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決め台詞モロッコに咲く白い華 [2015年07月11日(Sat)]

fumihouse-2015-07-11T16_25_05-1-thumbnail2.jpgイングリッド・バーグマン(イルザ役)は、カサブランカと見まがうばかりの衣装を身につけていた。スノーホワイトのドレスの襟にゴージャスなブローチを付けていっそう美貌に気品を添える。恋に揺れるはかない女心を揺れる瞳に託した。映画『カサブランカ』には、カッコいい男の味わいある台詞も満載だ。ハンフリー・ボガート(リック役)の抑えた表情がたまらない。

EUを思う。フランスが悲願としたヨーロッパ統合は二度の大戦に起源がある。暴れまわったドイツを最終的には押さえ込んだものの、ドイツを敵対化させず取り込んで力を削ぐことにヨーロッパ共同体の主旨がある。汎ヨーロッパ主義を目指したクーデンホーフ=カレルギー伯爵を思いだす。通貨まで統合した結果が行き過ぎなのかどうか、今ギリシャ問題で真価が問われているが、ユーロを支える中軸となったドイツが暴れん坊になることは最早ないだろう。

映画にはフランスへのオマージュがある。国歌のラ・マルセイエーズが冒頭から幾度も編曲されて登場する。ドイツが国境を侵してフランスを征服し、ドイツにすり寄るヴィシー政権が本国を牛耳っていようとも、各地でレジスタンスの炎を絶やさないフランス人を賞賛していた。

リックの経営する酒場でドイツ軍将校たちがドイツの歌を我が物顔で歌うシーンも印象深い。対抗してフランス人たちが(ほとんどが亡命目的でモロッコのカサブランカに滞在中)、ラ・マルセイエーズを歌って押し込むところに胸がすく思いがした。

この映画の公開は1943年。世界大戦のまっただ中にあって、連合国よ負けるな!ファシズムなど何するものぞ!という矜持を示す映画でもある。米国生まれのリックは目下ドイツ軍と戦闘するアメリカを象徴していた。カサ・ブランカは白い家。ホワイトハウスは米国権力の象徴。アメリカへのオマージュでもあるのだ(アメリカ映画だから当然か)。ドイツの腰巾着のようだった警察署長が最終場面で、レジスタンス運動に理解を示すシーンも気持ちよい。

「君の瞳に乾杯!/Here’s looking at you,kid.」という天下の名訳とともに、何度も流れた曲「時の過ぎ行くままに/As Time Goes By」 が重なって頭の中を巡る。

酒場の女とリックのやりとりでカッコいい言葉を最後に備忘録として。
女「夕べはどこにいたの?」
リック「そんな昔のことは覚えていないね」
女「今夜、会ってくれる?」
リック「そんな先のことはわからない」

(カサブランカではないがササユリ。春の終わり、夏を呼び込むスノーホワイトの秘めたる熱情)