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宝立小学校の遠足 [2012年10月25日(Thu)]
10月24日(水)には、宝立小学校の5、6年生の児童22名が遠足に来てくれました。宝立小学校の児童は自転車で自然学校まで来てくれました。宝立小学校から自然学校までは、自転車でおよそ14kmちょっと、約1時間以上の時間がかかりますが、宝立小学校の児童は頑張りました。自然学校へ来る前にも、上戸町の倒さスギなどを見てから自然学校へ来たというので1時間以上かけて自転車に乗ってきたことになりますが、到着した児童達はとても元気です。少しの休憩の後、午前のプログラムである保全林の見学に向かいました。午前の案内をするのは、前日同様に元いきものマイスタースタッフの佐野氏です。

午後には、ビオトープで生き物の観察を行いました。ビオトープまでは、車に気を付けながら10分程歩いて移動します。ビオトープでは、児童に網と容器を持って貰い、ビオトープ内のあちこちで生き物を掬って貰いました。ビオトープではメダカ、ドジョウ、タニシ、マツモムシ、オオコオイムシ、クロスジギンヤンマ幼虫、ショウジョウトンボ幼虫、ヒメガムシ、コガシラミズムシ、ヒメゲンゴロウ、クロゲンゴロウ、コガムシなどが採集されました。クロゲンゴロウは体長2センチにも及ぶ大型のゲンゴロウです。全国各地で減少した大型ゲンゴロウであり、クロゲンゴロウも石川県では絶滅危惧U類とされていますが、自然学校周辺やこのビオトープではまだまだ沢山見られます。普段見たことのない、大型のゲンゴロウの迫力には児童も驚いた様子で、児童は先を争ってクロゲンゴロウを探していましたが、大きさが近いオオコオイムシという水生昆虫をゲンゴロウと思ってしまった児童も多かったようです。
尚、コガムシは全国的には比較的普通ですが、石川県では舳倉島という輪島市の離島以外に殆ど記録がなく、県の絶滅危惧T類とされてきた希少種でしたが、この2〜3年では珠洲市の各地で時折見つかるようになりました。しかし、何故今まで殆ど見つからなかったのか、そして近年見つかるようになったのか、その理由はよくわかっていません。
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採集を終えて貰った後は、集めた生き物について説明を行いました。更に「能登のいきもの大図鑑1 水辺の甲虫・カメムシ編」のコピー(下敷きは殆ど残っていない為、今回は配布出来ませんでした)を使って、水生昆虫の見分けもして貰いました。
みんなが混同してしまったクロゲンゴロウとオオコオイムシについても、見分け方法を説明しました。特にオオコオイムシがカメムシに共通のストロー状の刺す口を持っていることからカメムシの仲間だと説明したところ驚きの声が上がりました。もっとも、カメムシの仲間といってもオオコオイムシを臭がる人は。あまりいないようです。


これで遠足のプログラム全てを終え、宝立小学校の遠足は終了です。宝立小学校の児童は、事故に遭わないように気を付けながら、約14キロを1時間以上かけて自転車で帰ります。


2日間のうちに2つの小学校が、遠足の為に自然学校を利用してくれました。これからも、地域の児童達には楽しみながら地域の里山と人との関係について学んで貰えるように、沢山のお手伝いをしたいですね。
三崎小学校の遠足 [2012年10月25日(Thu)]
先日、珠洲市内の小学校が遠足にやってきてくれました。10月23日には三崎小学校、24日には宝立小学校でした。遠足の午後に実施した、珠洲の里山の生き物紹介について、ブログ担当の筆者案内をさせて頂きましたので、ブログで報告したいと思います。

10月23日(火)には、飯田小学校の5、6年生39名の児童が遠足に来てくれました。午前中には自然学校が管理する保全林、午後には味噌池ビオトープを案内する予定でしたが、この日は残念ながら1日中雨でした。小雨程度であれば外に出たかったのですが、当初の日程を変更し、屋内のプログラムを実施しました。
午前には赤石研究員が自然学校の活動、地域の里山の自然と人の暮らしとの関わりについて説明を行い、更に自然学校内を案内して、自然学校の活動を紹介しました。次に元いきものマイスタースタッフである佐野氏であり、現在も自然学校のお手伝いなどをしてくれている佐野さんが、樹木の種類当てクイズや薪割り体験の案内をしました。

