大手コンサルティング会社によるNPOセクターへのビジネス展開 [2011年12月05日(Mon)]
NPOセクターが成長・拡大していくにつれ、米国では、大手コンサルティング会社がNPO向けのコンサルティング・サービスを提供するようになっています。
これまでは、コンサルティング会社の社員がプロボノでNPOを支援するというの見慣れた光景でしたが、無償のボランティアではなく、有料のコンサルティング・サービスを提供するということです。一般的には、企業に対するコンサルティング料よりも割引きされた料金体系となっています。 これまで、NPO向けにサービス展開をを行ってきたコンサルティング会社としては、下記のようなものが挙げられます。 ■ブーズ・アレン・ハミルトン(Booz Allen) 2007年にNPO向け部門を設立し、企業向けと同様のサービスを提供 ■モニター・グループ(Monitor Group) 2007年にNPOを支援するためモニター研究所(Monitor Institute)を設立 ■アクセンチュア(Accenture) 2002年にNPO向けのアドバイスを行う、アクセンチュア開発パートナーズ(Accenture Development Partners)を設立 ■ウェルスプリング・コンサルティング(Wellspring) ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)のパートナーが2002年に設立したNPO向けコンサルティングサービスの提供会社 ■ベイン&カンパニー(Bain & Company) 2000年に別組織として、NPO向けにマネジメント・コンサルティングを行うブリッジスパン(Bridgespan)を設立 ■マッキンゼー&カンパニー(McKinsey & Company) 2000年に非営利セクター向けのコンサルティングを開始 ■FSGソーシャル・インパクト・アドバイザーズ(FSG Social Impact Advisors) 1999年にマイケル・ポーター(Michael Porter)により設立された非営利団体 こうしたコンサルティング会社の動きは、探に利益率の低いビジネスに進出しているように見えますが、社会貢献に関心の高いコンサルタントを採用・維持することにも繋がっています。さらには、会社としてこうした分野に取り組むことで、会社のブランディングにも寄与しているとのこと。 NPOからすると、無償で獲得できていたコンサルタントのスキルやノウハウが今後は有料にシフトしていく可能性があり、より自律・自立的に活動することが求められます。一方で、コンサルティング業界全体でNPOの支援に向けたプロフェッショナル・サービスや組織体制が確立されることで、ボランティアベースでの当てにならないコミットではなく、より洗練された、確実なサービスを受けることができます。いずれにせよ、社会にはびこる様々な社会問題の解決促進に繋がっていくことは間違いないでしょう。 それにしても、日本のコンサルティング会社にも、同様の取り組みを期待したいですね。 【2011/11/18 THE CHRONICLE OF PHILANTHROPY記事参照】 Tweet マネジメントの記事一覧へ≫≫≫ NPO|ファンドレイジング|ボランティア|寄付|社会的起業|CSR|ソーシャル・マーケティング|マネジメント|パートナーシップ|教育|メディア|まちづくり|公共政策 |