災害にも強い多文化共生地域づくり [2011年12月14日(Wed)]
「災害にも強い多文化共生地域づくり」事業の会議を取材させて頂きました!
(小田地区市民センター会議室) この事業は三重県の「NPO等からの協働事業提案」で採択された、NPO法人 伊賀の伝丸(和田京子代表)http://www.tsutamaru.or.jp/の事業で、平成23年9月26日〜平成25年3月31日(予定)の委託期間です。 この事業の目的やポイントを、「伊賀のつたまる会報誌 TSUTAMARU」秋号の記事で見てみますと、 ■事業目的 「日常の付き合いを通し、災害時にも日本人と外国人が助け合える関係作り」 また、上記「NPO等からの協働事業提案」の事業概要では以下の通り説明されています。 「言葉・文化・習慣の違う人々が、日常の付き合いを通し、災害時にも協力し、助け合える関係を築く」ことを事業目的とする。外国人登録者が全住民の11%を超える伊賀市小田町(住民自治協議会)をモデル地区とし、住民自治協議会・外国人住民・地元企業・三重県・伊賀市・日本語ボランティアグループなどとの協働で、防災を切り口にコミュニティの強化を進める。 ●ポイントその1(会報誌TSUTAMARUより) 小田町住民自治協議会をモデル地区とする。 ●ポイントその2 6つの主体が協働で実施!(カッコ内は、当日会議参加者。) ○伊賀の伝丸(和田代表・有岡通訳兼生活アドバイザー) ○小田町住民自治協議会(田村会長) ○三重県(三重県生活・文化部 男女共同参画・NPO室NPOグループ 川端主査 国際室国際グループ 井原主査) ○伊賀市(人権生活環境部市民生活課 多文化共生係 辻主任) ○伊賀日本語の会(菊山代表) ○伊賀市内の企業(株式会社エクセディ 上野事業所 山村副所長) 〇在日外国人(オカザキさん) ●ポイントその3 日本人も外国人も日ごろの地域活動に参加し、お互いが顔見知りになろう!そして、災害時は助け合おう! 本日は来年1月予定の「小田地区在住外国人向けアンケート」の内容の詳細検討から始まりました。 在住外国人の方への、自治会と防災に関する現状の意識を調査し、それを通してこれらのテーマの理解度や課題などをより具体的に把握し、次年度の事業内容に反映させることを目的として実施されます。約100世帯の在住外国人宅を通訳と共に伊賀の伝丸スタッフが実施します。 アンケート対象者の日本語取得度や「災害時等の場面で、情報を得る手段」等々、アンケートの一言一句に、さまざまな角度から意見が出され、協議されました。 災害時や緊急時にも情報伝達手段としてその威力が各所で発揮されているソーシャルメディア。twitterやfacebookはもはや説明の必要がないほど普及していますが、これに加え、orkut(オルクッチ ポルトガル語版facebook?)や中国語版twitter、Sina Weibo(新浪微博)などもあるのですね。 和田代表より、JIAM(ジャイアム 財団法人 全国市町村研修財団 全国市町村国際文化研修所)の、「災害時における外国人への支援セミナー」12月5日講義に参加した報告がありました。http://www.jiam.jp/workshop/seminar/23/tr11009.html 【被災地からの報告】宮城県における災害支援活動と今後の課題 要約すると・・・・ 東日本大震災では、((財)宮城県国際交流協会参事兼企画事業課長大村昌枝氏の報告から)地震発生時が就業時間であり、企業が従業員の生命を守る役割を果たしたので、従業員の一員としての在住外国人も相当数守られた形がある。 その他、実際に被災した地区の状況に基づき報告がなされた。 しかし、あの大地震発生がウイークデーの就業時間帯でなかったら・・・・? 日本語をよく理解できていない外国人たちは、自力で難を逃れる事が出来たのか・・・・? 和田代表は、やはり基本的な「コミュニティのつながり」が大事であると、尚更強く感じているとの事。 ◇外国人の人口比率が約2.5%、全国第3位の三重県 ◇伊賀市を含む県下外国人集住市町では多言語情報発信や生活相談などサポートは増えてきているが、肝心のその情報があまり届いていないとのこと。この理由のひとつに『地域とのつながりの弱さ』が、伊賀市外国人住民協議会などでも指摘されている。 ◇外国人の自治会加入率が約35%・・・・2008年伊賀の伝丸実施の外国人自治会アンケート ◆自治組織からも「自治会に参加してほしいが、言語、多文化理解の不足などが障害となり、外国人住民へのアプローチの方法がわからない」との相談が寄せられ、3月の震災以降、現状のままではいけないとの危機感をより強く持っている。 (「災害にも強い多文化共生地域づくり」事業 事業内容@より抜粋) 我々日本人が解っていても外国人には理解しにくい言葉がたくさんある日本語。 それを「やさしいにほんご」に置き換え、説明したり情報を伝える工夫・方法など、学校や地域行事の伝達資料の改善方法など、実例を交えての説明でした。 日常の場で、相互のコミュニケーションがうまく取れないままだと災害時・緊急時にトラブルが生じるのは当然の帰結かも知れません。色んな手だてをつくりながら「災害にも強い」まちづくりが求められる所以です。 小田町住民自治協議会 田村会長より、地区に住む外国人・日本人間の、住民同士のコミュニケーションを良くしていく方法の一つとして「サブとして、付いて覚えてゆく(体感する)こと」、「熟知者と一緒に、その行事などを手伝いながら」学んでいくスタイルなどの提案について一同納得しました。 在住外国人としての立場から、オカザキさんは、先ほどの「やさしいにほんご」での情報伝達や、イラストを配置した伝達文書の考えを上手く使った方法の発展形として、町の行事や住民としてのルール説明などに、適時写真も配置するなどする「伝える工夫」があれば、もっと外国人にも意味が伝わりやすいとの意見もありました。 ・・・・・・・来年2月12日㈰予定で、小田町住民自治協議会地区内外国人住民と地区住民日本人との交流会を開催すること及び、3月27日㈫、NPO等からの協働事業提案(新しい公共の場づくりのためのモデル事業)http://www.pref.mie.lg.jp/NPO/23kyoudou.htm 採択事業の発表会が予定されており、当事業を含む三重県内全5団体の事業が報告されること、決定及び報告あり。 本日取材のこの事業では、【事業の継続性・発展性】として、「他地域での応用も想定し、ノウハウ・資料をまとめる」こと、そして「同様の課題を抱えている他地域での実施を数箇所サポートし、汎用性を広げる」という視野を持っていることが明記されています。 |
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