2010年7月21日(水)。
北海道庁赤れんが前庭で行われている「
北のめぐみ愛食フェア2010(7月21日(水)〜23日(金)」に行ってきました。
「北のめぐみ愛食フェア2010」とは、安全・安心で地域の個性豊かな食べ物を生産する人々と消費者の皆さんとの架け橋を目指すもの。
生産者と消費者の対面形式での楽しい会話を通して、生産者の人柄に触れ、旬の食材を楽しむことができます。
そして、愛食運動とは、安心・安全な食生活のために、地元でとれた農林水産物やその加工品を地元で消費する取り組みです。身近な道産食品の良さを理解し、愛用していこうとする運動で、「地産地消」「食育」及び北海道に合った「スローフード運動」を総合的に推進しています。
黒千石の販売@北のめぐみ愛食フェア2010(札幌市)当日21日、札幌はどんよりとした曇り空。東京と変わらぬ蒸し暑さでした。
北海道庁赤れんが前の庭を囲むように、42店舗がずらりと並び「いらっしゃいませ!」と元気な掛け声。訪れた人々は、珍しいものを試食しながら、生産者との会話を楽しんでいます。
北海道各地から届けられた、新鮮な野菜、果物、お米、豆、その他加工品等が、それぞれの個性をしっかりと主張。
その中で輝いていた「黒千石」。北海道女性農業者倶楽部(
マンマのネットワーク)が出店したブースで
黒千石事業協同組合の黒千石が販売されています。
ブースでは、黒千石事業協同組合会長・村井宣夫さん、理事長・高田幸男さん、女性農業者倶楽部の方々が、訪れた人々と会話を弾ませながら、黒千石等の素晴らしさを熱く語っていらっしゃいました。
一息付いた午後2時頃、お忙しい中、会長・村井宣夫さん(78歳)に貴重なお時間を戴き、お話しをお伺いすることができました。
北海道で、黒千石が栽培されるようになった経緯から現在に至るまでのお話です。
栃木県の納豆製造会社が、栄養価の高い黒大豆納豆の製造に着手しましたが上手くいかない。そこで「すずまる」という小粒大豆を使ったところとても評判がよかった。黒豆で小粒の大豆なら上手くいくかもしれないと、会社は豆を探していました。
そのことを知った村井さんは、小粒の黒大豆、すなわち「黒千石」の栽培に取り組むことになったのです。
北海道の農業専門家に研究を依頼したところ、小粒黒豆は暖かい所では育たず南限があること、また積算温度(実がなるまでの毎日の気温の総和)が2700度以上でないと完熟・成熟しないことが判明します。そこで、北海道空知での栽培は難しいと判断し、黒大豆原種を岩手県に持ち込んで栽培。栽培には成功したものの、土壌、湿度、気候等が影響し収穫量は少量でした。
村井さんは、それではと北海道にこの原種を持ち帰り、黒千石栽培に取り組みました。2004年、2005年と、北海道の大地での黒千石栽培は見事な収穫を納めます。
納豆製造会社が行った試食では、北海道産の黒千石の味の良さが群を抜いていました。
こうして黒千石の栽培には、北海道の気象条件がいかに適しているかが実証されたのです。
さらに、北海道大学の西村孝司教授が黒千石の機能分析を開始。
7種類の豆を調べた結果、黒千石には、イソフラボン、アントシアニン、ポリフェノールが、他の豆に比べて数倍も豊富であること。また、黒千石には、インターフェロンγ(ガンマ)が含まれていて、これが、人体内のリンパ球を刺激してがん細胞を抑制する作用や、アレルギー体質を改善できる可能性があることが判明したのです。
西村教授の研究により、黒千石には、免疫バランス調整機能があることが発見されました。(参照:
特定非営利活動法人イノムサポートセンター活動内容)。
これを機に、道内各地の農家で黒千石の関心が高まり、村井宣夫さんを会長とする黒千石事業協同組合が設立されました。
ここに至るまで、北海道農業の復興を目指し走り続けた村井さんの情熱・努力は計り知れません。
「農業で大切なことは、まず、土に力があること。そして品種が原種であること。黒千石こそ、原種そのものなのです。北海道は昼夜の温度差が大きく、肥沃な土地、清らかな水、農作物が育つのにとても適した地です。その北海道で栽培された、農家の想いが伝わる安全な農産物を、日本中の消費者に届けたいのです」
村井さんの農業に対する熱い想いが、伝わってきて深く感動しました。
その他、現代の食生活の乱れによる子供達への影響の大きさ等、村井さんの鋭い視点からの問題点を沢山お伺いし、あっという間の1時間半でした。
多くの素晴らしい感動をありがとうございました。
村井宣夫さん・黒千石事業協同組合会長
@北のめぐみ愛食フェア2010(北海道札幌市)太陽の光をエネルギーにして、自然のままに生きていく原種・黒千石の
無限の力強い、偉大なるパワーに
大いなる愛と感謝と笑顔をこめて
◇ いくこ&のぼる
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<< 参考情報 ・ 西村教授の講演会が 8/5 北竜町で開催されます!>>
講演会
「食と健康・環境・医療」 〜 体内環境の改善を目指して〜 」
“ 今、子供の健康が危ない ”と言われている!!
体内環境(免疫バランス)の改善を目指した機能性素材の研究が重要
■日時:
2010年8月5日(木)14:00〜
■場所: 北竜町公民館 大ホール
(〒078-2512 北海道雨竜郡北竜町字和10番地の1
Tel: 0164-34-2553)
■主催: 黒千石事業協同組合
■後援: 北竜町
■講師: 北海道大学 遺伝子病制御研究所・免疫制御分野
西村 孝司 教授
藤女子大学 人間生活学部食物栄養学科
三田村 理恵子 准教授
■講師プロフィール(敬称略)
西村 孝司(にしむらたかし)
北海道大学遺伝子制御研究所・免疫制御分野/ROYCE'健康バイオ研究部門教授・NPOイムノサポートセンター理事長
東北大学大学院薬学研究科終了、米国ハーバード大学医学部ダナファーバ癌研究所留学、東北大学医学部第三解剖学講座助教授、東海大学医学部助教授、遺伝子工学・細胞移植研究センター次長等を経て1999年(平成11年)9月より現職。
イムノリゾート構想策定にも関わるほか、食・健康・環境・医療と観光を結びつけた事業を展開する「NPO法人イムノサポートセンター」設立参画、理事長に就任。
三田村 理恵子(みたむら りえこ)
専門分野は栄養学、食生活学で科学的根拠に基づいた食育の実践を目指し、保育園をフィールドとして研究を行っている。
NPOイムノサポートセンターとの連携で、子供と保護者を対象とした食と免疫の体験学習や、メタボ対策ツアーの食育指導、メニュー開発などを行っている。
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