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『広報会議』(2015年3月号)

『「社会課題先進国」日本のNPO、なぜ広報が必要なのか?』を寄稿


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『宣伝会議』(2012年3月1日号)

『マーケティング部門と密接に連携 これからのCSR活動の形を考える』の座談会に参加


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『宣伝会議』(2011年5月15日号)

『米国NPOに学ぶ、WEBサイト活用ケーススタディ』を寄稿


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NPOセクターの後継者問題と次世代のリーダー育成 [2015年05月29日(Fri)]


米国では、今後数年間にわたり、1960〜70年代に社会的な活動に身を投じたNPO経営者の退職が見込まれていますが、大半のNPOではどのように後継者に引き継いでいくか計画が立てられていません。

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ニューイングランド地方でNPO等の中間支援を行うThird Sector New Englandによると、同地方の約3分の1のNPO経営者は今後2年以内に、残りの約3分の2は今後5年以内に退職するそうです。その一方で、60%のNPOは、具体的な後継者育成計画を持っていません。

殆どのNPOでは後継者となるスタッフの専門能力の開発やリーダーシップ・トレーニングなどを提供する余裕もなく、後継者の育成を行ってきていません。また、経営者がその座に留まり続けることが明らかになるや、団体内の後継者候補は外部に機会を求めて退職してしまうため、十分な候補者の蓄えもないのが実態です。

現実的な問題として、NPOの支援者は、その団体の将来が不安定に映るとサポートを止めてしまう可能性もあるため、NPOの中には、後継者がみつかるまでは前任の経営者をコンサルタントとして抱えたり、シニアレベルのスタッフの育成に時間やお金を投資するケースもあるようです。

NPOの後継者問題は、米国に限らず、日本でも起こっていることです。第一世代と言われる、NPOを立ち上げ率いてきた人が、自分の“子ども”ともいえるその団体をどのように次なる後継者に引き継いでいくかという問題は全国レベルで発生しています。行動力やカリスマ性のある代表者もいずれは引退します。だからこそ自分の権限と責任をスタッフに分け与え、その成長を辛抱強く見守らなければなりません。長い目で見ると、それが地域や社会の課題解決スピードを上げるためにも必要なことなのです。

代表者の役割は、社会の期待や必要性を的確に認識しながら、自分と自分の団体が先々どうなっていくのかを予見すること。そして、変化が激しく、不確定要素の多い時代の舵取りをしていくことですね。

【2015/05/18 The Boston Globe記事参照】




長浜洋二 著





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助成事業に対する成果評価の実態と助成財団に対する提言 [2015年04月21日(Tue)]



助成事業の成果を高めるための支援を行う、Center for Effective Philanthropyが実施した調査『Assessing to Achieve High Performance: What Nonprofits are Doing and How Foundations Can Help』によると、大半のNPOが助成財団から助成事業の成果評価を求められる一方、事業の成果を測定するためにどのようにデータを活用するのかについてのアドバイスを得られていません。

調査に回答した183団体のほぼ全てが、事業の成果評価を行うためのデータを収集しています。例えば、移民の就労支援を行うNPOでは、プログラムに参加した移民の数、就職した移民の数、12ヶ月後に仕事を続けている移民の数などのデータです。

一方、半数以上(55%)のNPOでは、事業の成果評価に対する投資は、予算の2%以下にとどまっています。また、データの収集を担当するフルタイムのスタッフを最低一人以上雇用しているNPOはわずか9%で、第3者機関を活用しているのは31%となっています。

収集したデータの使途としては、83%が自団体の事業やサービスの改善、68%が事業の方向性の周知、61%が事業拡大・縮小のための意思決定に活用しています。

助成を受けるNPO側のこうした実態に対して、64%のNPOは、助成財団から事業の成果評価を行うために何の支援も得られていません。また、39%が助成財団と成果評価について満足いくような議論を行ったに過ぎません。

