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「自閉症スペクトラム障害」の客観的な診断方法にむけた研究が東大病院で [2013年09月26日(Thu)]

「マイナビニュース」が 9月24日(火)9時32分配信 した記事を紹介します。発達障害の診断は操作的な診で行われていますが、生物学的な方法でより客観的にできるかどうか、興味深いニュースですので紹介します。

「自閉症スペクトラム障害」の客観的な診断方法の確率に前進 - 東大病院

 東京大学医学部附属病院(東大病院)は9月12日、対人コミュニケーションの障害を主な症状とする発達障害の「自閉症スペクトラム障害」の客観的な評価方法を開発するため、網羅的に血液中の代謝産物を調べる「メタボローム解析」を行った結果、自閉症スペクトラム障害を持つ群では、アミノ酸の1種「アルギニン」など、4つの代謝産物の血液中濃度が健常対照群に比べて偏りがあることがわかり、この4つの代謝産物の血液中の濃度を利用することで、自閉症スペクトラム障害か健常対照かを約80.0%という高い確率で判別できたと発表した。
 成果は、東大病院 こころの発達診療部/東大大学院 医学系研究科 こころの発達医学分野の桑原斉助教、同・病院 精神神経科/同・研究科 精神医学分野の山末英典准教授、同・研究科 精神医学分野の笠井清登教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、9月19日付けで米オンライン科学誌「PLoS ONE」電子版に掲載された。
 自閉症スペクトラム障害は、一般人口の100人に1人以上で認められる代表的な発達障害だ。(1)対人相互作用の障害、(2)言語的コミュニケーションの障害、(3)常同的・反復的行動様式、という3つの中核症状すべてを有する自閉症から、(1)と(3)だけを有する「アスペルガー障害」、(1)だけを有する特定不能の「広汎性発達障害」までを含む概念だ。自閉症的な特性は、重度の知的障害を伴った自閉症から、知的機能の高い軽度の自閉症を経由し、対人関係上でいわゆる変わり者といわれるような正常範囲の人まで続く、連続的なスペクトラムを形成するという考えに基づいている。
しかし、現在の診断は、主として本人との面談や行動観察、養育者からの聞き取りによって実施されていて、診断の正確さが診断を行う専門家の主観に影響されているという課題がある。多くの研究が、生物学的な客観的指標による自閉症スペクトラム障害の診断を目指して実施されてきたが、実際の臨床で使用されている生物学的検査は現在のところ存在していない。
 近年、100種類以上の代謝産物を網羅的に測定することができるメタボローム解析の技術が発展し、自閉症スペクトラム障害に関しても尿中のメタボロームを解析した研究が報告されている。その一方で、血液中の代謝産物を自閉症スペクトラム障害で測定した報告はこれまでなかった。そのため、血液中の代謝産物を網羅的に測定することで、自閉症スペクトラム障害の客観的指標を開発できる可能性があると研究チームは考察。そして、今回のメタボローム解析が実施されたというわけだ。
 メタボローム解析とは、生体内に核酸(DNA)やタンパク質のほかに存在している、酵素などの代謝活動によって作り出された糖、有機酸、アミノ酸などの低分子の代謝産物(メタボライト)の種類や濃度を網羅的に分析・解析する手法のことだ。外部からの刺激(温度や光など環境の変化や薬物摂取、食事など)や疾病などにより代謝が変化すると、血液、尿、組織、細胞、液胞などの中に存在する代謝産物の種類や濃度に変化が起こる。その変化を分析することにより、生物学的マーカーの探索や代謝の生化学的仮説立案・検証が可能となる仕組みだ。
 そのメタボローム解析は、2回に分けて実施された。1回目の測定は10名の自閉症スペクトラム障害群と10名の健常対照群、2回目は1回目と異なる15名の自閉症スペクトラム障害群と18名の健常対照群の血中濃度が比較されたのである。いずれも100種類以上の代謝産物が同時に測定されたが、1回目と2回目で共通して認められた結果は、アルギニンと「タウリン」の上昇、「5-オキソプロリン」と乳酸の低下だった(画像1)。
 そして、これら4つの代謝産物の濃度の違いを利用することで、有意に高い確率で自閉症スペクトラム障害か健常対照かが判別されたのである(1回目:80.0%;2回目:78.8%)。またアルギニンの上昇の程度は、対人交流や学校や職場での問題の程度などに基づいて精神科医が評定した生活機能の全体的評定の低下と関連していることも判明したのである(画像2)。以上の結果から、アルギニンを初めとする4つの代謝産物の血中濃度を使うことで、自閉症スペクトラム障害の客観的な診断ができる可能性が示された形だ。
 なおアルギニンは天然に存在するアミノ酸の1つで、生体内では尿素回路の中間体として生合成される。必須アミノ酸ではないが、生体内で必要な量を合成できない成長期には摂取が必要と考えられている物質だ。代謝産物である一酸化窒素を介して、成長ホルモンの分泌促進、免疫機能の向上、脂肪代謝の促進など、生体内で種々の機能に関与していることがわかっている。
 ただし、これらの代謝産物の異常が自閉症スペクトラム障害の原因なのか、あるいは逆に自閉症スペクトラム障害に起因するものなのかは、今回の研究では明らかにはなっていない。自閉症スペクトラム障害のどのような特性と関係があるのかも含め、将来の診断・治療技術の確立に向けて、病態と代謝産物の機能的な関連を引き続き検討する必要があるとしている。また、今回の結果が普遍的な事実であると確認するためには、より多数の研究参加者による再現研究が必要であると考えられるという。今回の研究結果からは、合計で50人〜150人程度の研究参加者が必要だと試算できたとしている。

タグ:発達障害
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