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IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所]

「地球上のすべての生命にとって調和的で民主的な発展のために」を設立目的に、「社会事業家のマネジメント支援」、「ビジネスと市民生活を通じた環境問題・社会的課題の解決」、「2020年の地球への行動計画立案」に取り組むNPOです。


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IIHOEブログトピックス(目次) [2020年01月01日(Wed)]
*タイトルをクリックすると該当ページにジャンプします
《IIHOEの主催&関連事業、最新トピックス!》
「ソシオ・マネジメント・スクール」
「支援力・協働力パワーアップ研修」
「社会事業家100人インタビュー」
「雲南市に地域自治を学ぶ会(略称:雲南ゼミ)」
「自治体の社会責任(LGSR)」

《IIHOEとは?》
団体基本情報(CANPAN団体情報ページにジャンプします)
年次報告書(ISO26000に基づく報告ページも設けました)
代表者・川北の略歴
川北の予定概要

《IIHOEのSR(社会責任)への取組み》
社会責任への取り組みについての宣言(コミットメント)
人権の尊重に関する基本方針
IIHOEが提供するサービス・商品などにより、不利益を被られた方・被ったと感じられた方へ
乱丁・落丁本はお取り換えいたします。
みなさんの企画する行事や研修は、ユニバーサル・デザインですか?
「インフルエンザの予防・拡大防止のためのガイドライン」にご協力をお願いします
(*環境、従業員など、上記以外の対象への配慮・対応については、年次報告書をご参照ください。)
【報告】「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理」を読む(第2回) [2016年01月25日(Mon)]
年末年始に緊急開催した、税制調査会発行の「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理」を読む会。第2回目は、前回で学んだ現状認識を深め、自分や自分が属する組織でできることを考える機会とすることを目標に開催しました。
前回を大きく上回る34名の方に参加いただき、活発な議論が交わされました。
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日本の経済社会の『実像』に、再度迫る

まずは、第1回でも行った現状認識の再確認から。
今後、2035年までに85歳以上の人口が1,000万人に達するという「高齢化第2幕」に入った状況については、今回も参加者のみなさんが衝撃を受けています。
すでに一般に公表されている情報ながら、普段は考えられてない、話題になることもない「不都合な未来」が明らかになります。
家計の実態からは、年金をはじめとする再配分の機能を、「現役から高齢者へ」という世代間ではなくて、所得や資産など経済的な格差に対して実施しなければならないことは、歴然としています。
また、日本の大半を占める東京以外の地域で、自分で生業を立てられる人材が「あと100万円」稼ぐ力と、世界を市場に若者が東京で「あと300万円」稼ぐ力を育てられるかどうかが、よりよい未来を築くために不可欠である現状を、川北から改めてお伝えしました。

自分たちから行動しよう

経過と見通しについて認識を深めた後、4人ずつの班ごとに、「2020年代に向けて取り組むべき課題」と「2020年までに自分が所属する組織で急いで取り組むべき課題」について、話し合っていただきました。
問題が大きいために、自分たちが何から行動できるのか、途方にくれてしまいそうになりますが、具体的な行動に移すために知恵を絞ります。

以下のような意見が出されました。

福祉的な側面からは、介護の現場において、現在の多数を占める前期高齢者の力を活かすことや、高齢者が助けあいながら生活できる高齢者のシェアハウスをつくるなどの提案もありました。
その一方で、若年層への支援も不足しており、人生の前半にも、最低限度の生活品質水準を保ち続けられるよう支援するサービスがいきわたることも重要です。経済格差が広がる中で、特に子どもの貧困への対策は、喫緊の課題となっています。
こういった政策について、単に政府の支出の拡大を求めるのではなく、適切なアドボカシーの実践にも取り組む必要があります。