こうした状況の中、Mary Reynolds Babcock FoundationAssisi Foundation of Memphisの2団体については、成果評価の支援を行う助成財団としてNPOから高い評価を得ています。例えば、Assisi Foundationでは、目標(ゴール)を定義するための12週間にわたるコース『Before You Ask』をNPOに提供しています。同団体では、成果評価にかかる費用面での問題を理解したうえで、こうしたプログラムを通じてNPOが自分たちが出来ることを現実的に把握し、成果評価を行うための計画を策定できるように支援しています。

この調査レポートでは助成財団に対する提言として、以下の4つをあげています。

(1)助成財団はNPOの成果評価とマネジメントの役割についてNPO側とより突っ込んだ議論を行うこと
(2)成果評価を実施するための助成を行うこと
(3)助成財団がNPOに要求する成果データが当該助成とNPOのゴールにどの程度一致しているかをしっかりと考えること
(4)NPOが成果評価を通じて学んだことを他のNPOと共有するのを支援すること

企業や財団、中間支援組織含め、自分も助成組織の方々とご一緒することがありますが、支援先のNPOの成果を本当に意識しているのか疑問に思うケースもはあります。ひどい言い方をすると、“お金のバラ撒き”、“支援のやりっ放し”です。支援の先にある成果をNPOと共に議論し、支援の前に成果目標や指標を明確に定義しているような支援団体は数えるほどしかいません。

助成組織は社会的なインパクトにもっと執着しなければなりません。お金などの支援を行うことに価値があるのではなく、その先にある、支援先NPOが成果を出すことに価値があるのです。



長浜洋二 著





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ファンドレイザーの採用と職務記述書作成に向けた5つのヒント [2015年03月09日(Mon)]


ファンドレイザーを採用するには、団体のミッションや活動内容にはじまり、明確な職務規定や役割、期待値、報酬・待遇などを記載した職務記述書を作成し、公開しなければなりません。特に、売り手市場の場合は、売り手(求職者)が力を持つため、団体そのものの魅力に加え、ファンドレイザーという職務とそれに付随する情報を明確かつ簡潔に提示し、有能な候補者を面接まで引き上げられるような職務記述書を作成する必要があるでしょう。

この記事では、効果的な職務記述書を作成する際に注意すべき5つのヒントをご紹介しています。

(1)職務内容を明確に伝える
団体のミッション、採用の理由、業務における責任事項などを明確にする。例えば、出張が発生する場合には、その頻度も事前に伝える。また、当該ポジションが組織のどこに位置付けられるかが分かるように、組織体制とレポートラインも明確にする。

(2)職務内容をくどくど書かない
職務規定の記載は長いほど良いわけではなく、簡潔で的を得たものでなければならない。特に、マネジャークラスのファンドレイザーを採用する場合は、団体が今後どこへ向かっていくべきかということを伝えたうえで、団体内で“チェンジ・エージェント”としての活躍を期待するため、こと細かな職務内容のリストを記述しないほうが良い。

(3)職務内容と団体の成長戦略に結びつける
職務記述書は、団体の成長戦略と関連づけながら作成する。例えば、設立間もない団体の場合は、潜在的な寄付者を見極め、新しいシステムを構築するなど、ファンドレイジングにおける組織基盤を構築できる人を採用するべきであり、一方、歴史のある団体であれば、大口寄付を獲得できるような人材を求めるべきである。

(4)経験値と報酬のバランスを図る
ファンドレイザーとして何年間の経験を持っている必要があるかを明確に述べたうえで、求める経験値と支払える報酬のバランスを考える必要がある。トレーニングや教育の機会を提供できる場合は、ハードワーカーで情熱を持っていれば、経験が浅い若者でも問題ない。一方、豊富な経験を持ったファンドレイザーを採用するには、団体として提供できる報酬・待遇を考慮に入れなければならない。

(5)既存のリソースをうまく活用する
まずはインターネットで、自団体と同じような活動を行っている団体や同じ地域で活動している団体がどのような職務規定を記載しているかを調査する。また、LinkedInやAssociation of Fundraising Professionals、Idealist、Chronicle of Philanthropyなどで提供されている職務規定の雛形を参考にしながら、団体独自のものへと改訂していく。