午後からは、筆者である私、野村が能登の溜め池や水田に棲む生き物と人との関わりについてお話をさせて頂きました。まず、自然学校1階の資料室に案内します。今回来てくれた児童は施設見学という授業で自然学校に来てくれたことがあるので、今回はおさらいを兼ねてお話をしました。燃料革命や流通、産業の発達により里山が利用されなくなったことで里山が荒れてしまい、里山の雑木林が老木で一杯になりキノコも生えにくくなったこと、里山に棲んでいた身近な生き物が棲み場を失ってしまったことを説明しました。それを踏まえ、もう一度里山を整備して里山資源を利用すると共に、里山の生き物をもう一度呼び戻すことの大切さについてお話をしました。

最後に、予め周辺の溜め池でツチガエルというカエルを採集して、いきものマイスターで作成した「能登のいきもの大図鑑2 カエル編」を使用して、カエルの種類当てに挑戦して貰いました。これも班ごとに分かれて、考えて貰います。カエルが苦手な子もいましたが、頑張って全ての班が正解を出してくれました。
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雨の為に全て屋内でのプログラムとなりましたが、児童には奥能登の里山と人、生き物と人との関わりについて楽しみながら学んで貰えたと思います。
次のブログでは、翌日の10月24日に来た宝立小学校の遠足について報告します。
農家自身が伝える、田んぼの生き物と地域の農業の繋がり [2012年10月09日(Tue)]
2012年10月7日(日)に、輪島市三井町市ノ坂の里山での里山歩き「まるやま組」が開催されました。いきものマイスターの受講生である新井寛さんが、いきものマイスターの課題として今回のまるやま組で、水田の生き物の観察会を実施しましたので、報告させて頂きます。

まるやま組は、いきものマイスター1期生である萩野由紀さんご家族が中心になって、輪島市三井町市ノ坂の里山、通称「円山」で月1回実施されている里山歩きです。円山は1991年から殆どの圃場が放棄されていましたが、2009年には環境モニタリングサイト1000の一般サイトとして、地域住民と植物の専門家である金沢大学の伊藤浩二氏による植物調査が開始されました。更に、新井さんはこの年に輪島市に移住して就農して稲作を始めています。2010年からはまるやま組が始まり、先述の植物調査もまるやま組に合わせて実施されるようになりました。
尚、いきものマイスターは過去にもまるやま組で講義をしていますので、こちらこちらをご覧下さい。

新井さんはまるやまで、無農薬・無施肥・不耕起による環境配慮、食の安全を重視した拘りの米作りを実施して、消費者からの評判を呼んでいます。新井さんは環境配慮や食の安全を消費者に伝える為に、自身のホームページ「無農薬玄米輪島エコ自然農園」とブログにおいて、自身の水田とそこに棲む生き物のことを発信するようになり、自分の水田の紹介の為に生き物のことをもっとしっかりと知って発信する為に、今年度のいきものマイスターを受講して下さることになりました。
新井さんは今回、農家の立場から田んぼの生き物と地域の農業との繋がりを伝える為に、いきものマイスターの課題として田んぼの生き物の観察会を実施しました。


参加者同士の簡単な自己紹介の後、最初には毎回実施されている伊藤浩二氏の案内によるまるやまの植物観察が実施されました。植物観察会では参加者が1人5種を目標として、まるやまのコース内の植物(花・種・実があるものに限定)を集めます。集められた植物は並べられて、伊藤氏が名前と生態について説明して下さいます。この日は20種ほどの植物が集まりました。伊藤氏は、秋らしい植物が集まったこと、11月以降は今回の半分くらいに植物の種数も減少するだろうと説明して下さいました。
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尚、この時説明して頂いた植物としては、アケビ、オヤマボクチ、ツリガネニンジン、シロバナイヌタデ、アキノキリンソウ、ヒヨドリバナ、オトコエシなどでした。

植物観察が終わり、いよいよ新井さんの案内による水田の生き物観察会開始です。稲刈りの為に水田の水は殆ど抜かれていますが、水田周辺の水路には水が残り、水田の生き物が多数集まっています。参加者は、今回の為に用意されたたも網や容器を持って、生き物を掬い採ります。ドジョウ、メダカなどの魚、ヒメゲンゴロウ、マツモムシ、オオコオイムシなどの水田に棲む水生昆虫が多数集まりました。更には、全国は勿論のこと、能登でも最近は少なくなったゲンゴロウガムシのような大型の水生昆虫も見つかりました。体長が4センチにも及ぶゲンゴロウは特に迫力満点です。

