庭師〜北山安夫氏。我々造園業界でも有名な庭師の一人なのです。
技術的にお話しされていたことは、どれもよく分かるものでした。
しかし、それ以上に、ものづくりに対する心構えや社会人として、人間として生きるために必要な気持ちを教わった内容でした。
番組の中で紹介された言葉を書きとめておきたいと思います。
『己を出さず、自分を出す』
禅問答のような言葉のように思うのですが、庭造りに限らず、ものづくりは自分の驕りや思い込みを捨て、相手の気持ちになってイメージを作り、そして現場では何者にも負けない強い信念を持って臨むということなのだと思うのです。
「己を捨ててこそ、心が伝わる。」思わず唸ってしまいました。
そして、私が自分にいつも言い聞かせていながら実行ができていない言葉。
『中途半端では感動は生まれない』
例え大きな壁にぶつかっても投げ出さない。自分が想いを込めたものを『適当』に妥協しない。
適当にできた成功よりも必死で取り組んだ失敗の方が得るものがあるということだと思うのです。
『庭造りで大切なのは思いやり、そして愛。愛に尽きる』
嫌らしい言い方ではなく、先にも書いたお施主さんへの思いやり、材料への思いやり、自然への思いやり。
人を愛し、自然を愛し、庭を愛する。この気持ちこそがものづくりの基本であり、それがひとづくりにつながるのではないかと思います。
『引き受けたらNOはない。やる、やる、やる、やるしかない。』
今は亡き私の元上司がしきりに私を指して言っていた言葉とラップする。
「へんこつ侍は絶対にできんって言わん。」
私に暗示を掛けていたのかもしれませんが、生前彼が本気で私のことをそう思っていてくれていたとしたら、私がモットーとしていることは、ちゃんと伝わっていたのだと思うのです。
最後に、プロフェッショナルとは、逃げられない人と言っていました。そのとおりだと思う。が、しかし、私はまだ逃げられる。
まだ、プロフェッショナルではないのかもしれません。更に精進です。
明日からまた出直しです。気分一新、役所にいても造園家としてのプライドを持って仕事に臨みたいと思います。
Posted by へんこつ侍 at 23:20 | へんこつ | この記事のURL | コメント(6) | トラックバック(0)