こうしてみると、職務記述書は、単に申請者が必要な情報を提供すれば良いというレベルのものではありません。団体が今後どこへ向かうのかを組織全体で合意し、既存のスタッフやボランティアの職務内容や役割も合わせて見直す必要があるということです。

日頃、NPOの求人情報を目にするなかで、一方的に採用する側が求めているもの、期待しているものをいくつも羅列しているだけのものを見かけます。採用側としては、なるべく入職してもらった後の双方の意識のズレをなくしたいという思いなのでしょうが、その点で既にズレているということに気づいてないように見受けられます。

A4サイズ1枚以内の限られた文量のなかで、潜在的な候補者に対して、団体やポジションの魅力のエッセンスを伝えなければならないため、非常に高度なライティング・テクニックが必要です。採用に関わる担当者(マネジャー)は、常日頃から、営利・非営利の業界を問わず広く情報を集め、職務記述書の作成スキルをブラッシュアップしていかなければなりませんね。

【2015/03/01 THE CHRONICLE OF PHILANTHROPY記事参照】



長浜洋二 著





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NPOセクターのリーダーシップ開発機会の不足と人材育成 [2014年12月26日(Fri)]


戦略コンサルティング会社、Kinsey & Companyが実施した調査結果によると、NPOセクターのリーダーは、イノベーションと計画実行力のバランス、トップ・エグゼクティブチームの形成、成果を得るためのコラボレーションなど、全てのカテゴリーにおいて自らの能力が不足していると回答しています。

この調査は、NPOや財団、社会的企業などのリーダー/経営層約200人に対して、リーダーシップの確立のために不可欠な要素と、個々の要素に対する実際の評価について調べたものです。

調査結果によると、回答者が共通して不可欠なリーダーシップスキルとして挙げているものが4つあります。イノベーションを起こす力と計画を実行していく力の両方を備えていること(58%)、力を発揮するリーダーには有能なチームが必要であること(53%)、他者とコラボレートしたり、複数のステークホルダーを巻き込む能力に長けていること(49%)、成果を出し、事業の質を改善できること(40%)の4つのスキルです。

これに対して、社会問題解決を個人や組織の成功よりも優先すること、リーダーシップの共有、エコシステムや環境に対する理解を持つこと、データやエビデンスの活用などについては低い評価となっています。

上述の4つのスキルについて、自ら、及び同僚がどのくらい実践できているかについて回答されています。イノベーションと実行力の両立に自信を持っているのは、わずか32%に過ぎません。また、自らが能力のあるチームに囲まれていると答えたのは20%ですが、他のリーダーについては、倍の39%が良いチームに恵まれていると答えています。コラボレーション力については24%が、そして成果を追求することについてはわずか18%が自信を持っていると回答したに止どまります。

また、リーダーシップ開発をサポートするに有益なのは何かという質問に対しては、理事や資金提供者からのコーチング(40%)、他のセクターを跨るネットワーク(42%)、経験する時間(49%)、研究休暇(49%)という結果になっています。

これらの結果は、米国のソーシャルセクターにおいて、リーダーシップ開発への投資が慢性的に不足していることを示しています。実際に、企業セクターにおいては、従業員一人当たり年間で120ドルがリーダーシップ開発に投資されていますが、ソーシャルセクターでは29ドルに留まっているようです。この調査結果でも、“OJT(On the Job Training)”でスキルを磨いた(70%)、実践で試練を与えられた時や転職時に成長の機会を得た(67%)、ソーシャルセクター以外でスキルを得た(52%)となっており、自らを成長させる機会が所属する組織や環境で得られない実態が浮き彫りになっています。

本調査では、(1)リーダーシップ開発に対する更なる投資、(2)リーダーが実際に必要としているリソースへの注力と提供、(3)企業セクターの人材によるメンタリングやコーチングの3つが短期的な提言として挙げられています。

