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四十万孤立無援に海の端 [2017年10月13日(Fri)]

fumihouse-2017-10-13T18_05_21-1-thumbnail2.jpg戦闘はない、静かだ、初年兵の友について街路に出た、敵はいない、突然の銃声、銃弾が壁や地面に突き刺さる、仲間が倒れても助けられない、ひたすら逃げる、影に隠れて小さくなっている、かろうじて味方陣地に逃げこんだ、爆撃音が遠くに聞こえる、爆撃機の飛行音、ただ伏せる、爆弾が炸裂する、機銃掃射が友を貫く、こっちへこないでくれ、破裂音は今度こそここへ、目の前で爆発、飛び散る土砂、怖さを感じる余裕もない恐怖、独軍に包囲されて逃げ場がない、英軍と仏軍合わせて40万、艦船が救出に来てくれる、制空権を奪われて艦は撃沈された、怖いよ家に帰りたい、祖国を求めて?誰でもいい助けて、どうしたら帰れるのか、母さん父さんねえちゃん兄さん、死にたくないよ、戦いたくない、怖いでも生きたい、敵はどこにいる? 逃げろ、逃げられない、叫べ、どうしようもない・・・・

遊覧船の船長がドーバーを越えて戦場にむかう。かなりの年配だ。その年にしてなぜ戦場にむかうのだ? 船長は答えた。「私と同世代が始めた戦争で若者を死地に向かわせた、責任がある」と。そんな義勇と責任感を満載した船がドーバー海峡を進む。英軍の要請に応えたこともあるが、小さな民間船が何百隻(千?)と集まった勇気の救出劇。30数万人の将兵を救ったという。それがナチスへの反撃のきっかけになったのだ。映画『ダンケルク』には美しい夢のような映像はない。しかし人間の善性は美しいことを示してくれる映画である。

(戦場にはこんな無防備な笑顔はない。平和な笑顔が楽しい。讃岐のJR高松駅)