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集められた水田の生き物については、今回の為に用意した資料を元に新井さんが説明を行いました。新井さんは生き物が入った容器を見やすく並べて、資料の写真を見せながら、1種1種丁寧に説明をして下さいました。自分の田んぼで採れた生き物を伝えたいという熱意が籠った説明に対して、参加者からの熱心な質問や意見が相次ぎました。特に今回の観察会で顕著だったのは、生き物への関心は勿論ですが、それ以上に「消費者へのアピールには、何をしていますか?」「水田を始めたことで、生き物は増えましたか?」「米作りと水田の関係について知りたい」「生き物に対する、水田や水路の役割について知りたい」などの、新井さんの田んぼについての質問や意見が非常に多かったことです。これは従来行われてきたような、生き物の専門家による観察会では実現出来ないでしょう。今回の観察会では、課題の為にアンケートも実施しました。アンケートでも、やはり新井さんの田んぼに対する関心の高さや、新井さんの真摯な説明に対する感想が多く寄せられました。
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今回の観察会は、今まで実施されてきたどんな観察会よりも、田んぼに対して関心を持って貰えたことと思います。

尚、この日に見られた生き物はゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、コツブゲンゴロウ、ガムシ、ヒメガムシ、オオコオイムシ、マツモムシ、コミズムシ類、オニヤンマ幼虫、アカハライモリ、ドジョウ、メダカなどでした。

観察会の後は、みんなが楽しみにしていた食事です。この日の食事は、コンロや机を持ち込んで、野外でとりました。食卓には、まるやま組で栽培したエンドウ豆、「ごじる」という郷土料理、更にはビールまで振舞われました。

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食事の後には、この日に参加して下さった金沢大学の鈴木克徳教授に、ご自身が専門とされているESDについて講義をして頂きました。ESDとはEducation for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)のことを指し、各国の政府や国連、更に日本では民間による取り組みが進められています。聞き慣れない言葉でちょっと難しそうですが、鈴木先生はESDについて身近な例を挙げて説明して下さいました。特に、私達の子供達の為に、持続可能で公正な社会を作ることの大切さを例に、(1)子供達に、身の回りの文化や自然を伝える、(2)知識の詰め込みではなく、自分で考える力をつける、(3)実践力を見につける、というごく当たり前で分かりやすい具体的な目的を挙げて下さいました。
更に、地域の人達がその価値に気付かず暮らしている能登は、東京から見れば地域同士、地域と環境との繋がりが今も生き続けている、実に贅沢な地域であると話して下さいました。
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あっという間の1日でしたが、子供にとっても大人にとっても、良く遊び良く学んだ1日になりました。水田が身近な生き物の棲み場所であることを知り、味わって地の食材の美味しさを知り、最後には大学の先生による出張授業までと、至れり尽くせりの実に贅沢な1日です。地元の農家、公務員、研究者など層を問わず多様な人が集まるまるやま組らしい、実に多彩なプログラムです。
皆様も、機会があれば是非まるやま組に参加してみて下さい。
飯田小学校の親子会 [2012年10月06日(Sat)]
2012年10月6日(土)、珠洲市の飯田小学校3年生の親子が、親子会の為に、いきものマイスターの拠点である里山里海自然学校へ来てくれました。いきものマイスタースタッフの赤石と、筆者である野村が、親子会の案内を務めさせて頂きました。

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参加してくれた親子は、全部で40人です。キノコ採り班と虫採り班の2班に分かれて、自然学校が管理する保全林を散策して貰います。キノコ班は赤石が、虫採り班は筆者が担当しました。キノコ班の赤石は、受講生の1人に作って貰ったばかりのキノコ帽子をかぶって登場しました。キノコ博士ということで、博士らしい帽子までついているという、懲りようです。尚、この帽子は正式にはモルタルボードというそうです。


虫採り班、キノコ班共に自然学校を出発し、保全林まで約10分ほどかけて歩きます。勿論、面白そうなものを見つけたら立ち止まって、みんなで観察です。
虫採り班は、保全林に隣接する溜め池で水の生き物探しをしました。自然学校周辺には大小様々な溜め池や沼地が多く、保全林への途上にも4つの小さな池がありましたが、今年の雨不足の為に水位が大変低く、そのうち1つは干上がる寸前でした。農家の人達は水の確保に敏感な為、今年の夏頃からよく水が少ないと心配そうに話していましたが、普通に生活していると、やはり雨不足を実感する機会は少ないらしく、池の水の少なさに子供達は驚いているようでした。