私が主催している、NPOマーケティングで社会を変える!『草莽塾』は、日本のNPOセクターにおいて、こうしたリーダーシップ開発やスタッフ教育の機会がないことに対する1つのソリューションです。企業では、しかも大手になればなるほど、新入社員時から様々な研修プログラムが用意されていますが、NPOではそうした機会が殆どありません。そもそも団体として教育や人材開発に対する理解が乏しく、意欲のあるスタッフが自腹で学ぶというケースさえ散見されます。

人が育たないところに、新しい、優秀な人材は入ってきません。そして、人に投資しない組織にもセクターにも成長はありません。助成財団や企業CSR、さらに個人も含め、NPOの支援を行うものは、短期的な成果だけを求めるのではなく、長期的な成果である“人作り”も支えていくべきでしょう。NPO側でも、こうした人材育成に充当するための特別な支援プログラムを作ってみても良いかもしれませんね。





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米国NPOの理事会に対する低い評価とファンドレイジングへの期待 [2014年11月25日(Tue)]
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〜草莽塾5団体の実践事例から学ぶ!NPOの経営力UP手法〜

≪ 2014年12月13日(土)13時30分〜17時00分≫
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NPOの理事会におけるリーダーシップ、理事構成、ポリシー、実務などに関する調査『Leading with Intent 2014: A National Index of Nonprofit Board Practices』によると、理事会は全体として平均『B-』の低い評価を得ています。

この調査はBoardSourceが1994年から実施している調査で、これまでは『Nonprofit Governance Index』と呼ばれてきました。8回目となる2014年版は、850人の事務局長と246人のboard Chairsが回答しており、年間予算100万ドルの小規模NPO(37%)、100万ドル以上990万ドル以下の中規模NPO(49%)、1,000万ドル以上の大規模NPO(14%)から構成されています。

調査結果によると、ミッション、財務や法務、倫理に関する管理監督、事務局長のサポートなどに関する実務においてはまずまずの評価を得ています。一方で、広報・ネットワーキング、理事構成の多様化、ファンドレイジングについては低い評価となっています。つまり、テクニカルな実務についてはそれなりに貢献しているものの、組織を最適化するための貢献についてはまだまだ物足りないという評価を得ているということです。

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特にファンドレイジングについて、1994年の調査時には、事務局長は理事の60%が寄付をしているに過ぎない回答していますが、2014年には85%にまで増加しています。にもかかわらず、60%の事務局長は、ファンドレイジングが最も理事会の貢献が必要な任務だと指摘しています。実際に、寄付をお願いするためのレターや電話に関して対象者の名前を提供した理事は平均で42%、対面で潜在的な寄付者と会った理事は平均で22%、直接寄付をお願いした理事は平均で26%にとどまっています。ちなみに、広報大使としての貢献に対する期待が41%でこれに続いています。

米国では、理事について“Give、Get、or Get off”という格言があります。つまり、ファンドレイジングにおいて、理事は寄付をし、寄付者を探し、それができなければ立ち去れということです。このくらい、理事の役割は重要であり、責任を果たすことが求められます。

理事会の構成(人数と人種の多様性)については、1994年には人数は平均19人でしたが、2014年には15人に減少しています。こうした点からも、これまで以上に理事の構成については慎重にならなければなりません。米国のNPOセクター全体でみると、人種、性別、年齢などの多様性は広がってきていますが、更なる多様性が求められているようです。

私もNPO・NGOの理事やアドバイザーに就任していますが、理事メンバーの専門性・多様性と意志決定を迅速に行うための適切な人数構成や、当該NPO・NGOへの具体的な貢献度については考えさせられることが多いですね。





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NPOファンドレイジングボランティア寄付社会的起業CSRソーシャル・マーケティングマネジメントパートナーシップ教育メディアまちづくり公共政策
営利企業がNPOから学べる6つの教訓 [2014年11月04日(Tue)]


非営利であるNPOと営利の企業は、それぞれ存在目的は違えど、資金や人材、テクノロジーなどの経営リソースを適切に配分しながら、達成するべきゴールに向かって組織を運営していくという点では同じといえるでしょう。

