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どう生きる大上段に語る叔父 [2017年12月25日(Mon)]

fumihouse-2017-12-25T18_18_47-1-thumbnail2.jpg吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』が本屋に平積みになっています。教条主義的なきらいはありますが、何のために勉強するのかという視点、人類が獲得してきた技術や知識を次代にいかに伝えるという点で、得るところの多い書物です。

コペル君こと本田潤一は十五歳。戦前の旧制中学校に通っています。ものの見方を叔父さんはコペル君に教えます。大学を出てまだ間もない法学士ですが、深い教養の持ち主です。

社会科学への眼を開いていくコペル君を通して著者は青少年へ啓蒙するのです。弱肉強食の生の資本主義へ警鐘を鳴らします。戦前にあって社会に矛盾を見つけることは即、社会主義や共産主義に眼がいくわけですから、当局はこの著者を警戒していたことと思います。特高(特別高等警察)が眼を光らせている頃です。こんな文章を書くなんて危険極まりない。さぞ勇気のいることだったでしょう。

多感で聡明なコペル君は亡くなった父の弟たる叔父さんに、信頼して何でも話します。本の構成は叔父さんがコペル君に語る「ノート」が中心です。その明晰で崇高なこと、誰にでも分かりやすく言葉も選ばれています。

≪子供のうちは、どんな人でも、地動説ではなく、天動説のような考え方をしている。(中略)人間がとかく自分を中心として、ものごとを考えたり、判断するという性質は、大人の間にもまだまだ根深く残っている。いや、君が大人になるとわかるけれど、こういう自分中心の考え方を抜け切っているという人は、広い世の中にも、実にまれなのだ。(中略)たいがいの人が、手前勝手な考えにおちいって、ものの真相がわからなくなり、自分に都合のよいことだけを見てゆこうとするものなんだ。(中略)自分ばかりを中心にして、物事を判断してゆくと、世の中の本当のことも、ついに知ることが出来ないでしまう。大きな真理は、そいういう人の眼には、決してうつらないのだ。≫
(『君たちはどう生きるか』吉野源三郎著,岩波文庫,1982年)

叔父さんはさらに語っていきます。
・人類の英知の継承と勉強する意義について
・貧富をはじめとした社会階層の差について
・リンゴが落ちたという事実から万有引力まで想像を押し広げることについて
・ナポレオンを題材に人生を切り開くと同時にいかに権力を使うかについて

とても興味深い内容ばかりです。多くのひとに読んでほしいと思いました。