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目的地の溜め池も水が減少して浅瀬が露出してしまいましたが、何とか網で掬って生き物を探すことは出来そうです。しかし浅瀬は水が引いたものの泥深く、油断して入ると足を取られてしまいます。虫採り班の親子には注意して貰いながら、みんなで溜め池と、溜め池周りの水路やためますをたも網で掬ってみると、ツチカエルやメダカ、ヒメゲンゴロウ、ヒメガムシなどの生き物が沢山網に入りました。メダカは現在、日本全国で減少していますが、奥能登では溜め池や河川などでしばしば見られます。この溜め池には普通に棲んでいるようでした。
水生昆虫としては、溜め池や水田に多いヒメゲンゴロウやヒメガムシなどが多く見られました。ヒメゲンゴロウやヒメガムシは体長10〜12mm程度の水生昆虫です。カブトムシと同じコウチュウ目に属していて、背中は硬い甲羅状の翅(はね)で覆われています。夏には水田で多く見られますが、水田に水がない秋以降は、溜め池に集まっているようです。非常に多く見られました。
このヒメゲンゴロウやヒメガムシを手に乗せて暫く眺めていると、翅を開いて飛んで行きます。水生昆虫の多くはこうして、水田や溜め池などの水域間を飛んで行き来しているのです。水の生き物が飛べることを知らない児童も多く、子供達は自分も飛ばせてみたいと興味津々の様子でした。

虫採りを終えた児童からは、時期によって見られる生き物の違いなど、水の生き物について色々と質問がありました。子供達には、とても楽しんで貰えたようです。

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キノコ班は、保全林で沢山のキノコを持ち帰りました。殆どは食べられないキノコだったようですが、持ち帰ったキノコのうち食用になるオオクロニガイグチ、ヌメリイグチ、ヤマドリタケモドキ、セイタカイグチの4種は参加者で食べてみました。お昼には、お母さん達が腕を奮ってくれた昼食をみんなで美味しく頂き、解散です。参加してくれた児童には、今日見たカエルについておさらいして貰う為に、いきものマイスターが制作した「能登のいきもの大図鑑2 能登のカエル編」を持ち帰って貰いました。

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最後に、お母さん達が腕を奮った昼食を美味しく頂いて、解散です。3時間程度の短いスケジュールでしたが、親子で一緒に自然に親しんで貰うことで、能登の里山に棲む身近な生き物と里山との関わりを実感して貰えたのではないでしょうか。飯田小学校の児童達には、また遊びに来て貰いたいと思います。
冬山「里山祭」山笑い見学 [2012年03月05日(Mon)]
2012年2月18日・19日、白山市木滑で行われた冬山「里山祭」山笑いを見学してきました。
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木滑集落は金沢市の中心部から車で約1時間、白山の麓の山間部に囲まれた20軒ほどの小さな集落です。この木滑の魅力を伝える為の「木滑里山保全プロジェクト」が催す「山笑い」は2011年度冬から始まり、夏や秋に実施したものを含めると今回で5回目となります。尚、夏山「里山祭」山笑い(2011年8月27日・28日)の初日には、講義としていきものマイスターで訪問しています。

私達が訪問したのは山笑い前日の2月18日(土)です。この日は地元民、ボランティアなどを含めた約30名が準備に大忙しの様子です。会場の一部である木滑神社の周りには、雪遊びが出来るように、かまくらなどが作られていました。私達もかまくら作りをお手伝いしました。
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今回の山笑いでは「里山ホームステイ」という企画により、希望者5組が木滑の民家にお泊りをします。受付終了予定の17時までにホームステイ参加者が集まりました。この後、地元の研修・交流施設「白山里」の日帰り温泉に浸かった後、各滞在家庭を訪問です。
気さくな地元の方の人柄に触れながら家庭料理を頂くホームステイは最高でした。今度はお土産を持ってお礼に伺いたいと思います。

19日当日は、雪も収まり晴天に恵まれました。この日に行われた企画は、かんじきで雪山を歩く「里山ウォーク」、地元のおじいちゃん達からわら細工や手遊びを習う「里山の手あそび」、里山のご馳走が並ぶ「木滑神社市」、ほんこさん(報恩講)など大事な集まりで使う為の貴重な御膳で頂く「冬の里山料理店」などです。