NPOセクターにおいては、これまでは、企業セクターで蓄積されたマネジメントのノウハウやテクノロジーなどを全部もしくは一部取り入れながら組織運営を行ってきました。まだまだマネジメントがしっかりしていると言える団体は数えるほどしかありませんが、この記事では、逆に、企業がNPOから学べる組織運営のポイントを6つ紹介しています。

(1)タイミングの重要性を認識する
NPOでは、自然災害に対する緊急支援などを通じ、危機的状況にあるときには、流通やコミュニケーションがタイムリーに行われなければならないことを理解している。企業においても、競合が新製品を発売する場合など、常に次に起こりうる状況を予測して計画することは、市場に迅速に反応するためにも不可欠である。赤十字社が、9/11テロの後に新規を集めて緊急通報システムをアップグレードしたことがメディアに取り上げられた際に批判されたように、タイミングとは、正しいことを正しい時期に行うことだけではなく、それがどのように“受け止められるか”を意識しておくことである。

(2)信頼関係を構築・維持する
NPOでは、受益者や支援者などと信頼関係を構築するのは非常に難しく、また、すぐに壊れてしまうことを理解している。企業の経営層も、サプライヤーや顧客、従業員との間に信頼関係を構築しなければならない。

(3)高い倫理基準を持つ
NPOであれ企業であれ、高い倫理基準を持つ組織で働くスタッフは長くその組織に留まる傾向にある。また、高い倫理基準を持っていることは口コミでも広がり、支援者や能力の高いスタッフ、顧客を集めることに繋がる。実際に、営利企業でありながら社会や環境問題の解決に貢献するという目的を持つ「ベネフィット・コーポレーション」では、労働慣行や調達などにおいて自発的に高い倫理基準を満たしているが、設立コストはかかるものの、長期的にみると経済的な恩恵を受けている。

(4)タダより高いものはないことを理解する
ボランティアは高い価値を持つ一方、最終的な責任を負うわけではなく、トレーニングも必要で、スタッフと同じように人種差別主義者や性差別主義者として経営層を悩ませることもありうる。ボランティアにはマネジメント、インセンティブ、トレーニングが必要であるが、企業においても、インターンや学生など、無料もしくは安価に活用できる外部の人材リソースを抱えているが、こうした人材が組織の信頼や社会の認知を損ねるリスクがあることを認識しておかなければならない。

(5)情熱が人を動かすことを理解する
NPOを動かすのは情熱であるが、企業においても同じことが言える。経営層は、自社の製品やサービス作りに情熱を注ぎ、株主にその情熱を伝えなければならない。もし、自社の製品やサービスを社会に普及させ、顧客のニーズを満たしたいという強い想いが持てるなら、その想いは自然と周りに伝染していく。マイクロソフト創設者のビル・ゲイツは、過去にはコンピューター・ビジネスに、現在は社会課題の解決に情熱を注いでいる。

(6)スタッフを信頼する
NPOにおいて信頼されていると感じているスタッフやボランティアは仕事のパフォーマンスが高い。実際に、企業セクターにおいても、信頼されていると感じているスタッフは、そうでないスタッフと比べ、顧客サービスを改善し、売上記録を伸ばすというデータがある。このことを実現するためにも、徐々にスタッフの責任を増やし、測定可能な明確な目標を与え、スタッフ間における仲間の信頼を醸成するような取り組みを行う。

この記事は、米Yahoo! Small Businessに掲載されているものであるため、主たる読者は中小企業でしょうが、上述の6つのポイントは大手企業に対しても言えることですね。これまでは、企業からNPOへ組織マネジメントのノウハウやテクノロジーが一方的に輸出(移植)されてきましたが、いよいよ逆に、営利企業がNPOから学べることが増えてきたように思います。

特に日本企業では、提供する製品やサービスの改善レベルにとどまり、結果として不要なモデルチェンジや価格競争が当たり前になっています。つまり、イノベーションを起こせなくなっているということです。NPOの組織運営には、こうした状況に対するブレークスルーのヒントが多く含まれているのではないでしょうか。

