2010年度那覇市立小・中学校の発達障害児童・生徒数の根拠。[2011年04月30日(Sat)]
「発達障害」という言葉を使う時に、医学的根拠に基づく話なのか、学校現場で使う医学的根拠の無い話なのか、どちらなのかと頭に浮かんでくるでしょうか。
何気なく新聞やテレビ、NPOの講座などで「発達障害」という言葉を使っていますが、文科省の6.3%という数字を使っているところでは、医学的根拠は無いと思ってもいいかもしれません。
児童精神科医の方が、臨床の結果導き出した数字であれば、どのような数字が出ても、とりあえず信じるしかないということはありますが、児童精神科医の判断ではないところの数字は、ちょっと待って!!と言いたいです。
「発達障害」という概念が、学校現場に持ち込まれ、特別支援教育の必要性が言われ、今ではすっかり浸透している感じです。
特別支援教育、特に特別支援学級で、保護者が望むような教育・子ども本人が望んでいる教育が行われているでしょうか。
現実に聞こえてくるのは、特別支援学級に子どもを振り分けた結果、ますます分断が進んでいるという様子。
健常者も障害者も一緒にというインクルージョンという考えを進めなければいけないはずが、これでは逆です。
「発達障害」を子ども本人にとって利益になるように支援するのであれば、文句は言いません。
問題は、問題のある子どもとして教育の現場から排除することにあります。
そして、学校のすすめに従って親が病院に子どもを連れて行って、「発達障害」と診断された子どもたちが、薬を飲まされ続けることが問題。
ここが、しつこく「発達障害」にこだわる理由です。
前々から、那覇市では子どもたちのちょっとした行動をすぐに問題行動として診断する傾向があり、特に不登校の子どもたちを発達障害の疑いがあるとして病院に行くように進めるなど、?な政策がとられています。
学校現場では、発達障害を診断・判断するものではないと言いながら、現実的には判断している。
でも判断していないといいはる。
不思議な自治体です。
たまたま2011年2月の定例市議会で「特別支援教育」についての質問がされたということを知り、公文書開示請求をしてみました。
那覇市教育委員会学校教育部長答弁は次の通りです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校教育部長答弁
整理番号 6-3-(1) (2)
平成23年(2011年)2月定例会
28日の個人質問 古堅 茂治議員 (共産党)
3 特別支援教育について
(1)特別支援教育の現状と課題を問う
(2)基本方針、総合推進計画策定にむけた取り組みを問う
所管 学校教育部 学校教育課 電話番号(891-3506)
古堅茂治議員の個人質問3の特別支援教育について順次お答えします。
(1)の現状についてですが、特別支援学級の設置数と在籍児童生徒数は、小学校は59学級で243名、中学校は26学級で101名となっております。
通常指導教室は4教室設置されており、45名の児童が通級しております。
発達障がい児童生徒数は、各学校からの報告データに基づき小学校約730名、中学校約280名、合わせて約1010名です。
児童生徒に占める割合は約3.4%になります
その中には発達障がいと診断を受けていない、児童生徒も含まれており、その数は小学校では約610名、中学校では約240、合計850名です。
児童生徒に占める割合は、約2.8%となります。
(以下省略)
全文は
↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この答弁によると、医師の診断を受けている発達障がいは160名ということになります。
では、あとの850名は誰が診断しているのか?
そこで、この数字がどのようにして出されたのか、調査方法なども公文書開示請求してみました。
そこで、出てきたのが「学習障害児等(気にかかる子)の実態について」という調査です。
これは、各学校が那覇市教育委員会から配っているチェック表に基づいて、気になる子について教員がカウントし、那覇市教育委員会へFAXで送り、それを学校教育課の担当者が集計した結果が答弁の数字とのことでした。
FAX送信票では、幼稚園・小学校・中学校それぞれの数字を書き込むようになっており、
項目は
LD
ADHD
高機能自閉症
アスペルガー
気にかかる子
以上の5項目です。
この「気にかかる子」というのは、児童生徒本人や保護者ではなく、学校の先生にとっての気にかかる子です。
この送信票の最後に注意書きが次のように書いてあります。
※LD、ADHD、高機能自閉症、アスペルガー症候群については、医師の診断を受けて診断名がはっきりしている児童の人数を記入して下さい。(複数の障害名がついている場合はどちらか主となる方を記入してください。)
そのFAX送信票は
↓
↑
この文書の2枚目に小・中学校の数字の内訳も入っています。
小学校での気にかかる子 → 609名
中学校での気にかかる子 → 243名
各学校で数字を記入して那覇市教育委員会にFAXを送ったのは、各学校に1名はいるとされる特別支援教育コーディネーターとのことでした。
市議会での答弁では「発達障がい」とわざわざひらがな表記になっています。
それが調査をする時のFAX送信票では、「発達障害」という記載は無く、「学習障害児等(気にかかる子)」となっています。
「発達障害」と統一されていないことにも注意が必要です。
さて、ここまで来たら、各学校から那覇市教育委員会へ送られたFAX送信票の学校別の個票を見てみたいと思いました。
学校教育課の担当者の集計が正しいかどうかを確認するためには、個票の中の数字をもう一度集計してみる必要があります。
で、当然公文書開示請求をしたのでした。
結果は、各学校から那覇市教育委員会に送られたFAX送信票の個票は廃棄処分されて無いので、文書不存在の不開示決定でした。
なぜ廃棄処分されたかという理由は、「各学校から送られたFAXは那覇市教育委員会の担当者のメモなので公文書ではなく、パソコンの集計画面に入力した後は、すぐに捨てた」ということでした。
これは学校教育課課長さんのコメントです。
はっし、もう!!
