕になして 荒床に ころ臥す君が 家知らば 行きても告げむ 妻知らば 来も問はましを 玉桙の 道だに知らず おほほしく 待ちか恋ふらむ 愛しき妻らは (A‐220)
反歌二首
【歌】 妻もあらば 摘みて食げまし 沙弥の山 野の上のうはぎ 過ぎにけらずや (A‐221)【歌】 沖つ波 来寄する荒磯を しきたへの 枕とまきて 寝せる君かも (A‐222) 

 柿本人麻呂碑(上記の歌を記念して建てられた)
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 沙弥ナカンダ浜遺跡
弥生時代後期から古墳時代後期にかけての製塩遺跡として知られる。岡崎先生から説明を聞くころには日没近くとなりました(17:24)。
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 瀬戸中央自動車道の与島(よしま)PA
きれいな夕焼けを見ることができました(17:54)。
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【3日目】
 神島の万葉歌碑(遣新羅使人歌、笠岡市神島)
 この歌碑は、先月参加した全国万葉フォーラム(鞆の浦)のショートクルーズでは船上から遠望しました。
 歌碑の前で坂本先生の解説を聞く
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 歌碑の拡大
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【歌】 月読の 光を清み 神島の 磯廻の浦ゆ 船出す我は (N‐3599)
【口語訳】 月の光が 清らかなので 神島の 磯辺の浦から 船出するよわれわれは

 日光寺の行路死人歌の歌碑(歌の解説を坂本先生が書かれている)の前で
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 箭田大塚古墳(倉敷市真備町)の横穴式石室内を見学
 両袖式横穴式石室で、石室の全長は19.1m、玄室は長さ8.4m、幅3m、高さ3.5〜3.9m(石舞台古墳の巨大石室と遜色のない規模)。奥壁(写真中央奥)は1枚の巨石(鏡石と呼ばれる)で構築されている。
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 多麻の浦の万葉歌碑(遣新羅使人歌、瀬戸内市邑久町)
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【歌】 ぬばたまの 夜は明けぬらし 玉の浦に あさりする鶴 鳴き渡るなり (N‐3598)
【口語訳】 (ぬばたまの) 夜が明けたらしい 玉の浦で 餌を求めて鶴が 鳴いて飛んでいる

Posted by katakago at 11:46
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