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河北新報2月4日の社説そのまま [2012年02月05日(Sun)]
社説:国際協同組合年/共助組織の意義、再評価

経済の低迷が続く。見通しが厳しいのは、失われた20年と言われる日本だけではない。

リーマン・ショック後、世界は民間金融機関が危機に直面し、今度はヨーロッパを中心に国家財政がソブリン・リスク(国債の信用不安)におびえる。私たちの暮らしは円高も含め、なお市場に翻弄(ほんろう)され続けている。

目を東日本大震災の被災地に転じる。二重ローン問題や復興資金の確保など、ここにも難題は山積する。

だが一方で、「絆」という言葉や、ボランティア活動に象徴される市場原理とは異なる共助の世界が光彩を放つ。人々はそこにあすへの希望を見いだす。

利益最優先とは一線を画す人のつながり、すなわち非営利組織が格差社会のひずみを是正し、社会の足腰を強くする力につながるのではないか。そんなビジョンを共有できるだろう。

国連は1957年から、年に一つ、時代を切り開く課題テーマを設定し、よりよい社会づくりを進めている。リーマンショック翌年の2009年の世界的経済危機のさなか、国連が決めた20
12年のテーマは「国際協同組合年」だ。

協同組合の根本原則は、組織を構成する個人・団体が目指す理念を相互扶助の形で実現することだ。そこでは株主の権利が肥大化した私企業とは違い、組織が利益を追求することは本来的に目的とはされない。

だからこそ、組合員の幸福度が増す。「一人は万人のために 万人は一人のために」。協同組合のキャッチフレーズである。

世界93カ国、249の団体が加盟する国際協同組合同盟傘下の組合員は10億人。世界最大の非政府組織(NGO)である。とはいえ、世界の人口から見れば、まだまだ発展の余地が大きい。協同組合の理念はもちろん、その役割の重要性を広くアピールしていく必要がある。

社会に競争は付きものだし、切磋琢磨(せっさたくま)を否定するわけにはいかない。だが、行き過ぎた競争がひずみを生むのも確かである。今の社会に必要なのは人々との「協同」であり、連帯に根差した社会づくりである。

極限に達した感のある市場原理主義の中で、非正規雇用、ワーキングプア、あるいは勝ち組や負け組といった言葉が生まれた。そんな温かみのない、理不尽な社会を私たちは目指したのだろうか。

単なる金もうけ主義ではない経済活動を。そんな意味から、「連帯経済」という言葉も使われるようになりつつある。これまでの経済が疎外してきた弱い立場の人々を、社会的な連帯で救っていこうという考え方だ。

その一翼を担うのが協同組合組織である。国際協同組合年に合わせ、国内の生協や農協などが加わって国際協同組合年全国実行委員会が組織化され、記念行事や啓発活動が繰り広げられる。

そうした活動を通じて、人に優しい経済、社会の仕組みが少しでも広がることに期待し、エールを送りたい。
Posted by 大阪手をつなぐ育成会 at 00:08
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