なんやてぇ〜!!
と、わけのわからない言葉で思わず叫んでしまうほどのミラクルが起きました。
各学校の教職員が職務として作成した文書(FAX送信票)を、職務として学校のFAXから那覇市教育委員会のFAXへ送った文書が私文書扱いなんて〜!?
市民をバカにするのもいい加減にせい!!
たとえ10円かかるかどうかの金額にしても、市民の税金でFAXを送っているのだから当然公文書でしょうが。
学校の先生が勤務時間外に自分の家のFAXから、学校教育課の担当者の勤務時間外に担当者の自宅に送ったのであれば、メモだと言ってもいいかもしれない。
(それにしても、職務上知りえた情報を送るのだから、別の意味で許されない行為ですが)
個票を請求したのが3月末で、開示されたのが4月になってしまったので、学校教育課の担当者は異動になっていて那覇市教育委員会にはいませんでした。
(この担当者は2011年4月からは、那覇市内の学校の教頭先生として勤めています)
あまりにびっくりした気持ちを押さえつつ、課長さんに「私文書ではなく公文書であること」を指摘すると、「あくまでもメモであり公文書ではないから開示する必要はないし捨てても問題は無い」と言われました。
でも、いろいろと突っ込んでいくと、「文書管理・保存規定もよくわからない」とか、「那覇市情報公開条例はよく読んでいないからわからない」と、平然と言われ、あまりに市民をバカにした言葉に怒りをどうぶつけていいかわからない思いで帰りました。
なにげなく公文書を開示請求してみたことから、那覇市の発達障がいの数の調査がざっくりとしたものであり正確ではないことや、やっぱりほとんどの発達障がいが教員にとって気になる子どもであることがわかったのですが、思わぬ副産物に驚きです。
ちなみにこの発達障がいの数字も根拠の一つとして、2011年4月から新たに臨床心理士が2名那覇市に採用されています。
行政の予算が追加される時というのは、こんなに適当な数字を使って決められるんだなということもわかりました。
市民はつくづく行政職員からバカにされているということがわかる出来事でした。
何気なく新聞やテレビ、NPOの講座などで「発達障害」という言葉を使っていますが、文科省の6.3%という数字を使っているところでは、医学的根拠は無いと思ってもいいかもしれません。
児童精神科医の方が、臨床の結果導き出した数字であれば、どのような数字が出ても、とりあえず信じるしかないということはありますが、児童精神科医の判断ではないところの数字は、ちょっと待って!!と言いたいです。
「発達障害」という概念が、学校現場に持ち込まれ、特別支援教育の必要性が言われ、今ではすっかり浸透している感じです。
特別支援教育、特に特別支援学級で、保護者が望むような教育・子ども本人が望んでいる教育が行われているでしょうか。
現実に聞こえてくるのは、特別支援学級に子どもを振り分けた結果、ますます分断が進んでいるという様子。
健常者も障害者も一緒にというインクルージョンという考えを進めなければいけないはずが、これでは逆です。
「発達障害」を子ども本人にとって利益になるように支援するのであれば、文句は言いません。
問題は、問題のある子どもとして教育の現場から排除することにあります。
そして、学校のすすめに従って親が病院に子どもを連れて行って、「発達障害」と診断された子どもたちが、薬を飲まされ続けることが問題。
ここが、しつこく「発達障害」にこだわる理由です。
前々から、那覇市では子どもたちのちょっとした行動をすぐに問題行動として診断する傾向があり、特に不登校の子どもたちを発達障害の疑いがあるとして病院に行くように進めるなど、?な政策がとられています。
学校現場では、発達障害を診断・判断するものではないと言いながら、現実的には判断している。
でも判断していないといいはる。
不思議な自治体です。
たまたま2011年2月の定例市議会で「特別支援教育」についての質問がされたということを知り、公文書開示請求をしてみました。
那覇市教育委員会学校教育部長答弁は次の通りです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校教育部長答弁
整理番号 6-3-(1) (2)
平成23年(2011年)2月定例会
28日の個人質問 古堅 茂治議員 (共産党)
3 特別支援教育について
(1)特別支援教育の現状と課題を問う
(2)基本方針、総合推進計画策定にむけた取り組みを問う
所管 学校教育部 学校教育課 電話番号(891-3506)
古堅茂治議員の個人質問3の特別支援教育について順次お答えします。
(1)の現状についてですが、特別支援学級の設置数と在籍児童生徒数は、小学校は59学級で243名、中学校は26学級で101名となっております。
通常指導教室は4教室設置されており、45名の児童が通級しております。
発達障がい児童生徒数は、各学校からの報告データに基づき小学校約730名、中学校約280名、合わせて約1010名です。
児童生徒に占める割合は約3.4%になります
その中には発達障がいと診断を受けていない、児童生徒も含まれており、その数は小学校では約610名、中学校では約240、合計850名です。
児童生徒に占める割合は、約2.8%となります。
(以下省略)
全文は
↓
2011228kojinsitumontokubetusientouben.pdf |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この答弁によると、医師の診断を受けている発達障がいは160名ということになります。
では、あとの850名は誰が診断しているのか?