この分野については、今後の自分の研究テーマとしてしっかり追いかけて行きたいと思います。

【2014/10/15 Yahoo! Small Business記事参照】




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社会課題の解決を加速させるためのNPOの統合・合併 [2014年10月28日(Tue)]


米ペンシルバニア州ランカスター(人口約6万人)にあるLancaster Museum of ArtとDemuth Museumが、約30ヶ月にもわたる協議を経て、統合を発表しました。2つの施設は名前も含め、そのまま残りますが、ミッション、理事会、スタッフ(10人→6人に削減)は1つになります。統合の理由は、特にスタッフとガバナンスという経営リソースを最大化することにあります。

統合というと、組織運営の失敗という印象を受けがちですが、特に地元の議員や財団などの出資者から奨励・支持された場合、その統合は強さとバイタリティを象徴するものとなります。ランカスターのケースも、地域の財団や市長により認められ、コミュニティ全体としてポジティブな影響を持つものとして伝えられました。このような統合の場合は、単なる経営リソース不足を解消するためではなく、コミュニティのポジティブな認知を得ることになります。

統合・合併の要因を調査した結果では、93%は、サービス提供を拡大し、長期にわたる財政基盤を安定化させるためと答えています。また、75%は、統合しなければ無くなくなってしまうであろうプログラムや事業を救済するためと答えています。この結果からも、NPOが拠って立つコミュニティという存在が統合を行うかどうかの決定に大きな影響を与えています。

一方で、統合・合併は必ずしもハッピーエンドで終わるというわけではありません。統合を考えているNPOは、その統合に影響を与えるすべてのデータを調査しなければなりません。2010年のSacramento PhilharmonicとSacramento Operaの統合では、もともと顧客の重複による無駄なコストの削減を狙ったものでしたが、実際には、重複部分はわずかであったにも関わらず統合を行い、意図した結果にはなりませんでした。このケースでは、統合が必ずしも唯一の対策ではなかったのです。

National Council of Nonprofitsは、NPOの統合・合併のネガティブなイメージを払拭するために、“コラボレーション”“戦略的提携”さらには“パートナーシップ”などと呼んでいます。これらの言葉にみるように、少なくともNPOが理解しなければならないのは、自団体1つだけで社会課題を解決できるとは思わないことです。NPOセクターでは、企業セクター以上に団体同士の横の繋がりが薄いように感じていますが、取り組む社会課題の大きさや複雑さを考慮すると、統合・合併というかたちであれ、提携であれ、コラボレーションであれ、何らかのかたちで共に社会課題を解決するという姿勢が必要です。

【2014/09/26 NONPROFIT QUARTERLY記事参照】




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理事会を活性化し価値あるものにするための10のアイデア [2014年10月14日(Tue)]


私自身、国際協力NGOの公益社団法人シャンティ国際ボランティア会エイズ孤児支援NGO・PLASのアドバイザー、赤い羽根共同募金のモデル改革事業のアドバイザーを務めていますが、理事会や非公式な会議など、理事を伴う会議の運営は難しいと感じることが多々あります。事務局にとっては、理事の大半は他に仕事を持っているため、何より、全理事を確実に招集するのが困難であり、様々なバックグランドを持っているため、意見の集約と合意形成を図るのもかなり高度なコミュニケーション力が必要とされます。

また、長年同じ理事構成で運営をしていると、理事会自体がおざなりなものになってしまい、活気がなくなります。結果として、団体の日々の運営や将来の戦略を決定するという機能を失ってしまうことにもなりかねません。

この記事では、NPOの運営に大きな影響を及ぼす理事会を活性化し価値のあるものにするための10のアイデアが紹介されています。

(1)成果を意識した協議事項にフォーカスする
会議で決定しなければならない事項を明確にし、協議事項の内容や時間配分などを明確にしておく。

(2)クリエイティブな場作りに努める
協議事項の順番を変えてみたり、参加理事の興味感心や熱意を掻き立てるような議題を最初に持ってくるなど、クリエティブになれるような場作りを行う。