「かんじきウォーク」では、かんじきを履いて冬の雪山歩きを体験します。案内して下さるのは地元の猟師の方です。生き物の足跡を見つけては、それがニホンザルやウサギの足跡であると解説してくれました。木滑には他に、カモシカ、テン、キツネ、リス、キジ、ツキノワグマ、イノシシなどがいるそうです。更には遠方にニホンザルの群れを見つけて、参加者らに双眼鏡で群れを見せてくれました。かんじきウォークは午前と午後の2回が行われましたが、両方に参加した元気な児童もいたようです。

案内してくれた猟師の方は、里山の食べ物が豊富な年のイノシシやクマは脂肪が多くて肉も美味しいといいます。また、自分達が子供の頃にはまだイノシシがいなかったことを話してくれました。里山の変化に一番敏感なのは、こうした山の生活をしている人達です。冬山に入る生活が失われつつある今日でも、この木滑では冬山の生活が今も根付いていることが実感出来る催しでした。
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「木滑神社市」は、里山の美味しいもので一杯です。焼きおにぎり、山菜おこわ、大根の漬物や山菜のお惣菜、なめこ汁、甘酒など、目移りしてしまいそうなものばかりです。市では餅つき大会が行われ、訪問客に振舞われました。つきたてのお餅の味は格別です。更には、木滑の環境配慮型水田で作られたお米「山笑米」が売れていきます。
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「冬の里山料理店」では、ほんこさんで使用されてきた輪島塗りの御膳に載せて、里山の料理が振舞われました。尚、今回の為に用意された御膳と器は、昭和44年頃からずっと蔵にしまわれたままのものでした。かつての木滑では、地域の冠婚葬祭は各家庭で行われていましたが、今では専用の施設など外部で行うようになった為に、自宅で御膳を使う機会がなくなってしまったそうです。「冬の里山料理店」が、こうした地域の伝統と暮らしを見直すきっかけになればいいですね。

「里山の手あそび」ではわらじの1種「あしなか」などの編み方を、地元の達人から習います。参加者の1人は、地元のおじいちゃん・おばあちゃん達の技術に舌を巻いていました。地域の伝統技術をこのように地域内外の人に親しんで貰うことは、伝統技術の保存と伝達にも大切なことです。地域のおじいちゃん・おばあちゃん達も、自分達の技術や文化の大切さを実感出来たのではないでしょうか?

雪遊びの会場では、子供達がそりで滑って、更にはかまくらに入って遊んでいます。大人まで、そりで楽しそうに滑っています。踏み固めた場所以外の雪は柔らかく、子供がすっぽり入ってしまえば危険です。スタッフは子供達を楽しませつつ、危険な場所に踏み込まないようにしっかりと見張っています。安全の確保も、イベントにとっては大切です。

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今回の「山笑い」では親子連れが多かった他、スタッフによればリピーターも多かったそうです。「山笑い」が回数を重ねることで確実に知名度を上げ、地域活性化の為の効果が現れ始めているのかもしれません。この「山笑い」をどうか長く続けることで地域の連帯感を強め、内外に木滑の自然と里山の暮らしの大切さを伝えると共に、地域の活性化成功に繋がることを、参加者の1人として願ってやみません。
三崎中学校の体験授業 [2011年10月07日(Fri)]
先日のブログでも紹介した、三崎中学校の体験授業の2回目が10月5日(木)にありましたので、紹介します。


自然学校の建物の中で全て行われた第1回の授業と異なり、今回は里山里海自然学校の管理する保全林を使った野外授業です。ちょっと前に野外での体験授業に来てくれた三崎小学校同様に、保全林までの道のりの林道を、色んなものを観察しながら歩きます。

樹木の説明を行う為、一度歩みを止めて解説を行います。


ここでは県木のアテと、杉について紹介を行います。アテとはアスナロの変種であるヒノキアスナロの石川での呼び名のことです。このアテは、県外では東北地方から北海道を中心に分布しています。石川県内では能登に多く分布し、珠洲市の宝立山にはアテの自然林が見られます。このアテは、輪島漆器の木地など木材として利用されてきた木です。今でも能登の里山には多く見られます。アテの分布する林にはよくアテの葉が落ちていますが、特徴的な外観をしているのですぐにわかります。

