2011年12月18日(日)に厚別区民センターにて、菜縁セミナー2「コミュニティファームからの便り」として、本年度I&Iが取り組んだコミュニティファームに関する報告会を行いました。
全部のコミュニティファームから報告ができたわけではありませんが、実際にそれぞれの場所で菜縁づくりに取り組んでいらっしゃる実践者の方々を3組お招きして、報告をしていただく形をとりました。
1.新琴似六番通り街づくりクラブ(北区)
小室くん、野村くん(中学2年)秋山さん(ボランティア) 新琴似六番通りでは、札幌市の土地を花壇として地域の方々が管理しているのですが、更にその小さな一角を使って中学生と地域の方が協力して農園を作っています。
今回はその農園で実際に作業にあたっていた地元の中学生2人に、手作りの模造紙資料で発表をしてもらいました。
主に具体的な作業内容について説明をしてもらったあと、もっとも参加者の反応があったのは感想の部分でした。
「ボランティア活動というのは人の役に立つことだが、それがずっと続くのはこの活動が楽しいと思っているからだと思います。(自分が関わりたいと思っていた)東北震災ボランティアと僕達の活動とは違うけれども、彼らもそのしごとが楽しいから続けられる―また、こうしたことが一人ひとりの笑顔につながる。そしてそれが、地球全体につながり、ありとあらゆるものにつながっていく。ボランティアはこうしたことがあるから、ずっと続いていくのではないかと考えました」
(模造紙に書かれた内容を、本人が伝えたかったことを踏まえて修正)
「最初は自分が地域ボランティアに入って、足手まといになるかどうかが不安でしたが、ボランティアの方々が暖かく受け入れてくれたのでよかったです。また、スイカ2個はカラスに食べられてしまいましたが、良い収穫祭ができてよかったです」
また、ボランティアの秋山さんから補足がありましたが、いろいろと運営をしていく上では課題もあり、例えば地域の方々へどのように理解や認知をひろげていくか、花壇とは異なる菜縁ならではの見せ方をどう工夫していくか等についてはまだ模索中とのことでした。
私たちにとっても、都市型農園を拡大していく上で景観は欠かせない要素となりますので、今後も協力をさせていただければと思っています。
2.おかだまファーム(東区)
猫塚さん(元介護施設看護師・ボランティア) 勤医協の福祉施設敷地内に作られたこのコミュニティファームからは、ボランティアとして関わっておられる猫塚さんにお話をしていただきました。
ここでは、高齢で身体機能に障害があるような方々にも菜園を楽しんでいただくということで作られた畑なので、それぞれの障害の程度にあわせて、何らかの作業にはかならず当たれるような畑づくりを工夫されています。
また、地域の児童館とコラボレートすることによって、子どもたちの畑作体験を提供することに加えて、高齢者と子どもという異年齢交流を生み出すことにも取り組みました。
印象的だったのは、子どもたちのなかには「おじいちゃん・おばあちゃんと一緒に遊べて楽しかった」という感想があり、彼らの父母も積極的におかだまファームに参加させるこに加えて、子どもたち自身が自発的に続けていきたい!という思いのなかで参加していたということです。
一方、課題としては日頃の畑の管理をするうえで、どうしても人手が不足しているということでした。職員の数にも限りがありますし、利用者にしていただける作業にも限界があります。今はなんとかなっているものの、諸事情により来年度以降、畑を管理する人材に不足が出るということで、さらに地域の人々を巻き込んでいく取り組みが必要との認識でした。
3.あけぼのファーム(中央区)
北の食物研究所メンバー(天使大学学生)
あけぼのファームは中央区にあるあけぼのアート&コミュニティセンター(元曙小学校跡、現在はNPO法人コンカリーニョが管理)において、作られているコミュニティファームです。
あけぼのファーム自体はコンカリーニョの方々をはじめ、近隣に住んでいるボランティアの方々や、時々イベント的に行う農作業で参加する一般の方々などによって、継続的に運営をされています。
その中において、天使大学の学生団体、北の食物研究所のメンバーは、コミュニティファームへの積極的な参加とともに、彼女たちがテーマとしている「食」に関わって「お食事会」を複数回実施しました。
それら一連の、野菜を育て、収穫するという経験を通じて、元気になったり野菜が好きになったりするという感想を持ったとのことでした。また、新鮮な野菜からは土のかおりやみずみずしさを感じることができ、そういった食材で料理をするということの喜びも大きかったと話していました。
これらの発表ののち、最後には、参加者17名が円になって、それぞれに質問を交わし合うという場をつくりました。なかでも、厚別区民協議会の田中さんからは、厚別区においてコミュニティファームを作る上でのコツなどについて多くの質問があり、コミュニティファームの実践者たちと盛んな意見交換がなされていました。
今回のイベントの冒頭、コミュニティファームとは何かということで理事長からプレゼンテーションがありましたが、やはりそのなかでも話があったように私たちはただ単に「畑」が増やしたいということではなく、あくまで地域の交流・つながりを醸成することが主な目的です。
そうしたねらいのなかで、いかにして人と人との良いコミュニケーションを生んでいき、さらには私達が主導ではなく、地域のスタッフが自立してコミュニティファームを運営していけるようにインスパイアしていくことが、どのような成果を生みつつあるのかということが、いい形でわかる機会だったと思います。
ご来場のかた、ご発表のかた、ありがとうございました。