(3)団体の抱える課題やチャレンジ、理事に関わる問題にフォーカスする
今後の方向性に影響のあるような議題を議論することで、個々の理事のバックグランドや専門性が活かされる。

(4)インパクトの大きな議題を取り上げる
今後の方針について大きな青写真を描く必要のあるような規模の事業計画について、SWOT(Strength、Weakness、Opportunity、Threat)の観点で議論してみる。

(5)理事を励ます機会としてい位置づける
理事会は理事をアクションへと駆り立てる機会であるため、理事をチームとして見、事務局スタッフは彼らを励まし、祝福する場として位置づける。

(6)事前に協議事項を伝える
合意が必要な協議事項を事前にEメールなどで伝え、誰もが会議の場で議論したい案件を切り出せるようにしておく。

(7)事務局長と軽いチャットを行う
理事会の開始前に10分程度、事務局長と立ち話レベルの会話を行い、公式な理事会の協議事項としては持ち出されないような事務局長の抱える課題などを伝える。

(8)毎回の理事会で重点テーマを決める
毎回の理事会で1つ重点的に協議するテーマを設定する。場合によっては、数回に分けて議論をする必要もある。

(9)ミッションと向き合う機会を提供する
個人的な体験や証言、受益者や支援者のストーリーやエピソードなど、団体のミッションや存在意義そのものに向き合えるような情報を提供する。

(10)グループに分ける
団体運営の報告を行う型通り行うだけでなく、理事に質問を投げかけ、それをグループに分けて議論する。事務局は、理事全員が議論に参加し発言できるようにファシリテートする。

一般的に、米国のNPOは理事主導型といわれ、理事は、個々が持つファンドレイジングなどの専門性や人的ネットワークをいかんなく発揮することが求められます。個人的には、“現地・現物・現認”の観点から活動の現場を担う事務局主導型の方が良いと思っていますが、理事も事務局も双方が果たすべき任務をきちんと認識した上で、団体の成長フェーズや取り組む事業の内容によって、適宜、関係のバランスを見直していくべきでしょう。

【2014/09/17 FundRaising Success記事参照】




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寄付者に対する報告を効果的に行うための5つのアイデア [2014年10月08日(Wed)]


寄付をいただいたNPOが寄付者に対して行わなければならないことは、「お礼」「報告」「特典」の3つです。

言うまでもありませんが、お礼は、寄付いただいたことに対する感謝の意を表したものであり、報告は獲得した寄付の総額、使途、活動の成果などを報告するものです。特典は、実用的であることをベースに、寄付者に対するインセンティブとして、活動への支援を更に促進するようなもの、広報に繋がるもの、団体の売上に寄与するものという切り口で提供していきます。

中でも報告は、「いただいた寄付がどのような成果に繋がったか」ということを伝える非常に重要な役割を果たしますが、その重要性とは裏腹に、大半のNPOにおいては適切に報告が行われていないの実態です。その理由として、一度寄付を獲得したら、更に別の寄付者から寄付を獲得することに意識が向き過ぎてしまうということがあります。もう1つの理由は、報告業務にはそれなりの作業(時間)や費用がかかるために後回しになってしまうということです。

この記事では、寄付者に対する報告を効果的に行うための5つのアイデアを紹介しています。

(1)お礼の後に寄付者に報告するためのリソースを確保する
スタッフを教育し、事業担当者を積極的に関わらせるなど、組織全体の意識を変えていく。

(2)実施した事業の全てについて効果とインパクトの評価を行う
このことが組織に根付くと、寄付者に対して伝えるべき情報には大きな価値が含まれることになる。

(3)年に1度の報告頻度を変える
年次報告書が必ず読まれると想定してはならず、1ページ程度の分量で構わないので、Eメールなど通常の郵送以外の方法により、月次もしくは四半期に一度の頻度で小まめに報告する。

(4)ソーシャルメディアを活用する
FacebookやTwitterなどのコミュニケーション・ツールを活用する。報告は冗長なものである必要はなく、写真、ストーリー、動画などを使用し、いかに寄付が社会課題の解決に繋がったのかを伝える。

