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2017年04月24日

那珂湊図書館特別行事 3.11読み聞かせ会

〜朗読 藤倉まゆみ「東北語り(とうほくがたり)」〜
東日本大震災からちょうど6年の3月11日、大人にも読み聞かせの良さを知ってもらおうと企画された会に30名が集いました。照明を抑えた薄暗い室内。ほのかな光に照らされた藤倉まゆみさんが、「奇跡の一本松」という本を手に「どうか聞いてくなんせえ」と語り始めました…。

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■日時 2017年3月11日(土) 13:30〜15:00
■場所 那珂湊図書館


「おお〜い、誰かいねえのがあ〜」シンと静まり返った部屋に響く大きな声。それは、東日本大震災による大津波に陸前高田市の松原が根こそぎ持っていかれた日。奇跡的に1本だけ残った松が仲間を呼んでいる声でした。くり返し見た“一本松”の映像とともに、自分自身が体験したあの日の記憶が蘇ってきました。

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また、子どもに聞かせるには少しためらいがあるが、大人には知ってほしいと思う本も読んでくれました。原発事故の被害が及んだ地域で、売ることができない牛の世話を続ける方が「希望の牧場」という絵本に登場します。「ばかかなあ…でも俺牛飼いだから」と悩みながらも「意味があってもなくても牛と一緒にいる」と地域に残ることを選び、現在もその生活を続けているそうです。一方、地域を離れざるを得なかったひとの想いは「原発難民の詩」に赤裸々につづられていました。「もう住めぬと言われ…あっちこっちを移動し続ける根なし草のよう」「怒る元気があればいい。悲しみがあきらめに変わってしまった」と…。
東北の現状を感情を込めて伝える藤倉さんの語りに、そっと涙を拭う方も少なくありませんでした。

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朗読の後は、塚利心さんが作る小さなお地蔵さまについて、奥様である塚田恵子さんが話してくれました。震災で家族を一度に亡くし、施設で暮らす2歳の子が親を恋しがっていると聞き、利心さんはお地蔵さまを送ったそうです。それをきっかけに、震災で家族をなくした子ども一人ひとりに今も送り続けているとのこと。「会場にあるお地蔵さまは道案内の神様として置いているの」と優しい笑顔で話してくれた塚田さん。子ども達の人生もそっと見守ってくれるのですね…。

講師の藤倉まゆみさんは、読み聞かせの開催日を聞き「本当に私でいいのか?」と思い悩み、それでも「3.11は語り継ぐべきもの」と読む覚悟を決めたそうです。そして、青森市出身で“南部弁”を知る自分だからこそと、震災への想いが東北の方言でつづられた絵本や詩を用意してくれました。そうして迎えたこの日の14時46分。参加者それぞれの想いを胸に全員で黙とうしました。

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参加者の中には「思い出すのがつらかったが、6年を迎えた今だからこそ、震災と向き合ってみようと思い参加した。本当によかった」という声がありました。そんな勇気をくれた藤倉さんと塚田さん、そして那珂湊図書館の皆さん、本当にありがとうございました。
(文責:E)
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