アテの見分け方を勉強して貰ったら、いよいよ保全林に到着です。保全林では隣接する整備前の林と、整備された保全林を見比べて貰います。整備前の林は踏み入る隙間もなく木が密生していて、鬱蒼とした暗い環境です。こうした林は生き物にとっても棲みにくく、食用となるキノコもあまり生えません。人にとっても、利用しにくい林です。
一方、整備された保全林は適度に木が伐採されていて、光も適度に届きます。こうした林には食用となるキノコも良く生えます。落ち葉や枯れ枝も本来であれば肥料や燃料として採取される為、地面も適度に整備されます。このように、里山の再生サイクルがそこには出来上がるのです。


里山の勉強を済ませたら、今度は実技の時間です。実際に体を動かして貰い、里山整備を体験して貰いましょう。
整備、といっても実に簡単な作業です。林内に溜まった枯れ木を運び出して一か所に集めるだけです。人数も25人ほどいますので、みんんなで手分けして貰って、枯れ木を運び出して貰いましょう。バケツリレーの要領で、奥にある枯れ木を道沿いまで運び出します。
作業の途中で、大きなナメクジをみつけました。体長は6cm以上あります。こんな巨大ナメクジ、普段の生活では見かけることなんてありませんが、里山の地面や土壌では、こんな生き物が人知れず活動しています。みんな、その迫力に驚きながらも、怖いもの見たさで集まってきます。
ちなみに、ここで豆知識を1つ。ナメクジカタツムリは分類的にはとても近い仲間なんです。



枯れ木の除去作業を終え、この日の里山での体験授業は終了です。帰ってからも、今日の体験授業を少しでも思い出して、能登の里山のことを考えるきっかけにして貰えるといいですね。
三崎中学校の里山学習 [2011年10月05日(Wed)]
9月28日、近隣の三崎中学校の生徒25人が体験学習に来てくれましたので、その様子を紹介します。


まずは自然学校の誇る(?)サロンルームにて、ビデオを見て貰います。
ビデオは2年ほど前にテレビ金沢で放映されたもので、自然学校のスタッフが水田のゲンゴロウ類調査を取材しながら、ゲンゴロウを通じて里山の抱える課題を紹介するという内容です。このビデオを見て、里山の生き物について勉強して貰いました。


次に、サロンルームに展示してあるボードを見て貰い、能登半島で行われている取り組みを学んで貰います。尚、このボードは金沢大学が昨年のCOP10会場に展示する為に作成したものです。


次に、施設内の案内を行います。里山学習や見学者には必ず見て貰っている、里山展示室を案内します。この里山展示室は何度もこのブログで紹介していますが、ここでは里山の生活にまつわる過去と現在、そして保全の為の取り組みを数枚のパネルで紹介しています。そのパネルに従って、里山の紹介を行います。

全国で行われていたように、ここ珠洲でも里山に依存した生活がありました。生活の燃料の為には木々を伐って薪や炭にしました。また、塩作りが珠洲の重要な産業であった頃には揚げ浜式塩田という海水を煮詰めて塩を採る方法によって多くの薪が使用され、それに伴い多くのマツが植えられ、持続可能な里山再生のサイクルがそこに成立していました。交通が未発達な時代には人や馬、船(北前船)など流通手段は限られていたことから、人々の生活は基本的に自給自足であり、山や海での採取や農業によって人々は生活していました。
今日ではガスや電気が普及したエネルギー事情の変化(エネルギー革命)、そして交通網及び流通網の発達は薪や炭といった里山で得られる燃料を不要としてしまいました。遠方からの食品もスーパーに多く並ぶようになり、自給自足の里山に依存する生活は大きく変貌しました。その結果放置された里山は再生のサイクルが滞って荒廃してしまい、人々の利用に適さなくなってしまいました。人々が利用し続けることで、初めて里山は持続可能な環境となります。
環境問題や過疎高齢化など地域の問題が注目される今日、里山は地域の農村地域に持続可能な生活をもたらす新たなモデルとして見直しが進んでいます。里山保全とその紹介は、自然学校にとって非常に大切な役目なのです。

お話ばかりでは大変なので、展示室で飼育しているゲンゴロウを見て貰うことにします。大きさにはやはりビックリのようです。身近な溜め池や水田にこんな生き物がいるのを知らない生徒も少なくないようです。ゲンゴロウを見て貰いながら、こうしたゲンゴロウ類が棲む溜め池も里山の環境の一部であり、農業をやめれば溜め池が荒廃してゲンゴロウ類も棲めなくなることを話しました。


この後は自然学校の屋上を案内して海を案内して貰った後に、本日の振り返りです。
今回の授業で学んだことをまとめて貰い、最後に質問の時間です。多くの質問が飛び交いました。
この日の体験授業はこれで終了ですが、次回は1週間後の10月5日(水)に野外学習です。次回のブログでは、野外学習の様子を紹介します。

