ファンドレイジングにおけるチャリティ・イベントの費用対効果 [2011年06月17日(Fri)]
チャリティ・ウォークやマラソン、バイクレースなど、スポーツを媒介としたチャリティ・イベントが一般的になっていますが、その費用対効果はいかほどでしょうか?
インディアナ大学フィランソロピー・センター(Center on Philanthropy at Indiana University)等が実施した調査結果によると、参加者に対する各種供給品、一般聴衆に対するアメニティへの配慮、セキュリティの確保、そしてテント、トイレ、看板等の備品など、イベントの運営にかかる費用を足し上げると、収益のうちの47%〜50%を占めているようです。この数字は、ダイレクトメール(DM)における20%〜22%、大口寄付の獲得における10%〜18%と比較すると、2倍以上にのぼります。この結果からすると、費用対効果はそれほど良いわけではなさそうです。 もちろん中には、非常に費用対効果の良いイベントもあります。昨年4億ドルを集めた、米国がん協会(American Cancer Society)が実施したチャリティ・イベント「Relay for Life」では、わずか8%の費用しかかかっていません。このイベントは、参加チームがリレー方式で24時間止まることなく、がんに立ち向かう日々の思いや体験を語り合いながら歩き続けるというものです。 米国ではじめて実施されたチャリティ・イベントは、1969年に実施されたチャリティ・ウォーク(walkathon)だそうです。数あるファンドレイジングの手法として、スポーツの要素を伴ったイベントの歴史はかなり古いですね。イベントの中には、ほとんど無料で実施できているイベントもあったり、そもそも寄付金を集めることだけが狙いではないイベントもありますので、費用対効果だけの観点でその可否を判断しないほうがいいですね。 【2011/06/11 WSJ.com記事参照】 Tweet ファンドレイジングの記事一覧へ≫≫≫ NPO|ファンドレイジング|ボランティア|寄付|社会的起業|CSR|ソーシャル・マーケティング|マネジメント|パートナーシップ|教育|メディア|まちづくり|公共政策 |