CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

« 2015年02月 | Main | 2015年04月»
<< 2015年03月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
検索
検索語句
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
最新コメント
ふみハウス
心地よし父の胸にて寝入る子よ (02/05)
心地よし父の胸にて寝入る子よ (01/27) ふみハウス
冷たくて濡れそぼる雨陽気待つ (01/26)
冷たくて濡れそぼる雨陽気待つ (01/23) 駅伝ワクワクをとこ
元旦の賀状楽しみ友を知る (01/02)
元旦の賀状楽しみ友を知る (01/02) 食欲のをとこ
食べ過ぎを防ぐためなりよく噛んで (11/02) 正中館道場
食べ過ぎを防ぐためなりよく噛んで (10/28) 計算苦手をとこ
筋力と宇宙の闘い空間で (06/29) 計算する者
筋力と宇宙の闘い空間で (05/15)
http://blog.canpan.info/fumihouse/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/fumihouse/index2_0.xml
最新トラックバック
乱されて花の群にて人狂う [2015年03月31日(Tue)]

fumihouse-2015-03-31T18_33_10-1-thumbnail2.jpg桜は心を乱す花、ひとを狂わす春の精。淡くてはかない薄桃色が、群をなしてや躍りだす。見るひと皆をたぎらせて、狂うそばから散っていく。花の吹雪は潔い、物の怪の影そこはかにあり・・・。

坂口安吾の『桜の森の満開の下』で、主人公の山賊は夢かとばかり輝く美女を略奪し妻とした。女に望まれるままに他人の財と命を奪いつづける。多くの生首コレクションを並べて、女は首遊びを楽しむという怖ろしい物語。桜の妖気がなせるわざであった。桜の精そのものが山賊を狂わせた。

≪だんだん歩くうちに気が変になり、前も後も右も左も、どっちを見ても上にかぶさる花ばかり、森のまんなかに近づくと怖しさに盲滅法たまらなくなるのでした。
(中略)ほど経て彼はただ一つのなまあたたかな何物かを感じました。そしてそれが彼自身の胸の悲しみであることに気がつきました。花と虚空の冴えた冷めたさにつつまれて、ほのあたたかいふくらみが、すこしずつ分りかけてくるのでした。≫

春は浮き立つ季節。木々や草が芽吹き、百花繚乱の舞台に誰しもが歌いだす。一方で憂き季節。新たな出会いはストレッサーとなってひとを悩まし、花粉症に目や鼻をやられ、思いがけず強い紫外線は美容の敵だ。心身の不調によって「一つのなまあたたかな何物かを感じ」、それが「自身の胸の悲しみであることに気がつ」いて、ひとはたじろぐ。春は憂きもの悪きもの、同時に楽しく弾むもの。桜は二律背反、ひと狂わせて、ひと喜ばす。

(竜のようにのた打つユキヤナギの花。目立たないけれど百花繚乱の季節の代表格だ)