経済的な側面からは、正規・非正規雇用の格差の解消に向けて、流動しても安定的な労働環境づくりが急務です。
また、企業への「廃業支援が必要」という意見もありました。

人材の不足を補うには、移民受け入れの検討も避けて通れません。多様な価値観や文化を受け容れるコミュニティづくりをはじめとする社会の基盤づくりも必要です。
また、確定申告をすべての国民が行うことで、納税の意義を国民が日常的に認識し、それをきっかけに政治への関心の向上を促することも効果的でしょう。さらに、地域活動に時間を使うことが当然な社会にしていかねばなりません。
教育的な観点からは、多様な地域でコミュニティ・ビジネスを生み出せるよう、中高生に「地域での稼ぎ方」の教育や、それを実施できる教員の養成が必要であるという意見も出ました。

NPO、企業、政府系団体など、議論した班のそれぞれのメンバーでの連携案を示していただいた班もありました。

将来、財政状況がさらに逼迫した状態で、政府は、生命を守るための施策は最低限度実施できても、生活品質をさらに高めるような施策にまで手が回らなくなることが、目に見えています。
日本の人口構成上の変化が起こった1990年代末から2000年代にかけて、投票上の多数派(マジョリティ)は65歳以上の高齢者になりました。数では劣る若者ですが、その生産効率を2倍近くに高めて、消費でも、よりよい社会づくりでも、若者がマジョリティにならねばなりません。

「これまで」と「これから」について認識を深める機会が設けられたことに、ご参加のみなさま、ご協力くださった日本財団のみなさまに、重ねて深くお礼申し上げます。課題は多いですが、小さな現場だけでなく、大きな現場づくりのための具体的な行動を、今すぐ始めていきましょう!
【報告】「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理」を読む(第1回) [2015年12月28日(Mon)]
2008年に世界の経済・市場・社会に大きな影響を与えた
「リーマン・ショック」。昨今の経緯を冷静に見つめると、
それを上回る影響を及ぼす事態が起きるのも、不可避であると
考えざるを得ません。

その事態に、どう備えるのか。
備えの第一歩は、これまでの経緯を、今後の見通しを、可能な限り
包括的かつ正確に捉えることから始まると考えます。
そんな中、政府の税制調査会が「経済社会の構造変化を踏まえた
税制のあり方に関する論点整理」
と題した、重要かつ興味深い
報告書を発表されました。
その第2部である「我が国経済社会の『実像』について」を読む会
(全2回)を、年末年始に連続開催することにしました。

第1回は、第2部の概要を読み進めながら、過去・現在から未来への
経過と課題をじっくり探り出しました。
年の瀬の週末にもかかわらず、24名の方々がご参加くださいました。
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第2部「我が国経済社会の『実像』について」の構成
I.我が国経済社会の構造変化の「実像」の特徴
1.若年層を中心とする低所得化と少子化、家族モデルの変容
2.会社・家族のセーフティネット機能の低下と新たな課題 ~生活基盤が脆弱化するリスク
3.生産年齢人口の減少と人的資本形成の阻害 ~成長基盤が損なわれるおそれ
II.今後への視点 ~今後の税制等の諸制度のあり方を考えるための視座
1.希望すれば誰もが結婚し子どもを産み育てられる生活基盤の確保
2.就労を通じた社会とのつながりの回復
3.経済力を踏まえた再分配機能の再構築

〈参考〉
1.人口構造の変化
(1)少子化の進展とその要因 ~未婚化、晩婚化、晩産化
(2)総人口・生産年齢人口の減少 ~「人口減少社会」に突入
(3)生産年齢人口割合の低下と高齢者率上昇 ~「超高齢」「人口オーナス」
(4)経済循環構造の変化 ~稼ぎ手が減少する中で
2.経済・産業構造の変化
(1)グローバル化・ICT化の加速・深化
(2)グローバル化に伴う競争の激化と経済のサービス化の進展
3.家族の変化
(1)家族類型の多様化・小規模化 ~1人世帯の主流化
(2)共働き世帯の増加と女性を取り巻く状況 ~就労の拡大、非正規雇用
4.働き方の変化
(1)就業構造の変化 ~女性・高齢者による就労の拡大と「雇用者化」の進展
(2)「雇用者」の就労形態の変化 ~非正規雇用の増加・雇用の流動化
(3)自営業主像の変容 ~伝統的自営業減少 「雇用的自営」の存在感高まり
5.家計・再分配の変化
(1)若年層と高齢者の会計 ~低所得化進む若年層、ばらつきある高齢者
(2)ジニ係数と相対的貧困率 ~ジニ係数は若い世代微増、高齢世代低下
(3)再分配の課題 ~従来の再分配は現役から高齢世代への所得移転中心



