外国にルーツを持つ子どもへの日本語指導者養成講座 PartVII 報告 [2013年08月17日(Sat)]
初めまして!
4月から日和の活動に参加させていただいております バッチです ご報告が遅くなりましたが、8月7日(水)、 「外国にルーツを持つ子どもへの日本語指導者養成講座 Part VII」 に日本語教育専攻の大学院生として、また、 日和を代表して参加して参りました。 「外国にルーツを持つ子どもたち」に何らかの形でサポートに関わっている 人たちだけが参加できる講習会でしたので、周りは 学校教員の方々や、地域日本語教室の方々、ブラジル人学校の先生方など 幅広い分野で子どもたちに日々接しておられる方々ばかりでした。 講師は、東京学芸大学 斎藤ひろみ先生。 9:45~16:30までととても盛りだくさんの 内容でした。 今回のワークショップでは、「日本語指導」「日本語教育」に重点をおくのではなく 「JSLカリキュラムで創る学び」と称しまして 主に「内容重視」の教科指導をメインに考えました。 前半は、滋賀県国際協会の方からの 外国人児童生徒の状況他や滋賀県を取り巻く状況の取り組みの説明から 始まり、 後に斎藤先生からは「JSLカリキュラム」を学び考える上で 知っておくべき理論や言語教育についてのご説明がありました。 印象に残ったお言葉は 「子どもがことばを獲得すること=世界を広げ成長・発達すること」 でした。子どもにとって、日本語を勉強する、言葉を勉強するとは 単に単語を覚えたり文法を知る、ということではない! と改めて感じました。 さてさて、年少者の日本語教育を語る上で 「生活言語能力(BICS)」と「学習言語能力(CALP)」の違いを 知っておかなければなりません。 BICSとは、日常で使う言語能力のことです。普段私たちは、 会話をするとき、相手の表情やジェスチャーなど色々な言語要素以外のものを 頼って容易に認識することができます。 このようなことばの能力は、(個人差はありますが)子どもであれば来日して 1〜2年でできるようになると言われています。 しかし、文脈のみに依存する、学習言語能力は全く異なります。 学習するときに使う言葉は、習得されるのに5〜7年かかると言われています。 (10年以上かかる子もいる) 社会の教科書を読む、などが「学習言語能力」にあたります。 斉藤先生のワークショップでは、身を持って体験する ということをよくされていました。 BICSとCALPの違いの説明の時は、 ペアを組み、背中を向けたまま相手にことばのみで 家から最寄りの駅までの道を説明する、という活動をしました。 相手の顔も見ず、言葉のみで正確な道を伝えることの困難さを実感しました。 二回目は、お互い向き合ってジェスチャーなどを使用し 道を教えあいました。その時は容易にできました。 まさに、このように顔も見ず背を向けた時のような 複雑さや歯がゆさに外国人児童は常に立ち向かっているのだということを 実感しました。 後半は、「JSLカリキュラム」についての説明の後 授業実践例を見て、最後にグループで指導案を考え発表しあいました。 そもそも「JSL」とはJapanese as a Second Languageであり JSLカリキュラムのねらいは 日本語と内容(教科など)の統合教育(内容重視) 学習文脈から「こどば」を切り離さずに学ばせる ことにある。 今回私たちのグループが考えた指導案は 「小学校二年生の算数」の授業でした。 詳しい内容は写真をご覧下さい。 設定を「日本語がほとんど理解できない来日して間もない子どもたち」にしたので どのように子どもたちに興味をもってもらえるような 「導入」ができるか。。。について 議論を重ねました。 例えば、「三角と四角に分けてください」と言われても 「分ける」という言葉の意味がわからずどういう行動をすれば 良いかわからない・・・ といった子供たちがいた場合どのように「分ける」という 言葉の意味をわからせますか? 先生のアドバイスをもらいつつ、 子どもたちが「主役」であり支援者はあくまで 「サポート」する役割であり、 子どもたちに体験させ探求させることの重要性を考えさせられました。 今回、このワークショップに参加し、 日和の子どもたちにとっても、日和の活動を通して 子どもたちが持っているものや今できることを 伸ばしてあげられるような支援者でありたいと強く願うようになりました 「もっとここを工夫すればいいんじゃないの? 子どもたちにも興味を持ってもらえるんじゃないの? 子どもたちが何につまずいているんだろう?」 こんな議論を重ねながら日々 活動に励んでいきたいと思います 以上、 バッチでした |