小学生の体験学習2 [2011年10月05日(Wed)]
前々回のブログ(9月20日)では、三崎小学校による体験授業の様子をお伝えしました。その1週間後の9月27日(火)
には、体験授業第2回目を行いましたので、お伝えします。

1回目は雨に見舞われた為に室内での体験授業となりましたが、今回は天候にも恵まれた野外活動日和です。
せっかくなので、徒歩でお出かけです。

野外活動を行うのは自然学校が管理する保全林までは徒歩で10分ほども道のりです。保全林に到着するまでにも、色んんな発見がありました。

近所の畑のイチジクに、みんな興味津々です。真下から上を見上げると、イチジクの実がいっぱいです。よく見ると、カミキリも隠れていました。


保全林は、林道の中にあります。林道の入り口では栗が沢山落ちています。栗拾いを始める児童もいますが、保全林へ行く時間がなくなってしまうので、ちょっと我慢して貰います。アサギマダラも見つけてしまいましたが、写真を撮る前に逃げられてしまいました。残念…。林道の中では、杉の木とアテの木の見分けについて、早速のレクチャーです。


これは杉の葉を見せているところです。児童たちに質問してみます。「おばあちゃん達は、これのことを何て言ってる?」能登ではこれを「すんば」と呼び、かつては燃料にする為によく拾っていたそうです。「すんば」という正解を言い当てられた児童はいませんでしたが、聞いたことのあるという児童はいました。


つい寄り道をしてしまいながら、ようやく保全林に到着です。
保全林の入り口にも、沢山の栗が落ちています。先ほどの、林道の入り口とは比較にならないほどです。保全林に到着したので心置きなくみんなで栗拾いを始めましたが、みんな夢中です。でも、そんな簡単に拾い尽くせる量ではありません。


さて、栗拾いも楽しい学習ですが、ちゃんと授業をしなくては。児童たちには、保全林とその周りの林を比べて見て貰いました。隣り合う林でも、整備されず放置されてしまった林は木が密集して人が入ることも、生き物が生活するスペースも殆どありません。ここでは、栗拾いを楽しむことも難しいでしょう。


この後、保全林の中に出来た水溜りを見て貰いました。ここにはヒキガエルもゲンゴロウもやって来ると聞いて、児童も先生らも驚きの様子です。2度に渡る体験授業で、みんなの身近にある里山の面白さに少しでも気づいて貰えたようでした。
小学生の体験学習 [2011年09月20日(Tue)]
2011年9月20日(火)、珠洲市立三崎小学校の児童15名がいきものマイスターの拠点「里山里海自然学校」に体験学習をしに来てくれました。これは「こども森の恵み推進事業」という事業によるもので、小中学生らによる森づくり体験活動を目指す事業です。また今回は、里山林の整備等を含む「県民の理解と参加による森づくり」の推進を目的とする、いしかわ森林環境税のソフト事業でもあります。


この日は自然学校が管理する保全林を見せて、植物観察や保全活動を体験して貰う予定でしたが、生憎の雨模様。代わりに自然学校で里山についてのお話を聞いて貰い、薪作りの作業を体験して貰うことにしました。

まずは自然学校1階の里山里海学習室で、里山について学習して貰います。
ここでは案内用のパネルを使い、かつての里山の暮らしと現状について1つ1つ説明します。
かつて珠洲で盛んに行われた製塩業を例に、多くの薪の為に松を伐ってはまた植える持続可能な里山の暮らしを紹介しました。しかしガスや電気が普及した今日の生活では里山の木々は伐られずに放置されてしまいました。放置された里山の林では木々の世代交代がストップしてしまい、やがては老木ばかりでひしめき合う暗い林になってしまいます。こうなると、林を元に戻すことはとても大変です。生き物も住めず、マツタケを始めとした美味しいキノコも育ちません。里山を利用する暮らしによって里山を保全することの大切さを児童に伝えました。


