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第2回小水力発電の歴史講座が行われました [2016年10月14日(Fri)]

 飯田地方の小水力発電を学ぶ歴史講座の第2回が7日(金)、旧飯田測候所で行われました。

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 この講座は南信州自然エネルギー普及協議会が企画して、明治から戦前にかけて地域で行われていた水力発電事業を3回にわたって学習します。
 第2回のテーマは「先人たちの遺産ー上郷村営電気事業物語−」。
 飯田市上郷地区で1933(昭和8)年から行われた村営発電事業について、上郷史学会会長の中島正韶氏を講師に迎えて学びました。

 飯田中心部では、1899(明治32)年に松川第一発電所を建設した飯田電灯株式会社によって電気供給が始まりました。
 隣接する上郷村では、民間の電力会社からの電気供給の条件であった「住居が多い村中心部から供給する」という方針や、寄付要求などを良しとせず、“全村一斉点灯・村営電気事業”をスローガンに、長い運動が繰り広げられました。

 この間、村の一部地区で事業者側が先行して電気供給を行おうとしたり(後に撤回)、いつまでも電灯が灯らない様子を「闇郷(やみさと)村」と揶揄されたりしました。
 そのような状況でも村民の結束は固く、最終的には知事裁定を経て、電力買入れ方式による村営電気の営業にこぎつけています。

 講師の中島先生は「上郷村の電気事業の歩みは、地方自治とは何かという課題にも通じる」「電気や地方自治を巡る問題構造は、現代と変わらない」と参加者に語り掛けました。

 質疑では、参加者から上郷地区の井水でかつて流量調査が行われたこと、そのデータを小水力発電事業に生かしていけないかという意見も出て、新たな発電事業にも希望がつながっていきました。

 第3回は12月10日(土)、かつての水力発電所の遺構を訪ねる視察ツアーを行います。
 どなたでも参加いただけますので、ぜひご参加ください。

<第3回講座>
 内 容:小水力発電現地視察(バスツアー)
 期 日:12月10日(土)9:00〜16:00頃
 内 容:飯田市役所集合−飯田電灯株式会社の水車・松川発電所跡−中部電力の現役水力発電所見学−竜丘電気利用組合の発電所関連遺構−昼食−阿智村駒場発電所の遺構−市役所にて解散
 参加費:1,000円 ※昼食は各自負担
 定 員:20人
 申込締切:12月2日(金)
 申込先:南信州自然エネルギー普及協議会(事務局 NPO法人南信州おひさま進歩)
     TEL : 0265-24-4821/FAX : 0265-56-3712

※連続講座ですが各回ごとの募集となり、必ずしも全講座に参加する必要はありません。
10/7 飯田地方の小水力発電の歴史講座「上郷電灯株式会社の歴史」 [2016年10月06日(Thu)]

 自然エネルギーを学ぶネットワーク組織の南信州自然エネルギー普及協議会による歴史講座が、10月7日に旧飯田測候所で開催されます。
 飯田地方の明治、大正から戦前にかけての小水力発電について知るための連続講座(全3回)で、第2回は上郷電灯株式会社の歴史を中心に学習します。

 安定した自然エネルギー電源として小水力発電の重要性が改めて言われている昨今、かつて地元で興された地域電力会社の歴史を知る貴重な機会となります。ぜひご参加ください。

<第2回講座>
 内 容:上郷電灯株式会社の歴史
 期 日:10月7日(金)18:30〜
 会 場:飯田市旧飯田測候所(飯田市馬場町3丁目411番地)
 参加費:1,000円
 定 員:30人 ※申込制
 申込締切:10月4日(火)(先着順)→※定員に余裕がありますので、当日まで受付けます。
 申込先:南信州自然エネルギー普及協議会(事務局 NPO法人南信州おひさま進歩)
     FAX : 0265-56-3712/TEL : 0265-24-4821

【上郷村営電気物語】
 江戸時代の共有林管理から始まり、そこから生まれる水を使った発電事業、近代化に合わせた地域資源の活用のお話です。
 今でこそ、電気は当たり前のもので、「地球温暖化」という視点からエネルギーを考えることが多いですが、山や木材、水といった地域の大切な資産を、地域住民が共同経営して、自分たちの生活を向上させ、産業を振興した切実さを知ることができると思います。
 電気の意味合いが、違って見えるかもしれません。

※第3回は12月10日(土)にかつての発電所跡を訪ねる現地勉強会を予定しています。
※連続講座ですが各回ごとの募集となり、必ずしも全講座に参加する必要はありません。