(5)寄付者に驚きを与える
事業の内容に加え、活動の様子、感情、変化などが伝わる動画、音声、写真を添えて、ソーシャルメディアやEメール、手書きのレターなどで送付する。

報告を行うのは当たり前のことであるにも関わらず、多くのNPOが作成する事業報告書は、所轄庁が例示するサンプルそのままの非常におざなりな内容になっています。官公庁などによる調査結果では、寄付者が寄付を止めた理由の上位として必ず、お礼の後、「寄付がどのように使われたかを説明しない」ことが挙げられています。にも関わらず、上述のような状況が放置されているのです。

この事実をあらためてしっかりと認識し、組織に蔓延る悪しき文化や風習を変えていかなければなりませんね。逆に言うと、スタッフの意識変革含め、早く仕組化できた団体が勝ち、ということです。

【2014/09/29 FundRaising Success記事参照】




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NPOで転職する際に意識しておくべき8つのポイント [2014年09月29日(Mon)]


転職により職場を去る時は、去る方も去られる方もあまり良い気分はしないものです。仕事を辞める側も、2度と会うことはないだろうとタカを括って言いたい放題言い、後味悪く別れた後、しばらくして別の場所でバッタリ会ったり、一緒に仕事をすることになったりというのは良くある話です。また、そういった去り際の悪さは噂になってすぐに広まってしまいます。とりわけNPOセクターは、まだまだ小さなセクターであり、どこでどう一緒になるか分からないため、別れ際は綺麗にいきたいものです。

この記事では、転職により職場を去る際に意識しておくべき8つのポイントが紹介されています。

(1)連絡先を最新にする
職場を去る前に、とりわけ潜在的な照会者(身元保証)、または連絡をとり続けたい相手の連絡先情報(LinkedIn、Eメール、電話など)が最新のものになっているかどうかを確認する。

(2)所持品を整理する
最終日にバタバタしないように、事前に個人の所有物などは片付けておく。職場によってはセキュリティ上の理由で、辞職後すぐにオフィスを退出しなければならないケースもあるため、重要な個人情報を置き忘れることがないようにファイル類などを細かく確認しておく。

(3)落ち着く
転職には大なり小なり組織内での混乱はつきもの。同僚たちの言うことをいちいち気にせず、平静に対処する。

(4)退職届けを書く
口頭で上司や同僚に伝えるだけでなく、退職届けを文書で提出するのが望ましい。文書はポジティブかつ簡潔にまとめ、かつ、その職場で過ごした時間が価値のあるものであったことを記載する。

(5)事前に通知する
組織規模が小さいNPOであるほど、転職による人員減の影響は大きい。このため、前職が新規採用に付随する業務に十分な時間が確保できるように事前に通知をする。エントリー・レベルの業務の場合、最低2週間前での通知を行う。

(6)正直に伝える
転職を伝えることは、ある意味で、その職場に対して改善点を伝える良い機会にもなる。伝える際には、ただ不平を言うのではなく建設的に伝える。

(7)引き継ぎをする
転職に際して、本当に自分の存在が必要なプロジェクトや業務はきちんと完了させるようにする。後任に対してもしっかりと引き継ぎを行うとともに、緊急事態に備え、転職先の連絡先を伝えることは前職からも感謝される。

(8)フォローアップをする
職場を去る前に同僚に忘れずにお礼を伝える。Eメールで転職先に赴任したことを伝えたり、共に過ごした時間が有意義であったことを伝えるだけでも効果がある。

NPOはまだまだ狭い業界であるため、以前勤めていた職場と良い人間関係を構築しておくことは、以降のキャリアプランにも大きな影響を及ぼします。日本では一般的ではありませんが、米国では、転職にあたり前職の上司や経営層などから“推薦状”を求められるため、良好な関係を構築・維持することは死活問題とも言えます。

私も過去に何度か転職していますが、去り際が綺麗だったかどうかというと、???なところもあったような気がします(^_^;)

【2014/09/23 NONPROFIT QUARTERLY記事参照】




長浜洋二 著





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