天と地をつなげる道よ恐ろしや [2014年08月21日(Thu)]
≪広島は昨夜から尋常ではない雨雷が押し寄せ、報道されているような状況です。幸い、少し離れていたので、被害はありませんでした≫
私からの安否を問うメールに対し、広島・安佐南区に住む友人からの返信である。彼の自宅は被害はなかったものの、ご実家が土砂崩れの被害を受けられ避難生活をされているとのこと。お見舞いを申し上げた。 今回の災害に心が痛む。安佐南区、安佐北区の住宅地の惨状に目を疑うありさまだ。ニュースのトップは広島一色に染まっている。消防、警察、陸上自衛隊による救助活動は思うにまかせない。 土砂災害防止法(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)というのは、2001年につくられた法律である。土砂災害のおそれのある区域に危険を周知し警戒避難態勢を整備したり、住宅が危険な場所に立地しないよう開発を抑制するための法律だ。1999年にも広島で20人が亡くなられる土砂災害があったことをきっかけにしている。残念ながらこの大雨にあたり、法律の趣旨は生かされなかった。今回は不運が重なったということもある。 まずは深夜であったこと。広島市北部で20日午前2時過ぎから1時間に100mmを超える恐怖の豪雨が降ったことが一つ。もう一つは地盤を支える地質がもろいまさ土(花崗岩が風化したもの)であったこと。深夜であったことで広島市が避難勧告を出すのが遅れたのは人為ミスの要素だが、仮に午前2時に避難指示が出ていたとしても超のつく豪雨と真っ暗闇の中では、避難すること自体が大いに危険だ。 ≪どこにいても、災害は突然やって来るものですね≫と、彼は述懐していた。天災は忘れたころにやってくる、とは寺田寅彦の言葉だったと思うが、災害に遭うことは他人事ではない。自分には関係のない余所事だと考えるべからず。万人に災禍は引き起こると考えて自分が危ないと思ったら、逃げる、近づかない、誘い合って逃げる、私は大丈夫と逃げない人がいても引きずられない、空振りはやむを得ない…そうした心持ちで災害に対処していきたいと思う。 復旧にはまだまだ時間はかかるであろう。しかも不安定な天気は相変わらずで、北からの寒気と南からの湿った空気が混じりあって大雨の恐れは続く。自然は恐ろしい、地球は牙をむく。半面、自然環境は恵みに満ちている。 (広島に穏やかな空が戻り、苦しむ方々が早く安心して過ごせますように…) |