京の老舗に学ぶ経営者倫理のエッセンス(1)
[2008年03月05日(Wed)]
京都商工会議所主催の表題のセミナーに出席した。
講師は立命館大学政策科学部教授の服部利幸氏と、株式会社本家尾張屋十五代取締役社長の稲岡傳左衛門氏である。
その備忘録(→は筆者のノート)。
講師は立命館大学政策科学部教授の服部利幸氏と、株式会社本家尾張屋十五代取締役社長の稲岡傳左衛門氏である。
その備忘録(→は筆者のノート)。
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京の老舗に学ぶ経営者倫理のエッセンス(1)
京都商工会議所主催の表題のセミナーに出席した。
講師は立命館大学政策科学部教授の服部利幸氏と、株式会社本家尾張屋十五代取締役社長の稲岡傳左衛門氏である。 その備忘録(→は筆者のノート)。
企業として社会の持続的発展に貢献する
3月1日(土)、表題の題名のセミナー(主催:京都商工会議所)に参加した。講師はきょうとNPOセンター常務理事・事務局長の深尾昌峰氏である。
今回のセミナーは、博士論文の理論的中心とも重なる。 その備忘録。
京の商いシンポジウム
伝統文化と現代
CSRに関する議論
京都の老舗経営(3)
京都の老舗の経営(2)
今月いっぱい続くシリーズの続き。
今週のテーマは「お客様を裏切らない商い −信頼確保・信用維持に関する攻めの側面−」と題して、 税理士・映像学部非常勤講師 久乗哲氏の講演である。 先週は、老舗の信頼の確保・信用の維持における「守りの側面」として、老舗のリスクマネジメントやガバナンスに着目したが、今週は「攻めの側面」ということで、顧客に喜ばれ、そして裏切らないために老舗は何をしてきたかの話であった。 その備忘録。
京都の老舗の経営(1)
立命館大学土曜講座に出席。今月のテーマが「京都の老舗に伝わる教えと経営者倫理」であり、博士論文とも大きく関わってくるところなので、できる限り参加できるようにしている。
11月10日(第2834回)は「 途切れない商い −信頼確保・信用維持に関する守りの側面」と題して、 税理士の磯林恵介氏より講演があった。 その概要と備忘録。
行政とNPOの交流セミナー
表題のセミナーに参加した。講師は龍谷大学教授の富野暉一郎氏である。
まず、イギリスにおけるNPOのビデオ。こんな内容であった。 もともと公共領域を担っていた市民セクターが、社会主義の台頭によって国家主導で公共サービスを握るようになり、第二次大戦後さらに「ゆりかごから墓場まで」で知られる、戦後英国の高福祉政策の下で、市民セクターにとっては「冬の時代」となる。 ところが、この政策が後に「英国病」を引き起こすことになる。英国病は単なる国家による公共サービスの肥大化による財政難ばかりでなく、それによる行政の肥大化によって市民の依存体質を引き起こしたこともあるのである。それにメスを入れたのがサッチャー政権。公共サービスの民営化を断行したが、市民セクターに権限は譲らなかった。 その後、労働党政権となりブレアが登場する。ブレア政権は、「取るに足らない存在」であった市民セクターに公共サービスと権限を渡した。そして政府はその活動に口出しをせず、公共サービスを行う団体に対して、資金援助のみを行うという政策を採った。こうなると市民セクターも情報を開示し、サービスの質を向上しなければならない。また行政も情報公開し、その財政支出に対しての説明責任を果たさなければならないという緊張関係と信頼関係が生まれたのである。 そしてレクチャー。 今日のわが国は、財政難によって公共サービスの民営化、いわゆる「官から民へ」のスローガンの下民営化が進められているが、その流れにおける市民セクターの役割はまだ「取るに足らない存在」である。 このような今日のわが国の状況の中で、市民セクターが真に「新たな公共の担い手」になっていくためには、自己分析と合意形成が必要である。また、行政は真の「公共」について考え、本当に行政でなければ担えない「公共領域」は何かを精査する必要がある。そこで初めて市民セクターと行政との協働が生まれるのである。 