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2018年07月05日

【報告】ミニ勉強会を開催しました。

みなさん、こんにちは。いかがお過ごしですか?
センターでは、この5〜6月に、県内各所で「NPO法人の決算報告書&事業報告書」をテーマとしたミニ勉強会を開催しました。
各報告書をめぐり、昨年から法律等が変更された部分があり、その点を把握するために企画したものです。当日は当センターのセンター長伊藤が情報提供者として各種情報をお示ししました。

<日程>
5月 8日(火)13:30〜15:00 
@しものせき市民活動センター 中会議室    参加者4名
5月 9日(水)13:30〜15:00 
@柳井市文化福祉会館 会議室(1F)     参加者2名
5月11日(金)13:30〜15:00 
@萩市民活動センター ミーティングルームC  参加者7名
5月11日(金)18:30〜20:00 
@やまぐち県民活動支援センター 交流コーナー 参加者15名
6月22日(金)14:00〜16:00
@山口市市民活動支援センター         参加者6名
       
今回は、決算報告書と事業報告書の2つに分けて、それぞれの留意点を整理しました。
以下、勉強会で確認した内容をいくらかご紹介します。


以下に記す内容は、情報提供者がNPO法人会計基準に関する参考図書や専門サイト等を参照して把握・理解した情報を勉強会でお話したものの一部です。
各事項について、正確に情報を把握されたい場合は、専門サイト「みんなで使おう!NPO法人会計基準」などを直接参照されることをお勧めします。


■決算報告書について

(1)NPO法人会計基準が改正(2017年12月)
改正された内容や、改正を踏まえた各書類の書き方については、下記の3つの資料で詳細が確認できます。各資料はいずれも、専門サイト「みんなで使おう!NPO法人会計基準」から閲覧することが可能です。
●資料1「NPO法人会計基準改正(2017年12月)のポイント」
●資料2「NPO法人会計基準に準拠した財務諸表作成のために必要な6つのチェックポイント」
●資料3「財務諸表の書き方ガイド」


(2)役員の人件費についてどう記載するか?
上記した会計基準改正のうち、今回は「役員に支払う人件費(役員報酬)」にしぼって情報を整理・確認しました。
「役員の人件費」に関する情報を決算書で掲載する際、下記の点を理解しておくことが重要となります。簡単に各点を以下にまとめてみます。

●留意点1 役員に支払ったのが「報酬」か「給与」か、明確にする
具体的には、「活動計算書」で役員への人件費を記載する場合、下記の2つの科目を使い分けることになります。
@給料手当 <雇用関係に基づく人件費>
 →役員が職員も兼ねて、職員として働いた部分に対して支払われた人件費 
A役員報酬 <委任関係に基づく人件費>
 →役員が、役員として業務や運営に携わった部分に対して支払われた人件費
    
役員の中には、「役員」の立場と「職員」の立場の両方をもっている人がいる場合もあります。その際は1人の役員に支払った人件費をめぐって、2つの立場で従事した割合を算定し、上記の@とA両方の科目で人件費を計上することになります。
やや抽象的でわかりにくいかもしれませんが、下掲リンク先で示されている具体的な問答の情報を通して見てみると、整理しやすくなるかと思います。

(参考)専門サイト「みんなで使おう!NPO法人会計基準」内
「みんなで解決!質問掲示板」コーナー 
質問1「理事長への役員報酬」
質問2「理事が研修会講師を行った場合の謝金について」


●留意点2 役員に支払ったのが「事業部分」か「管理部分」か、明確にする
上記したとおり、まずは役員の人件費は「給料手当」と「役員報酬」という科目に区分されます。そして、活動計算書へ計上する際は、それらの科目が「事業費」と「管理費」のいずれかの部門に計上すべきかを、確認することが求められます。

@事業を行った際に発生した人件費 
 →事業費の部門で「給料手当」または「役員報酬」として計上
A法人全体の管理運営を行った際に発生した人件費
 →管理費の部門で「給料手当」または「役員報酬」として計上

●留意点3 役員に支払った人件費の総額を、明確にする
今回、役員への人件費に関する記載・計上の仕方に触れてきましたが、そもそもこのたび会計基準が改正された目的のひとつには、「役員に支払った人件費の透明性向上を図る」というものがあります(詳細は下掲のリンク先ページ参照)。

(参考)2017年12月12日「NPO法人会計基準」の一部改正について
「2.改正の理由 (2)役員報酬と役員及びその近親者との取引の明確化」

仮に、役員に支払った人件費が「役員報酬」のみであれば、活動計算書上で「役員報酬」という科目を計上するだけで、その法人で役員に支払われた人件費はすべて記載されることになります。したがって、「この法人は役員にいくら人件費を支払ったのか?」については、そのまま活動計算書で計上されている「役員報酬」の額を見れば判明する、ということになります。

