たまに京都新聞2016年4月28日の記事そのまま [2016年04月30日(Sat)]
おひとりさま、連休どうする
未婚や配偶者との離別・死別などを理由に、独身のまま年を重ねる人が増えています。「おひとりさま」を対象にしたレジャーも多く、今では「一人参加限定パッケージツアー」や「一人カラオケ」、「一人焼き肉」もすっかり定着しました。さて、今週末から始まるゴールデンウイーク。「おひとりさま」で過ごす独身の人たちに、連休の楽しみ方を尋ねました。 ■趣味に没頭、つながりはネット 「待ちに待ったゴールデンウイーク。思う存分、趣味に打ち込みます」と話すのは、フリーライター高野俊一さん(53)=京都市中京区。高野さんの趣味は料理。離婚してから、料理の楽しさに目覚めたという。ライター稼業の傍ら、自分の作った料理のレシピをほぼ毎日ブログにアップする。「バツイチ独身」の「ひとり飯」をうたったブログは1カ月当たりの平均アクセス数が30万回を超える人気となり、2014年11月に書籍化された。 「無類の料理好き」を自認するが、やはり平日は仕事に追われてじっくり料理に取り組めない。オリジナルレシピを考えても試作ができず、ストレスがたまっている。連休はそんな自分を解き放ち、料理に没頭できる貴重な時間。「連休中はどこに行っても混雑していて疲れる。むしろ出かけず、家にいる時間を大事に使うのも有用な過ごし方ではないかと思う」 会社員井上雅之さん(39)=下京区=も、趣味の登山にいそしむ。毎年ゴールデンウイークに「定点観測のように」登るのが大津市の武奈ケ岳(標高約1214メートル)。午前7時から登り始め、同11時頃には山頂に着き、夕方までに帰宅するという。そんな日帰り登山を楽しんでいる。 初夏のこの時期の武奈ケ岳は林道に残雪が見られ、山中にトイレや自動販売機がないためか家族連れが少ない。「自然を体いっぱいに感じながら、静かに自分に向き合うことができる。人に囲まれた日常から離れ、心がデトックス(浄化)されるのを感じます」と話す。 派遣会社員牧野恵子さん(43)=東山区=は、まとまった休みが取れると、アート鑑賞の旅に出る。この連休は5月2〜5日の日程で、東京の三菱一号館美術館(千代田区)など都内複数の美術館やギャラリーをはしごする予定だ。 旅は友人連れではなく、あえて1人を選ぶ。「その方が、何かと気楽。旅程の変更も自由だし、直前で中止したって誰にも迷惑がかからない。旅先で知り合った人から新しい情報が聞けたり、予想外の展開になるのが面白いんですよ」と一人旅の醍醐味(だいごみ)を語る。 心に響く作品に出会った時、感動を共有する相手がいなくて寂しいと思う場合もあるが、そんな時はフェイスブックに投稿する。友人たちが共感の声や現地での展覧会情報を寄せてくれる。投稿への返信から、たまたま近くに友人が来ていることが分かり、そのまま合流したこともある。「急なハプニングや新たな仲間との出会いで、旅の内容がどんどん変わっていく。冒険気分を味わえるのも、一人旅ならではですね」 ■単身限定ツアーも充実 1人で行動する「おひとりさま」のニーズに応えようと、旅行業界も「一人参加限定パッケージツアー」の充実に力を入れる。 近畿日本ツーリストのグループ会社「クラブツーリズム」(東京都新宿区)は、業界に先駆けて1997年に「一人参加限定パッケージツアー」を発売。初年度は約2千人が利用した。 その後、右肩上がりに利用者は増え、ツアーの種類も増加。2014年度には国内・海外合わせて約千コースを実施し、利用者数は約4万2千人に上った。 初年度から一貫して人気なのが国内の離島巡りや地方の伝統的な祭りを見に行くツアー。複数の美術館を、バスや電車で効率よく回るツアーも好評だという。 同社広報担当によると、利用者の8割が50〜70代で、このうち7割が女性。旅慣れた人が多いといい、「旅の目的がはっきりしている。見たいものに集中でき、利用者同士で感動を分け合える点が人気の理由ではないか」と見ている。 2010年に参入した阪急交通社(大阪市)でも、地域の祭りや花火大会、離島の自然など内容を特化したツアーが人気。利用者の大半は50〜80代の女性といい、同社広報部は「夫と死別したり、友人が介護や育児で忙しくて同行者が見つからないケースも。1人でも積極的に社会と関わり、人生を楽しもうとする人が増えている」と考察している。 <メモ>単独世帯は27% 国勢調査によると、50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」は1990年以降に急増。90年に男性5・5%、女性4・3%だったのに対し、2010年には男性20・1%、女性10・6%に大幅に増えている。 また、厚生労働省が毎年行う「国民生活基礎調査」では、世帯人員が1人の「単独世帯」の数が全世帯数に占める割合が徐々に上昇。10年に25%を超え、14年には、調査が開始された1953年以降、最多の27・1%となった。 以上です【KB】 |
Posted by
大阪手をつなぐ育成会
at 00:59