NHKスペシャル[2007年05月14日(Mon)]
昨日午後9時からのNHKスペシャル『夕張 破綻が住民を直撃する』に続き、今日も
『存続か廃止か 〜岡山市・住民サービスをめぐる攻防〜』を見ました。
昨日は、すでに財政破綻で大きく問題になっている夕張市の破綻後の住民の生活の様子について、市立病院から退院を迫られ他町の民間病院へ転院を余儀なくされた高齢者、炭鉱をテーマにした観光施設から解雇され、再就職のため夕張市を離れることになった育ち盛りの子供を持つ男性、経費削減のため市による除雪が制限された自治会の高齢者が自分達で地域の課題解決に取り組み始めた事例が紹介されていました。
そして、今日は7千億円の借金を抱える岡山市が昨年、全ての行政サービス2100事業の見直しに取り掛かったという話題でした。初年度は全事業の3割について廃止や民営化などに移行し、見直しを実行するというもので、行政改革推進課と各担当課が互いの主張を譲らない攻防が報じられていました。
具体的には高額な土地区画整理事業、民間企業に見放され利用者が少ない公共施設、市町合併時に約束した農業集落排水事業、高齢者用集合住宅の建設について、国の制度や利害関係のある住民、議員あるいは将来を懸念する職員の想いが事業の見直しにブレーキをかけている現状を紹介していました。
結局岡山市では、89事業廃止、2事業民営化など5億9,000万円の削減に留まることとなったようです。
なかでも土地区画整理事業の話題は市議会でも取り上げられ、削減を目指す理事者側に議会を傍聴し、落胆する利害関係のある自治会長に「市の大きな借金はどうしますか?」との問いに、「借金のことは知らん。区画整理事業で7,000億円の借金をしたわけじゃない!!」という言葉が印象に残っています。
また、一般の市民にも事業見直しについて考えてもらう「市民評価者」制度を行い、30名程度の市民が参加したところ、ほとんどの市民は事業見直しを希望しているのに、ある市議会議員からは、「1人4〜5000人の意見を聞いている議会を軽視し、わずか30人足らずの市民で提出された意見を反映するのはいかがなものか?」という言葉も残りました。
我が丸亀市も財政再建団体にならないように、事務事業の見直しや経費削減に向けた計画や取り組みを進めています。
昨日、今日のNHKスペシャルでは、行政職員の怠慢をクローズアップするかのような視点で報じられていましたが、こうなった原因は我々公務員にだけあるのではありません。
日本の社会全体として、『公共サービス=行政サービス』となってしまい、市民は行政に、議会は市民に「ぶら下がり頼り切る」構造になってしまったのではないかと思うのです。
今日も行政改革推進課長がおっしゃっていた、まちのビジョンなく、目の前のメリットをより早く現実のものにしたいという刹那的な思考がはびこってしまったことが大きく起因すると思うのです。
我々戦後の日本人は、『将来』という悩ましく曖昧で甘く、それでいてmustな言葉にほだされて、現実や課題から逃げ続けてきたのです。
行政改革は目的ではなく、日本国憲法で保障された市民の生活を守り、可能な限りよりよい生活を送るための手段なのです。
いろいろな想いが巡っていますが、私が今強く感じている協働や市民活動の推進は、これまでの「もたれ合う」構造から、行政、市民、地域がそれぞれ主体として自立し、「支え合う」構造に変えるものであると思うのです。
昨日今日のNHKスペシャル。とてもよい勉強になりました。
『存続か廃止か 〜岡山市・住民サービスをめぐる攻防〜』を見ました。
昨日は、すでに財政破綻で大きく問題になっている夕張市の破綻後の住民の生活の様子について、市立病院から退院を迫られ他町の民間病院へ転院を余儀なくされた高齢者、炭鉱をテーマにした観光施設から解雇され、再就職のため夕張市を離れることになった育ち盛りの子供を持つ男性、経費削減のため市による除雪が制限された自治会の高齢者が自分達で地域の課題解決に取り組み始めた事例が紹介されていました。
そして、今日は7千億円の借金を抱える岡山市が昨年、全ての行政サービス2100事業の見直しに取り掛かったという話題でした。初年度は全事業の3割について廃止や民営化などに移行し、見直しを実行するというもので、行政改革推進課と各担当課が互いの主張を譲らない攻防が報じられていました。
具体的には高額な土地区画整理事業、民間企業に見放され利用者が少ない公共施設、市町合併時に約束した農業集落排水事業、高齢者用集合住宅の建設について、国の制度や利害関係のある住民、議員あるいは将来を懸念する職員の想いが事業の見直しにブレーキをかけている現状を紹介していました。
結局岡山市では、89事業廃止、2事業民営化など5億9,000万円の削減に留まることとなったようです。
なかでも土地区画整理事業の話題は市議会でも取り上げられ、削減を目指す理事者側に議会を傍聴し、落胆する利害関係のある自治会長に「市の大きな借金はどうしますか?」との問いに、「借金のことは知らん。区画整理事業で7,000億円の借金をしたわけじゃない!!」という言葉が印象に残っています。
また、一般の市民にも事業見直しについて考えてもらう「市民評価者」制度を行い、30名程度の市民が参加したところ、ほとんどの市民は事業見直しを希望しているのに、ある市議会議員からは、「1人4〜5000人の意見を聞いている議会を軽視し、わずか30人足らずの市民で提出された意見を反映するのはいかがなものか?」という言葉も残りました。
我が丸亀市も財政再建団体にならないように、事務事業の見直しや経費削減に向けた計画や取り組みを進めています。
昨日、今日のNHKスペシャルでは、行政職員の怠慢をクローズアップするかのような視点で報じられていましたが、こうなった原因は我々公務員にだけあるのではありません。
日本の社会全体として、『公共サービス=行政サービス』となってしまい、市民は行政に、議会は市民に「ぶら下がり頼り切る」構造になってしまったのではないかと思うのです。
今日も行政改革推進課長がおっしゃっていた、まちのビジョンなく、目の前のメリットをより早く現実のものにしたいという刹那的な思考がはびこってしまったことが大きく起因すると思うのです。
我々戦後の日本人は、『将来』という悩ましく曖昧で甘く、それでいてmustな言葉にほだされて、現実や課題から逃げ続けてきたのです。
行政改革は目的ではなく、日本国憲法で保障された市民の生活を守り、可能な限りよりよい生活を送るための手段なのです。
いろいろな想いが巡っていますが、私が今強く感じている協働や市民活動の推進は、これまでの「もたれ合う」構造から、行政、市民、地域がそれぞれ主体として自立し、「支え合う」構造に変えるものであると思うのです。
昨日今日のNHKスペシャル。とてもよい勉強になりました。
Posted by へんこつ侍 at 23:59 | 協働を考えよう! | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)