わが国においても昔から農村共同体における“結い”、小規模金融互助組織としての“講”、京都の番組小学校を誕生させた“学区”、消防署と消防団の役割分担と協働といった「日本型協働」がある。こうして考えて行くと、つまり住民は「みんなのための仕事ができる」といえる。 では、行政の本質的な姿とは何か。それは「権力」である。行政だけが持ちうるのは権力である。没収、処分、強制執行…すべて行政しかできない。行政は権力を持っていることを深く受け止め、その怖さを知ることである。それを踏まえ、本当に行政がなすべき仕事は3つ(1)権力的決定、(2)権力的、強制的な秩序維持(それをしないことで社会に不利益を与えること)、(3)落穂拾い(他セクターの仕事から抜け落ちること、あるいはまだ表出していない問題への対応)にある。つまり、行政の仕事は今日行われているような「後追い」ではなく、「率先して」やることなのである。 そこを踏まえて、新たな協働の姿を探る。行政の仕事を「社会の仕事」として、いかに市民セクターなどに転換できるか。(わが国における)伝統的なボランティア観(ただの仕事、奉仕精神)に立った社会には戻れない。それは継続性、責任性の担保が不可欠だからである。 まとめると、 (1)協働は今に始まった新しい政策ではなく、行政の本来のあるべき姿を取り戻すものである。 (2)パートナーシップは、行政内すべての部局に関わる行政改革である。 (3)だから、それなりのお金はかかる。そのお金の出し方が問題である。 といえる。
高度集積地区まちづくりシンポジウム
表題のシンポジウムの内容と考えたことの備忘録。
基調講演 島田昭彦氏 コラボレーションの仕掛け人として、ヒト、モノ、コト、文化をクリップし、情報発信し、ものづくりから、新業態開発、まちづくりまで、地域企業の支援やアドバイス、プロデュース、ブランディング、京都の老舗企業の巧みの技とラグジュアリーブランドとのコラボレーションを多数手がける株式会社クリップの島田昭彦氏は、京都中京の紋章工芸を営む家に生まれ、「京都が嫌で」東京の大学に進み、雑誌編集の仕事に就いた。 雑誌取材で訪れたイタリアの田舎町・ペルージャで京都の知名度の高さやに驚かされ、京都を意識した仕事をするようになった。 ものづくりについて 日本の文化は世界のブランドでも認められている。例えばルイ・ヴィトンのモノグラム。そのルーツは日本の家紋である。このように和と洋、伝統と現代をクリップするという目的で2005年、株式会社クリップを設立した。現在、外国人が日本、そして京都をどのように見ているかということに関心がある。 京都のものづくりに関する取組としては次のようなものがある。まず、京友禅の技術とデザインを活かしたアロハシャツ。きものの需要減で厳しい経営を強いられていた京友禅の染屋と意見交換をしながら「どこにもない」アロハシャツを開発。1着25000円もするシャツを誰が着るのか、という考えが京都人だが、東京や海外にはこのようはシャツのコレクターがいるし、情報感度の高い人たちがいる。そこで、アーティストに着てもらったりして情報発信をしていった。このような人たちをターゲットに作ったアロハシャツは話題を呼び、その企業は業績を回復。京友禅の不振でリストラした職人を再雇用するまでになった。そこで学んだことは「ところ変われば品変わる」ということである。場所やターゲットを帰ればそれを求めるヒトがいるのである。 次の例は和傘。京都で和傘を作っている店は1店だけとなった。つまり「和傘」としての市場はすでに限定的になっている。そこで発想の転換をした。和傘の持つ素材や製法を活かしつつ、用途を転換したのである。東京に住む照明デザイナーとのコラボレーションで誕生したのが照明器具である。このような用途転換も、デザイナーとのコラボレーションで可能になった。職人だけの発想では限界があるが、デザインと組み合わせることで新たな用途が開けた。 ブランドは自分で言っているだけではそれにならない。周囲から認められなければならないのである。それは何か。品質か、素材か、物語性か。世の中の流れをつかむことが求められる。 そのためには「世の中の半歩先を歩く」ことが求められる。例えば和傘についてはその素材であった。