代表理事の齊藤つぎさんと盲導犬訓練士・歩行指導員の中野薫さんにインタビューを行いました。
☆全国盲導犬協会ホームページ
http://cgdo.or.jp/
☆げんき-NETひたちなか団体情報 (財)全国盲導犬協会
http://www.genkinet-hitachinaka.jp/katsudoudisp_3.php?dai=3&tyu=6&index=1608
全国盲導犬協会は2012年12月に一般財団法人として認可された、茨城で初めての盲導犬協会です。質の高い盲導犬を育成し、視覚障がい者に貸与する活動を行います。現在、訓練施設『ローリーハウス』を東石川堂端に建設中。9月に開所の予定です。
代表理事の齊藤つぎさんです。
盲導犬事業に関わるきっかけは、1頭の引退犬を預かったことにあります。名前はローリー。愛情をこめて世話をし、最期を看取りました。
その後、愛犬の名にちなんだ基金「ローリー基金」を設立。盲導犬育成のための募金活動やパネル展などの啓発活動を10年以上にわたり地道に続けてきました。
「茨城にも盲導犬協会を」「家庭的な雰囲気の中で、完成度の高い盲導犬を育てたい」という願いがずっと心にありましたが、盲導犬協会の設立には様々なハードルをこえなくてはなりませんでした。今回皆さんの協力を得て、長年の活動で培ってきた周囲の応援に支えられて、盲導犬協会の設立を実現させました。茨城県を活動の中心としていますが、「要請があれば全国各地に駆け付けたい」「中野歩行指導員の育てた盲導犬が全国で活躍中」との思いから、名称を「全国盲導犬協会」としたそうです。
盲導犬訓練士・歩行指導員の中野薫さんです。
アイメイト協会創設者で日本の盲導犬第一号を育てた塩屋賢一さんの薫陶を受け、訓練士としてのキャリアを40年以上積んでこられた方です。盲導犬訓練施設の施設長を務めます。
1頭1頭違う性格を持つ犬を訓練することはとても根気のいる事業です。その過程とともに「盲導犬の問題を考えるときに忘れてならないのは、見えない方の歩行や移動をどう解決するかという視覚障がい者を主役に据えた視点です」と本質にせまるお話をしてくださいました。
犬は訓練によってコントロールのされ方を覚えますが、指示を出すのはあくまでも人。ユーザーとなる人は泊まりがけで4週間にわたる共同訓練を行います。施設にはそのための居室も設置。自立に向けてサポートをしていきます。また「共同訓練後もユーザーは盲導犬といるときは毎日が訓練になります」とのこと。だからこそ困ったときに連絡をもらえば駆け付けるという体制を整えたいとのことでした。
全国盲導犬協会には「しっかりした考えを持って質の高い盲導犬を育成し、考え方を理解してくださる方にお渡ししたい」という熱い思いがあります。「盲導犬は社会が育てた犬」とお二人がおっしゃるとおり、育成には多くの協力が必要です。現在、日本の盲導犬協会の運営は個人や企業からの善意の寄付や協賛金で成り立っています。また繁殖犬、仔犬、キャリアチェンジ犬、引退犬の世話など盲導犬の一生をボランティアが支えています。
盲導犬はペットではなく、視覚障がい者の大切な目。「盲導犬といることで視覚障がい者が活き活きできる」と齊藤さん。「白杖歩行に比べて目的地までかかる時間が3分の1になった」「風が爽やかに感じられる」というユーザーの喜びの声にこたえるため、多くの方が支援しているのです。
開所に向けての準備も最終段階に入り、ボランティアのもとで盲導犬候補となる4頭の仔犬の飼育も始まっています。「原点に返って」「地に足のついたところから」と繰り返しお話されるお二人の姿勢に盲導犬を育てるという事業の社会的責任の大きさを感じました。
全国盲導犬協会では8月25日(日)のひたちなか祭りで街頭募金を行います。
■表町商店街バルコン小池前
■勝田駅改札前
盲導犬について直接知ることのできる機会です。
興味がある方はぜひおたずねください。(文責:N)
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