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新書 医療が日本の主力商品となる [2012年12月15日(Sat)]
真野 俊樹 (著)
「医療が日本の主力商品となる」 (ディスカヴァー携書)
¥ 1,050

日本には「医は仁術」という道徳観念があるが、医師がいくら誠実にやる気を出してみても、最新の医療設備、治験制度やITインフラで遅れをとってしまっては、
国内外の富裕層は、韓国やシンガポールなどの医療先進国で治療を受けるようになるだろう。

国民皆保険制度という手厚い医療制度がある日本が、適切かつ競争力のある医療産業を実現するためには、経営力が必要となり、マネジメントの手法が確立されなければならない。

本書は、日本における医療と経済の合流点を見据え、医療は産業であり、商品であるという視点から、新たな成長戦略に道を探る。
また、そのためには、医療側だけでなく個々人に何ができるのかも考察していく。

書評をひとつ紹介します。
これまで日本の医療制度は、世界に誇れるものだった。国民皆保険のおかげで患者側の負担は軽く、自由に病院を選べ、救急車も無料。極めてハイレベルな水準を維持してきたのだ。
ところが近年、医療崩壊が叫ばれ、日本の医療は先進国から後れを取り始めている。そこで、真野俊樹著「医療が日本の主力商品となる」(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1000円)では、優れていたはずの日本の医療の欠陥と、改善点を洗い出していく。
先頃ノーベル賞を受賞したiPS細胞の例のように、日本の基礎医学領域のレベルは非常に高い。しかし、応用研究領域になると話は別である。応用研究の代表は、ヒトに薬を投与して効果や安全性を見る「治験」である。しかし、日本の病院は規模が小さいこともあり、大規模な治験を実施する体制が整っていない。そのため、日本の研究者が新薬の候補となる物質を見つけても、外資の製薬会社が海外で治験を進め、日本より先に承認を得る例も珍しくない。
医療の進歩は、技術の進歩に比例している。つまり、医師にやる気や能力(ソフト)があっても、医療機器設備やITインフラ、産業政策(ハード)が伴わなければ、高度医療の提供はかなわない。日本では、電器産業やIT産業が赤字化に伴い先進国から後れを取り、これが医療にも影響を及ぼしている。さらに、日本では医療が聖域化され、産業政策が進んでいない。市場原理主義によるやみくもな価格競争は良くないが、企業同士の合併による競争力強化などは、今後、医療法人にも当てはめていくべきだと本書。
日本の医療が再び力を取り戻すための、新たな成長戦略を探っていく。

以上です。【KB】
Posted by 大阪手をつなぐ育成会 at 00:31
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