一方、ある法人には職員もいるうえで、「給料手当」を支払っている役員もいる、という場合もありえます。その場合、活動計算書上の「給料手当」の科目には、職員に支払った給料と役員に支払った給料が合算されて計上されることになります。つまり、「役員に支払った分の給料額はよくわからなくなる」ということになります。

そこで、上記の場合には活動計算書への記載・計上に加えて、その内訳情報を「財務諸表の注記」という文書で補足することが求められます。会計基準によると、役員に支払った給料の額が100万円に満たない金額は記載が不要となりますが、100万円以上の金額となる場合は下掲の参照情報のような書き方で情報を補足し、役員への支払額の全容を明らかにすることが求められます。

(参考)上掲「NPO法人会計基準改正(2017年12月)のポイント」のp7

●留意点4 役員名簿との整合性
(決算書上の「役員報酬」と名簿上の「役員報酬」の関係を明確にする)

さて、今回の勉強会では決算報告書と合わせて事業報告書についても触れました。
NPO法人が年度ごとに義務付けられている事業報告の際、提出する文書として「役員名簿」があります。その「役員名簿」では、その年度内に各役員について「報酬の有無」の情報を掲載することが求められます。

では、ここまでに見てきた決算書上の「役員報酬」と、役員名簿上の「報酬」は、どのような関係にあるのでしょうか?
結論としては、今回会計基準が改正されるに伴い、以下のとおり明確に規定されています。

<活動計算書において、管理費部門で「役員報酬」が計上される>
→<役員名簿では「役員報酬」の支払いがアリという扱いになる>


(参考)上掲「NPO法人会計基準改正(2017年12月)のポイント」のp7

(3)貸借対照表は、「公告」することが必要になる(2018年10月1日)
これまで、毎年提出していた決算報告書の中には「貸借対照表」という書類がありました。この「貸借対照表」については、改正されたNPO法が施行されることにより、毎年所轄庁に提出することに加えて、今年の10月から「公告」することも必要となります。
以下、本件に関して留意点を2つ確認しておきます。

●留意点1 ほとんどの法人で、定款変更をすることになる
具体的には、「公告」の方法について、各法人で定款変更することが求められます。その方法は、下記の中から選択することができます。
 @官報への掲載(有料)
 A日刊新聞紙への掲載(有料)
 B電子公告/内閣府のポータルサイトへの掲載(無料)
 C電子公告/法人のホームページへの掲載(無料)
 D法人の主たる事務所の掲示場での掲示(無料)

(参考)内閣府NPOホームページ
「現行定款の公告方法とは別に貸借対照表の公告方法を定める場合の記載例」

実は、多くの法人では既に「公告」の条文が定款に盛り込まれているのですが、その条文は「法人の解散」といったときに関係してくるものであったため、日頃はあまり意識されることがありません。
しかし、今回の改正法の施行で、「貸借対照表の公告」を毎年度実施することになったため、それに伴い「公告」の条文を見直すことになった次第です。

ちなみに、多くの法人は既存の条文で「官報で公告する」旨をうたっていますが、仮にこのまま条文を変更しなかった場合は、「毎年度、貸借対照表も官報で公告する」ことになります。それでも問題はないのですが、公告掲載にはお金がかかる(貸借対照表の公告だと7万円程度?)ため、そのような負担を回避したい法人はやはり定款変更することになるでしょう。

なお、「公告」の定款変更は、所轄庁への届け出のみで足ります。所轄庁からの認証を得ることは不要で、法人の総会で認証された時点で変更した定款は効力を発揮します(その後、遅滞なく所轄庁に届け出)。

●留意点2 資産総額の変更登記は不要となる(2018年10月以降)
上記した「貸借対照表の公告」の代わりに、これまで資産に動きのある法人は毎年度行うことが求められた「資産総額の変更登記」は不要となります。
ただし、不要となるのは改正法の施行が始まる本年10月以降なので、たとえば本年4月から3カ月以内に総会等で決算が承認された場合、そこで確定した資産総額の情報はまだ変更登記の手続きを行う必要があります。
  
上記の留意点1・2併せて、下掲のリンク先ページで情報を再確認してみてください。
(参考)専門サイト「みんなで使おう!NPO法人会計基準」内
「貸借対照表の公告の義務化について」
posted by ほしちゃん at 19:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | センターから報告
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