次に、水槽でゲンゴロウを見せてみます。児童らは興味津々の模様です。
今回見て貰ったのはゲンゴロウとクロゲンゴロウです。かつては野山に普通だったゲンゴロウも、今では良好な里山にしか生息していません。自然の豊富なこの奥能登でも、ゲンゴロウを見たことのない人が増えています。今回の児童15名の中でも、実際にゲンゴロウを見たことがあるのは2人だけでした。
こうしたゲンゴロウ類の多くは里山の溜め池に棲んでいます。溜め池は農業用水の為に使われますが、農業をやめてしまうと溜め池の管理が止まって溜め池の水が滞り、溜まる一方となって荒れ、やがては埋もれてしまいます。溜め池も林と同じように、人が使わなくなると生き物が棲めなくなってしまいます。ここで私達は豊かな里山と生き物を支える、こうした里山の暮らしの大切さを児童に伝えます。
ここでは更に、珠洲でかつて行われていた瓦造りのことなどをお話して、学習室の案内は終わりです。


学習室で勉強して貰った後は、薪作り作業の体験です。
今回は、伐採した薪を集めて紐でまとめる作業を体験して貰いました。集めた薪を隙間なく詰めて薪の束を作る作業です。上手く詰めるのが意外に難しそうですが、班ごとに分かれた児童らはみんなで力を合わせて、10個ほどの薪の束が出来ました。


今回の学習はこれで終了ですが、三崎小学校の児童は来週もう一度来て、一緒に植物やキノコの観察会や保全活動に参加してくれることになっています。次回が楽しみです。
「山笑い」を見学してきました [2011年08月31日(Wed)]
8月27日・28日の2日間、白山市の木滑という集落で保全活動を行う団体「木滑里山保全プロジェクト」によるイベント「山笑い」が開催されました。このイベントでは
いきものマイスターでは、この「山笑い」の見学をしてきましたので、ここで報告します。


木滑という地区は、金沢市の中心部から車で約1時間の距離にあり、手取川と高倉山に挟まれた白山の麓の集落です。木滑には、珠洲からおよそ3時間以上かけて到着しました。


まずは地元のお母さんによる指導の元、笹寿司作りの体験から始めます。笹寿司は押し寿司の一種で、白山山麓や能登地方では祭りに欠かせない食べ物とされています。作り方は実にシンプルで、ご飯、生姜、桜海老、魚の切り身、紺海苔などを順番に並べ、笹で包みます。これを木箱に入れて石を重しにして、約6時間ほど寝かせておきます。交通の便利な現在と違い、海産物が貴重だったかつては、こうした保存食の技術が必要だったといいます。この笹寿司は、木滑地区の秋祭りの時期に各家庭で作られています。


笹寿司作り体験の次は、地元の区長さんの案内の元、木滑神社を始めとした、集落内を見学します。木滑神社には、仏御前の安産石と呼ばれる石があります。平清盛の子を身籠った仏御前が故郷で出産しようと原町(現在の小松市)を目指す途上の木滑で産気づき、その時に寄り添った石が、現在では安産のご利益がある霊験あらたかなる石、として仏御前の安産石として木滑神社に祀られています。

次に案内して頂いたのは、木滑なめこ生産組合の作業場です。ここで作られる「でけぇなめこ」は通常のなめこの数倍の大きさを誇ります。通常はお祝いの引き出物や贈答品などの品として出回り、市場には出回らないという一品です。
勿論、一般市場向けのナメコも生産されています。話では県内のスーパーに流通しているとのこと、私達も知らないうちに食べているかもしれませんね。


集落内の見学をした後は、いよいよ山笑いのメイン会場ともいえる、釜の上へと突入です。この釜の上は、かつては棚田の広がる土地でしたが、今では随分と荒れてしまいました。急斜面の上という行き来の大変な立地条件に加え、地域住民の高齢化という現状が、釜の上の農地から人を遠ざけてしまったのだといいます。
しかし今では木滑保全プロジェクトによる無農薬無肥料の水田として、更には放牧地として活用されています。そして、この日は地域を挙げての「山笑い」、常に人で溢れ返っています。




会場では、岩魚やカレーが振舞われています。先ほど紹介したなめこも販売されていました。
釜の上の広場には特設のステージが設けられ、この2日間はライブ会場となります。会場ではジャズからカポエラの実演まで、多彩なステージが繰り広げられました。


山笑いのイベント自体は翌日の日曜日まで続きますが、いきものマイスターのスケジュールはこれで終了です。名残惜しみながら木滑を後にします。交通の便が悪く、しかし周囲には里山に溢れた奥能登にいると、つい奥能登の里山にばかり目を向けてしまい、他地域の里山へはなかなか出かけないものですが、今回のように、遠方の里山を訪問すること学ぶことが多いものだと実感しました。
木滑里山保全プロジェクトのスタッフの皆様、ありがとうございました。
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