そこで、この数字がどのようにして出されたのか、調査方法なども公文書開示請求してみました。
そこで、出てきたのが「学習障害児等(気にかかる子)の実態について」という調査です。
これは、各学校が那覇市教育委員会から配っているチェック表に基づいて、気になる子について教員がカウントし、那覇市教育委員会へFAXで送り、それを学校教育課の担当者が集計した結果が答弁の数字とのことでした。
FAX送信票では、幼稚園・小学校・中学校それぞれの数字を書き込むようになっており、
項目は
LD
ADHD
高機能自閉症
アスペルガー
気にかかる子
以上の5項目です。
この「気にかかる子」というのは、児童生徒本人や保護者ではなく、学校の先生にとっての気にかかる子です。
この送信票の最後に注意書きが次のように書いてあります。
※LD、ADHD、高機能自閉症、アスペルガー症候群については、医師の診断を受けて診断名がはっきりしている児童の人数を記入して下さい。(複数の障害名がついている場合はどちらか主となる方を記入してください。)
そのFAX送信票は
↓
↑
この文書の2枚目に小・中学校の数字の内訳も入っています。
小学校での気にかかる子 → 609名
中学校での気にかかる子 → 243名
各学校で数字を記入して那覇市教育委員会にFAXを送ったのは、各学校に1名はいるとされる特別支援教育コーディネーターとのことでした。
市議会での答弁では「発達障がい」とわざわざひらがな表記になっています。
それが調査をする時のFAX送信票では、「発達障害」という記載は無く、「学習障害児等(気にかかる子)」となっています。
「発達障害」と統一されていないことにも注意が必要です。
さて、ここまで来たら、各学校から那覇市教育委員会へ送られたFAX送信票の学校別の個票を見てみたいと思いました。
学校教育課の担当者の集計が正しいかどうかを確認するためには、個票の中の数字をもう一度集計してみる必要があります。
で、当然公文書開示請求をしたのでした。
結果は、各学校から那覇市教育委員会に送られたFAX送信票の個票は廃棄処分されて無いので、文書不存在の不開示決定でした。
なぜ廃棄処分されたかという理由は、「各学校から送られたFAXは那覇市教育委員会の担当者のメモなので公文書ではなく、パソコンの集計画面に入力した後は、すぐに捨てた」ということでした。
これは学校教育課課長さんのコメントです。
はっし、もう!!
なんやてぇ〜!!
と、わけのわからない言葉で思わず叫んでしまうほどのミラクルが起きました。
各学校の教職員が職務として作成した文書(FAX送信票)を、職務として学校のFAXから那覇市教育委員会のFAXへ送った文書が私文書扱いなんて〜!?
市民をバカにするのもいい加減にせい!!
たとえ10円かかるかどうかの金額にしても、市民の税金でFAXを送っているのだから当然公文書でしょうが。
学校の先生が勤務時間外に自分の家のFAXから、学校教育課の担当者の勤務時間外に担当者の自宅に送ったのであれば、メモだと言ってもいいかもしれない。
(それにしても、職務上知りえた情報を送るのだから、別の意味で許されない行為ですが)
個票を請求したのが3月末で、開示されたのが4月になってしまったので、学校教育課の担当者は異動になっていて那覇市教育委員会にはいませんでした。
(この担当者は2011年4月からは、那覇市内の学校の教頭先生として勤めています)
あまりにびっくりした気持ちを押さえつつ、課長さんに「私文書ではなく公文書であること」を指摘すると、「あくまでもメモであり公文書ではないから開示する必要はないし捨てても問題は無い」と言われました。
でも、いろいろと突っ込んでいくと、「文書管理・保存規定もよくわからない」とか、「那覇市情報公開条例はよく読んでいないからわからない」と、平然と言われ、あまりに市民をバカにした言葉に怒りをどうぶつけていいかわからない思いで帰りました。
なにげなく公文書を開示請求してみたことから、那覇市の発達障がいの数の調査がざっくりとしたものであり正確ではないことや、やっぱりほとんどの発達障がいが教員にとって気になる子どもであることがわかったのですが、思わぬ副産物に驚きです。
ちなみにこの発達障がいの数字も根拠の一つとして、2011年4月から新たに臨床心理士が2名那覇市に採用されています。
行政の予算が追加される時というのは、こんなに適当な数字を使って決められるんだなということもわかりました。
市民はつくづく行政職員からバカにされているということがわかる出来事でした。