第5回世界自閉症啓発デイにあたり、国連事務総長がメッセージ [2012年04月02日(Mon)]
国 連 事 務 総 長 メ ッ セ ー ジ(東京、2012年4月2日)
世界自閉症啓発デーに参加なさっているみなさまにご挨拶することができ、とても嬉しく思います。わたしは、日本が世界自閉症 啓発デーに対して継続的に関心を寄せていただいていることに感謝します。日本の取組は、世界的な取組に大いに貢献するものです。 自閉症は、ある地域や特定の国に限られたものではありません。グローバルな取組が必要な世界共通の課題なのです。 自閉症のように発達障害は、子どものころに発現し、その方の 一生においてずっと続くものです。自閉症の方と一緒に、そして 自閉症の方のために活動するには、安易に決めつけたり対応したりしてはいけません。その方の生涯にわたって、継続的な療育や教育など一貫した支援が必要です。 自閉症スペクトラム障害の方を支援するためには、世界の政治的関心と国際協力が必要となります。先進国でも途上国でも同様に、自閉症の方のニーズを扱ったり、彼らの才能を引き出したりすることが必要なため、社会や教育、労働での支援は大変重要です。 自閉症の方が個々にサービスを受けるためにも、私たちは更なる 研究を進め、身近な支援者を養成し、自閉症の方がより支援を受けやすくなるようにする必要があるのです。 世界自閉症啓発デーは、そのような行動を喚起し、自閉症の方や、その方の周囲の方々が経験した、受け入れがたい差別、虐待、孤独について関心を寄せる機会となります。障害者権利条約で強調されたように、自閉症の方は、すべての人権及び基本的自由をもつ市民と変わるところはありません。 4月2日、ニューヨーク、ウイーン、ジュネーブにおいて、 自閉症を知ってもらうために、国連郵政では、6種類の記念切手、2種類の封筒を販売しております。それらは、自閉症と診断されたアーティストによって作られており、世界中の人々に、わたしたちすべてに才能と創造力があるという力強いメッセージを与えてくれることでしょう。 わたしの妻は、自閉症の啓発や権利擁護について熱心に取り組んでまいりました。また、自閉症そのものについてだけでなく、 自閉症の方の生活を改善することをも、わたしと一緒に話し合ってきました。みなさん、自閉症などの方々が可能性を実現し、その 特性を生かす機会をもち、幸福な生活が送れるよう手をつないで まいりましょう。 |