環境意識の高まった今日、竹と紙でできた照明器具は受け入れられるものであった。またそのデザインは和室ばかりでなく、コンクリート打ちっぱなしの部屋に住む一人暮らしの女性の生活スタイルにも受け入れられるものである。この照明器具はグッドデザイン賞を受賞した。 それと、LAのカリフォルニア現代美術館のキュレーターに絶賛されたことも大きい。 「匠のものづくり」だけでは弱いのである。どちらもデザインを巻き込み、メディアを通じて発信するということを連動させたことで大きくヒットしたのである。 このようにして伝統的なものづくりの企業の業績を回復させることによって、本業にとっても好影響を与えることになった。またこの和傘の店は子供たちへの和傘作り体験もはじめ、それも人気になっている。 地域活性化について 「現場百回」という言葉がある。現場主義の重要性を説く言葉だ。これまでの以下のような「現場」で地域活性化に携わった。 「平成光勧進プロジェクト」 「平成光勧進プロジェクト」は、東京墨田の「新東京タワー」建設予定地において、「新東京タワー」と同じ高さである610mのレーザーのタワーを照射し、その高さを実感してもらうとともに、その建設のため資金を「旦那衆」も参加することで支え、完成時には「勧進帳」に名を入れるというものである。この取組は広告代理店任せではなく、自分たちでやることにより、これだけのプロジェクトが安く実行できた。 天草の事例 天草といえば「隠れキリシタン」で知られるが、現在もそれを守り、クリスチャンなのは300人ほどであるという。天草を訪れてわかったことがある。それは、“イルカのまち”であるということだ。しかしそのことは外に向かって伝え切れていないし、地元のヒトもそれが魅力であることに気づいていない。 そこにいると気づかないことも、外部の人が入ることによって気づくことがある。外部の知恵の導入、コラボレーションの重要性は、外のものをいかに取り入れ、リデザインすることにある。 ものづくりは、思い込みだけで作ってもなかなか受け入れられないが、よそから来た人が「良い」と思うものを作ることによって受け入れられる。それがブランドの第一歩である。 地域も人が来てくれることによって活性化する。京都市南部地域は、人の密度は低いが、良いところ、良いものづくりはたくさんある。地域の資源を浮かし、新しい仕掛けをして行きたいと思っている。 質疑応答 Q 魅力的要素を発信するときの手立て A 主体と客観の二つの視点を持つことが必要。それとフットワークは軽く、アンテナを張り、知的好奇心を持ち続けることである。能動的に動くことにより情報が集まり、お金も集まる。自分ひとりだけでできることは少ない。人を巻き込み、人の知恵を借りてモノを作る。これがないとものづくりとまちづくりも難しい。 Q 違う価値を持つヒトとのスクラムの組み方は A 「無から有をつくる」ということについて。形のないものにお金をかけ、生み出そうという知識にお金を払うのが東京、成果物ができて、それにお金を払うのが関西である。その双方の文化を「翻訳」をしている。それが必要だからこそ京都と東京を往復してひざを突き合わせてディスカッションをしながら新しいものを生み出しているのである。 備忘録 「創造拠点づくり」について(論文終章) ・内発性のみでの産業や地域の活性化には限界がある。 ・コラボレーション、異質なものを導入することの必要性、重要性。 ・違う文化を持つ主体との協働や違った視点や考えを持つ人を入れることは、コンフリクトやディスコミュニケーションを起こす可能性がある。しかし、それを乗り越える竹にコーディネート、プロデュース、トランスレーションの機能が求められるのである。 ・「異質」を取り入れ、コラボレーションするためには、ナレッジマネジメント、「場」づくり、暗黙知を活用した知識共有と再創造が必要である。 ・先行研究レビューとしては、マーシャルの産業立地、外部経済、産業的雰囲気の考え方を元に、ポーターのクラスター論、ルーマンのオートポイエーシスの概念、ポラニーの暗黙知、野中の知識経営を踏まえ、さらにフロリダの学習地域論、創造階級論、ランドリーの創造環境論をくわえていくことで新たな論点が生まれよう。 |