宝立小学校の遠足 [2012年10月25日(Thu)]
10月24日(水)には、宝立小学校の5、6年生の児童22名が遠足に来てくれました。宝立小学校の児童は自転車で自然学校まで来てくれました。宝立小学校から自然学校までは、自転車でおよそ14kmちょっと、約1時間以上の時間がかかりますが、宝立小学校の児童は頑張りました。自然学校へ来る前にも、上戸町の倒さスギなどを見てから自然学校へ来たというので1時間以上かけて自転車に乗ってきたことになりますが、到着した児童達はとても元気です。少しの休憩の後、午前のプログラムである保全林の見学に向かいました。午前の案内をするのは、前日同様に元いきものマイスタースタッフの佐野氏です。
午後には、ビオトープで生き物の観察を行いました。ビオトープまでは、車に気を付けながら10分程歩いて移動します。ビオトープでは、児童に網と容器を持って貰い、ビオトープ内のあちこちで生き物を掬って貰いました。ビオトープではメダカ、ドジョウ、タニシ、マツモムシ、オオコオイムシ、クロスジギンヤンマ幼虫、ショウジョウトンボ幼虫、ヒメガムシ、コガシラミズムシ、ヒメゲンゴロウ、クロゲンゴロウ、コガムシなどが採集されました。クロゲンゴロウは体長2センチにも及ぶ大型のゲンゴロウです。全国各地で減少した大型ゲンゴロウであり、クロゲンゴロウも石川県では絶滅危惧U類とされていますが、自然学校周辺やこのビオトープではまだまだ沢山見られます。普段見たことのない、大型のゲンゴロウの迫力には児童も驚いた様子で、児童は先を争ってクロゲンゴロウを探していましたが、大きさが近いオオコオイムシという水生昆虫をゲンゴロウと思ってしまった児童も多かったようです。 尚、コガムシは全国的には比較的普通ですが、石川県では舳倉島という輪島市の離島以外に殆ど記録がなく、県の絶滅危惧T類とされてきた希少種でしたが、この2〜3年では珠洲市の各地で時折見つかるようになりました。しかし、何故今まで殆ど見つからなかったのか、そして近年見つかるようになったのか、その理由はよくわかっていません。 採集を終えて貰った後は、集めた生き物について説明を行いました。更に「能登のいきもの大図鑑1 水辺の甲虫・カメムシ編」のコピー(下敷きは殆ど残っていない為、今回は配布出来ませんでした)を使って、水生昆虫の見分けもして貰いました。 みんなが混同してしまったクロゲンゴロウとオオコオイムシについても、見分け方法を説明しました。特にオオコオイムシがカメムシに共通のストロー状の刺す口を持っていることからカメムシの仲間だと説明したところ驚きの声が上がりました。もっとも、カメムシの仲間といってもオオコオイムシを臭がる人は。あまりいないようです。 これで遠足のプログラム全てを終え、宝立小学校の遠足は終了です。宝立小学校の児童は、事故に遭わないように気を付けながら、約14キロを1時間以上かけて自転車で帰ります。 2日間のうちに2つの小学校が、遠足の為に自然学校を利用してくれました。これからも、地域の児童達には楽しみながら地域の里山と人との関係について学んで貰えるように、沢山のお手伝いをしたいですね。 |