もはや「世界一・世界第2位」ノスタルジーに
酔い続ける場合ではない


まず、「人口構造の変化」から。
生産年齢人口は、1995年から今年までの過去20年間で11%減り、
2035年までの今後20年間では17%も減り、6342万人にまで減少します。
その間、高齢者は増え続けますが、本当に問題なのは、
85歳以上の人口が1,000万人に達すること。
要介護度を見ると、70歳代までに介護が必要な人はごく少数ですが、
85歳を超えると4人に1人は要介護3以上になります。
第2幕を迎えた高齢化に向き合うために、残された時間はわずか20年
しかありません。

一方、全国各地からの人口流出は、「東名阪三極集中」から
「東京一極集中」へと移り変わりましたが、
国全体のGDPは増えていません。
日本が「世界第2位の経済大国」だったのは、もはや5年も前。
次の東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年には、
世界全体のGDPに占める日本のシェアは、前回の東京オリンピックが
開かれた1964年の水準にまで下がってしまいます。

経済を牽引するはずの東京は、第三次産業の集積地。
全国の各産業の生産性は、第二次産業で着実に、第一次産業でもわずかに
改善しているのに、全国から東京へと若者を集めた第三次産業の生産性は、
上がっていないどころか、逆に下がっています。

東京が進学や最初の就職先など、修行や育成の場として多くの若者を
引き付け、世界で戦える人材や、のちに地域で仕事を担える人材を
育てているならまだしも、そういった人材を育てられていない
深刻な状況であることわかります。

しかも、将来を担うべき若年層は、かつてのように「製造業で
正規雇用」されているわけではないため、働き続けることによって
技能=市場価値の向上が期待できません。

さらに、所得の低下は、共働きの増加を加速し、配偶者のいる
世帯の6割に達しました。結果としてM字カーブは改善し、
25歳から39歳までの女性の7割以上が働いています。
30歳代の女性の労働力率が1割以上向上したことは、その年齢層で
働く女性が200万人近く増えたということ。
第1子や第2子を生み育てながら働く人も少なくないはずなのに、
託児や保育の基盤が整備されなければ、困る女性たちが増えるのは
当然とも言えます。
しかも、多くの女性は、自ら望む働き方で価値を発揮できている
わけではなく、前述の通り、生産性が上がらないままの職場で
働かざるを得ない、というのが現状です。
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所得と貯蓄の格差も、拡大しています。若年層の所得も貯蓄も
減っているのに、高齢者世帯の貯蓄は増え続けています。
これまでの「現役世代から高齢者へ」という再分配を、
「所得の多い層から少ない層へ」と改める必要に迫られている
ことを、政府税調も指摘しています。

この資料を読み、他の資料と併せて読み解いた川北の結論は、

「東京は、世界で戦える力も、
地域を支える人材も、育てていない。


東京は、これだけの若者を集めながら、
若者が稼ぐ力も、生産性の向上も、
もちろん、地域のくらしを支える力を育てることも、できていない。

若者が、地域のくらしを支えるために
『あと100万円稼ぐ』力と
世界で戦い続けられるために
『あと300万円生み出す』力を!」
というものでした。
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(写真ご提供:土谷和之さん)

何か課題か、今すぐに変えなければならないことは何か

経過と見通しについて認識を深めた後、3・4人ずつの班ごとに、
「2020年代に向けて取り組むべき課題」と
「2020年までに急いで取り組むべき課題」について、
話し合っていただきました。
保育や介護の在り方、地域や海外で稼ぐ力の育成、
働く世代や保護者の「勘違い」の是正や、選挙制度の改革まで、
様々な意見が出されました。

次回は、今回の課題認識をもとに、どのように取り組みを進めるべきかを考えます。
第1回にご参加いただけなかった方も、ぜひご参加ください。