稲の穂が二度目に生るはひつじかな [2016年09月16日(Fri)]
早場米の収穫はすでに終わり、島根県が推奨する『つや姫』の収穫が始まっています。食味が良く倒れにくいといいます。
ところで、刈り取り後の稲株には小さな新しい稲が生えてきます。この名を穭(ひつじ)だと知りました。稲孫と当てた漢字もあり、秋の季語です。古今集に読み人知らずの歌がありました。 刈れる田に生ふるひつちの穂に出でぬは 世を今更に秋はてぬとか 刈り終わった田んぼにひつじの穂が出てこないのは、秋も終わり冬が近づき悲しくなるよ。この世をはかなむばかりだなぁ……。多分に作為的な感傷の和歌です。ひつじに再生する生命力を感じてほしいものですなぁ。 ところが、ひつじですが、実は中身がありません。本物の稲とそっくりな穂が出てくるのですが、コメにはならないんです。スッカラカンです。偽物なのです。ひつじなど出ても出なくても同じ云々と、まんざら読み人知らずのあの歌も的外れではありません。 (写真は島根県の推奨園芸品のトルコギキョウ。たぶん品名はSO八雲雅。Sは島根、Oはオリジナル) |