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よごれかな落とすに落とせぬけがれかな [2014年03月02日(Sun)]

__tn_20140302121055.jpg汚れ(よごれ)と穢れ(けがれ)は区別しにくい。大辞林第三番デジタルでは、両方の語にこの説明をあてているが、明らかに穢れの意味である。

≪死・疫病・出産・月経などによって生じると信じられている不浄・罪・災いとともに、共同体に異常をもたらす危険な状態とみなされ、避け忌まれる≫

一方で小説を参照してみよう。

江戸城無血開城の直前、正体不明の旗本・的矢六兵衛が既に主のいない殿中にて居座る。その扱いに困り果てていた尾張藩・徒組頭(かちぐみがしら)の加倉井隼人に対して、勝安房守(勝海舟)はこのようにたしなめる。

≪西の丸御殿の穢れは払うてほしい。汚れではなくて、穢れだ。すなわち、恨み、つらみ、不満、諍い、といった人間の醜い感情は禁忌なのだ≫ (『黒書院の六兵衛/上』浅田次郎著,日本経済新聞出版社,2013年)

穢れと汚れの違いがよくわかる。日本の思想では、汚れと違って穢れは拭ったり洗ったりしても取れない。断末魔の叫びや血の粛清があった場所に人は立ち入らず、入ったとしてもその場の利用価値は低い。穢れてしまったものを元に戻すためには、古式にのっとった禊(みそぎ)によって祓(はら)い清めることが必要、という思想である。

そんな面倒なことを言わなくても、「人間の醜い感情は禁忌」という上記の説明で納得できたような気がする。

(けがれを知らないクロッカスの蕾。もうじき満開となる)