太田 肇(著)
「がんばると迷惑な人」 (新潮新書)
720円(税抜き)
合理的手抜きが成果をあげる! ビジネスの質を高める画期的仕事論。
はりきるほど、ズレる。意欲はあるのに、スベる。やる気ばかりで、ツカえない。そんな人っていませんか? “努力は必ず実を結ぶ”は幻想です。重要なのは「がんばり」ではなく仕事の「質」。確実に成果を上げる「合理的手抜き」とは――。やる気を育む人事表彰制度、ムダを省く技術、野心を業績に変える思考法、部下の承認欲求に応える管理術、自営業集団としてのチーム運営など、“残念な働き方”にならない為の画期的提言。
目次です。
まえがき
第一章 なぜ「がんばり」が通用しなくなったのか?
1 IT革命のほんとうの意味とは
がんばる人は偉かった/九〇年代に異変が起きた/きっかけはIT革命/“がんばり”の通用する仕事が消えた!/“やる気”を管理できない時代に/これまでの強みが、弱みに
2 がんばると、仕事の質が下がる
努力の「量」と「質」は反比例/量の差はわずかだが、質の差は無限大/世界から取り残された日本企業/バブルに隠れて「病気」が進行/成果主義が招いた想定外の結果/時代に逆行、アベノミクスも“がんばり”の一手
第二章 「がんばる」と、なぜ迷惑になるのか?
1 「がんばる」と、迷惑な人
時代遅れのモットーを部下に押しつける課長/熱血教師のありがた迷惑/生きがいづくりの地域活動に翻弄される住民
2 日本人の“やる気”は最低だった
「意欲ある人」を採って大失敗/“やる気”の偽装/本物の“やる気”は日本人が最低/測れる「量」だけを重視する愚
3 “がんばり病”のパンデミック
無際限な“がんばり”を強要する装置/評価に情が入りやすい日本人/平等主義が“がんばり病”を助長/スポーツの世界にまで広がる汚染/能力開発の意欲を奪う/がんばるが、考えない部下/ムダな仕事を増やす「ファサード」/「がんばるフリ」の膨大なムダ/おしゃべりや雑談もむしろプラス/なぜ、日本はオフィスの生産性が低いのか/働かないフランス人に負けるワケ
4 「完璧」という名の怠惰
工場の流儀を引きずる/創造の世界に完璧はない/エリートの“がんばり”が引き起こす事件/心が乗っ取られると理性が失われる/“がんばり”に甘い日本人/「がんばる自分をほめたい」症候群/安倍内閣の目玉、女性活用にもマイナス
第三章 がんばらないで成果を出す方法とは?
1 「がんばらない」ほうがうまくいく
ダブルスタンダードのすすめ/人間関係は「テキトー」がいい/金魚すくいの法則/管理→依存→管理の悪循環を断つには/がんばらず、「考える」で増収増益の会社
2 “がんばり病”の予防法
楽をするのは悪いことか/「合理的な手抜き」を認める/相互監視体制を崩せ/オフィスのレイアウトを変えよう/過剰管理を防ぐ、組織のフラット化/「残業代ゼロ制度」も“がんばり”抑制に効果?
3 こうすれば努力の質は自ずと上がる
まずは、「創造の達人たち」に注目しよう/楽しさ、面白さの背後にあるもの/野心が努力の質を高める/野心の中心は名誉欲だった/“がんばり”ではなく、実績を称える表彰を/仮想知的所有権を広げよう/最後は自営業に学べ
第四章 これからのチームワークは、どうあるべきか?
1 “がんばり病”がチームまで冒す
同僚を助けない、情報は教えない/データが示す「ワイガヤは自己満足」/「一丸」ではもう勝てない/二種類のチームワーク/チームワークの軸が変わった!/結束は固く、変化にも強くなるには
2 「プロジェクトX」、隠れた成功の秘密
なぜ成功したのか/復活したチームワーク/健全なヒロイズムがチームを強くする/チームワークこそ自営業に学べ/「人を動かす」ためには
あとがき
引用文献
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